地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

初心者集まれ!第7回

2007-12-31 04:31:15 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
おっと、書き忘れていたことがあった、失礼。
株価欄を眺めるときに、値段のレベルが千差万別であるけれど気にしないように書いた。これに対する説明を忘れておったぞ。

それぞれの株式には最低投資単位が決まっている。
昔はほとんどが1000株単位だったけど、新興市場の勃興、さらには株主重視政策の普及も手伝って、随分と買いやすい単位にこの頃はなっている。
現在はその株式によって色々あるけれど、1株から買えるものもあれば、やはり1000株単位のモノ、あるいは10株、100株単位となっている。

大体の目安は、値段の高いものは100株単位、安いのは1000株単位が多いように思う。
8000円とか株価欄に書いてある銘柄が100株から買えるのであれば、投資金額は単純に、8000x100=80万円だし、反対に350円の株が1000株単位なら、350x1000=35万円となる。

それ未満の単位は「端株(はかぶ)」と呼ばれていて、通常端株は買えないけれど売ることは出来て、さらに売る時はその日の終値にて売れる、ことになっている。
だから1000株単位の株を12株とかを買い付けることは「基本」出来ない。
しかしながら近年証券会社が導入している「ミニ株投資」、これは実は私は詳細を知らないのだが(汗)、投資単位未満の株を買い付けられるシステムなのだろう。
但し、今持っている端株にそれをくっつけられるのか云々等は私自身がシステムやら仕組みやらを知らないので、今度調べておきますわ。
とりあえずここでは投資単位未満の株のことは置いておいて、ど真ん中直球勝負の通常の株の買い付けに関してこれからも述べていくことにする。

ある銘柄に対象を絞ったら、その株の投資単位をきっちり把握してから買い付けましょう。証券会社に聞けばすぐに教えてくれるし、新聞の株価欄によっては色々な印が付いていてそれぞれの単位が分かるようになっているのもあるね。

さてここまで書いていくつかの復習を書いておこう。

☆何度も言うけど世の中都合の良い儲け話はありません。
☆まずは新聞の株価欄を毎日眺めること
☆その際各株式の投資単位を把握しよう
☆自分の身近な会社の株に注目してみよう
☆全額を一度に投資せずに、最初は半分程度に
☆借金をしてまで株式投資はしない
☆長期で行くのか短期勝負を繰り返すのか決めよう
☆短期なら損切り・利益確定ルールをきっちり決めて守ろう
☆物価・為替・金利、この3つと友達になろう

さて年の瀬、来年は実は弊社テクニカルアナリスト(日がな株や債券や為替やらのチャートをひたすら研究している私の同期)によるとかなり面白い年になるとの事。だから今は決して焦らずに、準備準備。
最初に書いたけれど私が証券会社に入った20年前の日経平均と現在の日経平均はほぼ同じレベルですから、ちっとも焦る必要は無し。
と言うことで、皆さんどうぞ良いお年を!!
でもこっちヨーロッパは年末年始ってあんまり関係ないのでチョロチョロと書くので宜しくね。
どんな小さなことでもOKなので、疑問等あったらすぐにコメント欄に書くこと。
決して「こんな質問したら恥ずかしい・・」とか思わないように。そう思った段階で貴方は既に一歩遅れちゃうんだからね。
宜しく!



初心者集まれ!第6回

2007-12-30 02:48:44 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
株価欄、見てますか?と言いつつ今年最後の取引も終わってしまったけど。
ご存知かとは思うが、年末最終日を「大納会(だいのうかい)」、新年最初の日を「大発会(だいはっかい)」と言います。例のサンサン七拍子ね。
ちなみに今年の大納会、安く終わりましたなぁ・・・

さて、これから株を始めてみようって人に対する良くある、良くみるアドバイスにこんなのがある。
「買値からxx%上がったら売って、xx%下がったら損しても売る、つまり損切りルールをきちんと決めましょう」って奴ね。
このアドバイスは正しいと思う。正しいのであるが、君たちはそれを決める前に、大前提として決めておくべきことがあるのだね。

投資スタイルおよびその期間、である。
ほぼ毎日ドッタンバッタンやるぞ!って人は必ず損切りと利食い(利益確定)のレベルを決めることは必要であるが。

貴方のスタイルはどうするか?
―買って放っておく、多少の変動は気にしない。
―ドッタンバッタンで勝負する
―上がって儲けるのもさることながら、安定的な配当を狙いたい

