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面会力というもの

2010-05-06 | 入居者、家族
私のホームには、いわゆる「寝たきり」に近い方が、数名ですが、いらっしゃいます。





もっとも、老人ホームのケアマネジャーが「寝たきり」なんて言葉を使ったら、怒られちゃいますネ。

「寝たきりじゃない、寝かせきりだ」

「どうしたらベッドから離れる機会を多く作るかが、君の使命ではないか」なんて…。

ごもっともでございます。

ただ、その方たちは皆さん「胃ろう」で、お腹に直接チューブを通して食事をされておられる関係上、どうしてもベッドに横になる時間が長くなる。

そして、高齢者の方が胃ろう生活を半年、一年と続けていくと、四肢の関節も硬くなり、ベッドから車椅子に移って頂くのもかなりの危険をともなうものです。

まあ、硬縮を防ぐのも私たちの大切な仕事のひとつなのですが…。





さて、今日、そう言った生活をしているあるご入居者に、二人の面会がありました。

ひとりは初めてで、もう一人は、本当に久しぶりに来園された方でした。

そのご入居者は、約一年半前にホームにいらしゃったときは、お洒落で良くお喋りもしていたのです。

つまり、今日の面会のお二人は、いわゆる「寝たきり」になってからの姿は知らず、恐る恐る…という気持ちで来園し、部屋の戸を開けたのでした。





ベッド脇までご案内し、面会の方が顔を覗き込むと…。

驚きました。

ほとんど表情を変えることがない方なのに、声にならぬ声を挙げたかと思うと、まさしく破顔一笑…という顔をされたのです。

面会のお二人は堪えきれぬように涙を流しました。






それから約30分後、面会を終えたそのご家族たちは「本当に良かったです。また来ます」と、仰いました。





人と人が接する力に、改めて思い至った日でした。












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1 コメント

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面会 (ayugon)
2010-05-10 10:22:21
老人ホームの中に入ると、今までいろんな人と関わってきたのに。
その数が、極端に減るんでしょうね。
家族の持つ力は、私達介護員にはありません。
また、地域の人もしかり。
よほどの認知症の方でも、近所の人が来ると、名前で呼び合ったり。
どこかでつながるんでしょうね。

そういううれしい顔に気づける職員っていいと思います。いい顔をしたら、それをみんなに伝えていきたいですね。
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