地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
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JR西に対するマスコミはあたかも・・・

2005-05-10 05:42:37 | マスコミ、企業
まだお若いながらも金融界の大先輩、超優秀なる木村剛先生のBLOGの『週刊!木村剛』の記事にて拙日記の記事「まったくもう・・」をご紹介いただいた。
木村氏はご存知、日本振興銀行の社長でいらっしゃる、金融界では知らない人が居ないというほどのお方である。
週明け早々(と言ってもご紹介いただいたのは6日であるのだが、私自身が気付いたのが本日であった、まったくもう・・)非常に励みになる出来事に今日は一日ポ~ッとしていた。
木村先生、どうもありがとうございます!今後も微力ながらも我が金融界のために頑張って行きたいと思いますのでご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。

さて、
幸か不幸か(いや、このような状況下では”幸”だと思えるのが実は悲しいが)日本のテレビが映らない環境に居るため、JR西に対する過熱バッシングの様子がどれほどのモノか分からなかったのだが、本日日経新聞などを読みつつネットにて記事を拾いつつ、だいぶ様子が分かってきた。
マスコミのその過熱ぶりは、こうしてある種中立な位置から眺めていると非常に不思議に映る。
不謹慎のそしりを免れないかもしれないが、あえて私の率直な感想を述べさせていただくと、
『日本のマスコミはまるで中国で起きた暴動デモのようだ』である。

詳細は私のようなモノが語るに及ばないと思うが、それでもあえて少々書かせていただければ、例えばサンケイの社説などは全従業員十羽一からげである。
『社員一人ひとりの安全に対するプロ意識が欠落しているといわざるを得ない。それがヒューマンエラーの原因につながっていったのではないか。』

この手のネットで入手しうる報道には枚挙にいとまが無いが、さらにさる方からのメールにては、テレビでのコメンテーターだのアナウンサーだのレポーターだの、そして記者だのが、まあよってたかって凄いそうで。そのお方のメールでの非常に秀逸だと思ったのはここ。
『ミスをした運転手を再教育する「日勤教育」で自殺者まで出ていたという話は前にも致しましたが、この教育は「原因の追求ではなく責任の追及」に過ぎず、殆ど「いじめ」のようなものだと言われていました.でも今、マスコミがやっているJR叩きはまさにこれと同質ですね.それだけでなく、勤務に就こうとするJRの運転士をホームで蹴ったり、職員の子供が学校でいじめられたり、陰湿なのは国民的体質なんじゃないでしょうか』

また、毎日新聞のコラムでも、「尻馬に乗るな」と言うものがあった。
毎日はライブドアの時も多少なりともまともな意見を発信する記者氏が居たのであるが、今回も冷静に分析する方が居たのか、と思った。
『報道陣の監視の下でJR社長が土下座し、不祥事が暴かれ、幹部が謝罪を繰り返す。遺族の悲嘆を軽く見るつもりはないが、「劇場化」する事故報道の中で感情を押し殺し、サンドバッグ状態に耐えるJR幹部の映像を見て「これがウチの会社だったら……」と身震いした管理職も多いのではないか。
 国鉄改革とは一体何だったのかと思わせるJR西日本の退廃を厳しく問うのは当然だ。しかし、糾弾調も過ぎればJRを萎縮(いしゅく)させ、例の「日勤教育」同様、効果が疑わしい、とならないか。全国でレールの置き石が相次いでいるという無責任で浮ついた世相だ。JR西日本の運転士をけったり、駅員をなぐった者もいるという。尻馬に乗るなと言いたい。』

どちらも非常に鋭いところを突いているではないか。
ライブドア問題でもさんざん「劇場化」が問題になっていたのは記憶に新しいが、マスコミはその舌の根の乾かぬうちにまた同じ事を繰り返している。

たくさんの優秀な方々が、日中関係、日韓関係、或いは北との関係等を鋭く分析され、ある時は政府の弱腰を糾弾し、ある時は中国韓国北朝鮮の横暴を暴き、そういった努力を私も色々な方のブログから現在学んでいる最中なのだが、このマスコミの過熱ぶりを見るにつけ、その行動そのものが実は中国のデモを扇動する連中、韓国の自傷パフォーマンス抗議の目立ちたがり屋の連中、また北の不気味に統制が取れている行動をする連中と全く重なって見えてしまうのだ。

もちろん何度も言うけれど、今回の事故はJR西が悪い。これは揺るがない。またボーリングやらゴルフやらも、基本的には許容されないだろう。ただ、上司が行くと言えばそれに従わざるを得ないのはサラリーマンのサガであるから、そこへ行った全員を単純に「非道だ」と責めて、JRに処分をさせると言うのは実のところどうなのだろうか、とちょっと思う。
これらの件で処分を受けるのはその当事者たちと言うよりまずはその管理責任者である事は言うまでも無いだろう。そしてその管理責任者を管理する立場の経営陣がきちんとした処罰なりを自らにきちんと課すのが組織のあり方だろうと思う。
ようやく南谷会長は財界団体の副会長の座を辞退したようだが、組織のボスが率先して頭を下げると同時に対応に憔悴しきっている部下をねぎらうのが本来のボスのあり方であろう。
それをJR西の全従業員のプロ意識が欠如しているとか、そういった扇動はナニモノも産まない。

マスコミの本当の役割とは何だろうと思う。
前にさるさるで書いたが、オーバーラン自体をどうこう言うのではなくて、ライブドア問題の時にもさんざん自負していた「取材源に身体を張って取材できる」その能力をきちんと生かして、むしろオーバーラン後のダイヤの遅れとか、それによる歪みなどが観測されれば、ダイヤ改正を働きかけるなりするのが本来の役目ではないか。
メールのお方がおっしゃるように、マスコミは責任の追及は経営陣に求めれば良いと思うし、むしろどっかの宴会の領収書を探してくるような事をする前に、原因の追究、そしてその後それを踏まえたうえで一体どうすればさらに安全な運行が出来るのかの提言などを真正面からやるべきだ。

そしてもう一つ秀逸な意見に出くわしたが、
『ライブドア騒動で、裁判所もグローバルスタンダードの立場から、[会社は大株主のものである]という判決を出したばかりだが、もしそれが正しいとすれば、今回の事故にあたって、経営者や従業員関連からではなく、大株主が率先して謝罪を行うべきだ』

確かにライブドア問題の時はマスコミはこぞって株主株主と大合唱していたが、今回の件では大株主から何か意見を取ったマスコミがあるのだろうか?
モノを言う株主の村上氏をマスコミは随分こぞって取り上げていたけれど、そう、株主はドンドン会社にモノを言うべきで、それが経営者の経営判断にも繋がるはずであるが、JR西の大株主たちはどうしていたのだろう??
以下、昨年9月末段階のJR西の大株主である。

株主           株数   %
 1)JAPAN TRUSTEE SE 147,088 7.354
 2)MASTER TRUST BAN 135,848 6.792
 3)MIZUHO CORPORATE 81,000 4.050
 4)SUMITOMO MITSUI   64,000 3.200
 5)EMPLOYEES' STOCK 44,087 2.204
 6)UFJ BANK LTD     42,000 2.100
 7)STATE STREET BAN 34,203 1.710
 8)SUMITOMO TRUST & 32,000 1.600
 9)NIPPON LIFE INSU 30,000 1.500
 10)DAIICHI MUTUAL L 30,000 1.500
 11)CHASE MANHATTAN 27,657 1.383
 12)MIZUHO TRUST & B  24,125  1.206

本日は以上でござる。