要は短期勝負か長期か、果てまた配当利回りによる運用か、って事になると思う。
長期保有前提の方と配当狙いは重なると考えれば、長期か短期か、これに集約される。
長期保有の方には基本私は損切り利食いルールは厳格にする必要は無いと考えるね。

さて同時に投下資金方針、これも決めておこう。
おっと、くれぐれも借金してまで株式投資をすることは勧めない。早速このBLOGにも訳の分からないトラックバックが送られて来ているが、サラ金のTBだった(笑)。ついでだから読んでみたけれど何だかはっきりしないよね。
くれぐれもそういう借金にて株式をやるのは止めましょう。あくまでも株式投資は余裕資金運用、とまずは考えること。
ついでに、証券会社には「信用取引(我々はマル信って呼んでる)」と呼ばれる方法が用意されていて、これは証券会社が貴殿にお金を貸して、貴方は証券会社から借金をして株を売り買いする方法であるが、セミプロの方々にはこれも有りだけれど、貴方は今は忘れましょう。

仮に100万円余裕資金があった場合、私ならどうするか。
買いたい株が決まったら、まずは半分程度のお金を投資するな。残り半分はキャッシュにてひとまず保存しておく。このキャッシュを残しておく額を、プロっぽい言い方をすると「キャッシュポジション」と言います。
実際60万円投資して株を買ったら貴殿のキャッシュポジションは現在40万円になる。
何故全額一発で行かないか?
これは買った株が上手く上がらないでその後ずっと低迷、場合によってはずるずる下がってしまった時の備えなのであるね。
600円の株を1000株買うと、600x1000=60万円。
ところがこの株がずるずる400円まで下がり、それでもってどうもこれ以上は下がりそうも無い感じがしたらばチャンス、残りのキャッシュポジションを全額出動させて、もう一回同じ株を400円で買うのである。
こうすることによって貴方はその株を2000株保有、しかも買い付け単価(コスト)は600円から500円に下がるのであるね(小学校の算数ね)。

もちろん600円で買った株が上がればそれはそれでキャッシュポジションは引き続き温存しつつ、その場合は次なる銘柄を狙う訳ですな。

長期保有志向の場合そんな戦略は必要ないようにも思えると思うが、最初に株を買ったらたとえ長期志向といえどもその動向はしばらくは気になるはず。放っておいてその株が順調に上昇し、また配当もきちんと狙えるのであれば、長期保有の方はそれで良しでしょう。無理をして600円の株を最初から2000株買って、予算オーバーをして投資していれば、もちろん倍のリターンが得られるわけだけれど、それはあくまで上昇していった場合。キャッシュポジションを40万円残して、買った株が1年経って200円になってたら、40万から20万を出動させて、また1年見る、そのくらいの余裕が長期投資には必要かと。

もちろん600円の株がガンガン下がった場合には損切りも考えなければならないけれど、それは連日頑張って相場を追いかける、って人用。
最初の株式投資なんだから、銘柄をじっくりと「自分」の納得のいくように選んで投資するんだから600円がすぐに500円になってもうろたえずに。

連日勝負の方~くれぐれも損切り、利食いの%を決めてそれに厳格に。

長期の方~目先の動きに惑わされず、下がったらもう一回同じ銘柄を買って(ナンピン買いと言います)みることも視野に入れてみること。

同時にこれは両者共通として、投資はあくまでも余裕資金で行い、その額は厳格に。決してそれを逸脱しないこと、ましていわんや借金してまで行わないこと。
また、当初はキャッシュポジションに多少の余裕を持たせること。

それと旦那に内緒で、とか奥さんには黙って・・・みたいのは止めましょうね。
つまりパートナーに秘密で投資なんてしないこと。上がっても下がっても争乱の元になるのは必定です。正々堂々とやりましょう、別に後ろ暗いことをする訳ではないんだかね。

初心者集まれ!第5回

2007-12-28 06:05:25 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
さて、今日もう一つ。
実際株を買うにはどうしたら良いんだ?と言うことですな。

