Feel in my bones

心と身体のこと、自己啓発本についてとつぶやきを。

金メダルをたぐり寄せた羽生結弦選手の「運命」と「意志」

2014-02-15 16:34:03 | 時事・海外
ワールド・フィギュアスケート 62
新書館


【金メダルをたぐり寄せた羽生結弦選手の「運命」と「意志」】

ソチ・オリンピックで、羽生結弦選手がフィギュア男子で優勝し、金メダルを獲得した。

冬季オリンピックでの日本選手の金メダルは同じフィギュアスケート、女子で優勝した荒川静香選手以来、8年ぶりのことだそうだ。

テレビでも何度も繰り返し放送されているので、ニュースやネットでは見ているのだけど、実際の映像はまだ残念ながら見ていないのだが、凄いなと思う。

しかし、人間には幸運というもの、持って生まれた運のようなものがあるなあと思う。

羽生選手が並外れた努力で今日の結果を手にしたことに関しては全く異論がない。しかし、オリンピックでの優勝、金メダルというものは、努力だけでは届かない、何か幸運のようなものも必要であるように思われる。

羽生選手は、ここ数年期待の若手ではあったが、今シーズンが始まるまでの日本選手のトップは明らかに高橋大輔選手だった。しかし今シーズンの羽生選手の成長ぶりは凄まじく、全日本を制したかと思えばグランプリファイナルでずっと勝てなかったパトリック・チャン選手まで破って優勝してしまった。

この勢いは、ジュニアからシニアに代わったばかりの頃の浅田真央選手を思い出す。彼女の勢いもすばらしく、グランプリシリーズを次々に制していくかと思ったら、ついにグランプリファイナルで優勝してしまった。2005/2006年シーズンのことだ。

しかし、彼女はオリンピックには出られなかった。わずかに年齢制限に届かなかったからだ。彼女の最初のオリンピックトライはその4年後、2010年ということになった。

14歳でのグランプリファイナル制覇。それは偉業だ。しかし、そのシーズンの日本選手の最高の出来事は、トリノ・オリンピックにおける荒川静香選手の金メダルになったからだ。浅田選手の偉業は、忘れられたとは言わないまでも、後景に退いてしまったことは否めない。

浅田選手はその後も世界のトップ選手であり続けた。しかしバンクーバー・オリンピックを制したのは、ジュニア時代からのライバルで、急激に調子を上げてきたキムヨナ選手だった。

このオリンピックで浅田選手がどれだけの成果をあげられるかは分からない。もちろん日本のトップであることは間違いないし、世界でもトップクラスであることもまた間違いない。しかし団体戦での不調は重圧の重さを感じさせた。浅田選手には重すぎる重圧を取り除いて、個人戦では最高のコンディションで臨んでもらいたいと切に願う。

羽生選手は、その急激な成長期とオリンピックが重なると言う、選手にとってもっとも幸運な偶然がぶつかった。滑るたびに前の自分を更新していく、その鮮やかさは、どんな選手でもいつでもあるものではない。まさに【化ける】という言葉がふさわしい。その今シーズン最高の【化け】を羽生選手はソチのショートプログラムで見せたのだ。

先に述べたようにフリーの演技を私はちゃんと見ているわけではないのだが、ネットで今まで見ていたところによると、選手たちは一人の失敗が次の選手の失敗を呼ぶという悪循環が起こったようだ。その中で失敗を乗り越えて最後はまとめた羽生が、失敗を取り戻せなかったチャンを上回ってついに優勝。勝利の女神は羽生に微笑んだのだ。

選手なのだから練習することも努力することも当たり前のことなのだろうけど、羽生はほかの選手にない経験をしている。それは、東日本大震災で被災したという経験だ。震災で自宅が全壊し、避難所暮らしの時期もあった。そのなかでスケートをやることの意味を問い続け、自分のできることはスケートで期待に応えること、とはっきりと自分の道を見いだしたと言う。

仙台で練習中に起こったというあの地震は、本当に恐ろしいものだっただろう。被災したリンクは使用できず、全国を転々として練習したと言う。それは一流のスケート選手にとって、というよりも一人の人間にとって、生きるのにぎりぎりの状況だったに違いない。

逆に言えばそのとき、生きてスケートをできることの意味や喜びを、誰よりも感じたのだと思う。だからこそ、最後に来てオリンピック優勝という最高の栄誉を、勝利の女神は彼に与えたに違いない。

ただ、その人生に何が起こるかというのは、やはり運命だとしか言いようがない。報道されているところによると日本代表のフィギュア選手たちの人生も、それぞれ一筋縄では行かない道を辿ってきている人が多いようだ。だからその意味では、運命を「持って生まれてきた」ということそのものが、彼の運の強さにおいて無視できないことなのだろう。

もちろん、「持って生まれてきた」だけですべてが終わりではない。人間は運命を持って生まれてきているけれども、それと同時にどう生きるかは全くの自由だからだ。

羽生選手は金メダルを手にし、それを「日本人として誇りに思う」と言いながら、それでも自分の演技への不満を強く持っている。つまり、まだまだ向上する意欲に満ちているのだ。そして「笑顔がありませんが」と言われて、「自分が被災地に何をできたかと思うと喜べない」という。拠点を仙台からトロントに移したことで、自分が十分に「被災地を背負って」戦うことができなかった、と自分自身への不満を持っているのだろう。まだ、仙台でも、やれたのではないか。もっと、被災地のためにできたのではないか。その思い。それはこれからも彼が、被災地のために尽くしていく、大きな原動力を持っているということを意味している。

つまり彼は、フィギュア選手としても、また人間としても、まだまだ限りなく前進していこうという意欲に満ちていて、「こんなところ」ではまだまだ満足できないのだ。

それは、「大欲」と言っていいだろう。

自分自身にももっともっと多くのものを求め、そして被災地のために、自分を支えてくれた人たちのために、もっともっと大きなものをお返ししたい。その欲の大きさ、望みの気高さが、彼の自由意志であり、持って生まれたもののすべてを生かして、この「幸運」をつかんだのだと思う。

すばらしい人間であり、選手だと思う。

羽生結弦選手の金メダルを、心から讃え、祝福したい。
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安倍首相はもっと評価されるべきだ/中国の情報戦略の戦線縮小傾向

2007-03-02 09:55:57 | 時事・海外
昨日。午前中は職場に出て少し仕事をし、それを済ませてから少し離れた本屋に歩いていく。駅前の本屋が閉店してしまい、周りには郊外型の本屋しかなくなってしまって、少し困っている。昨日行ったのはその中でも比較的町に近いところなのだが、駅前の書店が復活してくれないかと思う。

ただその本屋自体は半分が文房具のコーナーで(どういうことなのか知らないが、諏訪地方の書店は文房具屋とのミックスが多い。そういう業態で発達してきたのだろう)本を物色したついでに文房具も見られるので助かる。結局SAPIOとバネ式のバインダーを一つ買い、散歩がてら帰る。行って帰って歩けば1時間近くかかるのでまあ運動を兼ねてと思うしかない。

SAPIOをよむ。この号は面白い記事が多い。井沢元彦の李登輝へのインタビュー。これは前の号からの続きなのだが前の号が見当たらないので買わなかったのかもしれない。李登輝が安倍首相を高く評価しているのが印象的だった。

「中国大陸と碁を打つには、布石を打たなくてはいけない。安倍総理がまず中国に足を運んだのは、布石として非常にいい。」「愛国心と倫理観は本来直結するものです。だから、中国大陸に本当の意味の愛国心なんてない。あるのは愛国主義や民族主義で、こういうのは結局、権力者がする遊び、民衆をあやつる遊びなんです。」

このあたり、私が感じてはいたけれどもうまく言葉にならないことを言葉にしてくれ、そしてその先までみせてくれた感じがして、非常にすうっとした。李登輝の発言には私は非常に感銘を受けることが多いのだが、彼の日本や中国を分析する目は非常にクリアーで、どこに問題があるのかを常に鋭く指摘することができ、そのあたりは感服するしかない。ただ外国の政治家であるから常に意見が入ってくるということはないし、歪曲された雑音が聞こえてくることも多いから、井沢のような人が心中を聞き出してくれると大変嬉しいと思う。

