恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

揺れる心~その11

2016-06-25 07:47:17 | 譲二の~勝手に3年後編(吉祥寺恋色デイズ)

前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。

久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。


『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。

そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。

航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。


だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。





☆☆☆☆☆


揺れる心~その11


〈百花〉
譲二さんは「いい解決策を思いついた」と言った。

その解決策を聞いて……最初はびっくりしたけど。


譲二さんが玲さんとうまくやれそうなのなら、私が口を挟むことはない。

玲さんが現れてからというもの、譲二さんはとても辛そうだったから……。

先代マスターからクロフネを受け継いだのは譲二さん。

だから、今のクロフネを続けるのになんの憚りもないはず…。

だけど、先代マスターが本当は息子の玲さんに店を継がせたかったのではないか、と譲二さんは悩んでいた。

だから、譲二さんが楽になるのなら、少しだけクロフネが変わっても仕方は無い。


☆☆☆☆☆


譲二さんが「いい解決策を思いついた」と言い出してから数日後…。


一護「おい、押すなよ」

竜蔵「そっちもっと詰めろ」

理人「ちょっとタケ兄、こち来すぎだよ」

剛史「全然見えない」

春樹「あんまり大きな声出したらダメだってば」

百花「みんな…何してるの?」



クロフネに帰って来ると、みんながお店の前でガラス越しに中を覗いている。


竜蔵「うわ! お前、急に後ろから声かけてくんなよ!」

百花「ごめん…でもなんか、ものすごく目立ってるよ?」

春樹「ほら、だから早く中に入ろうって言ってるのに」

竜蔵「だってよ…この扉を開けて、クロフネがもう昔のクロフネじゃなかったらと思うとな…」

百花「え? どういうこと?」

一護「マスターはあの男女が納得するようないい方法を考えたっつってたんだろ?」


あの後、りっちゃんや桃護さんから話を聞いて、心配したみんなはクロフネに集まってくれた。

その時、譲二さんはみんなを安心させるように「有栖川さんも納得できるような解決策を思いついたから」と言ってみんなを宥めたのだった。



理人「でもそれってやっぱり、クロフネを夜の店にシフトチェンジすることなんじゃないかって思うんだよね」

春樹「それを確かめるために早く中に入りたいのに、リュウ兄がだめだって言うんだよ」

竜蔵「だってよ…俺たちのクロフネが変わっちまってたらどうするんだよ!」

百花「あ、あのね…クロフネは変わってないから大丈夫だよ」


私はみんなを安心させるようににっこりした。


竜蔵「ほんとか!?」

百花「内装もそのままだし、昼間は普通に営業してるはずだよ」


私が太鼓判を押したのに納得したのか、みんなは雪崩れ込むように中へ足を踏み入れた。

 

その12へつづく



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。