株を買うのは簡単、最寄の証券会社へ行って口座を開けばいつでも買えます。またこのネットの世の中なので、ネットで口座を開いても同じ。口座さえ開けばいつでも買えます。
但し、ちょっとだけ違うのは、買った日(売った日)から起算して4日後が「決済日」と呼ばれる支払日になること。
野菜を買ったらキャベツと引き換えに八百屋のオヤジさんにその場でお金を払うのが普通だけど、株式の場合は買った当初は何もせずに、その日から4日後にお金を払います。
日本ではその日から4日後だけど、海外ではT+3と言って、Trade Dateの「T]の翌日から3日後、って事でT+3と言いますな。
要は月曜日に買ったらお金は木曜日に支払うって事です。
そして「買った」訳ですから当然株券が貴方の口座にやはり木曜日に入ってきます。2008年末かなんかには株券のペーパーレスが予定されているので、その頃にはもう株券そのものは無くなっているかも知れないけど、買った日から4日目には貴方も株のオーナーになる訳ですな、おめでとう。

証券会社は株券を預かる代わりに口座管理料ってのを徴収します。これは通常年間3千円、まあこれくらいは払ってやろうよ、何十万何百万の株券を預かってくれるんだからね。ペーパーレスの前なら株券本券を手元に引き出すことも可能だけど、それ無くしたらアウトなので、やはり預かってもらうのが安心かと。

それと日本はまだまだハンコウ社会(印鑑)だから、証券会社に口座を開けるときに使ったハンコウは常に分かるようにしておくこと。もちろんどれか分からなくなっちゃっても、証券会社は印影を出してくれるはずなので、いざと言うときも大丈夫ではあるけれど、その辺の管理はきちんとしましょう、大事な財産だからね。

次に買い方を簡単に。
証券取引所は朝9時~11時(これを前場<ぜんば>と言います)、12時半~15時(これを後場<ごば>)に開いてます。この時間帯であればどの時間でも株は買えます。
買い方の指図の仕方には、
「成り行き」(なりゆき)
「指値」(さしね)
のまあ2つが基本だと最初は覚えておくこと。
成り行き(英語では At market)の場合は、値段はいくらになるかそれが出来てみないと分かりません。反対に指値(Limit @xx)は、自分で、
2500円とか200円とか、ターゲットを決めて注文する方法ですな。
マーケットが開く前(朝9時前、後場が始まる前)に成り行き注文を出すと、通常はその最初の値段にて買うことになりますな。

当然株価は1日を通して上下に動くので、朝一番で500円で買った株が、その日の終値(15時の段階での値段)が490円になることもあれば、515円になることもある訳で、こればかりはやはり、神のみぞ知る世界になることを忘れずに。
ここで私の個人的な考え方を述べると、買うと決めたらその段階で「成り行き」で注文を出して買うこと。売るときも売ると決めたら成り行きで売ること。
これは初心者の基本だと思うので頭に留めて置くように。
昨日500円で終わった株を今日買いたいと考えたとき、もちろん指値で480円、って言う注文は可能です。しかしながら1日待って安値(その日一番安い値段)が481円だったら貴方は今日はその株は買えなかったことになるわけで、またそういう時に限って次の日530円とかになっちゃうんだよね。
もちろん指値はいつでも変更出来るので、その日の相場をずっと見ていれば話は別だけれど、貴方は1日かじりついて相場を見ますか?疲れるよ。

実際問題、安値ないしは底値で買って、すっ高値で売る、って言うことは不可能なのですよ。それが出来れば誰も苦労はしません。
だから、最初は買う時にはあっさり買う、売る時もさくっと売る、これを基本にするべきだと考えますので、念のため。

初心者集まれ!第4回

2007-12-28 00:02:48 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
さて皆さん、株価欄、眺めてますか?
つまらないですけど、とにかく目を慣らす、それと騙されないためには自分の知識武装が結局役立ちますので、毎日見ましょう。
ついでにコメントを徐々に読んでいく癖も付いたら良いな、と。

但~し、個別の銘柄(ソニーとかキヤノンとか)に対するコメントはさておき、全体的な相場に対するコメントってのは「後付け」です。
「為替が円高に振れた事から後場に入って急速に値を消した(値が下がった)」
ってコメントの翌日には、
「為替の動きが一服したので、買い安心感が出た(安心して買える状況になった)」
みたいな感じで、本当に株式相場全体がそうやって動いたのかどうかは結局神のみぞ知る所であるわけでござるね。

