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国連事務総長選挙と宋襄の仁

2006年03月17日 00時23分58秒 | トピックス
【株式投資の記録:3月16日】
 取引しませんでした。
 



【国連事務総長選挙と宋襄の仁】
 きょうもネタの在庫一掃大蔵ざらえです。
1ヶ月ほど前の共同通信の記事です。

『韓国外交通商相が立候補へ 国連事務総長選
 韓国の外交通商省は14日、年末で任期切れとなるアナン国連事務総長の後任事務総長選に潘基文外交通商相(61)が立候補すると正式に発表した。潘氏は同日午後の記者会見で、自ら立候補を表明する。
 事務総長ポストは世界各地域の持ち回りが慣例となっており、国連加盟国の間では「次はアジア」との認識が強いが、タイのスラキアット副首相、スリランカのダナパラ元国連軍縮局長らも既に出馬を表明。
 韓国政府は同国初の事務総長選出に向け、積極的に他国に支持を呼び掛ける構えだ。(2006年2月14日共同)』

 このニュースを目にしたとき、「国連の事務総長は小国の出身者から選ばれるものだ。韓国は事務総長を出すような小国ではないはずだ」と思いました。その裏には、「いったい何を考えているんだ」という気持ちもありました。

朝鮮日報・日本語版の記事によると、『2003年の韓国経済規模、世界11位』ということです。経済大国=政治大国ではありませんが、ある程度の相関関係はあると思います。ちなみに同紙によると、『1位は米国で11兆126億ドル、日本(4兆3608億ドル)が2位、ドイツ(2兆855億ドル)が3位を占めた』 そうです。


次に、歴代の国連事務総長と出身国、そしてGDP世界ランキングの順位を調べるとこのようになっています。
 ランキングの順位は事務総長就任当時のものではなく、こちらの『ウィキペディア(Wikipedia)』からとりました。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B7%8F%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88

<国際連合事務総長>
①1946年2月-1952年11月 トリグブ・リー(ノルウェー 24位)
②1953年4月-1961年9月 ダグ・ハマーショルド(スウェーデン 19位)
③1961年11月-1971年12月 ウ・タント(ミャンマー 108位)
④1972年1月-1981年12月 クルト・ヴァルトハイム(オーストリア 22位)
⑤1982年1月-1991年12月 ハビエル・ペレス・デ・クエヤル(ペルー 54位)
⑥1992年1月-1996年12月 ブトロス・ブトロス=ガーリ(エジプト 49位)
⑦1997年1月-  コフィー・アナン(ガーナ 100位)

これは偶然見つけた東京新聞の2006年3月5日の"私説・論説室から"の記事です。
『《10年先を見据えて》
 日本の外交戦略が問われている、といっていいかもしれない。
 韓国の潘基文・外交通商相が国連事務総長に立候補宣言をした問題についてである。
<中略>
 アジアの時代が始まり、中国の台頭が著しい。日本がアジアの中でいかなる地位を占めるか、国連外交をどう展開するか。政府は戦略的に十年、二十年先を考える必要がある。
 隣の韓国との関係がぎくしゃくしたまま、他の国々の信頼を得ることはできない。ここで潘氏を支持することは、日韓関係修復のきっかけになるとともに、国際外交の幅を広げることにつながるのではないか。
<中略>
 次を狙う政治家には広く世界をみて、潘氏支持の積極的な検討を期待したい。(小林一博)』

この東京新聞の"私説"には全面的にといってもよいぐらい賛成できません。私は潘氏の支持には反対です。

 『隣の韓国との関係がぎくしゃくしたまま、他の国々の信頼を得ることはできない。』という主張は全く根拠がありません。歴史を眺めれば西洋であろうと東洋であろうと、隣国同士の関係というのは紛争と講和の絶えざる繰り返しであることが分かります。

 『ここで潘氏を支持することは、日韓関係修復のきっかけになるとともに、国際外交の幅を広げることにつながるのではないか。』という主張にも何の論拠もありません。

去年の7月16日に書いた『司馬遼太郎 李朝と明治維新・日韓断想私抄』をもう一度読み返して戴きたいと思います。 http://blog.goo.ne.jp/kobe77/e/e19d62fd4abe62575f1b00655e7e21fd
 司馬良太郎さんは、こう言っています。
 『私には、物事を悲観的に見たがる傾向はない。
 しかし、朝鮮・韓国人と日本人の、集団対集団の間柄については、楽観的気分をもちかねている。隣人として、互いの文化と歴史を、尊敬しあえるときがくるのは、百年以内ではとてもという気持がある。』

 ここで日本が潘基文さんを支持したからといっても、10年後、20年後の日韓関係には何の影響も与えないと思います。
 今の状況下で潘基文さんを支持するというのは、後世の人から「宋襄の仁」とのそしりを受けるのではないかと思います。

goo辞書
そうじょう-のじん【宋襄の仁】
 〔宋と楚(そ)との戦いの際、宋の公子目夷が楚の布陣しないうちに攻撃しようと進言したが、襄公は君子は人の困っているときに苦しめてはいけないといって攻めず、楚に敗れたという「左氏伝(僖公二十二年)」の故事による〕
 不必要な哀れみを施してひどい目にあうこと。無益の情け。事宜を得ない哀れみ。

潘基文さん支持に反対するもう一つの大きな理由は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と同様に、「冷静さを欠いたユニークな事実認識」の持ち主である潘基文さんが国連の事務総長に就くのは、日本にとっても他の国々にとっても益にはならないと言うことです。

『朝鮮人の持つ観念先行癖―事実認識の冷静さよりも観念で昂揚すること―やそれがための空論好きという傾向』(159頁)
『怨念が強烈な観念になって事実認識というゆとりを押し流してしまう。』(91頁)
『朝鮮人はいつの時代からそうなったのか、現実よりもむしろ観念で激しく興奮するのである』(231頁)
 
 これらは司馬遼太郎さんの「街道をゆく2 韓のくに紀行」(朝日文庫)に載っている文章です。他にも似たような記述があちらこちらに見られます。
 潘基文さんも盧武鉉大統領ほどではないようですが、こういった体質を持ち合わせているように思います。
 国際連合の事務総長には不適格と判断します。
コメント
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