地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

催促相場

2008-09-30 04:47:07 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
相変わらずマーケットの激震は続いている。
今日もさるTV局から取材の依頼があったのだが、諸般の事情にお断り申し上げた(内心ちょと残念)。ただ電話でのやり取りはさせてもらって、普通の人にも何が起こっているのか、と言う事は説明出来たように思う。

思えば、
フォルティス → ベネルクス3国
ワコビア → シティー
B&B → 国有化、サンタンデール
ワシントンMU → JPモルガン
リーマン → 野村
モルスタ → MUFG
メリル → BOA
AIG → 国
みたいに、ざっと見渡しただけでも相当な合従連合が起こっている。それも世界のトッププレイヤー達が勢ぞろいしたオールスターみたいな感じだ。

インベストメントバンキングビジネスモデルの崩壊、に関してはこの間述べた。
ではこれは具体的にどういうことか?
一言で言えば、金融会社が主体となってリスクを取るビジネスが崩壊した、って事だ。
榊原氏流に言えば、商業銀行は「牧歌的」、つまり商業銀行、コマーシャルバンキングビジネスの基本はお客さんから預金を集めて、融資する、つまりまずは顧客ありき、のビジネスだ。このごく一般的なモデルには自己が自ら主体となって(プリンシパル)リスクを取る必要は基本的には無い。もちろん融資先の破綻、はあるけれど。

それに対するインベストメントバンクのモデルってのは、元々は自らの資金力を背景にとにかく儲かるものには基本自己のリスクで向かって行った訳で、それらが複雑に張り巡らされ、どこかがこけると連鎖的にみなこけた、となる。
どこかかの記事に出ていたけれど、例えばCDSなんてのは良い例かも知れない。
Credit Default Swapの略で、要は相手の倒産リスクを回避するためのヘッジ手段として元々は開発された。
単純にリスクヘッジのために使われていたCDSであるが、これはちょっと前までは実はその会社が倒産するかも知れない、なんて事を念頭に取引されていた訳ではない(はずだ)。
それが何時の間にやらCDS=倒産リスク指数、みたいに成り代わってしまい、完全にこの指数が株価とは別に一人歩きを始めてしまった。
CDSのスプレッド拡大→この会社やばいかも→株を売る→株がこんなに安くなった→CDSは余計スプレッド拡大→・・・・・

巷では(特にレベルの余り高いとは言えないマスコミでは)、株式市場が次の獲物を探して暴れまくっているような書かれ方をしているけれど、私は相場が「催促」している、と言う言い方を使いたい。
これだけ合従連合がなされて、でもあなたの所は本当に大丈夫なの?と。
一連の大嵐で各国金融当局、特に英米は、金融機関の株式の空売り規制に動いた。私の本来の持論は、株式市場は自由であるべきだと思っているので、余りこの規制には組しないけれど、つまり空売りは簡単に出来ない、ましてやリーマン等の影響でヘッジファンド自体もかなり窮屈になっているはずで、それにも関わらずこれだけ特定の株式が狙い打ちされているのは、これは意図的に大きく歪められたモノでは無いような気がするのだ。

直近の合従を見れば分かるように、救い手は必ず大銀行になってる。そして救われる方は、インベストメントバンクであり、不動産系金融機関である。(ワコビアは商業銀行だけど)
つまりこの一連の動きとは一言で言えば、商業銀行業務を核とした大銀行がバックに付いてない限り、下手な金融機関は目先生き残れませんよ、と言う事だ。
ライボーレート(Libor)が一気に3倍に跳ね上がってもじたばたせずにきちんと資金繰りが出来ないと、今後簡単に自己が主体となってリスクを取っていくビジネスは出来ません、と言うことだろう。

催促相場とはすなわち、あなたの会社のバックにきちんとした銀行が居ますか?と言うことを問いかけ、もしそれが無いのであれば、どこかきちんとした後ろ盾を見付けて下さい、さもないと知りませんよ、と言うことで、私は相場がそう言っている様に聞こえる。(まあ裏返せば生贄探し、とも言えるけれど)

そして良く聞かれるのが、「このような相場はまだ続きますか?」と言う質問である。
私はまだ続く気がする。この一連の催促が終わるまでは相場は一喜一憂の展開になるだろうし、そしてここからが問題で何度も書いているけれど、実体経済への影響はそれから、になる。
○○がXXに買われて従業員も全部引き継ぐ、とは言ってもそれは恐らく「当初は引き継ぐ」って話で、それ以降は徐々に人数が減っていくだろう事は簡単に想像できる。
全てが収まる所に収まっても、昨日まで買う方も買われる方も同じような商売をしてた訳で、そこに1+1=2、の算式が成り立つとは思わない方が良いでしょう。
各国政府も相当疲弊しているはずだし、ここからの動きにはある意味今まで以上に神経を尖らせる必要があると思う。
日本政府のお気楽論に流されてしまってはいけない。

