もちろん皆さんご存知のように、
楽器が鳴るというのは、全体が鳴るということです。
金管楽器は、振動する唇の音が、ブラスの管の中で拡大されて、
一番エンドの朝顔から出て行く、ということだと思っていました。
ところが、金管楽器の寿命という物があるそうです。
大体2,30年らしいです。
要するに、金属が振動によりh疲労して、まともな音が出なくなるのだそうです。
金管楽器の、あの強そうな真鍮がです。
ということは、単に音を拡大する、拡声器ということでは無いようです。
金属そのものも、音を出しているということです。
金属疲労というのは、皆さんも経験していらっしゃるでしょう。
針金を、何回も折り曲げると、硬くなってポロっと折れてしますという現象に代表される現象です。
まさか、唇の振動だけで、折れてはしまわないでしょうが、
金属は、振動を続けると、硬くなっていくのは間違いありません。
では、木の楽器はどうなのでしょう。
木には、金属疲労というのはありません。
振動による、疲労というのも無いようです。
何せ、木の中は80%位は、水なのですから。
ところが、楽器に使う(楽器だけでは無いのですが)場合、木を良く乾燥させなくてはなりません。
そうでないと、木が動いて、胴が割れたり、ゆがんだり、
二胡の場合は、皮まで歪んでしまうでしょう。
従って木を良く乾燥させます。
以前に書きましたように、自然に乾かしたとしても、17、8%の水分は残ります。
それを更に人工的に乾燥させて、10%くらいまでに落とします。
木が鳴るというのは、どういうことでしょう。
皆さん、乾いた木と、まだ切って間もない木を叩いて音を出し比べた経験は、ありますか?
塗れている木は、ズシッと、振動はしますが、
カーンと良い音には響きません。
木がなる条件の一つには、良く乾いたというのが必要なのです。
ところでどんな、木が良く鳴るのでしょう。
例えば、バルサ、皆さんご存知のように、軽くて、カッターナイフのようなものでも、きれてしまう材料です。
これは、なりません。
音はします。でも響くという感じでは無いですね、
バスっという、衝撃の音がしますが、振動が長くは続きません。
それは、木の導管という物が凄く多くて、本来ならば、栄養分や水分の流れている管が、
乾いてしまって、空気が入って、音が繋がっていかないからです。
基本的に、導管の多い木は、鳴りにくいものです。
柔らかい木も、叩いた振動が内部で吸収されてしまい、音が響きません。
やはり音が内部で響くのには、木の密度というのが大切な条件になってきます。
木の中でも、密度の高い木、いわゆる気乾比重が重い木というのは、
叩いた振動が、良く全体に伝わります。
音が伝わるのに、もうひとつ良い条件というのがあります。
水の中は、音が空気中よりよく伝わるというのはご存知でしょう。
もちろん、空気より密度が高いからです。
では良く乾いた木が、何で濡れた木より良く響くのでしょうか?
