地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

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JALやらジェイブリッジやら・・・

2006-07-21 04:51:22 | 正しい金融知識
ご無沙汰しました、すみません。
格差社会に関しては本当に様々な貴重なご意見を頂きまして、有難うございます!
私は私なりにそれらを消化させていただきました、ほんとに貴重な経験でございました。
コメント欄にておっしゃっていた方がいらっしゃいましたが、香ばしい匂いのする方々への対応もそろそろ限界・・・正直それはあります。
また、重要な意見は出尽くした感がある・・それもその通りだと思いましたね。

基本既にご周知の通り、私は一介のサラリーマンでありますので、有言不実行型であります。しかしながら将来的にもうちょいお金を貯めてやってみたい仕事があるのですが、それはもしかしたら多少の格差だのニートだのを減らすことが出来るかも知れないぜ、なんて思ったりしております。
格差社会を内閣の責任だ!と切ってしまう方々、確かに切実な訴えが中には必ずあるとは思うのですが、同時にそうやって世間を煽動している方々がいらっしゃるのも事実だと思われ、そしたらそういう連中には、今はまだあっしは力不足だけれど、将来必ず「じゃあ君達は何かやっているのか!」って世界の中心で大声で叫ぶことが出来ればなぁ、と思っておりまする。その際にはきっとまたBLOGなり何なりでその思いをぶつけて、賛同して下さる方々の応援を求めるつもりですので、その際はもし貴殿に力が残っていたらその100万分の1を、この小鬼にお貸し下さい。
この格差だのなんだのについてはまたここで大いに皆様と議論を重ねたいと思いますので、宜しくお願い申し上げます。

~~~
さてさて、ここから本題。
まずはJALですか・・・

日興が幹事団から抜けた段階で、他社も一部は追随するんじゃないかなぁと思っていたのであるが、無事こぎつけたようだ。
しっかし211円で幹事には198円、その差の13円が手数料か。
私がもしもヘッジファンドマネージャーであれば、この公募の話が出た瞬間に思いっきりショートを振って、そんで持って公募に申し込んで下値で買い戻す、的な事をしたと思うのだけれど、それにしてもそう考えた人がほとんどであったが故に逆日歩が9円ってのは驚いた。
かつてCBの転換売りに際して、結構この逆日歩には痛い目にあったので、当時はかなりそれに敏感だったのだが、この頃すっかり忘れてた(笑)。転換で出る利益なんてちょっと脇が甘いと簡単に逆日歩で吹っ飛んでたし。
それにしてもなぁ、株主総会の2日後にこの巨大ファイナンスを発表して、そんで持ってディスカウント率は結局4%と言う最下限で決めて(インディケーションは4-6%であったので、誰もが6%で決まるって思っていたと思う。実際決まる前に日経辺りが6%で・・・なんてちょいとリークっぽい記事を配信してたし)、当初の計画額には届かなかったものの、JALの経営陣はさぞかしほっとしているだろう、と。
今日1000株の株主さんが株主代表訴訟を起こしたらしいけれど、JALは徹底抗戦の構えで、本当は大株主の糸山氏辺りにその労を取って頂きたかった所ではあるけれど、それを彼がやっちゃってもしも勝っちゃってファイナンスが流れたら今度は株価に跳ね返って来るわけで、そしたら大株主としては困っちゃうし、まあ糸山氏もせいぜい外野で色々とご意見を述べるのが関の山、って感じで忸怩たる思いを持たれているだろうなぁ、と。

問題はこのファイナンスにてJALが本当に立ち直って、我らが日本のナショナルフラッグとして世界に恥ずかしくない企業になれるか否かだと思う。既存株主様たちは本当に気の毒だけれど、これが無ければJALの存続そのものが危うかったかもしれない、って事を考えてみた場合、さてどっち、と言う事かも知れない。
個人的にはこれは非常にふざけたファイナンスであると思うし、銀行にとっての一種のデッドエクイティースワップじゃない、ってご意見も聞いたけれど、これが成功すればどっさりお金を貸している銀行は少なくとも一件落着だろうし、そこに利益相反の懸念もあるけれども、そうやってナショナルフラッグが再度テイクオフするならば、長い目で見ればOKなのだろう。
しかしながらそれらがなんだか知らないうちに垂れ流されて、相変わらず企業風土が変わらなければ株主は報われない。
経営陣が欧州でIR活動を展開したって事はこの間書いたけれど、それに出たお客さんに聞いたところ、「ああいう会社の経営陣の方々ってのはほんとお公家さんみたいな感じだねぇ」との印象であったらしい。これをどう捉えるのかは読者諸氏のご判断って事で(笑)。
個人的には私は飛行機が大好きで、故に実はいまだにJALにはある側面憧れていて(笑)、きっと現場のパイロットやスチュワーデス、整備の人たちは今日も飛行機を安全に飛ばすことに専念されていると思うのだけれど、そういう現場の思いをもっともっと吸い上げる経営陣であって欲しいなぁ、と。
おっとこの手の事は何もJALのみならず金融界でもそうですけど(笑)。


さて次なるはジェイブリッジ。
今月頭にファイナンスを発表、その詳細はここでも書いたけれど、本日払い込みに際して、結局株価が大幅に下落したため、払い込まれたのは転換社債の20億のみにとどまったようだ。第三者割り当て公募、ワラント、そしてCBの10億は払い込まれず、だったそうな。
まあ、公募価格は546円、ワラントの行使価格は606円、CBの転換価格は546円に対して本日終値は419円だもんね。今日株価は暴騰したけれど足りなかったですね。
マーケットで500円以下で買える株をわざわざ546円で買う、となればそれはそれで非常に不自然だし、ましてやワラントにいたってのパリティーなんかを考えたらとてもそれを買う気にはならないし、ってのは充分に理解できよう。
さてCBであるが、当初30億の調達予定、10億がHarbor Bridge、20億がBest Growth Fund、って所への割り当て予定で、ハーバーが抜けてBESTのみが20億を払い込んでディールは成立したようだ。
転換価格546円のCB、本日の終値で計算するとパリティーは76.74。この会社のクレジットスプレッドだの何だのを打ち込めば理論価格が計算されるソフトがスイスには無いのでそれ以上は分からないけれど、まあジェイブリッジのクレジットを取れるのであれば、パリティー75程度のCBを買うこと自体はさほど不自然では無いと思う、今のCBマーケットを俯瞰すればね。