一見マーケットは落ち着いているが・・・

2008-09-23 03:52:37 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
もう日替わりで世の中が目まぐるしく動いている感じで、私ごときでも付いていくのがやっと、ってな感じである。
マーケットは落ち着きを取り戻し、先週末は乱痴気騒ぎの相場を演じたかと思えば、今日のアメリカ・ヨーロッパはまた不安感に覆われている、そんな感じだ。

今日のビッグニュースは何たってMUFGのモルスタへの出資及び野村がリーマンの結構な部分を買うことに決めた、これだろうね。
リーマンに関しては遅かれ早かれどこかが触手を伸ばすだろう事は誰もが予想していたはずだけど、まさかモルスタにMUFGが名乗りを上げるとはねぇ・・・

拙BLOGにて19日に書いた記事で、コマーシャルバンクの巻き返し及びインベストメントバンクのビジネスモデルの崩壊に関して語ったけれど、その同日に以下のようなニュースが流れて、やっぱどう考えてもそうだよね、と思った。
例のMr.Yenのコメントである。

~~~以下記事引用~~9月19日(ブルームバーグ)ニュースより

榊原氏は、昨夏以降の金融危機で「投資銀行のビジネスモデルが崩壊してしまった」と分析。米証券2位のモルガン・スタンレーは「あと1週間くらいの間に」単独での生き残りを断念する公算が大きく、最大手のゴールドマンも「中期的には、どうなるか分からない」と述べ、「インベストメントバンクは消えていく運命にある」との見解を示した。

預金を集めて貸し出しを行う商業銀行が中心となる「牧歌的な金融システムに、だんだん戻ってきている」と指摘。この歴史的な「パラダイムシフト」を踏まえ、次期米大統領が就任する「来年以降、金融当局の政策や規制の形であるレギュレーション体系を変える」動きが起こると予想した。

~~~以上引用終わり~~~

いや、誤解を招くといけないので言っておくが、私は天下の榊原氏が拙BLOGを読んでるなんて自惚れはこれっぽちも無い(笑)。
実戦を知っている極めて発言力のある方だって、私のようなシガナイ証券マンだって、ちょっと考えれば分かることなのだね。

その榊原氏のもう一つの予言である「モルスタは一週間以内に」ってのもピタリと当たったね。
結構モルスタ東京の中枢に居る私の後輩と先週電話で喋っていたのだが、彼曰く、
「小鬼さん、うちは手元流動性から何から他社とは簡単に比べて欲しくないくらい厚いんですよ~」と言っていた。これは事実だと思うし、でもマーケットはやはりそうは受け止めてくれなかった訳だ。

今、「ああひとまず安心」だと思っている政府関係者の方とかが居るとすればそれは大きな間違いだと思う。確かに現象面だけ見れば、アメリカ政府の大量資金供給があって、メリルはBOAの傘下に、AIGは政府の庇護の下に、そしてモルスタはこれでしばらくいざって時の資金等で問題視されることはなくなるだろうし、割と全てが丸く収まった感はある。
しかし何度も言うように実体経済への影響はこれからである。
MUFGや野村の腹は分からないけれど、恐らく目先の大量解雇のようなことはしないだろう、でもその後は分からない。メリルだってAIGだってこれから本格的なリストラが始まるはずだ。当然買った側の負担はそれなりに大きい訳だから、それなりに業績に影響を与えるだろうし、世界中の銀行、コマーシャルバンクはこれらの動きをつぶさに目の当たりに見ている訳だから、当然貸し出し等は今後絞られこそすれ楽になっていくはずが無い。

日本の証券大手をもう一度考えてみると、前にも書いたけれど唯一野村と大和がきっちりしたコマーシャルバンクの後ろ盾が無い。
日興はシティーが、三菱UFJ証券はMUFGが、みずほ証券にはみずほFGがそれぞれ付いている。
MUFGのモルスタへの出資は現在の証券子会社で足りないところを徹底的に補完させる腹があるのだろうし、親会社の銀行としては資金のリスクに気をつけていればあとは証券同士で上手くやれ、みたいな感じなのかな、と思うし、これは極めて正しい戦略だと思う。
みずほはそういう意味では一歩出遅れている感はあるが、それでも銀行がバックについている限り新光との国内のある意味小さな問題はとっととクリアーして先に進みたいだろう。
そして繰り返しになるけれど、野村はこれで特にアジア、ヨーロッパ(リーマンのヨーロッパオペレーションの買収は現段階ではまだ推測記事に過ぎないけど、話はあるのだろうね)戦略は大きく前進する。ただこれといった銀行の後ろ盾が無いから、その部分は今後の動きが非常に興味深い。
そして大和はさらに一歩出遅れてしまった気がする。SMFGとの緩やかな提携はあるけれど、これを一歩進めて、そして何処へ触手を伸ばすのか、これも興味深い。

