言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

曇りはじむる

2020年08月24日 | 風雅集

#曇りはじむる……★☆ 衣手に 凉しき風を さきだてゝ 曇りはじむる ゆふだちの空: 後鳥羽院宮内卿 : 歌意:袖に涼しい風を先立ちとして運んで来たと思っていたら、たちまち曇りはじめる夕立の空だ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #風雅集 第四巻より■□■

 

みんなぁ、元気ぃ?

ウチはこの歌はゲリラ豪雨の歌やと思うわ。

昔も急に降ってくるゲリラ豪雨はあったんやで、きっと。

みんなもゲリラ豪雨には気ぃつけてや。


朝顔は

2020年08月23日 | 万葉集

#朝顔は……★☆ 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけり: 詠み人知らず : 歌意:朝顔は朝の露を受けて美しく咲くというけれど、夕暮れ時の光の中でこそいっそうきれいに咲く。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ?

「朝顔」ってなってるけど、万葉集のこの時代は桔梗のことやで。

「夕影」は夕暮れ時のことやで。

綺麗な言葉やと思うわ。

暑かった夏もいよいよ終わりやなぁ。


恋をも我れは

2020年08月17日 | 万葉集

 

#恋をも我れは……★☆ 石上 布留の神杉 神さぶる 恋をも我れは さらにするかも:詠み人知らず : 歌意:石上の布留の社の神木の杉ではないが、年齢を重ねても私はまた改めて恋をしよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十一巻より■□■

みんなぁ~、元気ぃ?

読み方やでぇ。

いそのかみ ふるのかむすぎ かむさぶる こひをもあれは さらにするかも

「かむさぶる」とは神々しい様子とか神聖な感じということやで。

石上の社に古くからある神々しい杉の木を見上げていると、この御神木のように年齢を重ねても恋しい思いは変わらへん、いや、もしかしたらより恋しく思うやろってことや。

年をとっても恋心は忘れたらあかんのやなぁ。


戀すれば

2020年08月16日 | 千載和歌集

#戀すれば……★☆ 戀すれば もゆる螢も なく蝉も わが身の他の 物とやはみる: 源雅頼 : 歌意:恋をすると燃える蛍も鳴く蝉もまるで自分自身のように見える。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #千載和歌集 第十三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ?

読み方やでぇ。 

こひすれは もゆるほたるも なくせみも わかみのほかの ものとやはみる

蛍が光ってるのも蝉が鳴いてるのも全て恋してるからや。

そんな現象も自分が恋してるからよーわかるちゅうこっちゃ。


行くは誰が背と

2020年08月15日 | 万葉集

#行くは誰が背と……★☆ 防人に 行くは誰が背と 問ふ人を 見るが羨しさ 物思ひもせず: 詠み人知らず : 歌意:あの防人となっていく人は一体誰の夫だろうと聞いている人を見るのが羨ましい。何も心配しなくていいのだから。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第二十巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ。

さきもりに ゆくはたがせと とふひとを みるがともしさ ものもひもせず

夫が防人に行くので見送りに行ったら、見物してた人の中に「あれはどなたの夫やろ」とヒソヒソ話が

聞こえたんや。

あ~、なんてのんきに他人事の話してんのやろ、私の夫は、今、まさに防人に行くところで、心配なことばっかりで、何の心配もないあの人たちが羨ましいと、妻の心の声が聞こえてくるやろ。

75年前の日本もきっとこう思ってた女性がいっぱいおったんや。

ウチも好きな人がもし、戦争に行くゆうたら心配で心配で泣き暮らすわ。

1300年前からの昔も今も戦争は絶対にいやや!

この気持ちはずっと変わらへんのや。

(75年目の8月15日に寄せて)


夏のひるふし

2020年08月10日 | その他

#夏のひるふし……★☆ うなゐこか すさみにならす むきふえの こゑにおとろく 夏のひるふし: 西行 : 歌意:幼い子供が戯れに吹き鳴らす麦笛に驚いてはっと目覚める夏の昼寝時。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  #聞書集 より■□■

 

 みんなぁ~元気ぃ~?

読み方やるでぇ。

 

うなゐこか すさみにならす むきふえの こゑにおとろく なつのひるふし

 

うなゐこか = おかっぱ頭の子どもやで。

すさみにならす= 気ぃの向くままちゅうこっちゃで

むきふえの(麦笛の)= 麦笛のこと。麦の穂は中が空洞やから音鳴るんや。

こゑにおとろく(声に驚く)= 音に、まぁ!えらいびっくりしたわ。

なつのひるふし(夏の昼臥し) = 夏の昼寝やで。

西行さんが昼寝してたら、外で子供らが麦笛作って、鳴らして遊んでたんや。

その笛の音にびっくりして目ぇが覚めたわということやで。

なんとまったりした夏休みの午後やろか。