例の菱和ライフであるが、本日きちんと寄ってしかもプラスで引けた。
出来高は約2500万株!ちなみに確か浮動株は3000万株程度であったからすごい回転率であるね。
こちらユーロでのCBの取引も無事に再開されたが、実は大きな動きは無かった。
パリティーベースで70台まで下がってしまった訳だけれど、朝一番のインディケーションは、99.75-100.75、その後100を挟んだ動きに終始、但し実質的な商いはほとんど無かったようだ。
ひとまず株が無事に寄ったので、CB投資家も安心したのだろうか。
さて、コメント欄にまたまた非常に鋭い質問を頂いているので、それに絡めてお話をして見たいのだが。
『菱和ライフさんの件ではなく、一般論なのですが、PDFの内容を読むと、合併などで上場廃止になった場合100%+αで償還するようになってると思います。例えば発行会社の突発的な倒産などで債務が履行できないような事態になった場合は実際どういうふうな処理になるのでしょうか?MPOなんかだと引き受け証券が丸損で諦めるのですか?大抵の物は無担保表記ですし、資産があってもそういうところは大抵銀行担保になってますよね。』
例えば今回の菱和のCBの詳細を読んでみると分かるけれど、おっしゃる通り、仮に上場廃止になった場合、100%での償還をリクエスト出来る権利を主幹事は持っている。つまり上場廃止(もちろんそんな事態になるかどうかは分からないし、あくまでも一般論であるよ)になった場合でも、倒産等ではない限りCBは100前後にて償還されるはず、なのである。
しかしながら債務不履行等で倒産等をした場合にはこの限りでは無いと記憶する。
先月民事再生法を申請したA社であるが、この会社はあるいはご存知かも知れないけれど、スイスフラン建てCBを野村スイス主幹事で発行しているが、昨年末のPUT資金を調達できなかったため、監理ポストに入った。
結局その後の資金調達も上手く行かず、民事再生法申請になったわけであるが、時系列でこの関連のニュースを追って行くと、まずは野村スイスにて社債権者集会が開かれ、最初は全額面の5%、翌月は10%、と言った具合に順次100にて償還する、ってな事が話し合いが行われ、でも結局約150億の負債を持って事実上倒産してしまった訳だから、それらの話し合いは絵に描いた餅になっていると思われる。
無い袖は振れない。
特にアルパやスイスフランは私募にて発行されるので、その債券の償還順位ってのはほとんど最下位なのである。
実際私が覚えている限りでは、スイスにおいては、マンションのマルコーとか、日本データ機器ってな会社がCB存命中に倒産している。その際はほとんど返って来なかったはずだ。
上場廃止までは何とかなるけれど、それ以上のステージに進んでしまうと、CB投資家も大きな打撃を受ける。もちろん株式投資家はもっと大きな打撃を受けるわけだけど・・
『>昨日今日は、投資家がCBを売りたくても事実上売れなかったのだ
という事は、MMカーの方々は売りが出れば買わなくてはならないのですよね...欲しくなくても..万が一上場廃止等になってしまった時、気の毒にもMMカーさんの手元に残ってしまったりしたら社内的にヤバかったり怒られたりするのでしょうか...?』
<MMカーとはマーケットメイカーの事です~筆者注>
おっしゃる通りです。
ユーロにおけるMMの基本は、前に書いたようにK4K(Knock For Knock)と呼ばれる、お互いにファームプライスの提示が基本であるから、出した値段で売られようが買われようが、それは聞いた方の権利なのであるね。
これは倒産とかでは無かったけれど、数年前CB市場を突然襲った信用危機ってのがあった。別に危ない会社でも何でも無い会社のCBが突然売られだし、その時の事を考えるともうMMなんてやりたくない、ってくらい死にそうだったのだが。
プライスを聞かれて「95-96」と出すとすぐに95で売られ、今度こっちが聞きに行くと「92-93」で止む無く売ると、今度はその場で相手にプライスバックを求められ「90-91」って出してやったら90で再びヒットされ・・って言う恐ろしい事が起きて、そうなると全てがネガティブスパイラル・・・
最終的には主幹事がどう判断するかってのが結構ポイントになってくるので、MMをやってる時はやばいと思えばすかさずそれを社内マターにでっかくして、なるべく上の人間をインボルブするようにして。。ってな感じで対応してたけど、それにしてもポジションが溜まるときは最終的には主幹事溜まる訳だ。
結局そのCBは70台まで突っ込んで、急遽東京経由で買入消却提案を行ってもらい、多少は取り返した記憶がある。。
私は経験は無いが、そうやってポジションが溜まり、そしてその当該会社が倒産、ってケースは当然あるわけで、そうなると場合によっては首なり左遷にもなると思うなぁ。
一応主幹事にはBID義務ってのがあるので、どんなに値段を出したくなくても、出さねばならない。もちろん100のCBに対して50BIDとか言っても良いけれど、そんなことをすればその業者はその後信用を回復するのに苦労するから、その辺のバランスが非常に問われる、苦しい戦いなのだね。。
