昨日、職場の元同僚と飲んだ。
もともと私のホームの介護スタッフだったが、事情があって本社に異動した男性である。
以前から細身だったが、また少し痩せたように思えた。
話を聞くと、本社での慣れない仕事にかなり苦労をしているらしい。
まだ乳飲み子のお子さんのことを語るときだけは、とても嬉しそうな笑顔を見せた。
泣き言を言うタイプではないので多くは語らなかったが、本当に辛そうだった…。
今日は休みだった。
珍しく十時半くらいまでフトンの上でぐったりしていた。
前夜の酒が、若い友人の表情と共に残っていたのかもしれない。
昼前にマッサージに行き、念入りに首の周辺を揉んでもらってから、映画を観た。
『ミスティックリバー』である。
クリント・イーストウッドの監督作で、ショーン・ペンがアカデミー賞主演男優賞を、ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞した作品である。
半年くらい前に一度観た、いわゆる「二度見」の映画である。
一度目のときは「暗い・重い作品」という印象が残った。
でも、今日の気分は、その「重さ」を求めていたのだ。
それは、「当たり」であった。
ボストンの下町。
三人の少年が路上で遊んでいると、二人の中年男が車で通りかかる。
手錠とバッヂを持っているのを見て、少年たちは(警官だ)と思った。
そして、「道路にイタズラ書きをするのは犯罪だ」と脅しつけると、三人のうち家が一番遠くにある少年を車に載せていってしまう。
ところが、彼らは警官ではなかった…。
25年後。三人は成人し、それぞれの人生を歩んでいた。
ところが、そのうちの一人の長女が姿を消したことから、三人は悲劇的に関わりあう。
クリント・イーストウッドは映画の葛藤を作るとき、しばしば「エゲツナイなア」と感じるほどエグイ設定を使う。
この作品にもその傾向はある。
でも、それを遥かに越える重い感動を、今日は、感じた。
「自分はなぜ、今、ここでこうしているのだろう?」という運命の不思議、無情。
私はしばしばそれを考える。
『ミスティックリバー』は、その「答えのない問い」を、そのまま一級の映画作品にしてくれていた。
しかも、アカデミー賞を受賞した二人はもちろん、もう一人の「三人の少年」を演ずるケヴィン・ベーコンも素晴らしい。
最近のアメリカ映画は全体に「お子様化」しているけれど、俳優の質という点ではいつも感服してしまう。
それと、「二度見」で、「女性の怖さ」も存分に描かれていたのだな…ということも発見した。
男は、泣きながら殺し合う。
女は、優しい言葉を掛けながら「より幸せになる」ために潰しあう。
それが本能なのか。
いやあ、コワイコワイ。
でも、「重苦しさの浄化作用」を堪能した一本でした。
にほんブログ村
もともと私のホームの介護スタッフだったが、事情があって本社に異動した男性である。
以前から細身だったが、また少し痩せたように思えた。
話を聞くと、本社での慣れない仕事にかなり苦労をしているらしい。
まだ乳飲み子のお子さんのことを語るときだけは、とても嬉しそうな笑顔を見せた。
泣き言を言うタイプではないので多くは語らなかったが、本当に辛そうだった…。
今日は休みだった。
珍しく十時半くらいまでフトンの上でぐったりしていた。
前夜の酒が、若い友人の表情と共に残っていたのかもしれない。
昼前にマッサージに行き、念入りに首の周辺を揉んでもらってから、映画を観た。
『ミスティックリバー』である。
クリント・イーストウッドの監督作で、ショーン・ペンがアカデミー賞主演男優賞を、ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞した作品である。
半年くらい前に一度観た、いわゆる「二度見」の映画である。
一度目のときは「暗い・重い作品」という印象が残った。
でも、今日の気分は、その「重さ」を求めていたのだ。
それは、「当たり」であった。
ボストンの下町。
三人の少年が路上で遊んでいると、二人の中年男が車で通りかかる。
手錠とバッヂを持っているのを見て、少年たちは(警官だ)と思った。
そして、「道路にイタズラ書きをするのは犯罪だ」と脅しつけると、三人のうち家が一番遠くにある少年を車に載せていってしまう。
ところが、彼らは警官ではなかった…。
25年後。三人は成人し、それぞれの人生を歩んでいた。
ところが、そのうちの一人の長女が姿を消したことから、三人は悲劇的に関わりあう。
クリント・イーストウッドは映画の葛藤を作るとき、しばしば「エゲツナイなア」と感じるほどエグイ設定を使う。
この作品にもその傾向はある。
でも、それを遥かに越える重い感動を、今日は、感じた。
「自分はなぜ、今、ここでこうしているのだろう?」という運命の不思議、無情。
私はしばしばそれを考える。
『ミスティックリバー』は、その「答えのない問い」を、そのまま一級の映画作品にしてくれていた。
しかも、アカデミー賞を受賞した二人はもちろん、もう一人の「三人の少年」を演ずるケヴィン・ベーコンも素晴らしい。
最近のアメリカ映画は全体に「お子様化」しているけれど、俳優の質という点ではいつも感服してしまう。
それと、「二度見」で、「女性の怖さ」も存分に描かれていたのだな…ということも発見した。
男は、泣きながら殺し合う。
女は、優しい言葉を掛けながら「より幸せになる」ために潰しあう。
それが本能なのか。
いやあ、コワイコワイ。
でも、「重苦しさの浄化作用」を堪能した一本でした。
にほんブログ村
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます