二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡を選ぼう!

2012-02-24 11:44:06 | ■工房便り 総合 
人の頭の中の思いこみの強さは、龍をも作りだします。

勿論悪いことではありません。

思いこみ、イメージする力と言うのは大変大切な事だと思います。

問題は、思いこむことが固定化されることだと思います。

この事も仕方のないことかもしれません。

人の心と言うのは、自分自身の作られて来た価値観に従って、見るもの聞く物を固定化、価値付けをしないと、安定しないからでしょう。

「人はみたいと思う物きり見ないし聞きたいと思う物しか聞かない」

と言ったのはユリウスカエサルです。

ある友人と、映画を見に行って、その後お茶しながら、勿論映画の感想話し合います。

でも私が気になっていた場面と、友人の気になっていた場面が食い違い、ましてや、ある場面で私の見た映像を友人が覚えていなかったなどと言うことが有りました。

このような事は皆さんもたびたび経験しているはずです。

私の知り合いの、マーケッティングの会社の入社試験の中の一つに、ある道筋を試験官と一緒に歩いて、その後気になったものや、出来事など話すと言う試験が有ります。

また、試験官の記憶と受験者の記憶とを比べる等と言うのも有ります。

例えば、その通った道筋に喫茶店の看板がいくつあったかなどという記憶試験ですね。

試験官と受験者ではかなり大幅な違いが出ると言います。

意識をしていないと、人はその無意識の価値観で物事を見たり聞いたりしてしまいます。

二胡の音に出会った時、貴方はどのようなイメージを描いたのでしょうか?

或いは、どのような感情が湧きあがってきたのでしょうか?

それら最初に出会った時の印象と言うのは、かなり決定的に人の心の価値観に影響を与えます。

それらはなかなかぬぐえません。

例えば貴方が、二胡に出会って、とても魅かれて二胡初めて、かなり演奏力も付いてくるぐらいに二胡に親しんだとしても、

最初に二胡に出会った時のイメージ、或いは二胡の音に対する思いと言うのは、それほどは変化していかないと思います。

二胡とはこのような物と言うのが、人の気持ちの中に焼き付いて行きます。

それらは勿論その人それぞれの、今までの経験や価値観が、例え未知のものであろうと縁をつなげたのだと思います。

二胡の音色と言うのは、そのようにして、貴方の思いによって、培われていきます。

ですからたとえ同じ楽器を弾いたとしても、人それぞれに音色は違います。

二胡の基本的な音色と言うのは有ります。

それは、木の種類によってそれぞれに違う音色が音響学的には出てきます。

勿論使う蛇皮の質によっても、その音色の出方は変わります。

その基本的な音色の違いの上に、演奏者の思いと言う、二胡の音はコレという想いが附加されます。

ですから、本当ならば、皆さんの二胡に対する想いに一番近い木の種類、皮の質の楽器を選べば、皆さんの作りだす音色と言うのは、更に、良い音色になって行くはずなのです。


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