恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。

インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。

手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事


他にも順次インデックスを作ってます。インデックスで探してみてね。



サイトマップ






人気ブログランキングへ

茶倉譲二 続編第三話~その3

2015-09-01 08:09:22 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第三話~その3

〈明里〉


珍しく譲二からメールが来た。

どうも百花さんと喧嘩したみたいなんだけど…。

メールで何度もやり取りしたけど、何があったのか、要領を得ない。

分るのは譲二が相当オロオロしているらしいこと。

だって『俺はもうどうしていいか分からない』なんてことを私にメールしてくるんだもの。



要領を得ないやり取りにイライラして、私は直接電話をかけた。


明里「もしもし、譲二?」

譲二『明里…。俺、どうしたらいいんだろう…』

明里「ちょっと…落ち着いて…。何があったのか最初から話してみて?」


『俺たちはもうダメかもしれない』だの『百花ちゃんに嫌われたかもしれない』だのという愚痴とため息を聞き流しながら、辛抱強く譲二の話を聞いた。

貴志と結婚してからは我ながら随分気長になったものだと思う。

やっぱり好きな人と結婚することで自分に余裕ができたんだ……というノロケはひとまず置いておこう。



紅一さんは譲二を茶堂院グループに本気で連れ戻す気になったらしい。

そして、そのために百花さんを連れ出したらしいのだ。

紅一さんも譲二をクロフネに縛りつけてるのは百花さんだって気付いたのね。

譲二は実家まで百花さんを迎えに行ったそうだ。

そして、知らない男に付いて行った百花さんの軽率さを責めたらしいんだけど、百花さんからは『譲二さんのことを教えてくれると言われて付いて行った』なんて言われたらしい。

思わぬ理由に『俺のことなら俺に聞けよ』といえば『譲二さんは、私が聞いても何も話してくれない。頼ってくれない』と反撃されたらしい。

そしてトドメは『ただそばにいてくれるだけでいい』という譲二に『そばにいたいのに、私を必要としてくれる理由がわからないから不安なんです』と叫んで百花さんは自分の部屋に篭ってしまったらしい。


話を聞いただけで、その時の譲二の唖然とした顔、途方に暮れた様子が目に浮かんで、思わず私はクスクスと笑った。


譲二『なんだよ…。人のことだからって、笑うことは無いだろ…!』

明里「ごめんなさい。つい…」

譲二『つい、なんだよ?』

明里「フフ…百花さんもその時後ろを振り返れば、譲二がどんなに焦ってるかわかったでしょうに。 そしたら少しは慰めてもらえたかもしれないのにね…」

譲二『笑うなよ…』


譲二が拗ねたように言う。

百花さんや他の人たちからは譲二はいつも落ち着いた大人の男に見えてるらしいけど、こういうところは子供の頃と変わってない。

そして、譲二が百花さんのことを心の底から好きで、大切に思っているのを実感した。

だって、なんだって器用にこなす譲二が、百花さんのことではどうすればいいか分からずに、私に頼ってくるんだもの…。

その4へつづく