











#知らずともよし……★☆ 白玉は 人に知らえず 知らずともよし 知らずとも 我れし知れらば 知らずともよし: 元興寺の僧 : 歌意:海中にある真珠のように、私の価値は人に知られない。私自身が自分の価値を知っていれば、人が知らなくてもかまわない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第六巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
しらたまは ひとにしらえず しらずともよし しらずとも われししれらば しらずともよし
みなさん、お元気?
この歌は元興寺の僧が自分の才能を世の中に認めてもらえない事を嘆いた歌やね
つまり、愚痴?
そうやね。元興寺は南都七大寺のひとつに数えられるほど由緒のある寺院で、古い書物によると、寺のもととなる禅院を建てた道昭(どうしょう)という人は遣唐使として唐に渡って玄奘(げんじよう)の教えを受け、帰国して各地を周遊したり、宇治川の土木事業を行って苦しんでいた民衆を助けたとあるわね。
玄奘って孫悟空に出てくる玄奘三蔵法師様やろ?すごい人が先生やんか!
道昭は座禅をしたまま亡くなったと伝えられていて、遺言によって荼毘(だび)に付され、これより日本人の火葬のはじまりとされているわね。
これらの伝道は民衆を惑わすと『養老令』の一部『僧尼令』によって禁圧、つまりだめだとされていたけど、 東大寺の大仏造営に彼らの土木技術と民衆の信望が必要と、弟子の行基を勧進(募金を募る)役に任じ 協力を得て、752年、無事に大仏開眼供養が盛大に行われたのよ。
枕詞に「十年戊寅に、元興寺の僧が自ら嘆く歌一首」とあって、この「十年戌寅」 とは、天平十年(738年)のことやから、ちょうど弾圧されていたかもしれへんね。
ふ~ん、と言う事は行基さんが詠んだのかな?
行基は民衆に菩薩と呼ばれるほど徳も高く信望も厚かったし、745年には初めての大僧正とという仏教界最高の地位を賜ったので、 こんな愚痴を言うとは思われへんけど、他の僧侶たちは鬱々(うつうつ)とした日々を過ごしていたかもしれへんね。
歌の形もちょっとちがうやんか。
五七七 五七七の旋頭歌になってるわ。
へぇ~、旋頭歌のこと知ってるのね。
旋頭歌は問答が多いから、仏様と向き合っているうちに自然と口をついて愚痴ったのかもしれへんね。
#色づく山の……★☆ 朝に日に 色づく山の 白雲の 思ひ過ぐべき 君にあらなくに: 厚見王 : 歌意:朝ごと日ごとに色づく山のように深まる思いは、通り過ぎる山の白雲のように簡単に思い過ごせる人ではないのに。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第四巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
あさにけに いろづくやまの しらくもの おもひすぐべき きみにあらなくに
みなさん、お元気?
そろそろ秋も深まって、山の木々も色が変わってくるようになるわね。
ウチは好きな人にこんな風に思ってもらったら幸せ~ってなるわぁ~
そうね。マナちゃんはいつも幸せな恋をしてるわね。
そうやで。みんなぁ~恋はいつも人を幸せにするんやでぇ!!
#心は寄りて……★☆ 水底に 生ふる玉藻の うち靡き 心は寄りて 恋ふるこのころ; 詠み人知らず : 歌意:水底にはえる玉藻のようにすっかり心は靡き寄りとても恋しく思うこの頃。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十一巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
まだまだ暑いなぁ~
みなさん、お元気?
本当にまだまだ暑いわね。
読み方やでぇ~
みなそこに おふるたまもの うちなびき こころはよりて こふるこのころ
玉藻(たまも)は水中に生える藻を美しく讃えた言葉ね。
なぁ~、恋をすると何を見てもきれいに見えると言うことやなぁ。
水中の藻でさえも涼しそうに光っていて自分の恋心と同じくらい光って見えるんや。
こんな暑い日が続く毎日でも、ウチは恋する全ての人を応援するでぇ~!
だからぁ、みんなもいっぱい恋してやぁ!!!
#相思はぬ……★☆ 相思はぬ 人を思ふは 大寺の 餓鬼の後方に 額つくごとし: 笠郎女 : 歌意:互いに思わない人を一方的に思うのは大寺の餓鬼の後ろで額をすりつけて拝むようなもの。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第四巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
あひおもはぬ ひとをおもふは おほてらの がきのしりへに ぬかつくごとし
餓鬼(がき)=生前悪いことした報いで,餓鬼道に落ちた亡者(もうじゃ)のことやで。
ところで、あっちの方なんかえらいにぎやかやなぁ。
あっ、笠郎女(かさのいらつめ)さんじゃないですか!
えらいにぎやかですね。
笠郎女:あらっ、マナ女ちゃん、そうよ。今、新年の女子会で恋バナトークしてるのよ。
こちらの姫君の好きな人の話なんだけど、お相手の若様は全く見向きもしてくれないんだって。
そんな若様を一生懸命思って恋焦がれてもばかばかしいから、やめとき、やめときってみんなでとめているところよ。
でも、一生懸命思っているといつかは通じるのでは?
