持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

大向こう

2005-09-24 00:43:12 | 演劇:いろいろ
微妙に昨日(9/23)の歌舞伎バナシのつづき。
『大向(おおむ)こう』とは。もともとは常連さんの通う桟敷席のことだと聞く。それが、常連さん(歌舞伎ツウ)をさす言葉となって。今は、彼らが発する掛け声自体をさすようにもなっているらしい。役者さんが良い芝居をする。それに対する気持ちをのせて掛ける声だから。なければ寂しく、きっちりキマればすっとする。

基本は誰がやってもいいけれど。専門の方たちの集まりもあり、たしか関西では『初音会』という名だったと記憶している。こんなふうに。見物に通っていると事情がわかってくる。屋号は当然アタマにはいるし。特に3階席に通うと(←懐事情でね)、近くに座することになるわけで。よっしゃいくで、な準備態勢も感じられて。だんだん、掛ける間合いが体に入り。声量の強弱だってわかってきて。ここまでくれば。。仕末の悪いことに、やりたくなってくる。

顔見世(看板役者勢揃い)興行で聞く大向こうさんの声は、深くて渋くて絶妙の間ではいる。若い役者さんの舞台に出かけると、あきらかに掛かる声も若くて。あぁ、これから一緒に育っていくんだなぁと、しみじみしたりする。
だけどな。これは男声でなきゃ。たまに、女声を耳にすることがあるけども。あれはいただけない。あぁ、昔もこんな主張をして、フェミニスト軍団に叩かれたなぁ(←懲りてないらしい)。

不要なものを、削ぎ落としたところで磨かれるものがある。歌舞伎は、女性をそぎおとして磨き続けられてきた芸でもある。大向こうは、すでに演目のなかの必須事項で。そこまで含んで完成品だと考えるから。だったら、女声は不要だ。見物客は男女であっていい。女性であっても、向いた声質であれば許せるものもあるかもしれない。だけども。板の上の女形の声を偽者にするような、女声はいらない。

当時は、ここまで考えていたわけではないけれど。やりたい気持ちと、やっちゃいけない感の間で揺らいで。結局、寂しくなって。通うほうをやめてしまったんだけど。昨日の、久しぶりの歌舞伎見物は。こんなことも想ったりしてたんだけど。とっても楽しくて、好きなんだなぁと思ったよ。それなら。こみ上げる声は。全部拍手に換えとけ、こん畜生ってなもんだ。

そういえば。台詞で、「春には松嶋屋さんが来る」とあって。確かめてみたら。あら、ほんとに片岡仁左衛門さまがいらっしゃるじゃないですかーっ。相手役ってば、大和屋の坂東玉三郎さまじゃございませんかーっ。・・・わかりました、ひとりでも行けばよろしんでござんしょう?(←なにことば?)。あーぁ、幕間に一緒にお弁当を食べてくれる友は欲しいよなぁ。。

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2 コメント

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まぁ...! (mayumi)
2005-09-24 18:57:35
近ければお付き合い致しますものを!!



松竹座の三階席...勘三郎の襲名興行を義母のために手配した際に どうしても三階席しか取れなかったんだけど、松竹座は コンパクトな小屋だし 思った以上に 義母の反応は良くて、ホッとしました。



『夢の仲蔵』シリーズは見たことがないんだけど ホォ~ 大向こうさんが入りますか...ナルホド...そりゃそうだわね、千本桜のシーンで 声が掛からないと寂しいよね。「ヨッ! 高麗屋!!」



松嶋屋さんと大和屋さんのゴールデンコンビ...いいですね。

ぜひ、お行き遊ばして 感想を読ませて下さいね。

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Re:まぁ...! (こやま)
2005-09-25 02:05:07
>mayumiさま



ありがとうございますぅ。

なんとか冬までに連れを探して、ぜひっ!



大向こうさんは、劇団☆新感線でも大活躍でしたよ(笑)。

あのときの「染高麗!」は、なかなかオツなものでございました。
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