もちろんCB全体の活況がざっくり失われている現状を考えれば、当然迂闊に手を出せる水準とも思えないけれど、償還時にPARで帰ってくるのであれば、その間の株価の上昇に期待を持って投資したのであろうか、と。
今日もヤフーの掲示板を見ていたけれど、いまだにMSCBだなんだ、って書いている人も居て、ああなかなか世の中への啓蒙活動ってのは大変なんだなぁ、と変な所でため息をついてしまった。

ここで問題は、果たしてジェイブリッジが今回の結果をどう受け止めているか、だ。基本資金は今後のMA絡みに使う予定、って書いてあったと思うけれど、当初70億を予定していたのに20億しか集まらなかった現実に対して、しばらくはその20億の有効活用を考えて行動するのか、あるいは既70億分のMA投資予定があったのか、によって進路が変わるだろうね。あと50億の調達は、例えばこの株価水準もしくは546円以下にて再度CB発行なんて事になれば、当然今回買ったBEST Gに対しての、法的な責任は無いかもしれないけれど、充分な裏切り行為になるだろうし、本当にジェイブリッジの全く息の掛っていない投資家であったとすれば、そこでのファイナンスは禍根を残すだろうね。MSCBにしたって同じだろうし。
全く個人的な予想で、それによって貴殿が迷惑を被っても私は何の責任も取らないので念のためだけれど、少なくとも株価が546をきちんと上回って来ない限り次なるファイナンスはしにくいだろうな、と思う。
もしやっちゃったら、その時はまたここで記事にしましょうぞ。
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J Bridge とか

2006-07-07 07:54:34 | 正しい金融知識
一昨日、そして昨日の公約通り今日はジェイブリッジ(以後JB)の起債に関して考えるところなどをつらつらと書いてみる。

一昨日7月4日にはこのJBの起債が夕方にポロリと発表され、そして昨日5日には、ドンキホーテと日本軽金属それぞれCBの起債、そして三井トラストの公募が発表された。大型公募ラッシュに続くCB起債である。
ちなみにドンキとオカル(日軽金をこう呼ぶ)のCBはそれぞれ200億(オカルは正確には201億))の起債量。
それぞれはまた時間があれば書くけれど、オカルは既存のCBがまだ全額残っており、またドンキも既存CBがあるけれどこちらは半額近くが既に転換されている。
オカルの既存CBの当日のパリティーは90手前、反対にドンキは145近辺、つまりこの新発はドンキ完全有利であった。
実際ドンキのグレーは104前後、対するオカルはほとんどグレーが立たず、という事はこれは主幹事が意図的に抱えたか、とも推察できる。
まあ既存のオカルCBホルダーにとっては迷惑な話で、もちろん新発の方は無理やり転換価格を既存の上に設定はしたようだが、それにしても心理的な重さを払拭できるものでは無いね。

さて、本題のJB。
大型中型の起債の狭間にほんとチラリって感じで出てきた印象で、この辺も会社側が読んでいたとすればツワモノだなぁ、と。
この会社は、前回触れたように元は日本橋倉庫と言う会社であったのを現経営陣が買って、投資会社に蘇らせた。ちなみに日本橋倉庫買収時の日経平均はあのどん底の7000円台で、当時の日本橋倉庫の時価は60円前後であった。その後小杉産業なんかを買収して今に至るわけであるが、この会社の株価はマーケットの先行性がある、と言われている。調べて見るとそこまではっきりした因果関係はチャートには出て来ないけれど、それでも先行性があると言えばあるよね、って感じである。

さて起債は3本立てで行われた。
1.第三者割り当ての新株発行、約20億円
2.第三者割り当ての新株予約権発行、約20億円
3.第三者割り当てのCB発行、約30億円
マーケットキャップが約330億円であるから全体のダイリューションは約2割程度となる。

3つの割当先であるが、これがなんだか私も全然知らないケイマンだのの投資会社であるのが邪推を呼びそうな感じがしたけれど、その手の事に対して現在世間に吹いている風は非常に厳しいのは会社側も十分に承知しているはずで、ゆえにリーガル上は何処を叩いても何も出て来ないんじゃないかなぁ、と思わせる。

1の新株、払い込み価格は3日の終値の10%ディスカウントの546円で、払い込み期日は7月20日。
まあこれは特段記すことも無い。
面白いのは2のワラントと3のCBであるね。
ワラントの行使価格は606円でこれは3日の終値に合わせてある。これも払い込み期日は7月20日。
CBの転換価格はこれまた546円で、払い込みは7月20日。
何故面白いと書いたかと言うと、ワラントの行使期間及びCBの転換期間がそれぞれ払い込みの翌日からになっているところだ。両者ともスタートは21日から。
通常のCBにおいては、払い込みから数週間置いて、転換期限がスタートする。しかしながらこれは払い込んだ翌日から転換なり行使が出来る設計になっている。
しかも、ワラントは置いておいてもCBの方はきっと初めて見る、当初転換価格のディスカウントであるから、要は会社側の意図は、株を売る売らないを別にしてもまずは払い込んだら転換したら?って事のようである。

株価が本日この546円になってしまったので今後払い込みまで株価がどうなるのかが予断を許さないけれど、会社側の想定は間違いなくそれより上で推移するはずじゃ、だと思う。さもないと引受先は何らメリットが無いわけで、例えば大幅に転換価格なり公募価格を割り込むような事態になった場合はどうなるのか、ちょいと現段階では読めない。

おっと、ヤフーの掲示板を見ていたけれどこのCBが何故だかMSCBとか書かれている記事があったりして、さらにMSCB=ダイリューション、的な書かれ方もあったけれど、その辺は正確とは言えない。MSCB=ダイリューションは間違いではないけれど、ダイリューションとは何ぞやを考えれば、その等式だけでは無いわけで、その辺の正しい知識はきちんと学ぶことをお勧めする。またMSCBってのは、Moving Strike CBであって、転換価格が変わるCB、それも一般的な定義になりつつあるのが、月一回とか週一回変わるようなものを差しているわけであるね。
