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男はつらいよ・祖師谷慕情

2009-07-07 | 映画
今日は仕事が休みでした。


午前中に歯医者に行ってから、DVDを二枚借りてきました。
一枚はペドロ・アドモドバルの『トーク・トゥ・ハー』。
そしてもう一枚は、『男はつらいよ・柴又慕情』…。
私が『寅さんシリーズ』を見始めたのは、今年に入ってからです。それまでは、レンタル店に行っても、『寅さん』の棚には近寄ることがなかった。というより、避けていました。

私は昔、映画青年だったのです。高校大学と「映画研究会」に所属し、8ミリ映画を作っていました。
かなり教条的なタイプでしたから、日米欧の戦前の名作や、ゴダール・ビスコンティ・小津など、映画評論家が「すごい!」という監督の作品はせっせと観ていました。反面、批評家が見下す監督や映画は、どうしても縁遠くなります。
『寅さん』は、今でこそ多方面から評価を受けているけれど、私が映画青年をやっていた1980年前後当時は、批評家や若手監督が「下らん!」「何たる俗悪!」とさかんにコキおろしていました。若かった私は、その影響をモロに受けました。

その余波は今もあって、「寅さんが観たい!」と思っても、それだけ借りるのは店員に馬鹿にされるような不安が一瞬頭をよぎって、どうしても「ヨーロッパ名作映画」などを抱き合わせにしてしまうのです。青年期の刷り込みとは、本当に恐ろしい。
あ、『トーク・トゥ・ハー』は良かったですよ。前から観たかった映画だしね…。
この春から断続的に借りた浅丘ルリ子がマドンナの「リリー三部作」が本当に良くて、「寅さんはスゴイ!」と改めて知りました。で、次は何にしよう…と棚の前で迷ったあげく、吉永小百合が初マドンナ役をやった第六作『男はつらいよ・柴又旅情』を借りてきたのです。


良かったナ。まず、吉永小百合が凄くキレイで、品がありました。今はこういう佇まいの女優さんも演技も、ありえないですね。「なんだアイツは、気取りやがって」と、皆で潰してしまうから。
寅さん映画は当時から、「今はなくなった下町の人情を描いた」と言われていました。本当は、あんな暖かい人間関係はどこにもなかったのかも知れません。子供の頃に母親が作ってくれた素朴な料理やお菓子のおいしさがどうしても再現できないのと同じで、心の中にだけある「幻の味」なのかも知れません。
でも、「あれっていいな。そうありたいな」と感じ、少しでも近づこうと考えることが大事なんじゃないかな…と思っています。
ちなみに、渥美清も山田洋次監督も、本当の落語通です…。


お題の「祖師谷慕情」とは、今、私が住んでいる最寄り駅の「祖師谷大蔵」から取ったものです。
ここに住むようになってまだ二年半だけど、この街にある「ウルトラマン商店街」は、今どき珍しいくらいに活気がある、住宅地の商店街です。
いつか写真入りでレポートしたいな。

実は、今日は夕方からホッピー君や焼酎オヤジと仲良くなってしまって、今やほとんど夢見心地なんですネ。

それでは皆様、おやすみなさい…。




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