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安土町近江八幡市合併問題その1

2005-04-12 06:38:41 | 安土町近江八幡市合併問題
さて、初めてこのカテゴリーに関する記事である。
スイスはチューリッヒと言う極めて世界的田舎に住むものにとってはこれはある種遠い世界の出来事であって、さらにこの合併問題の当事者である住民の皆様にとっては大きなお世話だと映ると思う。
しかしながら安土町には私の尊敬する方がお住まいであり、一方で安土に昔から根付いている会社の社長でありながら、片やこの合併問題ひいては安土のためにその人生の時間の大部分を捧げられている、そんな我が師にとって何かヒントになるようなことがたまに発信出来るのではないか、と非常に僭越ながらもそういう思いに駆られたのだから誰にもそれは止められないのである。

安土町の合併問題に関しての詳細は以下のBLOGをまずはご参照頂きたい。
安土塾BLOG

簡単な説明はこうだ。
2003年9月、安土町長選挙が行われ、そこでフェスタ信長等、安土のために力を注がれたメンバーが中心になって創設された「安土塾」のメンバーである津村町長が当選した。
その際の津村氏の公約は「合併推進」であった。
ところが時が移り、何故か明確な理由が不明のまま町長が翻意、合併中止を画策し始めた。
3月には全住民を対象に(住民投票ではなく!)アンケートを実施、結果は、近江八幡市との合併に賛成が40%弱。反対が60%強となり、この結果を民意として重く受け止め、津村氏は近江八幡市との合併を断念、第5回目となるはずだった近江八幡市安土町合併推進協議会にて中止の申し入れを行い、結局この合併は一旦流れたのである。

ご多分に漏れず安土町の財政はかなり逼迫している。現在ある積立金も試算によればあと3年程度で底を付く。
もちろん3月末までに合併をすれば例の特例債が入ったわけだが、それも無くなった。
安土塾のメンバーは散々津村氏に再考を促したものの、津村氏は全てそれを拒否し、今に至っている。

これらの経緯を踏まえて、さて、である。
当然これは安土町の問題であるから、何度も確認するように私にあーしろこーしろあーするべきだこーするべきだ、と言う資格は無い。
まあそれはともかく、この問題をネットで調べていくうちに確かにそうだ、と思ったのは、この手の問題は非常に双方が「感情的」になりやすい、と言う事だ。そりゃ自分の町の事だから当然ではあるけれど、しかしそこに感情的なモノが入り込むとますます迷宮色が濃くなる。最後は誹謗中傷合戦になる。
故に私はその手の感情を排してこの問題を自分なりに追いかけて行こうと思う。

ちなみに私の立場はもちろん「合併賛成」である事をここに明記しておく。(しつこいけど町民の方々にはお前なんて関係ないじゃろうが、と言われるだろうが、頑張って進む)

まず手始めに、唯一の私が得ることの出来る津村町長の肉声である、彼のメルマガから紐解きたい。
彼のメルマガは安土町のHPにてバックナンバーが読める。
このメルマガ、大体月一回の発行のようだ。
2003年12月に第1回目、そして直近は2005年4月8日であり、それが第17号となっている。
そのうち7回は直接合併問題には触れていないが残る10回は何らかの形でこの合併問題に言及されている。
そこでまずは私の目を引いたのが、2004年3月3日号である。以下抜粋する。

『(A)1町単独(合併しない)でいくなら
 (B)合併するなら

 この2つについて考察します。

もし、(A)単独の場合…

 収入(歳入)の面では
 ・手数料、使用料などは値上げの方向。
 支出(歳出)の面では
 ・人件費の削減
  まず、人数を減らす。助役などの廃止、議員数減、職員は自然減を待つ。
  特別職(町長など)、議員、職員の給料の10%、20%の削減も断行。
 ・補助金などの削減
  生活に直結する部分のみを残し、あとは削減。(行政サービスの低下は免れない) 

もし、(B)合併の場合…
 収入(歳入)の面では
 ・合併後の一定期間、交付税算定の特例や、国・県の合併支援補助金、合併特例債等の財政支援が受けら  れます。
 ・手数料、使用料などの大幅な値上げは避けられることが予想される。
 支出(歳出)の面では
 ・まちの人口規模が大きくなることにより、スケールメリットが働き、行政にかかる人口一人当たりの経  費が減り、国の財政支援ともあいまって単独で行くよりは、行政サービスの低下を抑えられると予想さ  れます。

合併を望むなら…
 次は合併の枠組みですが、近江八幡市との合併というより、まず、近江八幡市との合併をスタートさせ、 もう少し大きな合併になるような方向で進みたいと考えています。』

この時点では津村町長はまだまだ合併の大推進派だったことが容易に読み取れる。
しかしながら翻意された町長は、結局上のケースで言うところの『(A)単独でいくなら。。。』を選択された事になる。
つまり対住民にとっては手数料や使用料は値上げの方向で今後は検討されることになり、さらに町役場関係では助役さんは削られ町会議員数も削られ、役職員の給与は10-20%削減され、行政サービスの低下は免れないのがこの4月からの安土町であるはずなのである。(非常に逆説的で嫌味な書き方であるのは充分に承知している)
果たして町長さんはこのメルマガに書かれた事をきちんと守られるのであろうか。

私は政治に対しては素人ではあるが、マーケットに身を置いていると本当に翻弄されるのがこの政治家の「発言」なのである。
彼らの不用意な発言がマーケットの要らぬ大混乱を時には平気で招き、それを逆手に利用していたのが例えばMr.YENとか呼ばれて居た榊原某氏だったりする訳だ。
しかるに政治家はその一言一言、一挙手一投足に至るまで、それが公の場で行われたのならばその全てに責任を持つべきだと私は経験上考えている。それは彼らは公の場においては常にその後ろに居る支持者たちの代弁者であるからに他ならない。
もしかしたら「こんなメルマガで書いた事にいちいち。。」などと言う気持ちが町長さんにあったとしたらそれは間違いなく住民達を愚弄することになる。

まずこのカテゴリーの第1回目として、部外者ながらも問いたいのは、このメルマガに書かれた事をどう町長さんが考えられているか、と言う事だ。


以下ご参照リンク
国土地理委員会「市町村合併情報」