このCBにそのような条項は無い。転換価格が変わる時は、例えば無償だのなんだのと新たな資本政策が実施された時の調整、と言う意味で変わるだけであって、CBそのものに属している理由で変わるわけでは無いので、正確にはMSCBでは無い。
しかしながらそう言いたい気持ちは分かる。なんたってのっけからディスカウント転換価格なんだからね。

ちなみにこれは有利発行にはならないのか一応チェックしたけれど、オプション価値その他を計算して理論的にCBの発行価格が100なら100になるのであれば、一般的には有利発行とはみなされない、と言うのが見解だそうだ。もちろん弁護士によっても解釈は異なろうけれど、ディスカウントがナンボだから有利発行になるならない、と言う議論にはならないそうなので、念のため。
これらの部分も、上に書いたように、その手の事が逆風下である現状にあえてそのような事に踏み込んでいるのだから、リーガル的には問題が無いと思われる。

さて3つのファイナンスのどれも知らない投資家へのみの販売であり、ゆえに特にCBとワラントの現在値はいくらだのってのを計算している人は居ないし、当然マーケットが立つわけでも無いので、上に書いた以外の情報ってのは基本は無い。
資金使途は今後のM&A等に当てられるようで、まあ一般製造業で言う設備投資のようなものだ。これらで調達した資金が無事に業績に生きてくれば、それは会社にとっても株主にとってもそれぞれ果実をもたらすだろう。
上記したように現在株価そのものが転換価格と公募価格になってしまっているので、現時点であれこれ言うことや考えることは非常に難しい。
割当先との関係は基本無い、との事だから、とすれば尚更、払込日に仮にそれらの値段を株価が大幅に下回っていたら、起債キャンセルも有り得るかも知れない。契約書を見ていないから無責任なことは書けないけれど、でももし自分が割当先だったらどうするかを考えれば別に難しい事じゃないわな。

結局何も実のあることを書けなかったけれど、現時点で変な邪推はやはり危険なので、逐一公表されたニュース等があったら、それに対する意見を述べていこうと思うので、今日はここらでご勘弁。

ちなみに投資はあくまでもご自身の判断でお願いします。私は一切責任は取りませんので念のため。



コメント (1)
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近頃のファイナンスについて考える

2006-07-05 07:52:47 | 正しい金融知識
それにしてもドイツVSイタリアの試合はすごかったぁ。さっき終わった所だけどまだ興奮冷めやらぬ、って感じ。120分も全力疾走したその最後の2分で2点なんて、やるなぁ、イタリア。
そしてPCに向かってみるとどうやら北がミサイルを発射した、との報道。これで我が国も堂々と世界の大義名分を得たではないか、もう誰に遠慮することもあるまい。
明日の市場はどうなるのか・・・ちなみにアメリカは独立記念日で休場、そんなことも考慮に入れたX-DAYだとしたら、なんか嫌な感じ。

~~~
さて、それはそうと本題に入る。
ご存知の通り近頃大型のファイナンスが続いているのはご周知の通り。
牧野フライス、新日鉱HD、エルピーダ、そしてJAL。
どこも全部公募増資で攻めてきたのを見るにつけ、MSCB系はすっかり影を潜めてきたような印象も受ける。
簡単にまずは小さい方から見ていくと・・・

「牧野フライス」
ダイリューションは約10%、株価は翌日それに反応して窓を開けた。
マーケットでは特に大騒ぎされるような額ではないけれど、一部「株主資本比率が45%と高いにもかかわらず、たかだか65億円の投資のために、なぜ、希薄化を招く増資を選択したのか」
なんて声もあったようだ。
これくらいの額であれば今までの流れであればCBの選択が常だった気もするけれど、あえてダイリューションが絶対に起こる公募を選んだ理由ってのが今ひとつ見えて来ない、って印象があるね。

「新日鉱HD」
ダイリューションは約9.4%。翌日の株価は一時安いところもあったようだが、チャートを見る限り結局この銘柄が一番影響が少ないと感じる。窓も開いていなかったし。
ただ、最大800億円弱の調達で、当然マーケットには「相場は完全に立ち直っているわけではないので、もう少しマーケットを考えて欲しい」
って意見があるのが当然である。

日経平均の見方は色々あるけれど、私自身がもっとも信じているのは現在の状況はいわゆる「リバウンド」、出来高をそれほど伴っていないことからもやはりリバウンドの域を出ない、とする見方で良いような気がする。
加えてここから10月頃まではジリ安傾向、その頃に大底を打つだろう、ってテクニカルアナリストは言ってて、私もそれを信じている。
日経平均の大きな流れを見ると、8年周期で大底を今まで付けてきており、それがこの10月だろうと。加えて米国中間選挙、そしてアメリカも4年サイクルだかのボトムがその頃来るようで、アメリカの影響って事を考えてもそういう傾向かなぁ、と。
そして日本時間本日未明の北のミサイル発射によってそのリバウンドも終息を迎えるかも知れない。
つまりまだマーケットはそんな段階なんだから、あんまりでっかい起債をされてマーケットから資金を吸収しちゃって良いの?と言うのが市場関係者の一般的な見方であるね。

そして問題のエルピーダとJAL。
エルピーダは前々からエクイティファイナンスの噂はあった。アナリストなんかも大方これを予想しており、それにも関わらずここもとの業績の好調さ、今後の展開にはやはりお金も必要だろうし、それが入ればますます好調になろう、ってな論調であった。
ただ、それにしてもでっかかったね。。
金額にして1400億円以上あって、ダイリューションは約33%。
さすがに翌日の株価は10%程度下げたけれど、それ以降は割りと堅調な動きになっている辺り、この資金調達を会社にとっての「前向きな意味で」重要と捉えている向きが多いのだろうか。
「これだけ大規模とは予想外。しばらく株価の下振れは続くだろう」
なんて意見は当然あるだろうが、同時に、
「今期設備投資を行わなければ、来期収益の伸びが落ちるとみられていた。ファイナンスについても、韓国ハイニックスなど競合他社が転換社債を含めて積極的に実施しており、今やらないのは不利」
と言うポジティブな意見があるのも忘れてはいけない。

それに対するJAL。これにも驚いた。
最大2200億超でダイリューションは約39%!
