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第154話. 気になった音楽(23)&(24) Aztec Camera『Lost Outside The Tunnel』&Prefab Sprout『We Let the Stars Go』

2018-08-05 22:56:24 | 気になった音楽
湖畔人です。

また続けて“透明感”のある曲を2曲ご紹介します。今回は、早速前話で説明したポストパンク、ネオアコ枠から2曲紹介させていただきます。透明感とは言っても、2曲とも悔恨を赤裸々に歌うと言う意味で純粋で透明感があると言う事で選定をさせていただきましたが、でも、ちと暗い色調の二曲ではあります。
一つ目はネオアコと言うカテゴリーでは最も代表的で、とても青臭くて、現代の吟遊詩人のような雰囲気を持つ天才ソングライターのロディ・フレイム率いるアズテック・カメラです。アステカのカメラなんて何かとてもエスニックで詩的な響きのバンド名ですよね。出身レーベルも“ポストカードレコード”と言う名のグラスゴーのインディーレーベルでして、これまた詩的な響きのレーベル名で素敵です。ネオアコの面々は存在自体がとても詩的なのです。今回は、彼らの珠玉のファーストアルバム『High Land Hard Rain』から『Lost Outside The Tunnel』と言う曲の紹介をします。恋愛に盲目になり自分を見失ってしまったと嘆く曲でして、“そんな事ロックアーティストで反省する人なんていないよ?ナイーブすぎでしょ?ロディ君“と言いたくなるような、なんとも純真でナイーブな感じの一曲です。彼の他の曲では、”愛とは見返りを求めず与える事~“、なんて歌詞が平気で出てくる位でして、まるで聖職者のようです。まあ、多分、彼は天使ですね。天使、間違いないです。彼は『High Land Hard Rain』以降、どんどん風呂敷を広げて様々なスタイルの音楽を探して彷徨い続け、一時は坂本龍一さんにプロデュースをしてもらった時期もあったりと、色々と試したのですが、でも結局は本能のままに天性のままに作った最初のアルバムがやはり一番良い気が致します。彼ももういい歳ですが、まだまだ最高傑作を目指して頑張ってほしいですね。期待しています。
さて二曲目は、こちらもネオアコと言えばネオアコですが、少し別枠になるかもしれない、もうちょっと洗練された音を作るバンド、Prefab Sproutの一曲です。“パンク”と言うとある意味“演奏が下手”と同義でして、ポストパンクの連中も、素人っぽさが残った演奏をする人たちは少なく無くて、その粗削りなところが味でもあったのですが、Prefab Sproutは他のネオアコの連中とは次元が違って洗練されていました。メロディーもアレンジも全く別次元ですが、歌詞が青臭いと言う意味では彼らもネオアコらしいバンドです。その中心メンバー、パディ・マクアルーンは、ニューウェーブ以降に登場したUKにおける最高のソングライターの一人と称されており、所謂ロディと同じく天才でして、寧ろロディよりもその才能は広く認められています。嘗ては美男子であった彼も今は還暦を迎え、髭を蓄えZZTOPか画家のモネのようであり、まるで仙人のような風貌ですが、まだまだ創造の泉は枯れていないようです。今回紹介する曲は、今となっては直視するのが恥ずかしいような、またとても眩いような、嘗て仲が良かった女性との微妙な関係、とその思い出について歌った曲、『We Let the Stars Go』と言う曲です。とても美しい曲です。

