名前は急行でも味は特急品 ＜駅前飯店 急行＞【北海道上磯郡木古内町】

ＪＲ江差線、木古内駅前を出てすぐのところに、全国から旅人がやってくる食堂があります。
そこで作られる「焼そば弁当」が、旅人のお目当て。もちろんワタクシもそのひとり。
当たり前ですが、注文から調理に取り掛かられるので、
できたてホヤホヤを列車に持ち込んでいただくことができます。なのであえて「駅弁」ということで。


これで並サイズなんですけど、手に持つとズッシリくる重み（笑）。
旨そうな焼そばがとにかくパンパンに、旅の思い出とともに詰まってます。なんて。
いやそれにしても具沢山。お肉もタップリ。野菜もタップリ。たまらん。
肝心の味なんですが、単純なソース味…ではない気がするんだよなあ。
けっこう胡椒のパンチが効いててですね、めちゃめちゃ食が進む味。
途中で、別添えのソースをかけるとあら不思議。また違った味になってこれがまた旨い！！
旨い！！旨い！！旨い！！
何回旨いって言っても言い足りないくらい（笑）、大好きです。この味。
ああ、また食べれてよかった。ほんとよかった。


実は、北海道に新幹線がやってくるということで、
ここ木古内駅の駅前も再開発の波が押し寄せてきています。
駅前が変わったら、急行食堂は閉店してしまうのではないか…、という不安があったので、


おひとりで頑張っておられるおばあちゃんが、奥で一心不乱に鍋を振り、
お願いした焼そば弁当ができあがるまで、ジーッとおとなしく待ちます。
はい、できたよ、と持ってきてくださったときに、思い切って訊ねてみました。
すると、「移転して続けることにしたよ」って。思わず、ヤッター！！と叫んでしまった（笑）。
年齢的にも体力的にもさすがにキツいそうなので、悩まれたそうですが、
あんたみたいに遠くから来てくださる方がたくさんいるし、なにより地元の常連さんもいるからもう少し頑張るって。
また来ます！！！と思わず口から出たのは言うまでもありません（笑）。


食堂ではありますが、メニューは焼そば一本。
おばあちゃんの体力を考えたら、もうそれで十分。
それが食べたくてわざわざ木古内で降りるんだもの。


もちろん、店内でもいただくことができます。
銀皿に盛られた焼そばも旨そうなんですが、やっぱり弁当にしてもらってしまいます。


こんな素敵な手書きのポスターも、味わいがあって大好きです。
店内には、長く駅前で食堂を営んできた歴史がいっぱい詰まってます。


次に訪れるときは、たぶん新店舗になると思うけど、
あの味がこれからもいただけると思うと、本当に本当にうれしい。
店名は急行でも、鈍行のごとくノンビリと、
少しでも長く続けてほしいと願いながら、お店を後にした晩秋の夜でした。