ただ私が個人的に解せないのは今回の資金使途である。発表文によればそれは、

3.資金使途
(1)今回の資金調達の使途
今回の公募増資及び第三者割当増資による手取概算額上限222,710,000,000円につきましては、全額航空機(航空機関連部品を含む)の購入に充当する予定であります。

とある。
既にご周知の事と思うが、JALは前にCBを発行しておりそのPUTが来年3月25日の日限定で来る。この際の償還価格は100円、金額は1000億円である。
現在このJALのCBはユーロでは大体98-99前後で取引されているけれど、私が見てもこれは高いでしょう、と。
パリティーは約63、プレミアムは57%超も付いている。OAS(Opition Adjusted Spread)ベースで約150bp程度なんだよね。
あっしは今のJALだったら300bpくらいかなぁなんて思って計算すると値段は97.50くらいまで下がってしまうのだが、正直クレジットマーケットはきちんとウォッチしていないので全くのドタ勘であるにせよ、せいぜいそんな線でしょうって思っている。
さて、これからJALの株価が来年3月へ向けてグイグイと上昇して、それに伴ってパリティーが上昇、重たいプレミアムも徐々に剥げてきて、CB値段が100を超えるような展開になっていれば、なんら心配をすることは無いけれど、もしそうじゃなくて今のまま株価が低迷してCB価格もずっとこの近辺で推移しちゃったら、恐らくホルダーはほぼ全額PUTを申し込むだろう。
って事は1000億円の償還資金をJALはいずれにせよどこかで調達せねばならず、そういうちょっくら「後ろ向き」な理由でやはりファイナンスの噂が絶えなかったであるが、そしてファイナンスをしたと思ったら全額航空機購入ってほんとかよ、と。
まあこの1000億のCBの資金使途も(ちゃんと見ていないので推測だが)恐らく航空機購入なんだろうから、それを今回で借り替えたとしても間接的には正しいけれど、それにしても何かしっくり来ないのは私だけではない気がする。

また色々と聞いてみると例えば
「銀行も既に追加融資は渋っているけど、それにしても今まで銀行から借りてる分を今度は投資家に転嫁しようっていうこのスキームは利益相反ではないのか!」
なんて意見もある。
さらに問題なのは、株主総会では発表せず、それが終わった途端にこの大型ファイナンスを発表した、って言うことだと思う。いや別にそれは何ら違法では無いのだろうけれど、ほんとに1日2日の話でしょう。何だか体質そのままじゃん、って感じがするなぁ。
株主総会の記事も読んだけれど、特に東洋経済の記事の最後の部分
「トップが交代して1年経っても株主総会の情景は変わっていない。会社関係者の会社批判、制限された質問時間とそれを理由にした打ち切り、そして株主が指摘するように質問に答えない経営トップ。「全社一丸」という西松次期CEOの言葉が虚しく響く。そして、多少でも芽生えたかもしれない新生JALへの株主の期待は、総会終了までひた隠しにされた発行済み株式数の4割に当たる新株発行で見事に裏切られた。」
まあこれが全てでしょう、と。
労働組合が大体7つも8つもあるなんて、それ自体がもう異常事態。
マーケットの声も、
「投資家に売るのはなかなか厳しい。大幅なディスカウントが必要になるだろう」
「発行価格が決まるまでは下落が続くだろう」
ってな感じで、それに反対する人はまず居ないと思われる。
実際私が主幹事だったらこの公募を売る自信って正直ないもん。さらに言えば「ほんとにこれやるの?」って知り合いが言ってたけど、一応最後までこの公募が遂行されるのか否かもちょいと興味があるところではある。
引き受けた証券会社の同志達よ、頑張ってください、と言うしかないなぁ。
ちなみに国内ポーションは、みずほ、GS、野村、日興シティー、三菱UFJ、新光、東海東京、岡三、コスモ、藍澤、東洋、丸三、水戸、イートレード、松井。
海外ポーションは、みずほインター、GSインター、UBSの3社のジョイントブックだそうで・・
全て全額買取だからねぇ。

株価はすげー下落だわなぁ、と思っていたけれど、これも翌日はきっちり反応して窓を開けたけどそれ以降は割りとしっかりしていて正直これは予想外。

~~~
とまあこんな感じであるけれど、くれぐれも本日の記事に関しての一切の責任は私は取りませんので、念のため。
投資はどうぞ各人の最終判断で行って下さいね。

おっと、今日ジェイブリッジっていう会社、東証2部だけど、がやはりファイナンスを発表した。この会社、昔の日本橋倉庫って会社で今は元証券マンが入って、アパレルの小杉産業なんかを買収して、大きくなっている会社であるが、このファイナンスが非常に不思議だった。この記事は明日書くね。

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村上ファンド~その3

2006-06-09 02:12:33 | 正しい金融知識
ちょっと東京を離れていたので間が空いてすまぬ。
コメント欄に寄せられた沢山のご意見、ほぼ予想通りであったね。どうもありがとうございます。賛成も反対も色眼鏡で見ずに、きちんと私のつたない脳内で考えさせていただいております。

今さら村上氏があんなにも早く、いわゆる可及的速やかにご自身の容疑を認めたことに関して言いたい事が沢山ありますが、ご自身が認めたのであればそれはそれで受け止めるべきだと思うので、ここでは言及は致しませぬ。
しかしながら何度も証券関係者と彼の足跡を議論していますが、やはり私の意見は変わりません。
彼が罪を問われた部分に関しては、これは法治国家においてはもう議論を挟む余地はございませぬ。これは彼は悪い。この部分に関してはどんなに割り引こうが、現在の日本では許される余地はありませぬ。これは私も認めます。
しかしながら何度も言うように、これは証券関係者の意見で筆が甘すぎる云々と言う意見があるのは合点承知の介ではありますが、やはり彼の打破しようとした事をここできちんんと記憶に留め置くべきだと思っております。
私は彼が動いている映像を見るのが今回日本に来てほぼ初めてでありますが、正直マスコミが今まで集めた彼の映像、そして言動等には言われも無い不快感を覚えましたとも、ええ。
偉そうだし、人を食ったようなあの物言いにはとてもとても拍手喝さいを送るような気分にはなれませんわなぁ。
しかしながら我々がきちんと彼がその手前までやってきた事を評価し、忘れないで居る事はどうしても必要だとの意見は変わりませぬ。
きちんと『マスコミ』の増幅部分を見ていく上でもこれは必要な事だと思いますね。
証券関係者甘い甘いと言う意見は重々承知した上です。

その思いを新たにしたのは、例のシンドラー社のエレベーター事件です。
たまたまこの2日滞在していたさる地方都市でのテレビニュースを見ていたのですが、
「愛知県(だか名古屋市、だかは忘れました)は、過去にシンドラー社のエレベーターでの事故が6-7件あったと談話を発表したが、それは他社のエレベーターと比べて取りたてて多い数字ではない」
みたいなニュースを盛んにやってました。

この内容、事実としては正しいのでしょうね。シンドラー社のみならず、B社もC社もD社も同じ位のトラブルがあったぜ、って内容でしょう。
そんだったら別に談話なんて発表しなくても良いじゃないの。
百歩譲っても、シンドラー社以外の具体名をきちんと出した各社の正確な数字を出すのが公的機関の正しい姿勢だと思うし、マスコミもそこをきちんと聞いて発表すべきでしょう、と。

村上氏はご本人が認めている以上、その部分は罪ですから私も何も申せません。
しかしながら氏がやってきた事を、下手なオブラードに包まずに例え1社でもその辺の報道をしてくれるような世の中にならないと、日本は私の目には「やっぱり日本って不思議な国ね」って映ってしまうのです。
コメント (11)
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村上ファンドに関して

2006-06-03 20:45:52 | 正しい金融知識
これから東京へ出張に行くので余り時間が無いのだが、取り急ぎ簡単に村上ファンドに関しての私の感想などをざっと書いておきたい。

捜査の一報を読んだ時、まず思ったのは「日本は恐い」である。
間違いなく出る杭は打たれる状況って感じで、学校で教わった生き方とはだいぶ違うよな、と(笑)。

このニュースが出て、6月2日金曜日の株式相場は全体は悪くなかったものの、村上銘柄だけは軒並み売られる展開となったことは皆様の方が詳しいだろう。

さて、まず私が思うのは、一体何が悪かったのか?と言う事である。
どれも「インサイダー疑惑」だのなんだのぼかしたような書き方で、あるさるさる日記の有名作家さんは、間違いなくリーク、と書かれているが、私も同感である。
そのうち、例の共謀罪等から焦点を逸らすため、云々と言う様な盛り上がりを見せるかも知れないが、まあそれは置いておいて。

時事通信によれば、
『村上世彰氏(46)率いる「村上ファンド」によるニッポン放送株の不正取引疑惑で、ライブドア前取締役宮内亮治被告(38)=証券取引法違反罪で公判中=らが、東京地検特捜部の事情聴取に対し、同社によるニッポン放送株の買い占め情報が昨年2月の公表前、村上氏側に伝わっていたことを認める趣旨の供述をしていたことが2日、関係者の話で分かった。

 特捜部は、村上ファンドがライブドア側から情報提供を受けた後、ニッポン放送株を買い付けていた可能性が高いとみて、証取法違反(インサイダー取引)の疑いで捜査しており、村上氏本人からも近く事情聴取する方針を固めたもようだ。』

てな事らしい。
たまたまこのニュースが出たときに、東洋経済の5月20日号に詳しく書かれている村上ファンドの特集記事が送られてきたので、それをじっくり読んでみた。
それによれば例のニッポン放送株式に関しては、2003年7月の段階で、既に7.37%の保有が確認されているようだ。
その後買い増して、2005年1月には18.57%でこれがピーク、そして2月にはライブドアに売却している。
という事は、ライブドアから情報提供を受けた後、株を買い付けていると言うのは間違いではないのだろうけれど、そもそもずっと買っていたとも言えるわけで、これって本当にインサイダーに抵触するのかどうかがまず疑問。
株数の増加の時系列的な動きと、仮に宮内氏からの情報提供があった場合、それがいつか、って言った事がキーを握るであろうけれど、例えば買い付けのスピードが情報取得前も後も余り変わらないとすれば、どうなのだろう。

加えて、村上氏は相当法令的な部分にも精通しているはずで、そもそもそんな単純な事をしちゃうのだろうか??