この間書いたプライムブローカレージ業務、これは野村も大和も何度もやろうとしていたけれどモノになっていないはずだ。結局日本の証券会社が海外でイマイチだったのもこの部分の巧拙が非常に大きい。
これも前に書いた記憶があるけれど、例えば貸し株の世界なんてののピラミッド構造ってのはそう簡単にひっくり返せない。アメリカのトッププレイヤー達を傘下に収めこの部分にての躍進を計ったら、日本勢はかなり今後大きな影響を持つことになると思う。
しかしながらそれらが本当に効いてくるのは恐らく何年も先のことだと思うし、そうなるまでの実体経済は、これからその苦しみを経験することになると思う。
ボンドやコモディティーの世界も含めてこれだけでかい事故と言うか歴史的な出来事に直面してまだまだ日が浅い訳である。
楽観はまだまだ禁物であろうと、本当に実感する。




これからの金融界

2008-09-19 07:42:36 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
いやはや今日アクセス数を見てビックらこいてしまった。この数字はかつてのライブドアで一生懸命書いていた以来である。みなさんほんとそれに対してまだまだあけっぴろげに書けなくてすまん。
まあ現場の空気とか、今私なりに考えていることなんかを少しでもお伝えできればと思って今日も眠いけど書いてみます。

既に書いたように、リーマンの破綻って言うものの直接的な影響はプロの世界の範疇にて収まるけれど、間接的な影響は必ず国民のみなさんにまで及ぶと思う。
ある意味今日くらいになるとさすがに我々もちょっとした事で大騒ぎするようなことも減ってきて、極めて粛々と黙々と散らばった小石をせっせと集めて庭をキレイにしている、そんな感じだ。

私の目の前でも昨日書いたような決済絡みの問題、これ以上の影響を食い止めるための自衛策みたいなものの策定など、やらねばならないことはあるけれど、結局オフィスで気付いてみるとマーケットをひたすら追いかけている自分に気付く。
ヨーロッパ株式市場はもとより、定期的に入ってくるCDSの気配やら、ライボーの数字、日本の騰落レシオやらVIX(恐怖指数)やら、もちろん為替、シカゴの日経平均先物、AIGやGS・MSのプリマーケットやら、金、オイル、バルチック指数・・・
そんな中でもちろん最も気になるのがNYダウな訳だけど、ダウも相変わらずのフリーフォール、スペースマウンテン状態。200ドル上がってからマイナス20ドルになって気付いてみると400ドル上がって・・・
結局色々な数字を見つつも要はな~んも出来ないのだ。
唯一出来そうなことは、刻々と変わる数字を見ながら、刻々と流れてくるニュースを見ながら、少なくともこれからの世界を自分なりに読み解くくらいだ。
それをここに書いておこうと思うけれど、みなさんあくまでもシガナイ証券マンの勝手なシナリオだから、その辺は割り引いて下さい。

あたかもマーケットは次なる獲物を求めて喰らい付こうとしている、みたいな解釈でそのターゲットがGSでありMSでありUBSである、みたいな報道が目立つ。
海外に居る証券マンとして考えるのは、リーマンもしかり、GSもMSもしかり、つまり米系証券会社の強みって何だったんだろうって事である。
私はみなさんには余りなじみがないかもしれないけれど、彼らが擁するPB部門ってのが、実は無視できないって思ってる。
スイスが長かった私がPBって聞くと、ついPrivate Bankingとか思っちゃうのだけど、この場合は違って、Prime Brokerageの意味である。
要は顧客の決済絡みを丸抱えしちゃう部門なのだね。
彼らの大手顧客は近来ではやはりヘッジファンドな訳で、ヘッジファンドは株の世界に限っていれば借株をしたりショートしたりを毎日毎日やっている。株を借りて売ればそのお金が入って来るから入ってきたお金でまた株を買う、そういう株の貸し借りやら受け渡し、それに伴うお金の出入りやらそれに伴う金利等の受け払いから全てやってあげますよ、ってのがこのPB部門だ。
さらに米系の強みは圧倒的な巨大投資家にも食い込んでいるから、特にGSなんかは例えば日本株で調達できない株はほとんど無い、とまで言われてる。
リーマンも当然このPB部門はつい先週までは相当金額を毎日動かしていたと思われ、それが止まっちゃったんだからその相手方に与える影響の大きさってのは何となく想像出来ると思う。
日系の証券会社も随分このPBビジネスに食い込もうとして頑張ったりしているけれど、米系のシステムなり調達力なりには相当劣っていたのが現状だ。と言うよりほとんど諦めて居たと言っても良い。

