相変わらずマーケットの激震は続いている。
今日もさるTV局から取材の依頼があったのだが、諸般の事情にお断り申し上げた(内心ちょと残念)。ただ電話でのやり取りはさせてもらって、普通の人にも何が起こっているのか、と言う事は説明出来たように思う。
思えば、
フォルティス → ベネルクス3国
ワコビア → シティー
B&B → 国有化、サンタンデール
ワシントンMU → JPモルガン
リーマン → 野村
モルスタ → MUFG
メリル → BOA
AIG → 国
みたいに、ざっと見渡しただけでも相当な合従連合が起こっている。それも世界のトッププレイヤー達が勢ぞろいしたオールスターみたいな感じだ。
インベストメントバンキングビジネスモデルの崩壊、に関してはこの間述べた。
ではこれは具体的にどういうことか?
一言で言えば、金融会社が主体となってリスクを取るビジネスが崩壊した、って事だ。
榊原氏流に言えば、商業銀行は「牧歌的」、つまり商業銀行、コマーシャルバンキングビジネスの基本はお客さんから預金を集めて、融資する、つまりまずは顧客ありき、のビジネスだ。このごく一般的なモデルには自己が自ら主体となって(プリンシパル)リスクを取る必要は基本的には無い。もちろん融資先の破綻、はあるけれど。
それに対するインベストメントバンクのモデルってのは、元々は自らの資金力を背景にとにかく儲かるものには基本自己のリスクで向かって行った訳で、それらが複雑に張り巡らされ、どこかがこけると連鎖的にみなこけた、となる。
どこかかの記事に出ていたけれど、例えばCDSなんてのは良い例かも知れない。
Credit Default Swapの略で、要は相手の倒産リスクを回避するためのヘッジ手段として元々は開発された。
単純にリスクヘッジのために使われていたCDSであるが、これはちょっと前までは実はその会社が倒産するかも知れない、なんて事を念頭に取引されていた訳ではない(はずだ)。
それが何時の間にやらCDS=倒産リスク指数、みたいに成り代わってしまい、完全にこの指数が株価とは別に一人歩きを始めてしまった。
CDSのスプレッド拡大→この会社やばいかも→株を売る→株がこんなに安くなった→CDSは余計スプレッド拡大→・・・・・
巷では(特にレベルの余り高いとは言えないマスコミでは)、株式市場が次の獲物を探して暴れまくっているような書かれ方をしているけれど、私は相場が「催促」している、と言う言い方を使いたい。
これだけ合従連合がなされて、でもあなたの所は本当に大丈夫なの?と。
一連の大嵐で各国金融当局、特に英米は、金融機関の株式の空売り規制に動いた。私の本来の持論は、株式市場は自由であるべきだと思っているので、余りこの規制には組しないけれど、つまり空売りは簡単に出来ない、ましてやリーマン等の影響でヘッジファンド自体もかなり窮屈になっているはずで、それにも関わらずこれだけ特定の株式が狙い打ちされているのは、これは意図的に大きく歪められたモノでは無いような気がするのだ。
直近の合従を見れば分かるように、救い手は必ず大銀行になってる。そして救われる方は、インベストメントバンクであり、不動産系金融機関である。(ワコビアは商業銀行だけど)
つまりこの一連の動きとは一言で言えば、商業銀行業務を核とした大銀行がバックに付いてない限り、下手な金融機関は目先生き残れませんよ、と言う事だ。
ライボーレート(Libor)が一気に3倍に跳ね上がってもじたばたせずにきちんと資金繰りが出来ないと、今後簡単に自己が主体となってリスクを取っていくビジネスは出来ません、と言うことだろう。
催促相場とはすなわち、あなたの会社のバックにきちんとした銀行が居ますか?と言うことを問いかけ、もしそれが無いのであれば、どこかきちんとした後ろ盾を見付けて下さい、さもないと知りませんよ、と言うことで、私は相場がそう言っている様に聞こえる。(まあ裏返せば生贄探し、とも言えるけれど)
そして良く聞かれるのが、「このような相場はまだ続きますか?」と言う質問である。
私はまだ続く気がする。この一連の催促が終わるまでは相場は一喜一憂の展開になるだろうし、そしてここからが問題で何度も書いているけれど、実体経済への影響はそれから、になる。
○○がXXに買われて従業員も全部引き継ぐ、とは言ってもそれは恐らく「当初は引き継ぐ」って話で、それ以降は徐々に人数が減っていくだろう事は簡単に想像できる。
全てが収まる所に収まっても、昨日まで買う方も買われる方も同じような商売をしてた訳で、そこに1+1=2、の算式が成り立つとは思わない方が良いでしょう。
各国政府も相当疲弊しているはずだし、ここからの動きにはある意味今まで以上に神経を尖らせる必要があると思う。
日本政府のお気楽論に流されてしまってはいけない。
今日もさるTV局から取材の依頼があったのだが、諸般の事情にお断り申し上げた(内心ちょと残念)。ただ電話でのやり取りはさせてもらって、普通の人にも何が起こっているのか、と言う事は説明出来たように思う。
思えば、
フォルティス → ベネルクス3国
ワコビア → シティー
B&B → 国有化、サンタンデール
ワシントンMU → JPモルガン
リーマン → 野村
モルスタ → MUFG
メリル → BOA
AIG → 国
みたいに、ざっと見渡しただけでも相当な合従連合が起こっている。それも世界のトッププレイヤー達が勢ぞろいしたオールスターみたいな感じだ。
インベストメントバンキングビジネスモデルの崩壊、に関してはこの間述べた。
ではこれは具体的にどういうことか?