湖畔人

第153話. パンクとポストパンクを振り返る

2018-08-05 17:00:32 | 文化論
湖畔人です。

第146話の岡村孝子さんの所でも触れましたが、ホンの僅かな間ではありましたが、一時傾倒したパンクと言う、主にイギリスで流行したムーブメントについて語ってみたいと思います。一般的なイメージで言うと、パンクと言えば、破壊的でやかましくて、モヒカンのヘアーに鋲打ち革ジャンを来て、反体制、反権威主義、DIY主義、アナーキスト、暴力的、左翼的(右翼もいたけど)、そんな感じのイメージでしょうか。有名どころでは、ピストルズとかクラッシュとかThe Jamとか色々いましたが、ピストルズはニヒリスト、アンチクライスト、アナーキスト何て言うパンクの仕掛人、マルコムマクラーレンが作った酷いイメージで売っていたので(後日あれは作られたものと判りましたが)、純朴な若かりし自分にはとても受け入れられず、当時は若干政治的で若干正義感を感じさせ、タフそうで人の良さそうで且つ若干懐古主義的なロカビリー的な格好をしていたクラッシュに興味を持っていました。彼らは思想と言う思想があるかと言えば、若干社会主義的、左翼的であり、失業や人種差別や警察の腐敗、マイノリティの貧困問題など、当時の深刻なUKの社会事情、社会の底辺部の抱える鬱積や不満を荒々しいガシャガシャした音に換えて歌ってウサを晴らす的な役割を果たしていたイメージのバンドです。コンサートなど見ると殆ど暴動のような激しいものもあったようですね。彼らも社会主義や共産主義が抱える矛盾など、多分知る由もなく、金持ちや資本主義が皆悪党に見えていたのでしょう。ある程度は理解できますが、分配よりも自立補助、“魚を与えるより、釣り方を教えよ”という格言の通り、皆が独り立ちできる方向での助けこそが必要です。社会悪に声を上げるのは良いとしても、貧困への回答は何時の時代だってサミュエルスマイルズの自助努力の姿勢が正解であって、社会変革を迫るならチャンスの平等と規制の撤廃をこそ求めるべきであり、社会が間違っている、ブッ壊せ、等言ってないで、そんな暇があるなら四の五の言わず、文句言わずに勉強しろ!、学んで力を付けてしっかり稼げよ、そして社会に貢献、還元せよ、その力で貧者の自立をサポートせよ、と、何故そう歌わんのか!って言う所に行きつきまして、まあ飽きてしまったのですが、でもこのクラッシュの中心人物のジョー・ストラマーと言う人はそれでも何か捨てがたい魅力を感じる人でして、何か、浪花節的な感じ、いつでも弱い者の味方であって、サインが欲しい人がいればいつまででもサインをし続けるし、ギャラも直ぐに寄付してしまうのでいつも貧乏で、チケットが高くてコンサートに行けないと子供が嘆いているのを聞けば “ゴメンゴメン”と言って泣いて詫びてしまうとか、あの厳ついルックスとは真逆の優しさに満ちた男、そうした優しい逸話が沢山残っている御仁なのです。その優しさが多分彼の最大の魅力であり、引き付けられる点なのかな、と思っています。ただ、まあ、チャーチルでは無いですが、“若い頃、左翼に傾倒しない者は情熱が足りないが、大人になっても左翼に傾倒している者は知恵が足りない”と言う言葉の通りでして、大人になったら左翼は卒業して、皆が独り立ち出来るように支援する方向での努力こそが本当の優しさと思わないといけない訳です。それと何より、神と共にあれ!、そこを外してはイカン!という事になるかと思います。そこだけはパンクだろうが何だろうが外してはならないポイントであって、その辺りにどうも不足を感じた記憶がございますね。ただ、パンク的な精神でも、勿論良いものもあると思っていまして、パンク的な精神で良いと思うものは、動き出す精神、行動の勧め、準備が十分に出来てから動き始めるのもいいけど、もう心意気で直ぐに始める勇気と行動力、下手でもいいので兎に角やり始める精神、その姿勢は多分とてもパンク的でして、今後も残して行きたい良い姿勢だと思いますね。それと、社会悪に対し黙っておらず声を上げる精神、それもとてもパンク的な良い姿勢だと思います。相手が巨大な社会的オーソリティーであろうが何だろうが正面から戦いを挑み変革を促す精神、それはとてもパンク的だと思います。その意味で幕末の志士達、特に薩長土の志士達は極めてパンク的だと思っています。そこは引き継いで良い部分だと思いますね。
さて、そのインパクトの強いパンクと言うムーブメントの後に現れた様々な音楽的流れは、総称して“ポストパンク”と呼ばれていますが、対象はかなり幅白く、色んなジャンルを含んでいます。ニューウェーブ的なものも、テクノの一部も入っておりかなり幅が広いのですが、私の言うポストパンクは、日本ではネオアコ(ネオ・アコースティックムーブメントの略)と呼ばれたジャンルでして、海外ではギターポップとかインディーポップ等と呼ばれた一連のムーブメントを私は大好きでして、相当傾倒していました。彼らの特徴は、皆エピフォンカジノやギブソンのES-355など大きく平べったくクラシカルなルックスのセミアコのギターを持って(ジョンレノンが屋上ライブで持っていたようなタイプ)、清涼感のある爽やかでPOPな、またはジャジーなギターサウンドに青臭い詩を載せて歌う、でも根底にはパンク的な反骨精神が横たわっている的なバンドが多数現れたのですが、私は彼らに相当ハマってしまっていたのですが、彼らはトラッドな懐古主義的な頭良さげで好青年風なルックスをしているのですが、よく見るとサイドがモヒカンのように刈りあがっていて、パンク的な反骨精神が彼等の外見にもチラッと現われており、少し毒もある、今流行りのツーブロックの髪型を先行していた、そんな見た目にも音楽的にも大変魅力的な存在だった彼らなのですが、代表的なバンドとしては、アズテック・カメラ、プリファブ・スプラウト、エコーアンドザバニーメン、ペイル・ファウンテンズ、エヴリシング・バット・ザ・ガール、ザ・ブルーベルズ、ザ・スミス、そして元The Jamのポールウェラー率いるスタイル・カウンシル等、色々と良いバンドが沢山存在していた幸福な時代でした。今後、少しずつ紹介させて頂こうと思っています。でも、いきなり、“透明感”括りで数曲紹介させてもらうかもしれません。8月ですから、段々報道も先の大戦への反省みたいなのばかりに成っていくと思うので、その流れに対して、思う所を少し述べたいと思っています。

湖畔人

第152話. 気になった音楽(22) Huey Lewis And The News 『Do You Believe In Love』

2018-08-05 15:47:49 | 気になった音楽
湖畔人です。

また続けて“透明感”のある曲のご紹介です。
今回はアメリカ編です。ヒューイです。最近ノンアルビールのCMで、彼らの名曲『パワーオブラブ』の格好いいイントロが使われていますが、彼らは、アメリカの伝統的能天気なロックンロールな感じを保ちつつも、ヒューイのアメリカの人の良いお兄ちゃん代表的な風貌と、その滲み出る人柄の好さ(困った人を見掛けたら放っていられない的な雰囲気)と、そのキャッチーなメロディと綺麗なコーラスと明るく爽やかなサウンドから、アメリカの良心、的な印象を受けていまして、彼らの曲『パワーオブラブ』が、これまた極めてアメリカ的な映画スピルバーグの『バックトゥザフューチャー』の主題歌として使われたのも、とても頷ける話だなと思っていまして、彼らはアメリカの良い一面をある意味体現している存在だな、と兼ねてから思っていたのです。その彼らの数あるヒット曲の中でも、もっともその良さがよく出ていると思われる曲が、彼らの最初のヒット曲である『Do You Believe In Love』かな、と思っています。メロディがキレイでコーラスが美しくて、爽やかな西海岸の"風"のような曲です。でも歌詞を見るとナンパがうまく行って本物の愛になりました的な曲で、本当に、透明感がある曲なのか?と聞かれると、ハイとは言い切れず、多少の疑問があるのも事実なのですが、でもまあ、アメリカですから、基準が違うと言う事で、そこは大目に見たいと思います。とても良い曲だと思います。お勧めします。

湖畔人

第151話. 気になった音楽(20)&(21) 中村雅俊 『時代遅れの恋人たち』 『海を抱きしめて』

2018-08-05 14:40:19 | 気になった音楽
湖畔人です。

また続けて“透明感”のある曲のご紹介です。
第146話でもお伝えしたように、学生時代の夏休み中に見た再放送ドラマの主題歌に好きな曲が多い私なのですが、今日もその範疇の曲のご紹介です。夏休み、泳ぎかバイトを終えて、家に戻って、シャワーを一浴びして、扇風機の風を浴びながら、畳のテレビのある部屋にゴロ寝して、氷を入れた冷たい飲み物を飲みながらダラダラ涼んで観ていた夕方の民放局でやっていた再放送のドラマには、中村雅俊さん主演のドラマが多くて、『俺たちの旅』や『ゆうひが丘の総理大臣』他、色々やっていたのですが、『俺たちの旅』の小椋佳さんの曲も名曲ですが、今日は、透明感重視で、『ゆうひが丘の総理大臣』のオープニングとエンディングの曲の二曲、『時代遅れの恋人たち』と『海を抱きしめて』を紹介させていただきます。自分の世代は、斜に構えていて、ヒネくれている世代ですので、学生運動なんて全く理解不能でしたし、キャンプファイヤーの前で肩を組んで歌を歌うなんて言う青春を感じさせる行為が恥ずかしくて出来ない感じだった世代で、こうした情熱的でまっすぐな熱い学園青春ドラマも何か恥ずかしくて直視出来なかったものなのですが、でもある意味、こうした青春、青春した真っすぐな感じも羨ましくもあり、ある意味憧れてもいました。オープニングの『時代遅れの恋人たち』はもう、ザ青春、と言った感じの真っすぐさと瑞々しさに溢れている名曲でして、ホントキラキラしていて眩い感じですし、エンディングの『海を抱きしめて』もちょっと内省的で、でも底には優しさも熱さも感じる風のような名曲です。今はお爺ちゃん役で、朝ドラに出ている雅俊さんですが、若かりし頃は、ホント竜馬みたいで格好が良かったですよね。ホント二曲とも名曲だと思います。金八さんの『贈る言葉』も良いですが、今日は雅俊さんの二曲を紹介させて頂きました。今後はちょっと海外物を数曲行きたいと思います。

湖畔人

第150話. 気になった音楽(19)竹内まりや 『ドリーム・オブ・ユー~レモンライムの青い風~』

2018-08-05 13:48:09 | 気になった音楽
湖畔人です。

ここの所続けている“透明感”のある曲のご紹介です。
幾つもあるのでキリが無いのですが、あと数曲ご紹介したいと思います。

138話でも少し触れた竹内まりやさんですが、彼女のデビューから二曲目の曲、『ドリーム・オブ・ユー~レモンライムの青い風~』を紹介させて頂こうと思います。タイトルの通り、青春真っ盛りな感じの曲で、キラキラしていて、瑞々しく爽やかな一曲です。本曲は、達郎さんの作曲かと思いきや、フォーク・クルセダーズやサディスティック・ミカ・バンドで有名な加藤和彦さんが作曲されたようです。作詞はニューミュージックの数々の名曲の作詞を手掛けた竜真知子さんの作品です。達郎さんは本曲にはコーラスとして参加されていますね。キリンレモンのCM曲ともなったようで(イメージがピッタリですね)とっても爽やかです。“逢いに行きたい裸足のままで~“って、歌詞が真っすぐ過ぎて困ります。とても良い曲だと思います。

湖畔人