ここで私が新人時代に上司から習った事を一つ。
「物価」「為替」「金利」。
この3つの要因が影響しあってそれぞれが株式相場に影響を与えるのであ~る、と言うことでござる。
但し、難しく考える必要は無い。頑張れ。

「物価」これは物価である。この頃諸物価の値上げが騒がれているのはご周知の通り。元々原油価格の高騰がいまや末端のカップラーメンの値上げにまでその影響が出て来ている、って訳で、つまりここで言う物価はとりあえず「原油価格」って事を抑えておこう。
原油にも実は北海だのクルードだの色々あるけれど、皆さんはまずは近所のガソリンスタンドの値段(車を持っている方は敏感だと思う)に注目しておく事だね。
後は灯油の値段、これは日本の主婦の方はかなり敏感だと思うけれど、これも大事ね。
ついでに今年の冬って去年より寒い?それとも暖冬?暖かければ灯油を節約できるし、寒ければ去年より多く使う可能性が高いわな。もともと限られた資源であるから、寒くてみんなが去年より多く使う状況になれば、それだけ「品不足」的な動きになって、値段も上がりやすくなるでしょ。
このように灯油の値段を考える時に、一体何が影響してくるのか自分なりに考えてみることはとても大事。
そんなの株に関係ないじゃん、と思いなさるな。こういう事を考えることってのは、実は世界経済を考えている事になるんだから。大袈裟じゃないよ。
何か考える時にどれだけその考えを派生させられるか、これも大事な訓練ですぞ。

「為替」これもご存知でしょう。
「今日の東京外国為替市場の終値は1ドル113円25銭でした」
みたいなニュースを1日1回は目にするでしょう。良く「FX」とか聞くと思うけれど、これは「Forex(フォレックス)」の略で、為替相場の事です。
なんだか胡散臭い為替業者がお金を集めて云々、って最近聞いたことがあるけれど、個人的には為替相場に直接投資するのは相当慣れてからにするべきだと思うので、念のため。為替は本当に難しいっす。その要因の一つは、自分の通貨から見た相手の通貨と、相手の通貨から見た自分の通貨の値段が分かりにくいことが一つ。
1ドル=100円=0.5ユーロ=1.1スイスフラン=xxカナダドル=xx英国ポンド
それじゃあこれを1ユーロ=に直したら?
って、小学生の比例問題みたいな感じになっちゃうので、これを瞬時に計算し、ものにするには相当な感覚と経験が必要になる。
よって、まず初めの一歩としては、「1ドル=xxx円」の感覚を身に付けること。
為替ってのは24時間世界中で取引されているので、日本の朝7時だろうが夜の11時半だろうがその時点での値段は必ず取れる。でも為替ディーラーじゃないんだから、それを追っ掛けていても仕方が無いので、これも株価欄に出ていると思うので、(もし出ていなければ毎日決まった時間のニュースでもネットでも良い)とにかく毎日決まった時間(時点)での為替レートを追っ掛ける癖をつけましょうぞ。

では、
1ドル=100円が翌日1ドル=110円になったら(実際一晩ではこんなに動かないけど)、これは「円高」?「円安」?
答えは「円安」つまり円がドルに対して安くなった、って事なので念のため。
アメリカへ100円持って行った、って考えると分かり易いと思う。
今日は100円で1ドルくれたのに、明日は110円出さないと1ドルにならね~~、つまりドルが高くなって円が安くなっちまった、トホホ、って事であるね。
もちろん翌日90円になったらそれは円高ね。それもアメリカへ行ったつもりで考えるべし。
よって基本「円」から見て、どの通貨に対しても「円高」「円安」と言うのが言える訳ですな。
複雑になると、「円はドルに対しては強く(高く)、ユーロに対しては少々弱含みの展開(少々安め)でした」みたいなコメントも理解出来るようになるね。
どっちがどっちが、最初のうちはそれぞれの国へ円を持って出掛けた時の「おお、儲かった」「なんだよこんだけしかくれないの?」的な感情を思い起こして、感覚的に慣れて行こうぞ、皆の衆。

