恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

雪遊び~譲二の場合~その11

2016-01-31 07:38:14 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。

なので、思い出話+彼目線も書いてみました。

恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。

 


子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。

ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。

微妙にずれてしまうんだよね。

だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。

だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?

☆☆☆☆☆
雪遊び~譲二の場合~その11

 

お粥のお椀を取りに行くと、百花ちゃんは既に眠っていた。


譲二「残さず食べれたみたいだな…」


そんなにたくさんはよそってなかったけど…食欲が出たのはいい傾向だ。

ぐっすり眠っている百花ちゃんの部屋のドアをそっと閉めた。

明日には熱も下がっているだろう。



食器を片付けながら、10年前の雪の日のことを思い浮かべてみる。


百花ちゃんにせがまれて、特別大きな雪だるまを作ったっけ。


百花「じーじ!すごいね!」

譲二「大したことね~よ」

百花「ほら、百花もちっちゃなの作ったよ」

譲二「頑張ったな、ちび、って何してんだよ?」


百花ちゃんはその雪だるまを一生懸命動かそうとしている。


百花「ねぇ、じーじの雪だるまの横に持って行くの!手伝って!」


俺はやれやれと思いながら、雪だるまを運ぶ。

俺が作った雪だるまの足元に百花ちゃんの雪だるまを並べた。


百花「じーじと百花みたいだね」


確かに…このでこぼこ感は俺たちみたいだ。

マフラーがずり落ちかけてたので、もうひと巻き百花ちゃんの首に巻いた。


譲二「そろそろ夕方になって来たから帰ろう?」

百花「えー!」

譲二「お前んちまで送ってやるから」

百花「うん!」


百花ちゃんは顔いっぱいに笑顔を浮かべて俺を見上げた……。


俺の記憶はそこで途切れている。




保護者か…。

いつまで自分の気持ちを誤魔化し続けることができるだろう?

窓の外を見ると、またちらちらと粉雪が舞っていた。

 

雪遊び~譲二の場合 おわり



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