ファンドの規模がこれだけ大きくなってきたからには、その辺のコンプラ関係にも細心の注意を常に払っているはずで、余りにも話が単純すぎるように思えるのは、私だけでは無いだろう。

ライブドアの時も何だか尻切れトンボみたいになっちゃった感じだし、そして今回もこれだけ世の中、特に株式相場に検察はインパクトを与えちゃったのだから、それ相応の覚悟があっての事なのだろう、と信じたいけどね。

それにしても、私、いや業界の人間から見れば村上ファンドのやり方ってのは別に奇異に映る訳でも何でも無い。
内部留保のキャッシュを生かしきれていない企業やら、優良な資産がありながらそれを生かしきれていない企業があれば、物申す株主は通常は黙っちゃいないだろう。これは村上氏のみならず、例えばアメリカの年金だってきっちり物を申すし、そしてそれによって企業の価値が高まって株価が上昇すれば、そこに何か悪いことがあるのだろうか。
いくら物を申しても、馬の耳に念仏だった企業が最近まではゴマンとあった訳で、その辺の企業自身の考え方が変わってきたのは、これは日本という国にとっても良いことだし、そしてそのきっかけが私はライブドアであり村上ファンドであると個人的には思っているから、これらの司直の介入にはどうもしっくり来ないのだな。

大体マスコミの報道を見る限りは、最後は必ず情緒的な部分に訴えて、世の中公平であるはずなのにどうして一部の人だけがこんな良い思いをしてるんだ!的な所に行き着いている。また日本人の大好きな野球が絡んできちゃえば、それを煽るのはマスコミにとっては偉く簡単な事だろうて。

私は別に村上氏の肩を持つわけでは無いけれど、ただ非常に残念に感じている。
だって、それじゃあ村上ファンドと、その辺の証券会社が出してるファンドと、ヘッジファンドと、国内外の年金と、機関投資家と、何が違うの?
どこも目を付けた企業の株式を買って、そして資金を運用しているわけで、個人投資家と違うのはその規模だけでしょう。
株主になれば貴方もその会社の経営にきっちり物申す権利はあるんですぜ。

ちょっと考えがまだまとまらないけど、東京でまた書こうと思う。取り急ぎ。
それではこれから飛行機に乗って来ます(笑)。
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IR MTG(インベスターズリレーション ミーティング)

2006-06-02 06:15:01 | 正しい金融知識
いやぁ、気付いてみればもう半月以上もほっぽらかしてしまった、本当にすみませぬ。
屁理屈を述べるわけではないのだけれど(って結局述べているんだけど)、何せ相場が悪い→つまらない→家に帰っても明日への活力が湧かない→よって不貞寝する・・って感じの悪循環に陥っているのは事実であるね。
加えて決算発表が一段落した途端に始まる怒涛のIR MTG・・
色々な企業が決算の内容や次のFYの予想やらを携えてヨーロッパへやってくるやってくる。
当然そういうMTGをアレンジすればそれだけ我々は投資家からポイントを頂ける訳で、ゆえに東京やロンドンのIRチームは1件でも多くの会社を海外に行かせてMTGをさせようと躍起になり・・って事でてんやわんやであるのも事実である。
今週の火曜日なんかスイスに一度に3社のIRだったからね、もう完全な人手不足である。
1社はジュネーブでこれはもう誰もオフィスから派遣できず、ロンドンのIRチームのスタッフが全部やった。
あっしはあっしで1社チューリッヒを担当、ただこの会社2日間チューリッヒだったので、月曜の昼夜、火曜の昼と3食付き合い、さらに投資家訪問時はメモを一生懸命取り・・・
近頃はもっぱらPCにて文章を書くわけですっかり漢字なんて書けなくなっているのはみんな同じだと思うけれど、あればっかりはその場で手書きでメモを取るのが一番早いので(録音って手もあるけど、後からもう一度それを聞く気になんて到底なれない、しかも大体英語だしさ・・)結構漢字が自分の中で蘇ってきているのがちょっと嬉しかったりする。

私はIR自体は決して嫌いではないのだ。確かにお仕着せのMTGで本命は観光、みたいな会社もあるのは事実で、でもそういう会社は大抵翌年以降は来ない、よって投資家のその会社に対する評価も自ずと低下していくので、結局は自業自得となる。
ただ近頃は各社ともこのIRには強烈に力を入れていて、これは隔世の感が正直あるね。

初めてこんな仕事もあるのか・・と思ったのはスイスと言うか海外勤務に初めて来た91年(うわぁ、大昔やん)。
この当時のIRってのはもっぱら物見遊山がほとんどであったが、しかしながらその頃からIRをやっていた企業ってのはやっぱりそれなりに立派に成長しているね。
継続は力なりってのをつくずく感じる。
その頃頑張っていてあっしも非常に印象に残っている会社、そうだなぁ、三菱電機や伊藤忠、住友金属鉱山とかオリックスとかね。
当時の下っ端のあっしが当然アレンジやら何やらをやってた訳だけど、でもあの頃は今よりみんなもっとのんびりしてた気がする。
伊藤忠の当時の室伏社長とか、オリックスの宮内社長(当時)とかの名刺は今もちゃんとあるよ(笑)。
こんな下っ端が超一流企業のトップとじかにお話できるなんて、すげーなぁ、と自分自身を誤解してた時期もあったなぁ。

今年に入ってからも随分たくさんの企業が来て、やっぱりそれなりにトップの方々と名刺交換をさせて頂き、それでお話を伺えるのは相変わらず素晴らしい経験で、でも当時からは考えも少しは変わり、ちょっとは自分をわきまえるようにはなってるなぁ、と(笑)。

さて、そういう方々と飯を付き合ったりして多少のアルコールが入ると、当然投資家の前では話されないような話題も出てくる。これが一番面白いね。
残念ながらほとんどインサイダーに抵触するような話は無いけれど、それでも改めてその企業を見直すようなエピソードだったり、やっぱりどこも同じやなぁ、と言うような一種大企業病のようなお話だったり。

この手の話は今度機会があればきっちり書いてみたいのだが、現時点ではまだ余りにも生々しいので残念ながらここでは控える。が、楽しい話はたくさんあるから、徐々に書いていくからね、ちょっと待っててね。

おっとちなみに来週一週間は投資家と一緒にまたまた東京である。
今回月曜から金曜まで都合20社の企業を訪問するのだが、結構役員クラスの方や社長さんと、東京のチームがアポを入れてくれたのですごく楽しみである。
