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妖怪大魔王・コバ法王日記

オートバイを分解して磨き、正確に組み立て独自理論でラインを探り、ストップウォッチと頭脳で感性を磨き、日々の想い語ります

昔乗っていた車両 (FZ750編)

2014-06-19 22:30:41 | 昔乗っていた車両、体験記
ヤマハXJ400で交通事故に遭遇して、それをきっかけに“事故成金”的な経緯で、新車の ヤマハXJ400Z-Eが手元に来てからというもの、大きな事故に連続して遭遇し、知人が別の事故で亡くなってしまうなど、すっかり嫌気が差していた事を前回書きました。

そんな境地から次に進んだ方向はと言うと ・・・・。


【 オートバイやめる! か、やめないか? 】

事故続き、それも決して小さな事故ではないのが続いたので、本当にこの時は悩みました。
日頃は神も仏も信仰していないのに、この時ばかりは“お祓い”か“墓参り”に行くべきかまで考えていたほどに参っていました。

そんな悩みの時期を一か月ほど過ごし、辿り着いた二択の結論は ・・・

「 オートバイをやめる 」か
「 大型バイクにする 」かの二択でした。

何故? 大型バイク? って思った(ツッコんだ)人は正常な反応です。

「400㏄であれば限界近くで走る事は難しくはないけど、大型バイクであれば限界的な走行をしなくなるに違いない。だから事故もしなくなるのでは?」と考えたのがその理由ですが、今考えてみると少し変ですね(笑)

で、結局、二択の中で選んだのは、「大型バイクにする」でした。
時は 1980年代半ば、オートバイブームが盛り上がり、それは750ccクラスの車両にも飛び火した頃です。それまでのオーソドックスなツーリング志向の車両とは別に、レースに直結していく技術を盛り込んだ車両が各メーカーから相次いで発表された頃でした。

では、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ の中でどれを選んだのか?


【 エンジンは好き、でも、外観は嫌い 】

1985年、ホンダからは 先進的な水冷 V型4気筒エンジンにアルミツインスパーのフレームで登場した VFR750(RC24)、スズキからは これも独自の空油冷 並列4気筒と圧倒的軽量とレーサーレプリカ構成が特徴の GSX-R 750(GR71F)、そして ヤマハからは 画期的な 5バルブ前傾45°水冷並列4気筒エンジンを積んだ FZ750(1FM)などが相次いで登場して、各車共に独自の個性を主張していた夢の様な時でした。

いかにもレーサーなGSX-Rは早々に候補から外れ、VFR750 か FZ750 かで暫く悩みましたが、最後にはエンジンレイアウトと車体スタイリングが垢抜けている FZ750に決定したのでした。



しかし、全てを気に入ってた訳ではなく、車体のカラーリングは 3車の中で最低とさえ思っていたので、自走させずに納車された FZ750は即日分解される事になったのです。


【 深夜のツーリング専用車? 】

タンクからシートカウル、ホイールにフロントフォークなど、殆どの外装を外しての塗装作業の日々が続きました。

それと同時に、二灯式ヘッドライトに 120/90W・ハイワッテージH4バルブ(黄色)を入れ、リレーを新設してバッテリーから直接に電気を供給させ、しかも 二灯同時点灯方式からモード切替で一灯点灯を選択できる回路を新設タッチパネル式スイッチで構成するなど、走らせる前から初めての試み満載だったのです。

こうして、一度も走らせずに出来上がった自分だけの FZ750は、お気に入りの一台になったのです。

運転免許は、購入計画の開始と同時に限定解除の試験を受け、マイFZ750完成までに入手済み。
でも、完成した姿が嬉しくてうれしくて、走らせる事なく毎晩近所で撮影(当然ですが、ネガフィルムカメラで)した画像を紹介します。




【 完成度の高い高速クルーザー、時代の波を追いかけて・・ 】

FZ750は、それまでの ヤマハ XJ400シリーズと較べるまでもなく、圧倒的に操縦安定性の高い車両でした。
六甲山の様な中速域での比較だけでなく、高速道路では格段の優れた安定性の高さを体験させてくれたのです。

