第 1418
|
◆ ◆ 志貴皇子の懽の御歌一首 |
石ばしる 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも
|
|
志貴皇子 ◆ ◆ |
|
::: 読み ::: いはばしる たるみのうえの さわらびの もえいづるはるに なりにけるかも ::: 意訳 ::: 岩にほとばしる滝のほとりのワラビが、芽をふくらませてくる春となったんだなあ |
::: 備考 :::
万葉集 第八巻の巻頭、「春」を飾っている歌やね。
早春の色が目に浮かぶような景色を想像させてくれるね。 「いはばしる」は勢いよく水がしぶきを上げながら岩の上を激しく流れる様子で、「さ蕨」はワラビの新芽のこと。 雪解け水が勢いよく落ちる滝のそばにワラビの新芽の薄緑色がたくさん出てきて、雪の白一色だった冬から、いろんな色の春がいよいよ始まるウキウキ感が出てるよね。 そうやね「いはばしる」とか「もえいづる」とか暖かくなってくると植物も動物も動きが出てきて忙しいわね。 あ~いよいよ暖かい春やね。 |