もちろんPBをやるからにはその相手となるヘッジファンドやらその他のお客さんに対する審査は相当厳格なはずであるが、ここへ来てのクレジットクラッシュは、証券会社から見ると相手の信用力に不安を抱く結果と成っていて、また同時に顧客の側から見てもリーマンがああなっちゃったら、じゃあ家が任せてるあそこは大丈夫かよ、って事になる。
このPB、要は私が昨日ここに書いて騒いでる決済に大きく絡んでくる所だから、これはお互いの会社の根幹を揺るがす部門なのである。
いくら優秀なFMが居たって、ここが崩壊してしまってはそのFMの活躍の場がなくなってしまう。

つまりここにもインベストメントバンクの限界があると思ってる。
地道にやってきた商業銀行系がここへ来て物凄くどっしり見えるのは、いざって言う時の資金調達力に大きな差があるからだろう。
残念ながらコマーシャルバンク系は証券会社をコントロール出来るけれど、インベストメントバンク系には限界があるのだ。
リーマン破綻の日に何かの記事で読んだけれど、証券会社あるいはインベストメントバンクが単独で生き残るビジネスモデルは恐らく同時に破綻したと見るのが正しい気がする。
天下のMSがどこかの銀行と合併交渉をし、GSもそうなるかも知れない。
でもドイチェとかバークレーズ、シティーなんてのはそういう話にはならない。
UBSはターゲットに成り掛けているように見えるけれど、私はスイス政府がUBSをどうにかするとはどうしても思えない。UBSも世界中で派手にやってるけれど要は正しいコマーシャルバンクの側面をきちんと持ってる。CSも余り話題に上らないのは同じような理由だろう。

翻ってわが国。
証券3番手の日興はシティーのバックがある。かつての新日本だ勧角だってのは今やみずほで、三菱UFJ証券だって色々な証券会社が合併して出来てる。
国内専業は別として、業界1,2位はどうか。ゆるい提携はそれぞれ銀行とはやってるけれど、まだまだ彼ら自身が優位性を保とうとしてがゆえの産物、みたいになってる。
これらが飛んじゃうってのは私も今は考えられないけれど、近い将来にどちらも商業銀行系とがっちり手を組まざるを得なくなるのでは無いか、って思う。

今日色々な数字を見ながらそんなことを結構じっくり考えてしまった。
そんな暇が実はあるんだ、ってのは無しね。

現場の混乱

2008-09-18 07:17:38 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
今日もこの拙BLOGにたくさんアクセスを頂いているみたいでありがとうございます。
今日はちょっと酔っ払っているのではあるので取りとめが無いかも知れないが。

コメントでさるBLOGをご紹介下さったので、今日は読んでみたけれど(物凄く有名なので私も存在を知ってましたが)BONDの方も混乱も常軌を逸しているね・・・
そうなんである、今目先で一番混乱しているのが、リーマン絡みの決済の部分である。
株の売買をしたらその4日後に決済、つまり買ったらお金を払って株券を受け取り、売ったら株券を渡してお金をもらう、がある。
リーマン破綻と同時に日本の金融庁はリーマン東京に対して業務停止命令を出し、26日までのすべての業務に対して停止を命じた。
決済の世界ではこれがボディーブローのように影響を広げている・・・

リーマンは家から買ったのにお金を払ってくれないし株券を受け取ってくれない。
リーマンは家に売ったのにお金を受け取ってくれないし株券を渡してくれない。
もちろんこれはリーマン東京のせいでは無い訳だけれど、こういった大きなプレーヤー間での取引ってのはある意味チェーンになっていて、リーマン売りメリル買い、メリルはモルスタから買っててでもモルスタは野村から買ってて・・
みたいな事が往々にして起こる(まあこれは極端な例だけど)。
そうなるとリーマンの決済のスタックってのはそのチェーンの末端まで影響を及ぼすわけだ。
つまり株券の流れのみならずマネーの流れをも完全にスタックさせる。
さらにリーマンはいわゆるプライムブローカレージって業務をやっていたので(詳細は後日)、この部分の業務停止ってのはほぼ全ての金融商品の決済をスタックさせる。

