起きて半畳 寝て一畳

株式投資の記録を中心に、日々感じた事や考えたこと、読んだ本のことなどなど

中国の汚職公務員と「士」

2006年03月15日 23時20分24秒 | トピックス
 きょうも在庫一掃大蔵ざらえです。きょうのネタは新鮮な中国ネタです。(笑)

3月11日時事通信の記事です。
『汚職公務員、4万1000人に=腐敗なお深刻-中国
 中国最高人民検察院(最高検)の賈春旺検察長(検事総長)は11日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)に検察院活動報告を提出した。2005年に検察当局が汚職など職務に絡んで立件した公務員は4万1447人に達した。04年より2310人減少したが、1日当たりの立件者は113人に上る計算だ。』

 こんな記事もありました。
『中国、失地農民4000万人 突然の略奪、揚げ句…犯罪者扱い
 中国では開発に伴う農地収用で土地を失った農民は4000万人に上るといわれ、土地問題を主な原因とする農民の暴動を含む住民の集団抗議行動は、昨年だけで8万7000件に達した。(3月7日産経新聞)』

 これらのニュースを読んだとき、今の共産中国には「士」と言える人が国民の何パーセントぐらいいるのだろうか、ということをふと思いました。日本では、士と云えば侍を連想しますが、中国の場合は作家の宮城谷昌光さんがいつも描いている「士大夫」といった方が適切なのかもしれません。

司馬遼太郎さんの「この国のかたち・四」(文春文庫)の42ページから51ページに「士」という小論が収められています。それをつまみ食い的に紹介したいと思います。
 《 》が引用部分です。

42頁《 士という字は、元来、単におとこというだけの意味であったらしい。藤堂明保編「漢字語源辞典」によると、原義は「男の性器の立つ形を示す象形文字。転じて、<おとこ>の意味――まことに即物的である。

 『論語』の時代になると、士の内容が飛躍し、精神的要素がつよくなる。『論語』の泰伯篇に、「士は以(も)って弘毅ならざるべからず」とある。弘毅とは、心ひろく、意志のつよきさま。
 さらに、「任(にん)重くして道遠し。仁(じん)以(もっ)て己(おのれ)が任(にん)と為(な)す。亦重からず乎(や)。死して而(しかし)て後(のち)已(や)む。亦遠からず乎(や)」と、まことにたかだかとしている。
 吉川幸次郎は『論語』(「中国古典選」)のなかで、士のことを、原義としては「家老でない若手の官吏をさす」としつつ、この場合、「ひろく教養ある人間と解していいであろう」という。》

46頁《 徳川の幕藩体制は、関ケ原の勝利(1600年)からはじまった。
 戦後、その戦時体制が、そのまま統治組織になった。幕府直轄軍と三百ちかい諸侯の軍兵が、行政職その他平時の職についたのである。官吏・公吏の人数がこれほど過剰な社会は世界史になかった。
 はるかな後年、明治維新(1868年)で幕藩体制がおわって四民平等になり、士の階級は特権をうしない、ただ氏族という呼称をもらった。明治六年(1873年)現在の士族の数は、戸数にして四十万八千余戸、人数にして百八十九万二千余人である。この人数を、江戸時代に遡及させていい。》

47頁《 江戸期の百数十万の士のほとんどが、清朝や李朝の士大夫(したいふ)のように巧みな詩文を作る能力はもっていなかった。
 しかしかれらは、『論語』の泰伯篇にあるような士の気分を持つべく教育されていた。
 そういう気分のもちぬしの数は、同時代の中国・朝鮮からみて、異常なほど多かったのではないか。
 かれらの多数を占める下級武士の平均的な経済生活は、中以上の農民や商人よりも貧しかった。しかし、農民や商人が形而下的に生きていたのに対し、自分たちは公のために、あるいは形而上的な価値のために生死すべきものだとおもっていた。むろん、くだらない者もいたが、百数十万という大きな人口のうち、たとえ数パーセントでも『論語』泰伯篇にあるような気分をもっていれば、十分に社会の重心になりえた。》

48頁《 薩摩藩は、薩摩の士風を保つために、学問はほどほどでいいとされた。もっともその点では他藩も似たようなもので、維新後、旧幕臣の勝海舟が、いう。
「・・・・・・昔の武士は<中略>身体を鍛えることには随分骨を折ったが、併(しか)し学問はその割にはしなかったよ。<中略>その代り、一旦国家に緩急がある時は、命を君の御馬前に捧げることなどは平生(へいぜい)ちゃんと承知していたよ」(『氷川清話』)
 教養はさほどでなくても、中国古典でいえば、「士は窮しても義を失わず」(『孟子』)とか、「士」にして居(きょ)を懐(おも)うは、以って士と為すに足らず」(『論語』憲問篇)といったような実例は、江戸期には掃いてすてるほどにあった。(居とは地位のことで、居を懐うとは、出世することばかり考えているという意味)。》

51頁《 もっとも、"士"という江戸期の資産は、明治期いっばいで尽きたようで、このことは別の主題になる。》

中国の汚職役人や権力に虐げられている農民のニュースから、「士」について色んなことを想っていたら、民主党の国対委員長に就任した会津人・渡部恒三さんのこんなセリフが聞こえてきました。

 民主党の渡部恒三国対委員長は、12日に喜多方市で開いた後援会の集会で、偽メール問題の永田寿康衆院議員の去就をめぐり「(衆院議員を指す)代議士の『士』は侍の意味。信頼を回復するため今の政治家に大切なのは侍の心。中でも会津の侍の心を持つこと」と訴えた。(毎日新聞- 3月13日)
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キーエンス

2006年03月15日 17時48分21秒 | エトセトラ
【3月15日の市場概況】日経平均終値:16,319円(+80円
 日経平均株価は反発。前日14日の米株高を好感した買いで高く始まり、終日高い水準は維持したものの、その後の値動きは鈍いままでこう着感の強い展開が続いた。
 売買は細り、東証1部の売買代金は概算で2兆85億円と大発会で半日立ち会いの1月4日を除き、実質今年最低となった。売買高も15億9527万株どまり。

【株式投資の記録:3月15日】
 ①キーエンス
  @29,070-で200株買建しました。
 

仕事が早く片付いてまっすぐ家に帰ってきました。今年は一度も北海道へスキーに行っていませんが、このまま仕事が順調に進むと3月の終わりごろに行けそうな目がでてきました。
コメント (2)
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