そんな事が起きなければ良いな、と。
出来高は約2500万株!ちなみに確か浮動株は3000万株程度であったからすごい回転率であるね。
こちらユーロでのCBの取引も無事に再開されたが、実は大きな動きは無かった。
パリティーベースで70台まで下がってしまった訳だけれど、朝一番のインディケーションは、99.75-100.75、その後100を挟んだ動きに終始、但し実質的な商いはほとんど無かったようだ。
ひとまず株が無事に寄ったので、CB投資家も安心したのだろうか。
さて、コメント欄にまたまた非常に鋭い質問を頂いているので、それに絡めてお話をして見たいのだが。
『菱和ライフさんの件ではなく、一般論なのですが、PDFの内容を読むと、合併などで上場廃止になった場合100%+αで償還するようになってると思います。例えば発行会社の突発的な倒産などで債務が履行できないような事態になった場合は実際どういうふうな処理になるのでしょうか?MPOなんかだと引き受け証券が丸損で諦めるのですか?大抵の物は無担保表記ですし、資産があってもそういうところは大抵銀行担保になってますよね。』
例えば今回の菱和のCBの詳細を読んでみると分かるけれど、おっしゃる通り、仮に上場廃止になった場合、100%での償還をリクエスト出来る権利を主幹事は持っている。つまり上場廃止(もちろんそんな事態になるかどうかは分からないし、あくまでも一般論であるよ)になった場合でも、倒産等ではない限りCBは100前後にて償還されるはず、なのである。
しかしながら債務不履行等で倒産等をした場合にはこの限りでは無いと記憶する。
先月民事再生法を申請したA社であるが、この会社はあるいはご存知かも知れないけれど、スイスフラン建てCBを野村スイス主幹事で発行しているが、昨年末のPUT資金を調達できなかったため、監理ポストに入った。
結局その後の資金調達も上手く行かず、民事再生法申請になったわけであるが、時系列でこの関連のニュースを追って行くと、まずは野村スイスにて社債権者集会が開かれ、最初は全額面の5%、翌月は10%、と言った具合に順次100にて償還する、ってな事が話し合いが行われ、でも結局約150億の負債を持って事実上倒産してしまった訳だから、それらの話し合いは絵に描いた餅になっていると思われる。
無い袖は振れない。
特にアルパやスイスフランは私募にて発行されるので、その債券の償還順位ってのはほとんど最下位なのである。
実際私が覚えている限りでは、スイスにおいては、マンションのマルコーとか、日本データ機器ってな会社がCB存命中に倒産している。その際はほとんど返って来なかったはずだ。
上場廃止までは何とかなるけれど、それ以上のステージに進んでしまうと、CB投資家も大きな打撃を受ける。もちろん株式投資家はもっと大きな打撃を受けるわけだけど・・
『>昨日今日は、投資家がCBを売りたくても事実上売れなかったのだ
という事は、MMカーの方々は売りが出れば買わなくてはならないのですよね...欲しくなくても..万が一上場廃止等になってしまった時、気の毒にもMMカーさんの手元に残ってしまったりしたら社内的にヤバかったり怒られたりするのでしょうか...?』
<MMカーとはマーケットメイカーの事です~筆者注>
おっしゃる通りです。
ユーロにおけるMMの基本は、前に書いたようにK4K(Knock For Knock)と呼ばれる、お互いにファームプライスの提示が基本であるから、出した値段で売られようが買われようが、それは聞いた方の権利なのであるね。
これは倒産とかでは無かったけれど、数年前CB市場を突然襲った信用危機ってのがあった。別に危ない会社でも何でも無い会社のCBが突然売られだし、その時の事を考えるともうMMなんてやりたくない、ってくらい死にそうだったのだが。
プライスを聞かれて「95-96」と出すとすぐに95で売られ、今度こっちが聞きに行くと「92-93」で止む無く売ると、今度はその場で相手にプライスバックを求められ「90-91」って出してやったら90で再びヒットされ・・って言う恐ろしい事が起きて、そうなると全てがネガティブスパイラル・・・
最終的には主幹事がどう判断するかってのが結構ポイントになってくるので、MMをやってる時はやばいと思えばすかさずそれを社内マターにでっかくして、なるべく上の人間をインボルブするようにして。。ってな感じで対応してたけど、それにしてもポジションが溜まるときは最終的には主幹事溜まる訳だ。
結局そのCBは70台まで突っ込んで、急遽東京経由で買入消却提案を行ってもらい、多少は取り返した記憶がある。。
私は経験は無いが、そうやってポジションが溜まり、そしてその当該会社が倒産、ってケースは当然あるわけで、そうなると場合によっては首なり左遷にもなると思うなぁ。
一応主幹事にはBID義務ってのがあるので、どんなに値段を出したくなくても、出さねばならない。もちろん100のCBに対して50BIDとか言っても良いけれど、そんなことをすればその業者はその後信用を回復するのに苦労するから、その辺のバランスが非常に問われる、苦しい戦いなのだね。。
そんな事が起きなければ良いな、と。