2010年4月にスタートした高校無償化制度。家庭の経済状況によらずすべての学ぶ意志ある子どもたちが安心して教育を受けられるようにという目的をもちながら、各種学校認定されていないブラジル学校に通う子どもたちや、フリースクールに通う子どもたち、そして朝鮮学校に通う子どもたちに無償化制度が適用されていないまま4年が経とうとしています。一方、高校相当年齢の子どもがいるすべての家庭で特定扶養控除額を減少して増税措置がとられています。
不平等な制度によって差別を受けたまま4回目の卒業生を送り出してはならないと思い街頭で署名を集めました。12月22日と25日には京都タワーで、28日には三条河原町で署名版を持ちマイクで協力を呼びかけました。京都朝鮮中高級学校からも生徒と先生たちが参加して道行く人たちに活発に声をかけ多くの署名を集めました。
生徒への嫌がらせはなかったものの、カバンから「在日特権」と書かれた本を取り出して目の前にかざして立ち去っていく人がいました。生徒たちの「不平等をなくして欲しい」という思いを否定する歪んだ論調が日本社会にあふれている現実を見せつけられました。とはいえ署名をしてくれた方は3日間で300筆におよび、同世代の子どもを持つ親、中学生や高校生そして小学生、チラシ配布のバイトをしている留学生、近所に朝鮮学校があるという人など、さまざまな立場から協力的な声をかけてもらいました。
2月20日には、下村文部科学大臣が朝鮮学校を無償化から排除する省令改悪をおこなってから1年がたちます。これに抗議して、すべての子どもたちへの一刻も早い無償化適用と、この間無償化が適用されずに卒業していった子どもたちにもさかのぼった対応を求めていきたいと思います。