「安倍総理にはすべての資源と権力が与党にあるということを認識してほしい。国会も与党が過半数を握っている。だから、国会ですべての問題を処理できるよう運営する術を身につけることが重要です。」

この言葉は、あたりまえのことを言っているようで、ものすごく重要で見落とされがちなことを指摘していると思う。政治の世界では裏工作が重要だ、というような印象があるけれども、また総理直属のトップダウンみたいなことが奨励されているような印象があるけれども、議会制民主主義国家ではすべての問題は国会で処理され、立法化されたことが最も力を発揮することは言うまでもないし、官僚や族議員などの言わば政治におけるサブシステムを必要以上に評価することはなんというか玄人が陥りがちな陥穽とでも言うべきもので、愚直に国会で「すべての問題」を処理していくことが重要だと思う。

そういう意味ではさっさと防衛省昇格法案や教育基本法改正案を通過させた安倍首相の手腕は議会制民主主義の王道を行く手際のよさで、永田町の玄人雀が裏技ばかり評価する悪癖から安倍首相を酷評していてもそういうのはほっとけ、ということなんだなと思った。今まで国会の場で議論すら出来なかったことが議論できるようになっているということ自体が重要で、あまつさえ立法を成立させてしまうのだから安倍首相の手腕はもっと高く評価すべきなのだ。支持率が今のところ低くても、今の感じで政治的課題を解決していけば、自然に正当に評価する人たちも増えてくるだろうし、そうなれば支持率も上がるだろう。そういう議会制民主主義を正道に戻す役割として、安倍政権が持つ意味は大きいのではないかと思った。

台湾人の現状に対する苦言としては、「今の若い人は、自己を律するとか正直であるとか日本的な精神には注意を向けていない。」「中国人というのは口がうまい。ところが何一つ実行しない。口だけ。それと、信念のようなものがなく、精神面が弱い。今の台湾でも日本的な精神が薄れてきて、中国的になりつつあるんです。」ということを言っている。現実の現在の日本人の精神のありようとは別に日本精神というあるイデアがあると思った方が考えやすいが、自律、正直、信念と言ったものは、私のようなものにはともかく、そういうものを感じる人が多いことは事実ではある。つまりはある種の軽薄さが勝ってきているということなのだと思うが、もちろんそれは現代日本の問題でもあるだろう。

台湾から金沢に行くチャーター便が増えていて、加賀屋という旅館には年間で1万人以上が泊まっているのだという。それは烏山頭ダムを作った八田与一が金沢出身と言うことで、交流が盛んになっているのだという。

「西側としての価値を共有する」ということがよく言われるが、もっと深いところでの価値を共有しえる国はもっと身近なところにあるのだと思う。朝鮮半島のように近くても価値観がかなり根本的に異なる国もあるが、近いところからもっと交流を深め、その価値観を守り育てていける関係を築いていくことは重要だろう、と思った。

佐藤優「インテリジェンス・データベース」。中国のインテリジェンス(情報活動)で一番弱い部分が宗教に対する研究だ、という指摘はなるほどと思った。特にイスラム過激派に付いては近年までかなり自由に活動できていたので問題がかなり大きくなってしまい、東トルキスタン(新疆ウィグル自治区)の問題にはかなり神経を尖らせるようになってきた、という指摘は新たな認識を得たように思う。そして、「中国のインテリジェンス戦略の特徴として、標的を焦眉の脅威に対してのみに絞る、つまり戦線を縮小する傾向が挙げられる」という指摘はあっと思った。これは多分中国政府というか中国人という民族の本質を突いているように思う。

「一点突破、全面展開」という言葉があるが、「当面の敵」を定め、それを打ち破るために全力を尽くし、そのためには仮想敵とでも手を結ぶプラグマティズムのようなものが中国にはある。もちろんアフリカ諸国に「恩恵を施す」ような、新たな中華秩序を形成するといった努力も忘れないが、「敵を絞り込む技術」はアメリカや欧米以上だと思う。

そしてその「当面の敵」をイスラム原理主義においた、という指摘はそのとおりだと思うし、それによってかなり多くの疑問が解ける。ロシアと和解し、インドと和解し、北朝鮮問題を御し、日本の安倍首相も歓迎する。だから今がチベット政策を変えさせるチャンスだ、という指摘もそのとおりだと思う。