正直スケジュール的には物凄くハードで、ほとんど自由時間が無い・・・せっかく東京へ行くのに何の買い物も出来そうに無いのは少々辛いが、まあこれもサラリーマンであるあっしの勤めであるので頑張るじょ。
昨日からそれら企業の資料集めやら何が問題か果てまた時間があればあっしも質問しちゃおう、って感じで勉強しているぞ、えっへん。
今回は大企業と言うよりもかなりの会社が新興企業と呼ばれる部類に属するので、それも楽しみの一つだ。
ここで声を大にして宣伝したいビジネスモデルを持った企業も何社かあるのだが、それらは東京から帰ってきてから問題の無い程度に書いてみようと思うので、ちょっと期待してみてね(笑)。
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CBの動きとコメントへのお返事

2006-05-12 07:19:53 | 正しい金融知識
例の菱和ライフであるが、本日きちんと寄ってしかもプラスで引けた。
出来高は約2500万株!ちなみに確か浮動株は3000万株程度であったからすごい回転率であるね。

こちらユーロでのCBの取引も無事に再開されたが、実は大きな動きは無かった。
パリティーベースで70台まで下がってしまった訳だけれど、朝一番のインディケーションは、99.75-100.75、その後100を挟んだ動きに終始、但し実質的な商いはほとんど無かったようだ。
ひとまず株が無事に寄ったので、CB投資家も安心したのだろうか。

さて、コメント欄にまたまた非常に鋭い質問を頂いているので、それに絡めてお話をして見たいのだが。

『菱和ライフさんの件ではなく、一般論なのですが、PDFの内容を読むと、合併などで上場廃止になった場合100%+αで償還するようになってると思います。例えば発行会社の突発的な倒産などで債務が履行できないような事態になった場合は実際どういうふうな処理になるのでしょうか?MPOなんかだと引き受け証券が丸損で諦めるのですか?大抵の物は無担保表記ですし、資産があってもそういうところは大抵銀行担保になってますよね。』

例えば今回の菱和のCBの詳細を読んでみると分かるけれど、おっしゃる通り、仮に上場廃止になった場合、100%での償還をリクエスト出来る権利を主幹事は持っている。つまり上場廃止(もちろんそんな事態になるかどうかは分からないし、あくまでも一般論であるよ)になった場合でも、倒産等ではない限りCBは100前後にて償還されるはず、なのである。
しかしながら債務不履行等で倒産等をした場合にはこの限りでは無いと記憶する。
先月民事再生法を申請したA社であるが、この会社はあるいはご存知かも知れないけれど、スイスフラン建てCBを野村スイス主幹事で発行しているが、昨年末のPUT資金を調達できなかったため、監理ポストに入った。
結局その後の資金調達も上手く行かず、民事再生法申請になったわけであるが、時系列でこの関連のニュースを追って行くと、まずは野村スイスにて社債権者集会が開かれ、最初は全額面の5%、翌月は10%、と言った具合に順次100にて償還する、ってな事が話し合いが行われ、でも結局約150億の負債を持って事実上倒産してしまった訳だから、それらの話し合いは絵に描いた餅になっていると思われる。
無い袖は振れない。
特にアルパやスイスフランは私募にて発行されるので、その債券の償還順位ってのはほとんど最下位なのである。

実際私が覚えている限りでは、スイスにおいては、マンションのマルコーとか、日本データ機器ってな会社がCB存命中に倒産している。その際はほとんど返って来なかったはずだ。
上場廃止までは何とかなるけれど、それ以上のステージに進んでしまうと、CB投資家も大きな打撃を受ける。もちろん株式投資家はもっと大きな打撃を受けるわけだけど・・


『>昨日今日は、投資家がCBを売りたくても事実上売れなかったのだ

という事は、MMカーの方々は売りが出れば買わなくてはならないのですよね...欲しくなくても..万が一上場廃止等になってしまった時、気の毒にもMMカーさんの手元に残ってしまったりしたら社内的にヤバかったり怒られたりするのでしょうか...?』
<MMカーとはマーケットメイカーの事です~筆者注>

おっしゃる通りです。
ユーロにおけるMMの基本は、前に書いたようにK4K(Knock For Knock)と呼ばれる、お互いにファームプライスの提示が基本であるから、出した値段で売られようが買われようが、それは聞いた方の権利なのであるね。
これは倒産とかでは無かったけれど、数年前CB市場を突然襲った信用危機ってのがあった。別に危ない会社でも何でも無い会社のCBが突然売られだし、その時の事を考えるともうMMなんてやりたくない、ってくらい死にそうだったのだが。
プライスを聞かれて「95-96」と出すとすぐに95で売られ、今度こっちが聞きに行くと「92-93」で止む無く売ると、今度はその場で相手にプライスバックを求められ「90-91」って出してやったら90で再びヒットされ・・って言う恐ろしい事が起きて、そうなると全てがネガティブスパイラル・・・

最終的には主幹事がどう判断するかってのが結構ポイントになってくるので、MMをやってる時はやばいと思えばすかさずそれを社内マターにでっかくして、なるべく上の人間をインボルブするようにして。。ってな感じで対応してたけど、それにしてもポジションが溜まるときは最終的には主幹事溜まる訳だ。
結局そのCBは70台まで突っ込んで、急遽東京経由で買入消却提案を行ってもらい、多少は取り返した記憶がある。。

私は経験は無いが、そうやってポジションが溜まり、そしてその当該会社が倒産、ってケースは当然あるわけで、そうなると場合によっては首なり左遷にもなると思うなぁ。
一応主幹事にはBID義務ってのがあるので、どんなに値段を出したくなくても、出さねばならない。もちろん100のCBに対して50BIDとか言っても良いけれど、そんなことをすればその業者はその後信用を回復するのに苦労するから、その辺のバランスが非常に問われる、苦しい戦いなのだね。。

そんな事が起きなければ良いな、と。

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菱和ライフ事件・・

2006-05-10 05:03:26 | 正しい金融知識
現在世間を騒がせている菱和ライフ事件。
東証2部の会社だけれど、実はヨーロッパではこの会社は割りと良く知られているのだ。何故か?
