昨日帰郷。八重洲口の大丸の地下でお弁当を買う。バラエティがある。おこわ二種の弁当だったが、なかなか美味しい。いい天気、というか陽射しが強い。
新宿で特急に乗り、お弁当を食べ、矢島尚『好かれる方法』を読む。集中して読んでいたら一気に読了し、甲府の手前から爆睡した。陽射しが強く、南側の窓際席は眩しくて暑い。予約状況を見たとき、北側の席から埋まっていたのもうなずける。北側からは八ヶ岳がよく見える。南側からは富士山が見えるが、これは運良くタイミングが合わないと見られない。見える時間が僅かなのだ。八ヶ岳は車窓一杯に広がるので、こちらの方が初めての旅人にはお勧めだ。
午後から夜は仕事。いつもの火曜日の仕事は休みで、別口の仕事。それなりに忙しい。別の仕事の用意。必要があってネットで戦前の写真を探していたら、探していたそれらの写真に対し、知らない時代なのになんだか凄く懐かしさや親しみのようなものが湧いてきた。貧しくはあったが、日本が日本であった時代。日本のよさというのは、貧しい時代の方がよく現れるのかもしれない。それはおそらく、アメリカについてもそうなのだろうという気もする。
矢島尚『好かれる方法』。知らない仕事の説明なので感想と言うのも書くのは難しいが、いくつか。PRの仕事は成果主義ではなく「経過主義」で、最近ではある一定の基準を満たしたらプラスアルファ、という契約もあるとはいうが、原則は時給いくらで支払われるのだと言う。
PRの際のポイントが『キー・メッセージ』を伝えること。ヴィダル・サスーンというヘアケア製品のブランド復活のPRにおいては、「このブランドの新しいスタイリング剤が発売されたこと」と、「このブランドがファッショナブルで、クリエイティブで、モードをリードする存在であること」、がキー・メッセージだったと言うが、この名前がイギリスのヘアスタイリストで、シャンプー・コンディショナー・トリートメントを家庭でできるようにした人の名だというのは私などはへえと思った。
この『キーメッセージ』をメディアに「記事として(広告ではなく)」取り上げてもらうことがPRの主目的だということで、伝える内容は結局はシンプルなことなのだなと思った。しかしシンプルであるがゆえにそそうやって築き上げたブランドイメージもそれに反することが起こると一気に傷つき、信頼が失われるわけで、信頼構築と信頼維持、それが失われそうな事態が発生した時の危機管理、などがPRの仕事の本質だと考えればいいのだなと思った。
低用量ピルやキシリトールの話も医薬品や食品独特のPRの難しさが説明されていてこれも興味深いものではあったが、宮崎のシーガイアの話は読んでいて宮崎にいってみたくなるものだった。私はほとんどの県は行ったことがあるのだが、宮崎県と青森県だけは足を踏み入れたことがない。青森は深浦の夕日、宮崎は高千穂など、行ってみたい所はあるのだが、まだ実現していない。プラップジャパンのシーガイアのPRは今までの「昔の新婚旅行のメッカ」的なイメージを一新するものだったそうで、実際どんなものなのか、行って確かめたい気持ちになった。
危機管理の話では、リスクマネジメントの三段階のポイントと言うのが興味深い。一つ目は内在するリスクを特定しておくこと。二つ目はそのリスクをコントロール下に置くこと。三つ目はコントロールできなかったリスクが表面化しクライシスになったとき、それを収束すること、ということで、これはまあなるほどと思う。私の経験では一番難しいのがリスクの特定なのではないかと言う気がするが、それは仕事内容によっても違うのだろうな、と思う。
自民党のPR戦略についての話は守秘義務ということであまり語られていなかったが、以前読んだ世耕弘成『自民党改造プロジェクト650日』に書かれている通りだということで、この本を読んだ目で世耕補佐官の本を読み直してみるのも面白いかと思った。現在は中国にも進出しているそうだが、日本のPR会社では唯一だそうで、欧米の会社に比べると乗り遅れていて、それが中国に進出した日本企業の現地との摩擦を引き起こす一因になっていると言う話もなるほどなあと思う。日本に好意的な世論を構築する、という大きな仕事が究極のPRだと言う話はなるほど確かにスケールが大きいと思う。そういうことは『国家の罠』の佐藤優氏も書いていたが、佐藤優・矢島尚の対談のようなものを誰か企画してくれないだろうか。外交官とPRの専門家の日本PR戦略についての話し合いは興味深い。
PRという仕事は、自分のやっていることにもいろいろ関わってくるように思う。参考にして行きたい考え方もいろいろあった。
***
それにしても今朝は寒いな。ひどく冷え込むと言うことはないが、薄ら寒いのが広がりが大きいと言うか、何を言っているのか分からないが。しかしだんだん日もさしてきたので徐々に気温も上がって行くだろう。
2005年5月に休止した詩のメールマガジン『詩の林檎』を近々復刊します。ご興味のおありの方はそちらもどうぞ。
Too Many Expressions ―表現狂時代―というサイトを作りました。人間の行動の根本にある表現とその可能性について考えていきたいと思っています。このブログおよび『読書三昧』もその一環として位置づけなおす方針です。