また、カトリック教会との対立解消の方向性の指摘は、「プロテスタント神学者」佐藤優の独壇場だろう。カトリック教会はカトリックの典礼とローマ教皇の叙任権を受け入れなければその教会をカトリックとは認めないわけだが、(こんな基本的なこともつい再確認してしまったが)ドイツ・オーストリア・スイスには儀式はカトリックと同じだが教皇の叙任権を認めない「古カトリック教会」が存在するということは初めて知った。これはドイツが「ローマの牝牛」だった頃の反発の名残りだろうか。中国のカトリックに対する姿勢の軟化はイスラム過激派に対する「共通の敵」意識によると佐藤は指摘するのである。

教皇ベネディクト16世の舌禍事件(ビザンチン皇帝パレオロガス朝マヌエル2世の「ムハンマドがもたらしたものは剣によって信仰を布教する命令といった邪悪と非人間性だけだ」という言葉を大学の講義で引用したことによりイスラム諸国が激しく反発し、教皇が事実上の謝罪を行ったこと)から、カトリック教会はイスラムに対する警戒感を一層強くし、それが宿敵共産中国との接近をもたらしているというわけである。これらの分析は非常に興味深いものがある。

小林よしのり「ゴー宣暫」の欄外に、「安倍晋三の資質は高く評価してるんだが、実に惜しい」という小林のコメントが出ていて、政府の政策や姿勢を一貫した立場から批判したり擁護したりしている小林としては、最近安倍政権を批判することが多かったのだけど、本当は高く評価したいという本音がポロリとこぼれていてちょっとこれも共感した。小林は中西輝政や岡崎久彦らの親米派を切れない安倍を歯痒く思っているのであるが、それをまるで諭すかのように李登輝が井沢元彦との対談で、井沢が「安倍総理はちょっと優しすぎるんじゃないかと。さまざまな意見を吸い上げようとして、意見の合わない人も内閣に入れて苦労している。「切るべきは切る」と言っていたはずですが、徹底していない。」というのに対し、「総理になったばかりだからですよ。切れないものを無理して切る必要はないと私は思う。」といなし、井沢も、「そうですか。指導者の立場にあった方にしかわからないこともあると。私は少し性急過ぎたかな(笑)。」と答えていて、可笑しかった。きっと小林も李登輝にそういわれたらなるほどと思うところもあったんじゃないかという気がした。

『カスタマイジング・ズープス』読了。面白かった。さらにphpやMySQLについても勉強してみようという気になった。ネットで何かやろうとするなら、それも当面は自分だけで何とかしないとするならば、こういうネット技術についてある程度以上は精通しておくことは必須だなと痛感した。まだまだ道は長いけれどもちょっと頑張ってみようと思った。

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夜は比較的仕事は暇だったが、今後に向けての話が少しあり、いろいろの兼ね合いの中でまあ何とかこれでいけるかなという方向性も少し見えたのでよかったと思う。夜はけっこう冷え込んだ。

野口晴哉『体癖』第1巻を読んでいて、鳩尾の左右に「癪」と呼ばれるものが出来ることがあり、左に出来るものを胃癪、右に出来るものを肝癪(癇癪ではない)という、という記述があって、右になんとなく変な感じがあったので少し押さえてみたらそれまであったなんだかわけのわからないイライラ感のようなものがすうっとなくなってへえと思った。『バーテンダー』を読んでいたときに、苛々している外国人客に「合わない靴で大変のようだから靴屋に行ったらどうか」と一目見て指摘したコンシェルジュの話が出ていたが、人間にとってそういう生理的なレベルでのいらいらはなかなか理由がわからなくてただイライラが募ることも多い。それをすべて心理的なレベルで説明しようとするから無理があるのであって、生理的なレベルでそれを分析することは合理的なことだと思った。

今朝もわりと寒い。
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ラムズフェルド長官更迭/白川静先生

2006-11-09 08:15:44 | 時事・海外
今朝も寒いが穏やかな日より。ただ気温は0度台まで下がった。いよいよ冬がやってくる、という実感。今日あたりが立冬だろう。もう過ぎたかな。