そう、CBを数回スイスで発行しているのだね。確か3回だったと思うけど。
色々とニュースを読み、さらにYAHOO ファイナンスの掲示板や、果ては2ちゃんねるとかもチェックしたけれど、どうも菱和ライフの立ち回りがきちんと説明されているところが無いので、まあそれは捜査の進展を待つしかない。
社長さんに関しては、もうネットでは書かれたい放題、まあ私はそれらのスキャンダラスなことには興味が無いし、それよりとにかくこの会社が今後どうなっていくのかが気になる。

昨日の逮捕から、当然の事ながら我々の方にも投資家から様々な問い合わせが入っている。入っているけれど結局報道されていることくらいしか我々にも分からないので、どうしようも無い状態が続いている。
今日も手分けして、同僚はアナリストに、私は東京やロンドンの引受系部署に色々サウンディングしたけれど、やっぱり結果は同じ・・

ちなみに菱和のCB、ずっと最近はオンパリ、120超え位で堅調に推移してた。
不動産系の会社の株式全般のパフォーマンスも決して悪くなかったので、またCBの投資家もまだまだCBを転換ないしは売却する意向もさほど持っていなかったために、転換は余り進んでいなかった。
CB市況によっては、これら小型系のCBってのはパリティーベースで120を超えてくると結構転換が進むのだが、直近の市場、新発債もほとんど無かったので、特にCBファンドなんかはポジションを利喰ってしまうとキャッシュが残り、そのキャッシュを使うべくCBが見当たらないために、結構ハイプライスのCBだらけってところが結構あり、菱和もその一つだったわけだ。
先週まで123程度のパリティーだったと思うけれど、2日連続ストップ安によって、パリティーは80台まで来てしまった。
ちなみにユーロ市場の紳士協定で、当該株式がストップ高ストップ安で値段が付かなかった日は、マーケットメイカーはファームプライスの提示義務が無くなる。
つまり、昨日今日は、投資家がCBを売りたくても事実上売れなかったのだ。
それじゃあ仕方が無いから株を売ろうか、と思っても、本日の売れ残りが約980万株あるんじゃ、明日も推して知るべし、だろう。
CB投資家はこの2日、全くこのポジションから逃れる術が無かった・・明日もストップなら同じ状況が続く・・・

結局事件のキーは、裏社会とのつながりだと思うけれど、まあキレイごとを言わせていただければ、今後の東証の管理なりがまた問われるだろう、と。
もちろんそこまでの審査を要求するのは最初の時点では無理があろうし、CBを3回も起債してるって事は、それを引き受けた金融機関の審査なりも全て通過している訳だから、今回の件では東証一人を悪者には出来ないだろうと思う。
しかしながら、非常に厳しいけれど、では裏社会とのつながりが捜査当局によって暴かれて、ゆえに会社のトップが逮捕、って事になれば、東証は果たしてどうするのか・・・上場基準に触れていればかなり厳しい裁決が出るかも知れない。
ましてや東証は散々ライブドアの件やJCOMでは信用を失墜している訳だから、ここは徹底的に張り切ってしまう可能性もあろう。

いずれにせよ大迷惑なのは紛れも無い、投資家だ。
個人しかり法人しかり、そして外人しかり、さらにそのデリバへの投資家しかり。
言って見ればこれは投資家にとっては交通事故のようなものだけれど、事故なら事故できちんとした処理を見せて欲しい。
ちなみにCBは来年PUTが付いている・・・
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コメントありがとうございます

2006-05-07 04:45:45 | 正しい金融知識
世の中はGWなのでまあそんなにここを訪れる方もいないかなぁ、さらに私自身少々ばたついておりまして、あれだけやる気を見せながらの裏切り、すみませぬ。

さて、コメント欄に双日に関するものを頂いた。
あっし、それに気付き急いで双日の「優先株式の一掃による当社の資本構造再編について」と言う資料を打ち出して読んでみたのだが、何せこれが長い・・
約30Pに渡る資料なのである、よって多少めげた、すまぬ。

まず頂いたコメントは以下の通りである。
『双日が優先株5760億円を約3500億円で買入消却するために3000億円のMSCBを新たに発行するとの発表がありました。
基本的な質問で大変恐縮なのですが、なんで優先株を持っている人はこんな条件を受けるのですか。またMSCBを受ける側の目論見って何なのでしょうか。』

その後に通りすがり様から今回の経緯に関する記事のコピーを頂いた。
さて、ざっくりした印象は、私の解釈では以下の通りであるが、これは全く無責任なものなのをご承知おき頂きたい。

確かになんで6000億近い優先株の買入消却を銀行は3500億程度で受けるのか、これは不思議であるね。
ただ、記事によれば各行は既に減損処理、つまり簿価を落としているので、逆に3500億でやってもらえればかえって利益が出ちゃうので、WHY NOT?って事だ。
例えば私がブックを持ってCBをやっていた時は、常にポジションに対してはMark To Market、すなわち単価100で仕入れたものが翌日99になれば、もうそこで1ポイントの損を出す、という事をしていたのだが、これはマーケットに対峙する所は全てやっているはずだ。
翌日99になったものがその翌日101になったので売っちゃえば、昨日比2ポイントの利益が計上されることになる。もちろんそれはブックの上であって実現益は1ポイントであるのだが、このような作業を日々行っているのであるね。
そしてそれが決算(私の時は毎月月末であったが)の時に評価損益も全て実現されて、翌期ないし翌月からの新コストが決まるわけである。
つまり私の100で買ったモノ、日々評価損益を計上しながら期末に95になっていた場合、今期5ポイントの実現損を出して、来期の新コストは95でスタートする、と言う事になる。
ここで私は新しい期に入った途端それが98で売れるなら喜んで売るね。それで3ポイントの実現益が発生するのだから。

つまりこの双日の優先株も、全て処理して簿価を下げた中で、双日が新コストよりも高いところで買入消却をするって事になれば、私なら喜んでそれを受ける。将来的にもっと高く売れるかもしれないし、色々起こるかも知れないけれど、この優先株が将来普通株に転換された段階で、例えば市場が陰の極であったりしたらその処理でまたまた面倒が起こるかも知れないのだから、そしたらさっさとこのポジションを掃いてもっと別なことにお金を使ったほうが良い、と考えると思われる。
これは双日側もハッピーだし、銀行側も面子を保ちつつ堂々と売れるわけだから、両社の利害がきっちり合致したと考えられる。

さて、その資金をMSCBで、って話でこれは野村が引き受けたようだ。
MSCBってのはここで何度も書いているけれど、基本やれば儲かる、いやその儲かるところはどこかと言えば、引き受けたところであるね。
今回のMSCBの条件は今度ゆっくり検討するけれど、色々この資料には「株価に影響を与えないようにどうのこうの」って書いてあるけれど、天下の野村に抜かりがあろうはずは無く、もちろん多少のリスクはあると思うけれど、現在の野村にとってはそのリスクたるや微々たるものだろうって。
MSCB自体はこの間書いたように日々それを遂行することが難しくなってきているので、恐らく今年中には完全に廃れるであろうと思われる。つまり今の段階ではブローカーにとってはとにかくやれるだけやっておいて、将来的な含み益を残しておくことが重要なのであるね。

さらに一般株主に取ったって、将来確実に普通株に転換されるモノが出回っているより、もしかしたらCBのまま終わってしまうMSCBになる方がまだ希薄化の面では有利になると言えようし、双日だってここで言っているように資本構造を根本的に改善出来るのだから、まあそうやって考えればこれはほとんど全ての利害関係者の利害関係を満たすスキームと言えようかなぁ、と。

取り急ぎ、詳細はもうちょい検討させて下さいな!