密度の上がった分ぬれている方が、良く音を伝えるはずです。
乾いた木は、導管の中が、空気になっていますから、音は伝えにくいはずです。
確かに、実験しますと、ぬれた木の方が、振動は端まで良く伝わりますが、
それは単なる振動で、音としての響きにならないのです。
響くためには、空洞が必要なのは、いうまでも有りません。
手のひらを、平らにして叩くのと、
膨らませて叩くのでは響きが違います。
ですから良く乾いた、木は、内部の導管が、
手のひらの、作った空洞の役割をして、響きます。
二胡に使われる、紫檀黒檀は、この本来ならば水分が良く伝える振動と、
良く乾いた木の響く導管を併せ持っています。
良く乾いたのに、何でぬれた木?と疑問を持たれることでしょう。
それは、紫檀黒檀という木には、かなり大量な、油分があるからです。
本来ならば木が乾いてしまえば、水が無くなり振動は伝わりにくくなります。
ところが紫檀黒檀には、油分が多いため、水の代わりに良く振動を伝えるのです。
続く
楽器が鳴るというのは、全体が鳴るということです。
金管楽器は、振動する唇の音が、ブラスの管の中で拡大されて、
一番エンドの朝顔から出て行く、ということだと思っていました。
ところが、金管楽器の寿命という物があるそうです。
大体2,30年らしいです。
要するに、金属が振動によりh疲労して、まともな音が出なくなるのだそうです。
金管楽器の、あの強そうな真鍮がです。
ということは、単に音を拡大する、拡声器ということでは無いようです。
金属そのものも、音を出しているということです。
金属疲労というのは、皆さんも経験していらっしゃるでしょう。
針金を、何回も折り曲げると、硬くなってポロっと折れてしますという現象に代表される現象です。
まさか、唇の振動だけで、折れてはしまわないでしょうが、
金属は、振動を続けると、硬くなっていくのは間違いありません。
では、木の楽器はどうなのでしょう。
木には、金属疲労というのはありません。
振動による、疲労というのも無いようです。
何せ、木の中は80%位は、水なのですから。
ところが、楽器に使う(楽器だけでは無いのですが)場合、木を良く乾燥させなくてはなりません。
そうでないと、木が動いて、胴が割れたり、ゆがんだり、
二胡の場合は、皮まで歪んでしまうでしょう。
従って木を良く乾燥させます。
以前に書きましたように、自然に乾かしたとしても、17、8%の水分は残ります。
それを更に人工的に乾燥させて、10%くらいまでに落とします。
木が鳴るというのは、どういうことでしょう。
皆さん、乾いた木と、まだ切って間もない木を叩いて音を出し比べた経験は、ありますか?
塗れている木は、ズシッと、振動はしますが、
カーンと良い音には響きません。
木がなる条件の一つには、良く乾いたというのが必要なのです。
ところでどんな、木が良く鳴るのでしょう。
例えば、バルサ、皆さんご存知のように、軽くて、カッターナイフのようなものでも、きれてしまう材料です。
これは、なりません。
音はします。でも響くという感じでは無いですね、
バスっという、衝撃の音がしますが、振動が長くは続きません。
それは、木の導管という物が凄く多くて、本来ならば、栄養分や水分の流れている管が、
乾いてしまって、空気が入って、音が繋がっていかないからです。
基本的に、導管の多い木は、鳴りにくいものです。
柔らかい木も、叩いた振動が内部で吸収されてしまい、音が響きません。
やはり音が内部で響くのには、木の密度というのが大切な条件になってきます。
木の中でも、密度の高い木、いわゆる気乾比重が重い木というのは、
叩いた振動が、良く全体に伝わります。
音が伝わるのに、もうひとつ良い条件というのがあります。
水の中は、音が空気中よりよく伝わるというのはご存知でしょう。
もちろん、空気より密度が高いからです。
では良く乾いた木が、何で濡れた木より良く響くのでしょうか?
密度の上がった分ぬれている方が、良く音を伝えるはずです。
乾いた木は、導管の中が、空気になっていますから、音は伝えにくいはずです。
確かに、実験しますと、ぬれた木の方が、振動は端まで良く伝わりますが、
それは単なる振動で、音としての響きにならないのです。
響くためには、空洞が必要なのは、いうまでも有りません。
手のひらを、平らにして叩くのと、
膨らませて叩くのでは響きが違います。
ですから良く乾いた、木は、内部の導管が、
手のひらの、作った空洞の役割をして、響きます。
二胡に使われる、紫檀黒檀は、この本来ならば水分が良く伝える振動と、
良く乾いた木の響く導管を併せ持っています。
良く乾いたのに、何でぬれた木?と疑問を持たれることでしょう。
それは、紫檀黒檀という木には、かなり大量な、油分があるからです。
本来ならば木が乾いてしまえば、水が無くなり振動は伝わりにくくなります。
ところが紫檀黒檀には、油分が多いため、水の代わりに良く振動を伝えるのです。
続く