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寅次郎の休日

2009-09-08 | 映画
今日は忙しくも充実していました。



午前中に区役所と歯医者と内科に行きました。買い物にも三件行った。
午後からは、三本借りた映画のうち二本を観ました。
夕方からはホッピー君と焼酎オヤジと共に二時間近く「夕寝」をしました。
夕寝から醒めて、パスタにシーチキンと納豆を具にして酢を掛けて食べてみましたが…あまりうまくいきませんでした。

内科は痛風のクスリがなくなったためでした。採血もしました。
ウチから徒歩5分にあるお医者さんで、ドクターも看護婦さんも受付の女性もとても親切で気に入ってるのだけれど、唯一気になるのは、「採血の注射が通常よりも少しイタイ」ことです。

そんな充実の一日の中で、どうしても欠かせなかったのが「DVD映画を借りること」でした。
何しろ火曜日は一本200円の日。そんな額で、ついこないだまでロードショウに掛かっていた映画が観れるのだからありがたい。三本も借りてしまいましたよ。



そのうちの一本が『男はつらいよ、寅次郎夕焼け小焼け』です。
いやあ、ヨカッタなあ。
後で、シリーズ最高傑作の評価も高い…と知りましたが、それもうなずけました。

マドンナ役は大地喜和子。宇野重吉が「日本画家の大家」役でスゴく良い味出している。
その他にも、大滝秀治、佐野浅夫、岡田嘉子(!)、寺尾聡(父子競演!)という豪華な脇役陣です。

こういうところからも、『寅さん』は単なるプログラム・ピクチャーじゃないのが分かりますね。監督の山田洋次は名門「松竹」に入社したときは比較的地味な存在でしたが、次第に伝統の「大船調リアリズム」継承する次代のエース監督として期待されて行ったようです。
(この辺り、映画に詳しくない人にとっては「意味ワカラン」かも知れませんが、許して下さいね。今はまた焼酎オヤジとお友達になってることもあり、「プログラムピクチャー」や「大船調」を解説するのが、ちょっと面倒なのです)

私はこのところ一ヶ月に二本くらいのペースで寅さん映画を観つづけていますが、この作品は少し異質な感じがありました。
人物描写や画面の質感などに、「シリーズ物」を越えた意気込みと丁寧な作りが感じられるのです。

山田洋次は1969年の第一作から1996年の48作まで、丹念に寅さんシリーズを撮り続けていますが、途中に『同胞』(1975年)、『幸せの黄色いハンカチ』(1978年)、『ダウンタウンヒーローズ』(1988年)などの一般映画も撮っています。
その中でも『幸せの黄色いハンカチ』は大ヒットし、映画賞もたくさん受けました。その前年に作られた『寅次郎夕焼け小焼け』は、きっと気力心境とも盛んな時期だったのでしょう。その勢いがこの作品にも溢れています。



山田洋次自身は東大法学部卒のエリートですが、一貫して「庶民の哀歓」を賛美し続けて来ました。
自分は日本社会のエリート街道を駆け上りながら、映画では「庶民讃歌」を謡うことに偽善性を感じる人もいるようですが、最新作の『母べえ』まで五十年近く同じ姿勢を貫いているのは、表面の経歴に現れない「何か」があるのでしょう。

昨日のブログで触れた湯浅誠も東大法学部卒ですが、私はこういう「できる人」が庶民に共感してくれるのをヘンに妬んでケナしたりせずに、大事にしたいと思っています。
私の小中学校の同窓からはけっこう東大に行ってるけど、彼らはやはり「地頭」が良かった。
でも、出自は「庶民」です。現在の収入や社会的地位は私と大きな差があるけれど、おおもとの感性は変りません。
別に「東大卒」に限ったことじゃないけれど、出来る人はデキルのです。でも彼らがすべて「金儲けの勝ち組」になろうとしているわけじゃない。
そういう人たちの知恵と力と心情も借りていこうじゃありませんか。



そうそう、今日観た寅さんは、渥美清が48歳のときの作品です。
今の私は、それを越えてしまった…(チョイとだけですよ)。
私が寅さん映画に共感を深めているのは、「中年独身男」の心情がたっぷりと描かれているからかもね。
つまり、寅さんは私です…って心境。

今日観たもう一本は、『チェ、28歳の革命』でした。
これはこれで面白かったけど、いずれまた…。

そう言えば、今日観た寅さんの中でスゴく面白かったのが、寅さんがタコ社長の印刷会社の社員たちに、
「職工!労働にもどれ!」
と怒鳴るシーン。

今どき、映画じゃ「職工」なんて言葉、とても使えないよなア…と感じて、思わず笑ってしまいました。

どうも、ご退屈さまでした。




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