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最近の市場など

2006-04-26 05:40:56 | 正しい金融知識
さあ、今日も頑張って行って見よう。

最近の市場は本当に難しくなって来ていると思う。
明日テクニカル専門のアナリストが来るので、また話を聞いて頭を整理したいと思っているのだが。
さて、昨日とあるブローカーから非常に秀逸なレポートが出て、ロンドンがどこから仕入れたのか送ってくれたので、楽しんで読むことが出来た。
それは現在ちらほら噂されている信用規制の強化に関してであるね。

海外の投資家は基本マル信(信用取引を各社色々な呼び方で呼ぶが、私はこれが歴史的に一番しっくり来るのでこう呼ばせていただく)は余り関係ないので、きちんとこの辺をマークしていないのは結局私の怠慢以外の何物でも無いのだが。
一応そのレポートによれば、現在噂されている規制強化は、
~委託保証金比率を30%から40%への引き上げ
~代用有価証券の掛け目を80%から70%への引き下げ
のようだ。

ネット系証券がかなりの勢いで、しかも昔に比べてかなり低額のコストでマル信を普及させている影響もあって、このところのマル信は非常に活発であると思う。
当然相場が上昇を続ければ買い残が増えていくわけで、そこに来ての規制強化はそれらのポジションのクローズを促さざるを得ないだろう、と。
このレポートの秀逸なところは、セクター別銘柄別に極めて冷静に現状を分析しているところだと思う。

業種別では、例えば、<信用残高>/<売買代金>を調べて、鉱業が316%、鉄鋼が325%、海運が356%と言う数字をはじき出し、それらは規制強化がかかった時には要注意よ、と言っている。
ちなみにこれらの数字は、
東証1部  123%
東証2部  683%
マザース  231%
JASDAQ  396%
大阪1部  171%
大阪2部  868%
ヘラクレス 201%
となっており、如何に小型系市場でそれが高いかがお分かりいただけるだろう。

もちろんこれらだけを取ってこれらの市場がどうこう言うわけでもないし、あくまでも各人のご参考にして欲しいだけなので、これらがもたらす結果に関しては小鬼は一切責任を負わないので、そこんとこヨロシク。


次にあるお客さんと良く話すのが、中近東の証券市場である。
これだけOILが高騰を続けているのだから当然彼の国々は好調だろうと普通は考えるわな。
いつだか聞いたのが、確かOIL価格が29ドルだか39ドル以上の部分は全てアラーの神の思し召し、と言う考えがあるそうだし。
実際特にDubaiなんて今すごい建築ラッシュでしょう。人口島を作ってそこに色々作ってるらしいし。
ところが昨日何気なく、WTIの価格とサウジアラビア証券取引所のインデックスの表を比べて驚いた。
物凄い逆相関なのであるね。つまりこれだけOILが上がっているのに、彼の国の証券市場は結構な勢いで下落している。
ついでだから、サウジ、アブダビ、クエートの市場 VS WTIのOIL価格のグラフを並べてみた。
それがこれである。
ちゃんと見えるかなぁ。
白線~WTIプライス
赤線~サウジアラビア証券取引所指数
黄線~アブダビの指数
緑線~クエートの指数

一部連動しているけれど、今回の3月から始まった再度のOILの上昇には、早々に3つのインデックスとも脱落しているのが見て取れる。
そのお客様曰く、この辺のお金の流れをきちんと追わなければいけない、と。
ちなみに小耳に挟んだ情報によれば、彼らは引き続き日本株やBrics株に強気なようだ。これらのいわゆるオイルマネーの動向にも注意を向けておく必要があろうって。


さて本日最後の話題は、久々の私の本業、ユーロCBのローンチの話。
LTH、リンク・セオリー・ホールディングス社、ユニクロの息の掛った会社であるね、がCBを発行した。主幹事はメリルロンドン。
色々と書いてあるが、まあ通常のユーロCBの一つと考えて良かろうと思う。
本日値決めはされなかったようで(スイス時間18時半現在で)、明日値決めってパターンもちょいと珍しいかな、と。
本日のグレーでは結構良い値段が付いていて、+3とか最高オファーベースで+5ってのを見たなぁ。

さて、私がとっても疑問に思って、ロンドンとのECMの人間とも話していて彼も良く分からなかったのが、グリーンシュー。
「本社債の発行総額
110億円及び幹事引受会社の権利の行使により下限額2億円として追加的に発行され・・・」

つまりグリーンシューの下限は2億円だけれど、上限に縛りが無いんだよな。
基本今後開催される取締役会において決定されるらしいけど。
私が知りたかったのは、そうは言っても上限って何か縛りがあるべ?
って事だったのだが、ECMの人間も、東証上場とかでは発行総額の何パーセントとか決まってますけど、ユーロでは確か無いんですよね、と。
これは明日もう一度確認することにしているが、経験上私も知らない、ECMも知らないって事になると、それは決してポピュラーでは無いはずで、本日ドタバタやってた連中が熟知しているとも思えない。
つまり(もちろんこんな事は無いと思うが)、会社が「おお、そんなに受けがいいのなら、そんじゃ110億なんてけちな事は言わないで、ついでだから500億くらいやっちゃおうぜ」って事があり得ないのか、って事が疑問なのであるよ。
だとしたら110億で大体ダイリューション10%程度くらいだと思うけど、基本グレーだってその辺を織り込んでの値段のはずだから、それが蓋を開けたらダイリューション30%でした50%でした、とかなっちゃったらどうすんだろう、と。

マーケットはあらゆる意味で難しくなってきているね・・・

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