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新宿で特急に乗り、お弁当を食べ、矢島尚『好かれる方法』を読む。集中して読んでいたら一気に読了し、甲府の手前から爆睡した。陽射しが強く、南側の窓際席は眩しくて暑い。予約状況を見たとき、北側の席から埋まっていたのもうなずける。北側からは八ヶ岳がよく見える。南側からは富士山が見えるが、これは運良くタイミングが合わないと見られない。見える時間が僅かなのだ。八ヶ岳は車窓一杯に広がるので、こちらの方が初めての旅人にはお勧めだ。
午後から夜は仕事。いつもの火曜日の仕事は休みで、別口の仕事。それなりに忙しい。別の仕事の用意。必要があってネットで戦前の写真を探していたら、探していたそれらの写真に対し、知らない時代なのになんだか凄く懐かしさや親しみのようなものが湧いてきた。貧しくはあったが、日本が日本であった時代。日本のよさというのは、貧しい時代の方がよく現れるのかもしれない。それはおそらく、アメリカについてもそうなのだろうという気もする。
矢島尚『好かれる方法』。知らない仕事の説明なので感想と言うのも書くのは難しいが、いくつか。PRの仕事は成果主義ではなく「経過主義」で、最近ではある一定の基準を満たしたらプラスアルファ、という契約もあるとはいうが、原則は時給いくらで支払われるのだと言う。
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PRの際のポイントが『キー・メッセージ』を伝えること。ヴィダル・サスーンというヘアケア製品のブランド復活のPRにおいては、「このブランドの新しいスタイリング剤が発売されたこと」と、「このブランドがファッショナブルで、クリエイティブで、モードをリードする存在であること」、がキー・メッセージだったと言うが、この名前がイギリスのヘアスタイリストで、シャンプー・コンディショナー・トリートメントを家庭でできるようにした人の名だというのは私などはへえと思った。
この『キーメッセージ』をメディアに「記事として(広告ではなく)」取り上げてもらうことがPRの主目的だということで、伝える内容は結局はシンプルなことなのだなと思った。しかしシンプルであるがゆえにそそうやって築き上げたブランドイメージもそれに反することが起こると一気に傷つき、信頼が失われるわけで、信頼構築と信頼維持、それが失われそうな事態が発生した時の危機管理、などがPRの仕事の本質だと考えればいいのだなと思った。
低用量ピルやキシリトールの話も医薬品や食品独特のPRの難しさが説明されていてこれも興味深いものではあったが、宮崎のシーガイアの話は読んでいて宮崎にいってみたくなるものだった。私はほとんどの県は行ったことがあるのだが、宮崎県と青森県だけは足を踏み入れたことがない。青森は深浦の夕日、宮崎は高千穂など、行ってみたい所はあるのだが、まだ実現していない。プラップジャパンのシーガイアのPRは今までの「昔の新婚旅行のメッカ」的なイメージを一新するものだったそうで、実際どんなものなのか、行って確かめたい気持ちになった。
危機管理の話では、リスクマネジメントの三段階のポイントと言うのが興味深い。一つ目は内在するリスクを特定しておくこと。二つ目はそのリスクをコントロール下に置くこと。三つ目はコントロールできなかったリスクが表面化しクライシスになったとき、それを収束すること、ということで、これはまあなるほどと思う。私の経験では一番難しいのがリスクの特定なのではないかと言う気がするが、それは仕事内容によっても違うのだろうな、と思う。
自民党のPR戦略についての話は守秘義務ということであまり語られていなかったが、以前読んだ世耕弘成『自民党改造プロジェクト650日』に書かれている通りだということで、この本を読んだ目で世耕補佐官の本を読み直してみるのも面白いかと思った。現在は中国にも進出しているそうだが、日本のPR会社では唯一だそうで、欧米の会社に比べると乗り遅れていて、それが中国に進出した日本企業の現地との摩擦を引き起こす一因になっていると言う話もなるほどなあと思う。日本に好意的な世論を構築する、という大きな仕事が究極のPRだと言う話はなるほど確かにスケールが大きいと思う。そういうことは『国家の罠』の佐藤優氏も書いていたが、佐藤優・矢島尚の対談のようなものを誰か企画してくれないだろうか。外交官とPRの専門家の日本PR戦略についての話し合いは興味深い。
PRという仕事は、自分のやっていることにもいろいろ関わってくるように思う。参考にして行きたい考え方もいろいろあった。
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それにしても今朝は寒いな。ひどく冷え込むと言うことはないが、薄ら寒いのが広がりが大きいと言うか、何を言っているのか分からないが。しかしだんだん日もさしてきたので徐々に気温も上がって行くだろう。
2005年5月に休止した詩のメールマガジン『詩の林檎』を近々復刊します。ご興味のおありの方はそちらもどうぞ。
Too Many Expressions ―表現狂時代―というサイトを作りました。人間の行動の根本にある表現とその可能性について考えていきたいと思っています。このブログおよび『読書三昧』もその一環として位置づけなおす方針です。
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