アメリカの中間選挙、野党民主党の勝利。イラク戦争の責任をとって、ラムズフェルド国防長官が更迭されたという。ネオコンや「最大の衝撃」戦略、アグレッシブな国際姿勢が見直しを図られるということになるか。アジア戦略にどのくらいの影響が出てくるかは、まだ未知数だ。

それにしてもやはりアメリカという国はドラスティックな変化を起こす国なのだなと再認識した。イラク政策もどの方向に変えることができるのか、あまり想像はできないが、ただ議会民主党は政権と協力してイラク政策を決めていきたいといっている。政権と議会多数派が異なるとき、どのような協調路線が取れるかは不明だが、もちろん民主党の方としてはなるべくイニチアチブを取っていこうとするだろう。政権とどのような対話がなされ、どのような方向に進んでいくのか。

昨日は仕事はまあまあの忙しさ。今困っている事態も何とか先が見えつつある。良いほうにこのまま進んでいって欲しいものだ。

昨日は雲ひとつない快晴だったが、今朝も窓から見る限りではそうだ。気温が下がり、空気も乾燥していくだろう。色づいた山がだんだん冬の色になっていく。こげ茶色の今の山が、私は好きだ。

白川静・渡辺昇一『知の愉しみ・知の力』(致知出版社、2001)を読み直す。感想はこちら。久しぶりに読むとこういう世界があるんだよなあと思って嬉しくなる。


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中国によるチベット弾圧動画

2006-10-22 08:13:13 | 時事・海外
こちらのニュースを見てYouTubeを探してみた。

こちらや、そのほかにも動画がいろいろあるようだ。中には18歳以上であることを示しログインしないと見られないのもある。

北朝鮮の陰に隠れて、より深刻なのは大国として振舞う中国の少数民族の弾圧状況だろう。

こちらはチベット仏教の僧侶たちを弾圧する場面。欧米では非難の声が高まっているというが、日本ではまだ微弱なようだ。中国の実態はもっと広く認識されるべきなのだと思う。
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北朝鮮核問題についての観測

2006-10-21 16:21:31 | 時事・海外
ちょっと追加。

北朝鮮の核問題、どうやら一段落というか小康状態になったようだ。

北朝鮮の核実験は結局失敗で、もう一段階の実権をやるにはもう少し準備が必要で、そのためには時間稼ぎが必要だ、という観測があるが、それが一番現実に近いのではないかという気がする。

実際のところはよくわからないのだが、しばらくは動きが止まるのではないかという気がする。
コメント (3)
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アメリカに初の黒人大統領が誕生するか/『アンネの日記』を火中に投じるネオナチ

2006-10-20 11:51:13 | 時事・海外
昨日は朝から出かけて松本で仕事。今回の仕事のうち一番どうなるのか予想のつかなかった回だったのだが、自分なりに受け入れられる片付け方が出来てほっとしている。午後の田舎道を歩くと風が快い。朝夕は冷え込むのだが、日中はかなり暖かく、風も優しい。途中まで歩いたところで同僚の車が拾ってくれ、駅まで送ってもらった。電車の時間までかなりあったので近くの本屋に行って本や文房具を見る。長野県ではどういうわけか、本屋では必ず文房具を売っている。文房具屋には本は置いてないが。

夜は仕事の始末をつけたり別の仕事をしたり。夜食事をするとき報道ステーションを見ていたら唐カセンの平壌訪問のニュース。この『厳命』の人が今中国外交のトップだと言う。北朝鮮はどのような反応をしたのか。

夜は疲れて早く寝た。朝も6時には起きられず6時半になる。散歩に出かけ戻る。朝は曇っていた。9時に歯医者の診察があって出かける。今回で一応治療は終わり。結局、右上だけ歯槽膿漏が進んでいた原因はわからずじまいなのだが、状態はよくなっているとのこと。なんだか面倒な病気だ。

