今日も、肌寒い一日でした。
昨日は復活祭ですっかり興に乗っていましたが、今日のような「ジミシブ」の日に無理して外出したりすると、おうおうケガとかするものです。
そこで私は、今日はおとなしく映画を観てすごしました。
せっかく観るなら長尺作品をと、会員になっていうヤフーの「お楽しみ映画」の中から、『ガンジー』、『グラジエイター』、『スカーファイス』のうちの一本を…と考えました。
そして、結局選んだのが、アル・パチーノが成り上がりのギャングを演じた『スカーフェイス』なのでした。
これは、1983年(昭和58年)に作られ、日本公開は翌年になった作品です。
この映画はリアルタイムで観たのに、全くというほど覚えていませんでした。
私の記憶の中では、「やたらにアル・パチーノがオーバーアクションで卑猥語を叫びまくり、人を殺しまくる」という残像がありました。
でも、改めて観ると、確かにそういう要素もあるけれど、170分という長尺を使って、キューバから追放された一青年の心のヒダにじっくりと寄り添う、「若い男の苦闘記」だったんだナ…と、再認識しました。
この作品は公開されたときは酷評に近い評価を受けましたが、時代が経つにつれ「ピカレスクロマンの傑作」と、株が上がって行きました。
アル・パチーノの演じるトニー・モンタナは、キューバにいた頃は軍隊で人を殺めてしまい牢獄に入れられていました。
1980年4月から9月まで、キューバの盟主カストロは、マリエルという港からボートで亡命することを認めます。
その間に12万人以上のキューバ人がアメリカに亡命したのですが、アメリカ当局によれば、そのうちの2万人以上が犯罪者などの「やさぐれ者」らしいのです。
トニー・モンタナは、そんなゴロツキのひとりでした。
トニーは、「地道に一歩ずつ階段を昇っていこう」というタイプではありませんでした。
彼は、「この国で男が一人前になるためには、何より金を稼ぎ、権力を得なくてはならない」と喝破しました。
そこで、ヤクザな道に入り、コカイン密輸により巨万の富を得ている同郷のフランクの配下に入るのですが…。
監督はケレン味タップリの演出で知られるブライアン・デ・パルマですが、この作品はオーソドックスに撮っていて、クサ味がありません。
また、脚本がオリバー・ストーンだったことを、今日初めて知りました。
当時のオリバー・ストーンは『プラトーン』で世に出る数年前です。
「業のカタマリ」のような彼のことですから、トニー・モンタナの姿に、己の上昇志向を思いっきり乗っけたことでありましょう。
『スカーフェイス』は、「昭和の匂い」がとても強く伝わってくる作品でした。
最近の「リメーク大作」だらけのハリウッドでは、こんな「成り上がり青春記」に三時間を
費やすことをOKするプロデューサーはいないでしょう。
そういう意味では、まことに「昭和風実録ヤクザ映画:カリブ版」を堪能させて頂いたことでありました。
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昨日は復活祭ですっかり興に乗っていましたが、今日のような「ジミシブ」の日に無理して外出したりすると、おうおうケガとかするものです。
そこで私は、今日はおとなしく映画を観てすごしました。
せっかく観るなら長尺作品をと、会員になっていうヤフーの「お楽しみ映画」の中から、『ガンジー』、『グラジエイター』、『スカーファイス』のうちの一本を…と考えました。
そして、結局選んだのが、アル・パチーノが成り上がりのギャングを演じた『スカーフェイス』なのでした。
これは、1983年(昭和58年)に作られ、日本公開は翌年になった作品です。
この映画はリアルタイムで観たのに、全くというほど覚えていませんでした。
私の記憶の中では、「やたらにアル・パチーノがオーバーアクションで卑猥語を叫びまくり、人を殺しまくる」という残像がありました。
でも、改めて観ると、確かにそういう要素もあるけれど、170分という長尺を使って、キューバから追放された一青年の心のヒダにじっくりと寄り添う、「若い男の苦闘記」だったんだナ…と、再認識しました。
この作品は公開されたときは酷評に近い評価を受けましたが、時代が経つにつれ「ピカレスクロマンの傑作」と、株が上がって行きました。
アル・パチーノの演じるトニー・モンタナは、キューバにいた頃は軍隊で人を殺めてしまい牢獄に入れられていました。
1980年4月から9月まで、キューバの盟主カストロは、マリエルという港からボートで亡命することを認めます。
その間に12万人以上のキューバ人がアメリカに亡命したのですが、アメリカ当局によれば、そのうちの2万人以上が犯罪者などの「やさぐれ者」らしいのです。
トニー・モンタナは、そんなゴロツキのひとりでした。
トニーは、「地道に一歩ずつ階段を昇っていこう」というタイプではありませんでした。
彼は、「この国で男が一人前になるためには、何より金を稼ぎ、権力を得なくてはならない」と喝破しました。
そこで、ヤクザな道に入り、コカイン密輸により巨万の富を得ている同郷のフランクの配下に入るのですが…。
監督はケレン味タップリの演出で知られるブライアン・デ・パルマですが、この作品はオーソドックスに撮っていて、クサ味がありません。
また、脚本がオリバー・ストーンだったことを、今日初めて知りました。
当時のオリバー・ストーンは『プラトーン』で世に出る数年前です。
「業のカタマリ」のような彼のことですから、トニー・モンタナの姿に、己の上昇志向を思いっきり乗っけたことでありましょう。
『スカーフェイス』は、「昭和の匂い」がとても強く伝わってくる作品でした。
最近の「リメーク大作」だらけのハリウッドでは、こんな「成り上がり青春記」に三時間を
費やすことをOKするプロデューサーはいないでしょう。
そういう意味では、まことに「昭和風実録ヤクザ映画:カリブ版」を堪能させて頂いたことでありました。
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