一言で言えば、金融会社が主体となってリスクを取るビジネスが崩壊した、って事だ。
榊原氏流に言えば、商業銀行は「牧歌的」、つまり商業銀行、コマーシャルバンキングビジネスの基本はお客さんから預金を集めて、融資する、つまりまずは顧客ありき、のビジネスだ。このごく一般的なモデルには自己が自ら主体となって(プリンシパル)リスクを取る必要は基本的には無い。もちろん融資先の破綻、はあるけれど。
それに対するインベストメントバンクのモデルってのは、元々は自らの資金力を背景にとにかく儲かるものには基本自己のリスクで向かって行った訳で、それらが複雑に張り巡らされ、どこかがこけると連鎖的にみなこけた、となる。
どこかかの記事に出ていたけれど、例えばCDSなんてのは良い例かも知れない。
Credit Default Swapの略で、要は相手の倒産リスクを回避するためのヘッジ手段として元々は開発された。
単純にリスクヘッジのために使われていたCDSであるが、これはちょっと前までは実はその会社が倒産するかも知れない、なんて事を念頭に取引されていた訳ではない(はずだ)。
それが何時の間にやらCDS=倒産リスク指数、みたいに成り代わってしまい、完全にこの指数が株価とは別に一人歩きを始めてしまった。
CDSのスプレッド拡大→この会社やばいかも→株を売る→株がこんなに安くなった→CDSは余計スプレッド拡大→・・・・・
巷では(特にレベルの余り高いとは言えないマスコミでは)、株式市場が次の獲物を探して暴れまくっているような書かれ方をしているけれど、私は相場が「催促」している、と言う言い方を使いたい。
これだけ合従連合がなされて、でもあなたの所は本当に大丈夫なの?と。
一連の大嵐で各国金融当局、特に英米は、金融機関の株式の空売り規制に動いた。私の本来の持論は、株式市場は自由であるべきだと思っているので、余りこの規制には組しないけれど、つまり空売りは簡単に出来ない、ましてやリーマン等の影響でヘッジファンド自体もかなり窮屈になっているはずで、それにも関わらずこれだけ特定の株式が狙い打ちされているのは、これは意図的に大きく歪められたモノでは無いような気がするのだ。
直近の合従を見れば分かるように、救い手は必ず大銀行になってる。そして救われる方は、インベストメントバンクであり、不動産系金融機関である。(ワコビアは商業銀行だけど)
つまりこの一連の動きとは一言で言えば、商業銀行業務を核とした大銀行がバックに付いてない限り、下手な金融機関は目先生き残れませんよ、と言う事だ。
ライボーレート(Libor)が一気に3倍に跳ね上がってもじたばたせずにきちんと資金繰りが出来ないと、今後簡単に自己が主体となってリスクを取っていくビジネスは出来ません、と言うことだろう。
催促相場とはすなわち、あなたの会社のバックにきちんとした銀行が居ますか?と言うことを問いかけ、もしそれが無いのであれば、どこかきちんとした後ろ盾を見付けて下さい、さもないと知りませんよ、と言うことで、私は相場がそう言っている様に聞こえる。(まあ裏返せば生贄探し、とも言えるけれど)
そして良く聞かれるのが、「このような相場はまだ続きますか?」と言う質問である。
私はまだ続く気がする。この一連の催促が終わるまでは相場は一喜一憂の展開になるだろうし、そしてここからが問題で何度も書いているけれど、実体経済への影響はそれから、になる。
○○がXXに買われて従業員も全部引き継ぐ、とは言ってもそれは恐らく「当初は引き継ぐ」って話で、それ以降は徐々に人数が減っていくだろう事は簡単に想像できる。
全てが収まる所に収まっても、昨日まで買う方も買われる方も同じような商売をしてた訳で、そこに1+1=2、の算式が成り立つとは思わない方が良いでしょう。
各国政府も相当疲弊しているはずだし、ここからの動きにはある意味今まで以上に神経を尖らせる必要があると思う。
日本政府のお気楽論に流されてしまってはいけない。