さて、最後は「金利」
これに関しては、私は金利専門ではないにも関わらず語りだせば数年掛かる(笑)。よってみんなはご自身の銀行の定期預金でも普通預金でも良いからその金利がどれくらい?って事をまずは頭に入れよう。
ついでに車や住宅のローンを支払っている最中の方は、その借り入れ金利動向に注意しよう。(固定型であれば仕方ないが、変動型であれば世の中の金利の動きが必ずそれに反映されてくるよ)
金利って、0.023%みたいな、実生活とはちょっとかけ離れた感じの所にいつも位置しているのでピンと来ないかも知れない。でもこの金利動向ってのはとーっても大事で、それは皆さんの生活にも直接響いてくるから、最初は良く分からないなりに、今言った、自分に関わる金利をまずはきちんと抑えましょう。
そうすると、消費者金融で話題になった高金利、グレーゾーン金利、どれもすっげー高い金利だよね。
名の知れてる消費者金融はだいぶ認知されて来たけれど、それ以外の訳の分からない小さな街金には本当に注意が必要、って事が分かるでしょう。
名の知れてる消費者金融の金利があれだけの高さですからね、この低金利時代に。
新聞の銀行系の広告なんかをちょっと見てみるのも気軽な勉強になるかもね。
どこどこ銀行のなんたら預金の金利はナンボです、みたいな。


ちょっと長くなっちゃったけれど、プロが当たり前のように語っている原油価格も為替レートも金利動向も、全て自分の身の回りに置き換えてみれば、どれも納得し易いと思うんだけど、いかが?
その3つを語りながら株式相場を眺めてみれば、ほら後付け株式コメントなんて誰でも書けそうじゃ無い?
それはつまりは世界経済を語っていることに他ならないんだから、そう考えると世の中に溢れてる胡散臭い投資話ってのが、急に色あせて来ませんこと?
どれもこれもみ~んな、各家庭の経済運営が基本中の基本となって居る事に気付いてくればしめたものですな。

初心者集まれ!第3回

2007-12-26 03:54:15 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
さて、初心者の皆さん、まずは鉄則から。

<鉄則>
投資話に関しては、相手を徹底的に疑ってかかれ。
例え相手が一流企業の人間であっても、親戚であっても、だ。

日本の低金利と言う言葉、これはもう聞き飽きるほど聞いていると思う。
それじゃ日本株は儲かっていますか?
個別に見れば儲かっている人もたくさん居ると思うけれど、「日経平均」と言う日本の株式市場の全体を見る指数はね、私が大卒でD証券に入社した時とほぼ同じなのだよ。
1986年当時の日経平均は15000円を越えてきた所で、そこからバブルの絶頂期に付けた40000円弱を経て、今再び15000円近辺ですわな。
つまり株式市場だって今はそんなに儲かっちゃ居ない、ってこと。

そんな中で儲け話なんてあろうはずも無いのですよ。
やれアジア株がどうの、ヨーロッパのファンドがどうの、きっと色々なアプローチがあるんだろうけれど、世界中のプロ達が金儲けに散々苦心している状況で、貴方だけが儲かる話なんて絶対にありませんので。


さて、それではそういう声をまず無視出来るようになってきたら、自衛手段として「自分の手による株式」を考えて行こうではありませんか。
「お金100万円くらいあります、何が良いですか?」的な質問を見るけど、そんな安易な態度はやめましょう。

まず私が皆さんにして欲しいのは、新聞の株価欄を「眺める」こと。
日経新聞でなくてもどの新聞の朝刊にも夕刊にもありますな、あの株式欄。
まずは眺めてみましょうや。おっととりあえず「東証1部」ってとこだけでOKです(と言ってもその数は莫大だけど)。

さて漠然と眺めても埒が明かないので、貴方が良く使うスーパー、ガソリンスタンド、所有してる車、冷蔵庫、自宅、使っている銀行、テレビ、トイレットペーパー、シャンプー、DVDプレーヤー、洋服・・・・
これらのメーカー名をきっちり見てみて下さいな。

この順番でメーカー名を考えてみれば、例えばこんな感じの答えになるかな。

スーパー(ヨーカドー)、ガソリンスタンド(出光)、所有してる車(トヨタ)、冷蔵庫(三洋)、自宅(積水ハウス)、使っている銀行(みずほ銀行)、テレビ(シャープ)、トイレットペーパー(大王製紙)、シャンプー(花王)、DVDプレーヤー(ソニー)、洋服(ユニクロ)・・・