今はかなり晴れている。歩くのが気持ちいい。帰ってきて何の気なしにCNNを見る。ラリー・キング・ライブでイリノイ州選出のバラック・オバマー上院議員のインタビューを見ていたが、非常に好感のもてる人物だった。ケニア移民とアメリカ人の間に生まれたと言うことだが、母親の名はイギリス系の名なので白人か相当古くからいる黒人ということではないかと思う。この人物が次回の民主党の大統領候補に名が上げられているという。確かに東アフリカ系の顔をしているのだが、とてもスマートでインテリジェントな印象を受けた。1961年生まれで若々しいし、カリスマ性もあり、黒人政治家らしいあくの強さもない。グーグルで検索してみると日本語ではほとんど名があがらず、僅かに東亜日報でアメリカ政府はi-pod政府を目指さなければならない、つまりよく仕事が出来て競争力がある政府を作らなければならない、と発言しているのが引っかかるくらいである。端的に言って日本では全く注目されていない政治家といっていい。細かい政策を熟読しているわけではないので問題がないと断言は出来ないが、非常に興味深い人物である。

民主党の大統領候補といえばヒラリー・クリントンだが、ヒラリー氏よりはるかに好感が持てる。スピーチの内容もジェファソンやフランクリンを引用したり、アメリカの「結束」を訴えていて、二つのアメリカの分裂に苦しむ現代にはふさわしい政治家だ。サイトに共和党のリンカーンの肖像画が掲げられているのは、「分れた家は立つことが出来ない」という有名なリンカーンの演説に由来するのではないかと思う。

まだまだ黒人大統領を選出するような度量はアメリカにはないような気もするが、タイガー・ウッズのようなさわやかさを持つ黒人大統領が選出されるならば、アメリカもまだまだ捨てたものではない、という気持ちにさせられる。まだまだ日本では知られていないが、注目したい政治家だ。

***

小川洋子が谷崎賞を受賞した。もうますます凄い感じだ。『深き心の底より』を読み進む。『アンネの日記』についての考察が深く、実は読んだことのないこの本をはじめて読んでみてもいいなと言う気にさせられた。同じ昨日にドイツではネオナチが『アンネの日記』を大勢で火中に投じて気勢をあげたのだと言う。人間の中の何かと何かの戦いは、人間の心の底でも、政治的な行動としても、ずっと続いている。

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北朝鮮で核実験

2006-10-09 12:37:56 | 時事・海外
北朝鮮が核実験 プルトニウム型原爆か(共同通信) - goo ニュース

核実験、やったのか?
本当はどうなのか、よくわからない。
韓国の報道もガセネタのこともあるし、北朝鮮の『人工衛星』は北朝鮮自身しか「確認」していないし…

本当はどうなんだ?

***

専門家のコメントを読む。プルトニウム型の原爆の場合、完全な核分裂ができず、小規模な爆発になることがあるのだという。これを読むと、やはり核実験は実施され、完全ではなかったが、その何割かの目標は達成したということなのだと思う。

直ちにあらゆる選択肢を検討していく必要があるのだろうと思う。
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アンジェラ・アキ

2006-10-08 17:49:38 | 時事・海外
アンジェラ・アキの『レイン』

YouTubeの動画をくっつけられるかと思ったのだけど、gooblogはそういうことがほとんどできないんだよね。

仕方がないからリンクだけ張りました。ほとんど自分用といってもいいのだが。
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ジョンベネ事件容疑者逮捕

2006-08-18 09:56:09 | 時事・海外
ジョンベネ事件の容疑者が逮捕されたという。

私の記憶に間違いがなければ、あの事件のとき私はアメリカにいた。病んだアメリカの象徴のような事件だと思った記憶があるが、あれからもう十年。振り返って現代の日本のことを思うとぞっとする。

ジョンベネは父が億万長者で母がミスウェストヴァージニアという絵に描いたようなアメリカの勝ち組で、コロラドのボルダ―に住んでいた。ボルダーという町は私も知り合いの結婚式で行ったことがあるが、ロッキーの麓の美しい町で、かなり遅い時間に歩いても全然危険がないというアメリカでは珍しいのではないかと思うような町だった。そこで幼児虐殺事件が起こったのだから大騒動だったのも無理はない。

しかし6歳の子どもが飾り立てられてミニスターのようにおしゃまさんを演じるのを見て大人が喜ぶというのもかなり歪んだものを感じたものだが、十年経ってみると日本でもそういう感覚がほとんど麻痺している気がする。子どもを飾り立てるのが流行るだけでなく、なんというか慎み深い中産階級の質素で常識的な美徳というものが完全に崩壊しているということなのだろう。もう今ではジョンベネは奇妙なものというより、ただ単に幼くして幼児性愛の変質者に殺されたかわいそうな犠牲者でしかないのだが、当時はもっとその「育て方」への疑問があったし、だからこそ両親が疑われたりしたのではないかという気がする。