当時のレース技術からのフィードバックにより、フロントは 16インチタイヤ、リアは18インチタイヤと、新しいタイヤ径の組合せが採用されていたにも関わらず、操縦安定性に一切の破綻は感じられなかった事に感心させられました。

1980年代は、オートバイブームが一気に高まった時期ですが、同時にタイヤの世界でも大きな変革が始まった時期です。 それが、フロントタイヤの16インチ化やラジアルタイヤの実用化でした。

最初は二輪ロードレース界で始まり、瞬く間に市販車の世界でも16インチのフロントタイヤ、そしてラジアルタイヤの採用と、まるで熱病のように増えていったのです。
その技術進歩の流れに合わせて開発されたFZ750は、フロント16インチの癖を感じさせない、安定性と操縦性がよく練り上げられた優れたオートバイだった事は間違いありません。

そんな時代の寵児として誕生したFZ750との“付き合い”は、夜の六甲山ツーリングを始めとして多くの想い出を残してくれたのですが、時代の波の勢いには太刀打ちできませんでした。

それは、1980年代末、ラジアルタイヤが市販車でも多く採用されるにつれて、タイヤの幅とホイール幅が一気に広がっていったのです。
ラジアルタイヤ以前の、バイアスタイヤに合わせて設計されたFZ750では、新しいタイヤ変革の波に乗る事が出来ず、次第に色褪せてしまったのです。

では! FZ750に続いて購入した車両は? ラジアルタイヤ?
いやいや、意外な選択があったのです。( 詳しくは、次回に♪ )


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セッティング講座 ・ リアサスペンション編 < その2 >

2014-06-09 21:36:47 | 整備&セッティングの基本・妖怪講座

5. リアサスペンション、プリロード調整の基本は“膝”と同じ

リアサスペンションのプリロード調整の基本的な考え方は、私達がスポーツをする時の“膝”の曲げ方と同じなのです。

例えば、スキーで雪面を滑る場合や、バレーや野球などでボールを受ける準備の姿勢を想像してみてください。そんな時の“膝”は、雪面の凸凹や次の動作に備えて、図6 の様に“ 約 1/3 曲げておく ”のが基本です。

 

 


膝を 約 1/3 だけ曲げておくと、凸凹への対応や次のとっさの動作への備えになり、膝を伸ばしたり折り縮める方向への動きにスムーズに対応できるのです。

実は、この膝と同じ事が、オートバイのリアサスペンションの場合にも当てはまるのです。
つまり、オートバイが走行している時に、路面の凸凹や次のライダーの操作(加速や減速、ターンなど)に備えて、オートバイの“膝”(リアサスペンションが相当)は 1/3 曲げて(沈み込ませて)おくのが基本なのです。

ただし、同じオートバイでも、乗る人の体重や荷物の重さによって、オートバイの“膝”(リアサスペンション)の曲がり方(沈み方)は異なります。
そのため、前もってライダーの体重などに合わせて、1/3の 曲がり(沈み込み)になるようにリアサスペンションを調整しておく事が大切なのです。
そして、この作業が「プリロード調整」なのです。

 

 


では、この調整を行なっていないとどうなるのでしょうか?

それは、スキーなどスポーツの場面に置き換えてみればわかると思います。
膝が伸びていたり大きく曲がった状態のままでは、次の動作への対応が難しく、そんな状態のままではスポーツの上達も難しいですね。

オートバイの場合でも同じです。
正しく「プリロード調整」を行なっておくと、路面に凸凹があってもオートバイは安定したままで、ライダーが操作した通りに走るようになるので、安心して気持ち良く走れて自然に上達するものです。

しかし、「プリロード調整」が正しくされていないと、オートバイの動きが不安定になったりライダーの操作した通りにならない事が多く、時には危険な状態になる事もあるほどなのです。

繰り返しになりますが、「プリロード調整」はそれ程に大切な調整です。
だから、ほとんどのオートバイには、ライダーの体重などに合わせて「プリロード調整」が出来るようになっているのです。