食品だってレトルト食品だって、あるいは旦那さんが毎日使ってる鉄道会社、好きな航空会社、旅行会社、身の回りにはまずは株式市場になれるためのたくさんの材料が目白押し、って事を忘れないで頂きたいのだね。

そんな中で気になるメーカーがあれば、その会社が新聞の株式欄に載っているかどうか探してみよう。(別にメーカーに限らずに、金融機関でもガス会社でも何でも良いから気になる会社名を発見すること)

おっと、ユニクロは「ユニクロ」って名前じゃなくて「ファーストリテーリング」(ファストリ、と我々は略します)って会社なので、念のため。

それでもって出来れば同じ業種の中で個人的な比較をして欲しいのだ。
つまり、あたしはJALよりANAの方が好き、ヨーカドーよりAEONの方が店員さんが親切、この間買ったダイキンのクーラーはすぐ壊れたけど今度の東芝はなかなか良いな・・・

そしたら比較してる会社を株式欄から探し出せ!
もしかしたら値段に物凄い差があるかも知れない。片や1万円って書いてあるのに片や300円、みたいな。
でも気にすること無かれ、まずは気になる会社を探し出して、そして1週間とにかく毎日見て下され。
お金も掛からないし、時間はちょっと掛かるかも知れないけれど、くだらない投資話にだまされない為にも1日20分くらいは株式欄を眺めてみようよ。

この目的って、これは私独自の見解なんだけど、「目を慣らす」って事なのであるね。
毎日同じ会社の株価、しかも自分の身の回りにある何かを今日も作っている会社の株価を見て、それに慣れることがまずは重要だとかねがね思っているのだよ。
月曜日の300円が翌日は295円になって、金曜日には320円になってる・・・こういう感覚に慣れて欲しい。

つまらない人を煽るような株式投資の掲示板やらを見る時間があったら、正攻法で行きましょうぞ、皆の衆よ!

初心者集まれ!第2回

2007-12-26 03:13:36 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
さて第2回目はまず「小鬼」の正体である。
これがある程度はっきりしないと果たして奴の言う事を信じてよいのやら何やら・・となりかねないので、出来る範囲で明かしておこう。

1986年、神奈川県のとある公立大学を何とか卒業し、当時業界2位であったD証券に入社、本店営業部と言う所で89年までどぶ板営業をする。
この当時はバブルの走り、ブラックマンデーもあったな。全国から鬼のような猛者営業マン60名が集結してるこの部での血を吐くような(大げさでも何でもないのだよ、これが)経験が結局今のあっしの基礎になっている。

さて、その地獄の部から抜け出す方法は当時は2つ。「ファンドマネージャートレーニ―」に選ばれるか「海外留学生」に選ばれるか、しかなかった。
ここで抜けないともう終わる・・と考えていたあっしはラッキーにも海外留学生に選ばれて、アメリカはカリフォルニアへ9ヶ月の英語の研修へ行く。
人事部に「ハワイは駄目ですか?」と聞いたら速攻却下されたのは言うまでも無く、カリフォルニア大学の英語エクステンションセンターと言う留学生相手の場所に行った。楽しかったね。

さて90年6月に帰国、その後の辞令は「チューリッヒ」。
私「?」「チューリッヒって何処?」
チューリッヒには結局6年在籍し、最初の4年は機関投資家営業(在スイスの機関投資家へ日本株を売って回る)、残りの2年は日本企業発行の転換社債とワラントのディーリング。

そして次なる転勤は「フランクフルト」。ここは短く1年半。ここでは再び機関投資家営業。
何故フランクが短かったかと言えば、ロンドンで一人動くのでその後釜に来い、と言う要請があったからで、結局「呼ばれるうちが花」とばかりにロンドンへ。
ロンドンではヘッジファンドセールスチーム。ただロンドンのあるお方と大喧嘩して最後は「こいつがこの会社に居る限り俺の未来は無い!」と確信し、在ロンドン1年でDを退社。

