お洒落とお買物の日

今日は、月に一度の訪問美容の日。
いつもどおり、大浴室の脱衣場を即席の美容院に仕立てて、十六人のご入居者がお洒落を楽しみました。
いくつになっても女性はお洒落が大好きですね。カットをし、パーマをかけ、パーマ・マニュキアを楽しみ、フェイシャル・エステで癒され…とご注文は様々ですが、終わった後は、皆さんひと月で一番良い顔をされています。

そういう表情を見ると、こういった普遍的な楽しみが「生活の質」を決めるのだな…と痛感します。
とにかく「キレイになりたい！」は、全女性に共通の心。


それと今日は、もうひとつ特別な日でした。
我がホームでは、毎週水曜日に一番人気のあるレクリエーションがあります。
それは、ホームの大型車に希望者に乗って頂き、近くの大型総合スーパーでお買物をする、「買物同行」というレクリエーションです。

しかしこの二ヶ月以上、例の「新型インフルエンザ」の影響で、集団で外にでかけるレクリエーションは禁止されていました。
それでなくともジメジメと不快な上、散歩をするにも出来ない天候が続いてるのに、一番の楽しみを奪われたのですから、ご入居者の「心の不快指数」も上がる一方でした。そうなると、入居者同士のトラブルや職員へのクレームも増えるものです。

でもついに先日、本社から「外出レクリエーション解禁令」が出されたのです！

認知症があるお客様の中には「買物レクってなんだっけ？」という方もいましたが、一階のエントランスに集合しているうちに、「体が思い出した」ようです。なんとなく、そわそわワクワクして来ました。

そして、ほとんどの方が二ヶ月前と全く同じ物を、好物の「薄皮あんぱん」や「カンロ飴」をお買い上げになって帰ってきました。
「何を買うか」ではなくて、「お買物に行く」そのものの楽しみのほうが、やはりずっと大きかったのですね。


私のホームは住宅街の真ん中にある都市型施設です。規模も小さいし、ご自宅にいたときと変わらずにお洒落やお買物ができる…というのをウリにしています。
つまり、施設とは言え、文字通りの「我が家」になるのが一番なんだよな…と、改めて痛感した一日でした。




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