笠郎女:何を言ってるの!いつかは来ないのよ!それより思い思われるもっといいお相手をさっさと見つける方が先よ!
へぇ~、そうなんですか。
笠郎女:そうよ!万葉女子は恋に対しては意識高めなのよ!おほっほっほ!
マナちゃんもさっさと次の恋に進むのよ。
はぁ~い、勉強になりました。
#秋の夜を……★☆ 秋の夜を 長しと言へど 積もりにし 恋を尽せば 短くありけり: 詠み人知らず : 歌意:秋の夜は長いと言うけれど、あなたと一緒に過ごして積もりに積もった恋を全部言おうとしたらそれが短く感じられる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
あきのよを ながしといへど つもりにし こひをつくせば みじかくありけり
みなさん、お元気?
いよいよ秋も深まってきましたね。
ほんまぁ~わかるわぁ!
何がわかるの?
この気持ちやん!
好きな人と一緒におると、時間がアッと言う間に過ぎて行く。
もっともっとおしゃべりしたりして、長~く一緒に居りたい気持ち!
夜のデートも楽しいわぁ。
みんなも、秋は楽しい夜を過ごしてやぁ~
#たなびく雲の……★☆ 北山に たなびく雲の 青雲の 星離り行き 月を離れて: 持統天皇 : 歌意:北山にたなびいている青雲が、遠くへ離れていってしまう。星たちからも離れ、月からも離れていくように。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第二巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
きたやまに たなびくくもの あをくもの ほしさかりゆき つきをはなれて
また、あの二人なんかもめてるでぇ~。
持統天皇:人麻呂、人麻呂、こっち、こっちやで。もっと近くに!
柿本人麻呂:天皇様にはご機嫌麗しく・・・
持統天皇:ええねん、ええねん、そんな挨拶は。
あのな、相談があるねん。
柿本人麻呂:何でしょうか?
持統天皇:先の天皇さんの殯(もがり)も明けたやん。
おおっぴらに堂々と大好きな温泉にも行けるし、だいぶと天皇の地位にも慣れてきたわ。
そやけど大和の民には、私がどんだけぇ~、先の天皇さんがお隠れになって悲しんでるかを知ってもらいたいねん。
柿本人麻呂:それはごもっとも。
持統天皇:そやから、悲しみの歌を詠もうと思うねんけど、もう、2年以上も喪中やったから、これがなかなか浮かべへんのや。
そこで、歌聖と呼ばれるあんたに考えてほしいんや。
それを、私が詠んだことにでけへんやろか?
柿本人麻呂:わ、わ、私は確かに歌聖ですが、そ、そ、そんな、民をだますようなことは絶対に出来ません!
持統天皇:そうか、やっぱりあかんか・・・
柿本人麻呂:あ、あたりまえでしょう。
いくら天皇様のお願いと言えども!
先の天皇様がお隠れになって、お悲しみならそれを素直に歌に込めたなら、へたくそでも、人々もその悲しみをちゃんと理解してくれますよ。
持統天皇:う~ん、それはわかってるんやけどなぁ・・・
よっしゃ!ほんならこうしたらどうやろ。
柿本人麻呂:!?
持統天皇:取り敢えず私が詠んで、あんたが添削する。
これならええんちゃうか?
柿本人麻呂:え、ええ、まぁ・・・
持統天皇:そうなるかと思って、ちゃんと昨夜詠んで準備した歌があるから、これを添削してや。
ここがもうちょっと悲しい風に、それにこの言葉はあんまりええことないやろ、ここはもっと雄大に・・・
柿本人麻呂:ではこうして、こうなって・・・ああでもない、こうでもない・・・
持統天皇:ほぅ、ええやん、なかなか!
柿本人麻呂:・・・、・・・、こ、こ、これではほとんど添削してしまいます。
持統天皇:かめへん、かめへん。おお元は私の歌や!
と言った会話があったかどうかは定かではないけど、
第40代、天武天皇は686年、9月9日に崩御したんで、天武天皇の皇后やった持統天皇は悲しんでこの歌を詠んだんやでぇ~。
そして、第41代の女性天皇になって古代日本の律令国家の基礎を築いていくんやでぇ!
#鳴る神の……★☆ 鳴る神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ: 詠み人知らず : 歌意:雷鳴が少し響いて空も曇って雨も降ってきたらいいのに。そうすればあなたが帰るのを引き留められるのに。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十一巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
なるかみの すこしとよみて さしくもり あめもふらぬか きみをとどめむ
みなさん、お元気?