当時他に話題になっていたことといえば、1、2年はずれるかもしれないが、クリントンの「不適切な関係」だった。アメリカは当時確かに好況だったが、どうなってるんだこの国は、という感じがあった。あの奇妙な退廃的な浮かれ具合が、ほりえもんや村上ファンドのどこかねじが外れたようなありようとどこかで通じているものがあったんだなあという気がする。

十年経ってみて、この十年がどれだけ日本を変えたのか。中流の崩壊、というのは確かに大きい。

2006年という年は、なにかまだまだいろいろ動き出しそうな年だ。いいほうに動いてくれたらと思う。何がいいことなのか、いったい誰にわかっているのだろうとも思うけれども。




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多様性とピュアリズム/イスラエルとヒズボラ/伊賀と伊勢

2006-08-11 08:20:42 | 時事・海外
今日も天気がいい。暑くなりそうだ。

昨日は新しい原稿に取り掛かる。わりあい自然に筆が動いているが、やはりところどころで考え込む。考えなければもちろん書く意味はないので考えるのはいいのだが、表現の仕方が幾らでもあることを書いているだけに書き方に迷うところが多い。それも「書く」ということの醍醐味の一つ。いろいろ考えながら書いてみたい。やはり書けば書くほどある意味余裕のようなものも出てくるし、肩の力も抜けてくる。文の選択の幅もひろがるし、やはりどんどん書かなくてはと思う。

歴史の方は昭和初期(5・15以前)について考えたが、大正時代に比べると少し勢いが下がっている感じは確かにする。なんというか、昭和になると「多様性」が失われる感じがするんだよな。特にこの時代に大きいのは左からの全体主義思想、つまり日本共産党の影響力だ。そしてもちろん満州事変以降は軍部の発言力も強まる。そして血盟団事件。右からのピュアリズム。やはり5・15、すなわち政党内閣の終焉で一つの時代を区切るのが妥当だなと思う。

昨日は仕事はまあまあの忙しさ。冷房がよく効いていて寒いので、昨日はカーディガンを羽織ることにした。どうも私は冷房は苦手だ。

SAPIOとビックコミックの新しい号が出ていたので買う。靖国「問題」をめぐり、小林よしのりとほぼ同じ考えであることが判明。まあ多分論理的に考えてそういうだろうなとは思っていたが。「左翼による昭和天皇の私的発言の政治利用に対する批判」はもっとなされるべきだ。

佐藤優がイスラエルとヒズボラの対立でイスラエルを全面的に支持すべきと言う意見を出していて、まあそれなりの説得力はあるなと思った。今回の戦闘がヒズボラの「拉致」によって始まったこと、北朝鮮のミサイル技術がイランに流れ、それがヒズボラに回っているという構造を考えればイスラエルの側に立つのがモラル的にも正しいということなのだが、なかなかそれは難しいな。イスラムとユダヤと、どちらの側に立つべきという明確な基準が日本にあるわけではない。石油の供給を考えればイスラム、アメリカとの関係を考えればユダヤ、ということになってしまうが、ことはそんな単純な二項対立ではない。

結局イスラエルというシオニズム国家の存在をどう考えるかということになって行き、現地のアラブ人を追い出して成立したイスラエル国家を倫理的に支持する思想はなかなか日本では用意できないだろう。だからといって現に存在する近代国家でありアメリカの支持とユダヤ人ネットワークを通して強大な発言力を有するイスラエルの存在を根底から否定することも現実的でないばかりか欧米の贖罪意識によって倫理的に強いサポートを受けていることを考えると倫理的にも危ない。

おそらくこの問題に関しては、日本でももっと根本的に考察が深められるべきなのだと思う。しかしそれを考えるためには日本の規範というものは弱いと痛感せざるを得ないが。

今日から伊賀・伊勢地方に旅行。中学の同級会に出席し、神宮を参拝してくる予定。よって13日夜までは更新できないと思います。皆様も良い週末を。




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