二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弦堂さんから発売される、弓。

2021-01-15 16:02:56 | ●弓: 福音弓
『 東京・光舜堂製の琴弓ですが、中国弓と比較して費用対効果や耐久性で激安の筈です。難しい練習課題に取り組むよりこの弓に変えた方が手っ取り早い、演奏できなかったものができるようになります。今までは何だったのかとなります。中国は終わりました。弓は短い方がすごく使いやすいです。1cm短いだけで全然違います。77cmは初心者に適しますが、ベテランでもこの気持ちよさを味わったら病みつきになるでしょう。あまり短く攻めたくない場合でもできるだけ短くしてみて下さい。』
( 絹弦 弦堂 ホームページ 福音弓紹介文より )


これは、かなり激しい言葉ですね。

しかし今までいろいろ造ってきました、家具やクラフト、インテリアや本など、批判されることもあり褒められることもありましたが、ここまで激賞されたのは初めてです。嬉しくもあり恥ずかしくもあります。

これらの弓を作る上では、チェンミンさんをはじめ、桐子ちゃん、孟菲さん、真央さん他、多くの方々のご協力いただきました。そしてご来店してこれらの弓を試していただいた多くのお客様のご意見、というのも、数多くの二胡弓の謎解きの大きな力となり、大変感謝しております。

何しろ、初心者の方からプロの方まで、古い奏法の方から最新の超高速を実現する方まで、たくさんの弾き方のいる中で、いかに良い弓を作り出すか、を試させていただいた事に、大変感謝いたしております。

もちろん中には、高すぎると批判する方もおられましたが、試しに弾いていただくと、そんな方でさえも皆さんご予約いただいたのです。

そんな『麗風』『音風』も、ご注文の受付は、ブレンドしている一部の馬毛が入手困難になって来たという事で、販売を終了いたしましたが、

それらの福音弓を作り出す技術の上で出来上がって来たのが、これから適時、各販売元から発売となります、『光風』(こぅふう) 』『舜風 (しゅんぷう) 」です。

『麗風』、『音風』を作り出した技術を引き継いで、尚且つ、それぞれの性格がとても明快になった弓です。

この弓の販売元は、先ずは金沢のNMLさんからとなります。NML店舗でのお試しも、来月に入れば出来ることと思います。

いずれは、『煌風(おうふう)』( =イタリア産だけの馬毛を使った弓 )を作りたいとも考えていますが、

先ず新作として登場するのは、弦堂さんに独占販売をお願いした、『紅風(くふう)』と『黒旋風(こくせんぷう)』です。

文頭の弦堂さんの言葉に触発されてか、既に多くの方からお問合せとご注文を頂いています。

『黒旋風』は、弦堂さんが以前から勧めておられる、絹弦を弾くための弓です。

竹は紅竹を使っています。

毛はカナダ産の黒毛です。そもそもはコントラバスを弾くための弓に多く用いられる馬毛ですが、コントラバスのための馬毛というのは、大変短いものが多く、ほとんどが80cmくらいです。

短くて、普通は二胡弓に使えません。二胡弓には最低でも89cmから90cmの長さの物が必要なのです。

ホントに偶然に、このカナダ産の95cmを超える黒毛が手に入りまして、この『黒旋風』を作ることが出来ました。

絹弦は太いですから、強い毛でないと弾きにくいのです。絹弦の音が良いなと思い、何回か絹弦に挑戦した方もおられると思います。

この『黒旋風』は、皆さんの絹弦を弾いてみたいというお気持ちに、しっかり応えると思います。

造りは、『麗風』などと同じように弓の重さのバランスをとり、弾き易くしてあります。

弦が太いという事では、低音二胡も同じですね。

そこでこの黒毛を、量を増やして低音二胡にも試してみたところ、たいそう音出しがし易くなりまして、ご要望にお応えして、低音二胡用も作り始めます。

今まで、『嵐風』という低音二胡専用の弓を作っておりましたが、今後は、このカナダ産の馬毛に切り替えます。

今後の『嵐風』張替え時にも、この毛を使うようになると思います。既に『嵐風』をお持ち頂いている方とは、その時には一度ご相談させてください。

また『 紅風(くふう)』も同じく紅竹の弓ですが、こちらは、77cm~84cmまで、1cmごとに長さを変えられるようにしてあります。

『 紅風(くふう) 』では、皆さんの体格に合った弓、というのが出来ると思います。

ところで、紅竹には最大の難点がありまして、それは、太さ、硬さがバラバラであることです。硬いものと柔らかいものの差につきましては、相当の違いがあります。

ですから、市販の中国製の紅竹の弓は、ほぼ選別無しにそのまま製作していますから、商品それぞれに、竹の強弱、が大きく違うと思います。

その難点を『紅風 (くふう)』では、材料の段階で厳選しておりますので、短い弓を作る時には比較的細い竹、長い弓を作る時には、比較的硬くて少し太い竹を、と使い分けられます。

すると、弓の長さを短くした時に出てくる弾力の無さ、というのを補うことが出来るようになります。

もちろん、その長さに合わせてバランスも弾力も調整しています。

毛は、南ロシア産の無脱色、を使います。

ですので、耐久力は抜群ですし、弦に対する引っ掛かりも相当良いです。

オーダー品ですので、弦堂さんにお問い合わせくださいませ。

工房光舜堂 西野和宏&ほぉ



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