その後1クッション置いて、チューリッヒの日系銀行系証券からお誘いが来て、そちらへ行く。ここではまたまた転換社債のディーリングおよびマーケットメイキングを担当。4年居た所でこのチューリッヒ店が現地法人から支店に切り替わることになり、独自のディーリングが出来なくなることになったので、当時まだスイスにあった別の日系銀行系証券に転職。
最初の日系銀行系で初めて「現地採用」を経験、これは給料はまあまあだったけど面倒臭かった。
移籍した会社でも最初は現地採用のステータスだったが、この会社は既に何度かの合併を繰り返しており、中には知り合いがたくさん居て、皆さんのアドバイスもあって現地採用から駐在員に切り替えた。
切り替えた途端、やはりロンドンで一人抜けるのでロンドンへ来て欲しい、と言う要請が来て、今回は前回のDでの轍を踏まないように気をつけながらロンドンへ転勤、今に至るわけだ。
今の仕事は「セールストレーディング」と言うことをやっているが、実際の顧客とのやり取りは英国人スタッフに任せ、大陸の支店やら東京とのリエゾン、監督業務が主となっている。

とまあ、証券マンを20年くらいやっているけどそのうち17年くらいはずっとヨーロッパに居て日本株を見てきたわけである。
さらに証券会社3社を経験することによって、各社のカラーが良く分かって面白かったし、また人脈がかなり増えたことは転職によるお陰だと思っている。
ずっとD社の国内営業マン人生だったら、ここまで人脈は増えなかっただろうなぁ、と思う。

とまあ、つまらない話に2回ほど付き合っていただいたが、これで小鬼の言っていることは満更出任せでもなさそうだ、と思って頂くことがまずは重要である。
ただし、常に相手の言う事を鵜呑みにしてはいけない。これは例え私が言う事でも、である。

何度もこれから繰り返すけれど、世の中簡単に儲かる話は無い!
そういう話を仕掛けてくる連中はおそらく口八丁手八丁で仕掛けてくると思う。
こと投資に限ってはまずは相手を徹底的に疑ってかかろうではないか。



初心者集まれ!第1回

2007-12-26 00:11:52 | 初心者集まれ!株を始めてみる?
ずっと放置プレイが続いていたこのBLOGであるが、色々考えた結果、とにかくもう一度自分自身が初心に戻って、タイトルのようなレクチャーを書いていこうと思う。

世の中あほくさい投資話、人を煽るような書き込みが溢れている株式関係の掲示板、買う価値があるかどうか分からないような株式投資の本に満ち溢れていて、さらにそれらにコロリと傾いてしまう人達がたくさん居るのを見るにつけ、コレじゃあいかん!と日頃思っていたのだよ。
そんな中、大げさに言えば社会貢献の一環として何か出来ないのか己は??と考えた時に、この放置プレイBLOGの再活用を思い立った訳である。

元々このBLOGはあのライブドア問題が起きた時に、たくさんの人から「どう思うのか?」と言うことを聞かれ、こんなにたくさんの人があの問題に興味があったのか、と驚き、そして証券マンの視点からそれを掘り下げてみようと思ったのがきっかけで、あの問題がああいう形で処理されてしまってからはちょっと行き場を失っていたのだね。
ただあの問題に絡んで、元々私の(割と)専門分野であるCB,MSCBなんてのが世の中から注目を受けるようになって、それに関しても結構書いてきた。

ゆえに、その辺の専門知識がある方はそれらをご覧頂くとして、このカテゴリーでは自分自身を入社前(もう20年以上前ジャン・・・)の自分に置き換えて、自分の知識なり経験が現在のようになるまでを思い起こしながら、株式投資の初心者の方々向けの正しい知識の普及を目指したいと思う次第なのである。
しかしながら、私のこのBLOGを読んで諸君らが被った損害賠償等には一切応じないので、そこんとこは宜しく。
私自身は特定の銘柄を示唆するつもりは無いので、そういうものを期待している向きがあれば、ここはちょいと違ってくると思う。

長い前置きになったが、次回はまず私の公開できるギリギリのプロフィールを紹介するので、それを見て「小鬼って胡散臭い」と思われる向きは、早々に立ち去って下さい。
また何か質問があれば喜んでそれらに答えながら回を重ねていくことも考えているので、その辺は遠慮なくお願いします。

では、Good Luck!