私がここや拙日記にて、直接的な影響、すなわち日本の何たら銀行がリーマンのサムライ債を10億買ってました、なんてのは実は氷山の一角で、本当に怖いのは間接的な影響だ、って言っている原点はここにある。
今まで当たり前のように流れていた川が、ある日突然せき止められちゃったようなもので、そうなると川上では川が氾濫し、川下では必要な水が全然流れてこない、って事になる。
これらの影響を碌に計りもせず、我が優秀な日本政府は、蜂に刺されただのなんだの言っているし、BOJも余り危機感の無い『日本経済は停滞』なんてコメントをこのタイミングでしゃあしゃあと流しているのを見るに付け、私は我が祖国ながら日本が本当の意味で一流になれない原因を見た気がするのだよ。

AIGに関しての米政府のやり方には賛否両論があるけれど、私は正しいと思う。
プロの世界でのトッププレイヤーだったリーマンの破綻でこれほどの影響が出ていて、これに加えて一般国民に広く深く浸透しちゃってるAIGが飛んじゃったらその影響は、正直私には想像も付かない。日本政府もこのアメリカの決定に関してはそれなりに噛んでいると思うけれど、もうちょっと危機感を持って対処してもらわないとなぁ、と思う。
もちろん一般の方々へ不安を抱かせないような言動なり施策は非常に大切であるのは重々承知している。
しかしながら長年のクソつまらない茶番の政治の世界の駆け引きを見飽きてる我々に本当に必要なのは目先の安心を誘うような甘言ではなくて、我々一人一人がきちんと現実を見つめて今後冷静な対処法を構築出来るような絶対的な事実だと思うのだけれど・・・

リーマンBROS

2008-09-17 06:48:01 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
本当はまだ余り詳細は書けないのであるが、恐らくこの話題を求めて何人かの方々がこの放置プレイ状態の場所までいらしてくれていると思うので、書ける範囲でアップしておこうと思う。
雑感は拙日記の方に書いているが、時系列に私の思っていたことを書いておこう。

先週末の段階で、週末に何らかの結末が出ることは明らかであった。
私を含め世界の大多数は、米政府が何らかの形でリーマンを救済して全てが落ち着くだろう、と言うものだった。
そして15日、日本・中国・HKなどが休場の日に我々の予想が如何に甘かったかを思い知らされる結末と成った訳だ。
私も実は某テレビ局から取材の要請を受けたのだが、残念ながら日本が休日と言うことで私の言ったことがそのまま会社の代弁となり、ひいてはそれによって無用なトリガーを引く可能性を排除できないほど我々現場も混乱していたためお断りした。

15日はとにかく情報収集に終始したわけだが、我々がさらに予期していなかったメリルのBOAによる買収、そしてAIGの危機も同時に伝えられ、正直月曜日は何をしていたのか今となってはきっちり思い出せないほどみんなテンパッてた。

そして日本が開いた今日16日。当然アジア株式市場は予想通りの展開で、まあそこまでは昨日の段階で誰もが予想出来た。
問題はここからである。
日本が開いたと同時に実務面での障害が出て来た。今日はこのソートアウトに終始したのは言うまでも無く、同時に欧米の市場を終始見ていたので、今日も結局終わってみれば何をしたのか具体的に余り思い出せない(汗)。
アメリカ市場のあの乱高下は本当に飛行機が乱気流に突っ込んで激しく上下動するかの如くであった。
あんなに一日でのボラタイルな市場は久し振りだったのではないか。

株式市場に限らず、債券は高騰、為替は円高、原油は大幅下落、CDSは急激に上昇、とどこをとっても実は落ち着いた市場なんて無くて、NYはプラスで終わりそうな気配であるけれども世界はさほど単純ではないと思っている。

まずはここから波及してくる間接的な影響に我々は注視する必要がある。
直接的な影響は今日大体出尽くした。邦銀勢もリーマンのサムライ債に対する投資額等をこぞって公表していたし、昨日のリーマンのチャプター11ファイル自体が出回っていたので、我々は昨日の段階で邦銀勢の融資額等も大体そこから分かっていたし。
問題は間接的影響である。これは単純に計れない。さらに今回の件が近い将来の実体経済に与える影響だ。これは色々な形で出て来ることが考えられ、我々は前もって対処できることはしておくに越したことは無い。
一人一人が現段階では事実をしっかり把握し、余計な分かったような口を聞いているコメンテーターみたいのに惑わされないことがまずは何より重要だと思う。

取り急ぎ。