さあ、「プリロード調整」の大切さは理解できたでしょうか。
では、次章で「プリロード調整」で“ 1/3 ”に合わせる方法を説明しますね。


6. リアサスペンションは、ライダー乗車時に 1/3 作動が基本





https://gra-npo.org/lecture/bike/rear_preload/img_rear_preload.html





セットアップ(セッティング)講座・リアサスペンション編 <その1>

2014-06-02 21:25:36 | 整備&セッティングの基本・妖怪講座

1.リアサスペンションのセットアップ(セッティング)

ほとんどのオートバイは、乗る人の体重や使い方に合わせてリア(後)のサスペンションの調整(セットアップ)を行えるようになっています。

何故か!?

乗る人に合わせた調整を行わずに乗ると、そのオートバイの能力を正しく発揮させることが出来きず、楽しく乗ることが出来ないからです。

今でも十分楽しいですって?

いえいえ100人中99人は正しい整備とセットアップをすることで、今まで以上に安全で楽しくオートバイに乗ることができるようになるのです。

セットアップ(セッティング)の第一歩に、リアサスペンションの調整をしましょう♪
オートバイが話す声が聞こえてくるようになりますよ!


2.リアサスペンションって?

「リアサスペンションってどれ?」と尋ねられて、正しくわかりやすく説明できる人は少ないですから、知らない人も安心して下さい。

ここでは、簡単に、図1のように「リア(後ろの)タイヤが上下に動くようになっている仕組み」と覚えてください。

 

 


図1では、車体を固定してリアタイヤが宙に浮いた状態を描きましたが、実際には 図2の状態でリアサスペンションの動きを見た事がある人が多いでしょう。

 

 


人が乗ったり荷物を載せた後では、シート部分が下に下がり、脚が地面に着きやすくなったり、車体とリアタイヤとの間隔が少なくなっているのを体験した人も居るでしょう。

そう、それがリアサスペンションの仕組みで、リアタイヤが上下に動いている事もわかってくれただろう。


3. リアサスペンションの大切さ

オートバイが発明された100年と少し前、最初の頃のオートバイにはリアサスペンションは無かったけど、今ではほとんどのオートバイにリアサスペンションが付いています。

何故か?

乗り心地を良くするのも理由の一つですが、一番大きな理由は、ライダーが思った通りにオートバイを安全に操るために必要な装置で、平らな舗装路が普及して、エンジンの出力が大きくなっている現代だからこそ大切な装置だし、進歩し続けている装置なのだ。

リアサスペンションはそれ程に大切な装置だからこそ、ほとんどのオートバイではライダー(主に体重)に合わせて調整できるようになっているんだ。
だから、さあ!調整のやり方の基本を覚えてみよう。


4. リアサスペンションの調整はどこで?

ほとんどのオートバイには、そのリアサスペンション(の機構)の中に、図3の様に長さ30㎝ほどで、周りにらせん状のモノ(スプリング)が付いた、円筒形の部品があるので君のオートバイで探してみよう。

見つかりました?

 

 


その部品の呼び方は人によって色々だけど、ここでは リアサスペンション・ユニット と呼びますね。
そのリアサスペンション・ユニットに、「 プリロード 」(または イニシャル)を調整する仕組みが付いています。(プリロードアジャスターとも呼びます)

調整は、図4のように専用工具で、プリロードを調整する仕組み(プリロードアジャスター)を回転させて行なうのですが、心配無く! 専用工具と言っても、ほとんどのオートバイの場合には、新車購入時に付いている車載工具に入っているから、その専用工具が使えるのです。

 

 


そして、その工具を使って、リアサスペンション・ユニットのプリロードを調整する作業の様子は、図5のようになります。

 

 



(詳しくは、新車購入時についている整備マニュアルか、販売店で確認しよう)

※ いよいよ次回は、プリロード調整の基本的な考え方と基本セットアップの方法を書きますね。




https://gra-npo.org/lecture/bike/rear_preload/img_rear_preload.html