勝手に他人を撮っちゃダメ？

文化特捜隊　隊長・西田健作

朝日新聞　2010年2月13日　21面より引用

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
街を歩く人々や、路地裏で遊ぶ子ども
ーー。そんなスナップ写真が撮りにく
くなっている。この10年もど、肖像権

を主張する人や、撮影を警戒する人が
増えたからだ。カメラ付き携帯電話や
デジタルカメラが普及し、誰でも気軽

にシャッターボタンを押せる今、皮肉
にもスナップという写真文化がやせ細
っている。(中略)松本徳彦専務理事を

訪ねた。「撮られる人に肖像権がある
らです」と松本さん。肖像権を直接に
定めた法律は無い。だが、過去の判例

から①みだりに肖像を撮影されたり、
勝手に公表されたりしない。②肖像の
利用についての財産権がある。－－が

認められているという。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼最近の公募展の応募要項を見ると、
そのほとんどが「人物を撮影する場合
は本人並びに保護者の承諾を得てくだ

さい。当方はトラブルの際の責任は負
いません」と必ず表記されています。
そうなると、スナップショットの最大

の特徴である自然な表情が撮れないこ
とになってしまいます。了解を得てか
らでは自然な表情は撮れません。みん

なで並んでVサインでは絵にならない。
でも撮られる側からいうと、「なんで
勝手に頼んでもいないのに撮るの」

ということになります。私もよく祭り
の写真を撮りに行きますが、ある公募
展に出品したら「写真を分けてくれ」

という申し出がありました。祭りの記
録として集会所に展示したいとのこと
でした。同じ大きさに引き延ばして、

お渡ししました。とても喜ばれました。
いやはや、難しい時代になりました。