先ほど
拙さるさる日記にて書いてきたけれど、本日の出張では本当に考えさせられてしまった。
今日訪問してきた顧客の日本株に対する運用資産は約600億円。そしてさらに追加投資を考えているそうで、そんな話に出会えるのは正直証券マン冥利に尽きるわけで、そこでは何を置いても営業してくるのが我々プロの仕事ではあるのだけれど、今日は本当に自分自身で葛藤してしまった。。
全ては昨日の東証の殿のご発言のお陰である。
あの記事には私よりもよっぽど早く、多くの方々がピッキ~ンと反応されていたのを、コメントやTBから知ったのであるが、それを私は頼もしく思い、同時に非常に悲しく思ったわけである。
この話は本当に考えれば考えるほど暗くなるので、あ~嫌だ。
今じゃこの現物市場と先物市場の時間差を「魔の30分」とみんな呼んでいて、そうやって呼ばれちゃうことに早く気付けよ、東証。それが昨日の記事で引用したように、不正の温床になっちゃうなんて危惧があるとしたら、それはね、あなたの責任よ、東証。
もういい加減マスコミに迎合するのは止めたほうが良い。
私のような名も無き証券マンですら、せっかくの宝の山のような顧客の話を前にして、まじに、いやほんと掛け値なしのまじに、悩んじゃっているんだから。
本当に日本株の追加投資なんて勧めて良いのかどうか悩んじゃうなんて、私の証券マン人生開闢以来の出来事だからね、殿。
さて、その話はひとまず置いて、今日発見した残念なコラム。
この間、NIKKEI EYEの太田委員の記事を引用したばっかりだけれど、今日は同じコラムの森委員の記事。
~~~一部引用、NIKKEI EYE プロの視点、2月17日の記事「ライブドア事件を反面教師に」~~~
アドレスは、http://www.nikkei.co.jp/neteye5/mori/index.html です。
<引用開始>
『「市場」と「メディア」をいかに善用するか
今や株式や債券による直接金融優位の時代に変わり、株式の持ち合いも崩れてきた。このような環境下で、堀江被告はマスコミに乗って、挑戦的若手経営者という虚像を膨らまして、多くの個人投資家をひきつけたのである。市場の「期待」をあおる上でメディアの果たした役割は大きかった。
堀江前社長の逮捕後、「期待」はあっけなく弾け、堀江被告らの「虚」の部分が一気に表面化した。このためメディアの責任が社会的に問われている。自戒したい点だが、企業がメディアにいかに対応するかが、経営上ますます重要になってきていることは否定できない。それをライブドア事件はゆがんだ形で示した。
企業経営者の役割は、「夢」を株券に変えて投資家に売って資金を集め、事業を創り出すことである。そのために「市場」と「メディア」をいかに善用するかが、経営者の腕のみせどころだ。悪用した堀江被告は反面教師である。』
~~~ 一部引用終わり~~~
ちょっと残念だと思いませんか?
これって結局堀江氏のよって悪用された(と開き直る)メディアの擁護論なんじゃ無いですか?
結局メディアは堀江氏によって悪用されただけで、メディアは悪くないんだよね、ってことを言いたいのでしょうか。
私は元々国語の読解が苦手なのですが、私が読むとそう聞こえちゃうんですね。
メディアってのは大体悪用とか善用とかされるものなのかな、ってのがまずは疑問なんですね。
そうじゃなくて、本来ならメディアはあくまでも中立に事実を報道することがその使命なんじゃなからろうか、と。
フジテレビVSライブドアの時にその辺を散々書いたら、とある知り合いに、所詮メディアってのは各社の意見があるんだから、最終的にそっちの方向に誘導しようとするものだ、って言われたんだけどね。
確かにそれは私も分かる、分かるけどさ、またまた名探偵コナンじゃないけど、「真実はいつも一つ!」な訳ですな。
『企業がメディアにいかに対応するかが、経営上ますます重要になってきていることは否定できない』
この下りなんてさ、あんたを良く書こうか悪く書こうかは、全て社長、あんた次第でっせ~!って聞こえちゃうんですけど。。。
全てメディアにアピールする側の責任って聞こえちゃうけどさ、メディアの基本ってのは「取材」じゃないの?
碌に取材もしないで企業側の言いなりの記事を垂れ流しているから今回のようなことが起こったんじゃ無いかな?それを棚に上げて、そういう言い方は、前回の太田氏の意見が(私、個人的には)秀逸だっただけに、すっごく残念ですなぁ。
まあ、でも角度を変えてみてみれば、ようやくメディアの化けの皮がはがれてきたんだなとも言えなくも無いわけで、そう考えればさ、メディアの悪用も浄化作用の一環だった、なんて天邪鬼的なことも言えるわなぁ。
残念っ!(って再び言っちゃいました、コメント欄の「それは・・・」様!。そうですかぁ、彼はもう消えちゃったんですかぁ。結構好きだったんですけどねぇ・・
残念っ!
ってまた言っちゃった、トホホ)