鳴る神=雷のことね、つまり、雷鳴よ。
昔の人は雷は神様が鳴らしていると思っていたのね。
響み(とよみ)=大きな音が鳴り響くとか、大声で騒ぐ音などで揺れ動くという意味ね。
あーー、だから「少し」なんや。
遠くで雷鳴りだしたから、帰るのもうちょとあとからにしたらって口に出して言いたいんや。
ちょっとでも長く一緒におりたい切ない乙女心やわぁ。
ウチもこの季節、雷多いから、こんな気持ちにいっつもなるんやでぇ~。
そうね。好きな人と一緒だと雷も怖くなくなるわね。
でも、やっぱり雷は怖いから、みんなも気ぃつけてやぁ~!
#棚橋渡せ……★☆ 天の川 棚橋渡せ 織女の い渡らさむに 棚橋渡せ: 詠み人知らず : 歌意:天の川に棚橋を渡せ、織女が渡れるように、さあ棚橋を渡せ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十巻より■□■
#打橋渡す……★☆ 機物の まね木持ち行きて 天の川 打橋渡す 君が来むため: 詠み人知らず : 歌意:機織りの道具であるマネキを持って行って天の川に仮の橋を渡しましょう。あなたが渡っていらっしゃるために。
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
あまのがは たなはしわたせ たなばたの いわたらさむに たなはしわたせ
はたものの まねきもちゆきて あまのがは うちはしわたす きみがこむため
7月7日は七夕やで。
織女(たなばた)=おり姫様のことやで。
お~っと、目の前におり姫様がいるので、ちょっと聞いてみます。
えらいお急ぎのようですが・・・
おり姫:そうなんです。だって、1年間も彦星さんと会えなかったんですもの。
夜が更けると、カササギが橋を作ってくれるんですけど、私、もう、じっと待ってられないんです。
それで、橋にできそうな機織り機の部品外して、自分で橋掛けて、彦星さんの所へ行こうと思って!
ちょっと急いでるのでゆっくり答えられなくてごめんなさい。なんせ、雨降ってくるといけないので。
あー、それはお急ぎのところ、ごめんなさい。
では、気を付けていってらっしゃい。
無事に彦星様と会えるといいですね。
以上、天の川、「琴座のベガ」から、「わし座のアルタイル」へ、一生懸命橋を渡している、おり姫様の状況を、マナ女がお伝えしましたぁ~。
みんなも今夜、お天気になるように祈ってあげてやぁ~!
七夕のこころに添えて4首 まち來し今日の・扇のかぜに・早漕ぐ舟の・月の舟 星の林に - 言の葉花壇
七夕のこころに添えて2首 行き帰るに・仰ぎて待たむ - 言の葉花壇
ここも見てやぁ~!
#なぞ身装はむ……★☆ 君なくは なぞ身装はむ 櫛笥なる 黄楊の小櫛も 取らむとも思はず: 播磨娘子 : 歌意:あなたがいないならどうして身を装う気になれましょう。櫛箱の中の黄楊の小櫛も手に取ろうとは思いません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第九巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
きみなくは なぞみよそはむ くしげなる つげのをぐしも とらむともおもはず
みなさん、お元気?
この歌は奈良時代の官吏で貴族の石川君子(いしかわのきみこ)が播磨国守の任を解かれて帰京する時に詠んだ送別の歌よ。
播磨娘子 (はりまのおとめ)は同じく 奈良時代の女性だけれど詳細は不明なのよ。
なぞ身装はむ=は身を整える、つまりおしゃれすることね。
櫛笥(くしげ)=は櫛などを入れておく箱のことで今で言うお化粧箱ね。
わっかるわぁ~
やっぱり好きな人に逢う時は、ウチかて思いっきりおしゃれするねんで。
転勤で一人で都に帰ってしまうなんて悲しすぎるわ。
乙女心を詠んでるなぁ~
#真神の原に……★☆ 大口の 真神の原に 降る雪は いたくな降りそ 家もあらなくに: 舎人娘子 : 歌意:大口の里の眞神の原に降る雪はそんなにひどく降らないで。あたりには家もないのだから。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第八巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
おほくちの まかみのはらに ふるゆきは いたくなふりそ いへもあらなくに
みなさん、お元気?
真神(まがみ)=はオオカミのことよ。オオカミを神格化してこう言うのね。
そして大口(おおぐち)=は真神にかかる枕詞。オオカミは口が大きいので大口ね。
大口の真神の原=はオオカミの生息する野原のことね。
いたくな=はひどく~~するなと禁止の意味ね。
きっと、舎人娘子は雪の日にご主人様のお供かお使いで大口の真神の原を通らなければならないことがあったのね。
うわぁwww怖いなぁ!
大雪や吹雪の日にオオカミの出る野原を通らなあかんなんて!
しかも、雨宿りじゃなくて雪宿りして身を隠す場所も人家もないなんて!
ウチなんか怖くて、足がすくんで歩かれへんようになって凍えてしまいそうや。
こうやって、声に出して歌にして、神様にお祈りして無事に通してもらうことしかでけへんわ。
みんなぁ~!今でも大雪や吹雪の日には不要不急の外出は辞めとこや。
ほんま!雪国の人は気いつけて過ごしてや!!!