言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

相思はぬ

2024年01月22日 | 万葉集

#相思はぬ……★☆ 相思はぬ 人を思ふは 大寺の 餓鬼の後方に 額つくごとし: 笠郎女 : 歌意:互いに思わない人を一方的に思うのは大寺の餓鬼の後ろで額をすりつけて拝むようなもの。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あひおもはぬ ひとをおもふは おほてらの がきのしりへに ぬかつくごとし

餓鬼(がき)=生前悪いことした報いで,餓鬼道に落ちた亡者(もうじゃ)のことやで。

ところで、あっちの方なんかえらいにぎやかやなぁ。

あっ、笠郎女(かさのいらつめ)さんじゃないですか!

えらいにぎやかですね。

笠郎女:あらっ、マナ女ちゃん、そうよ。今、新年の女子会で恋バナトークしてるのよ。

こちらの姫君の好きな人の話なんだけど、お相手の若様は全く見向きもしてくれないんだって。

そんな若様を一生懸命思って恋焦がれてもばかばかしいから、やめとき、やめときってみんなでとめているところよ。

でも、一生懸命思っているといつかは通じるのでは?

笠郎女:何を言ってるの!いつかは来ないのよ!それより思い思われるもっといいお相手をさっさと見つける方が先よ!

へぇ~、そうなんですか。

笠郎女:そうよ!万葉女子は恋に対しては意識高めなのよ!おほっほっほ!

マナちゃんもさっさと次の恋に進むのよ。

はぁ~い、勉強になりました。


年の始に

2024年01月04日 | 古今和歌集

#年の始に……★☆ あたらしき 年の始に かくしこそ ちとせをかねて たのしきをつめ: 詠み人知らず : 歌意:新しい年のはじめに千年も繁栄するように心に願い楽しい事を積み重ねよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第二十巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

みなさん、お元気?

明けましておめでとうございます。

さっそく読み方やでぇ~

あたらしき としのはしめに かくしこそ ちとせをかねて たのしきをつめ

かくしこそ=は他人に知られないようにの意味ね。

ちとせ(千歳)=は千年とか途方もなく長い年月の意味ね。

この歌の枕詞には「大直毘(おほなほび)の歌」とあるわね。

この大直毘は日本神話に出てくる神様で、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)黄泉(よみ)の国から戻った時に禊(みそぎ)をして生まれた神様で、災難や凶事などを吉事に変えて、元の平常に戻してくれる神様なのよ。

宮中では宮殿に災難などがないようにこの大直毘の神様をお祭りする儀式があって、そのあと平常に戻る宴のことも意味するのよ。

宮中や宮殿の災難だけでなく日本中そして世界中の厄を祓ってもらって、新しい年は平穏で幸せな年になったらええなぁ~。

みんなも幸せな1年になるよう願ってやぁ!!!

そうね。そう願いましょう!!

そして、本年も私たち、そして「言の葉花壇」をどうぞよろしくお願いいたします。