石原様初めまして。
コメントありがとうございます。たぶんこのブログを読んでくれている方の中にも同じようなご意見があると思いますのでここに一つの項、立ち上げます。
「調整する時に、当然ですが基準が有ると思います。西野さんは何を基準に調整されますか?」
私は、あくまでも、楽器自体それぞれの持っているポテンシャルがなるべく良く発揮されるように調整していきます。
楽器はそれぞれ皮の質も違いますし経年変化も違います。
弾き手によっては多少の癖も付いているでしょうが、それでも例えば、花梨なら花梨、紫檀なら紫檀、そして皮の成長度によって響きの状態や、音の大きさなど出来る限りその良さが出るように調整します。
それには、駒の高さや、千斤の位置、あるいは千斤の巻き方や、棹からの距離など、そして千斤の種類など、考えます。
楽器にはもともとそれぞれの音が音色があると考えています。
ですからその持ち味が生きるようにと調整していきます。
楽器自体に何のトラブルもない場合は、とても良く楽器自体のポテンシャルを引き出すことが出来ます。
しかし、楽器自体にいろいろ問題が有る場合は、まずそのことを直す方が先でしょう。(ほとんど二胡のうち90%は、何らかのトラブル抱えています)
楽器を見せていただいた時にどこか不具合が無いか、あった場合は、お客様にその部分を示して確認してもらいます。
木軸が棹の穴に綺麗にフィットしているか(これはその場で削り合わせて直します。)
台はぐらついていないか(これは、台の後ろの木ねじの締め具合を確かめ駄目な場合はその場で締め込みます、
棹はぐらついていないか、(これは、程度によってはお預かりして、穴を同じ木で、埋め込んで棹に合わせます)
絃は耐久年数を過ぎていないか?
弓も耐久年数を過ぎていないか?
フェルトも古くなって弾力が無くなっていないか、などをまずお客様と一緒に確認していきます。
それから胴の後ろから皮をのぞいて亀裂や破損が無いかを確認します。(このことは往々にしてありますので、とても大切です)
そして経年変化あるいは制作時の木のゆがみによる、蛇皮の張力のゆがみが無いかの確認を、お客様と一緒にします。
以上のような難点が何もないことが、まずは楽器としての大切な事です。
「勿論、持ち主の希望に添う音を目指されると思いますが持ち主の方向性が過ちで有る場合は、もち主にそれは過ちで本来の音はこうだ
と指摘されますか?」
このことは、この文章では今一つ私にはわかりかねます。
持ち主の方向性というのが、よくわからないのです。
同じ楽器でも、皆さんそれぞれ弾くひとによって音が違うというのはあります。
弾いている人の体格や弓の運動の方向性あるいは強さ、など、同じ楽器を弾いても、違う音色に聞こえますし、
ましてや自分で弾いているときの音と、人様が弾いているのをわきから聞くのでは、かなり違いがあると思います。
それから音の自分が望む音色と違うなら、やはりまずは、ご自分の気に入る楽器に出会うという事が大切なのではないでしょうか。
それは、初心者の頃には十分解らなくとも、しばらく弾いていて、自分はこういう音が好きだとわかってきたら、なるべく多くの楽器を弾かせてもらって、自分の気に入る楽器に出会えると良いですね。
また持ち主の方向性が誤りというんが良くわかりません。
楽器の音色となりなどは、皆さんそれぞれの個性です。誤りというのはないと思います。
ですから、たとえばジャーさんのような音で弾きたいという事でしたら、当然ジャーさんが発売している物か、あるいはジャーさんの持っている楽器を作ったところへ発注するきりありません。
以前光舜堂にいらした8角形の楽器をお持ちの方は、この8角形を蘇州系のような音にしてほしいとの希望でしたが、それは出来ないことですので、蘇州系を購入することをお勧めいたしました。
これはわかりやすい例ですが、同じ蘇州系をお持ちの方でも、だれだれが弾いているような二胡の音にしてほしいというご希望には添いかねます。
まず、そのご希望の方のレベルに演奏力が上がらないと、そのご希望の音は出ないからです。
ですからお客様とお話ししていて、お持ちの楽器を見せていただいて、その楽器が最大限の力を発揮できるように、調整します。
ただし、他の樹種の音や、あるいはある演奏家の方の持っている楽器に近くすることは出来ません。
初心者のうちはともかく、かなり自由に弾けて来たら、楽器はご自分が気に入るものが出てくるまで、たくさん出会いを求めて、色々弾いてみるのが良いのではないでしょうか。
ジャーさんも自分の気に入るものに出会うまで、20年かかかったと言っていました。
「持ち主がそもそも理想の音を明確に持って居ない場合は有る意味非常にスムーズに事が運ぶと思いますが
そんな場面ばかりとは限りませんよね。」
二胡の調整というのは、音色を変える事ではないと思います。まずは健全に鳴らすという事が最優先でしょう。
そのうえで、もしお客様のおもちの二胡がお客様のお望みと違った場合は、そのご希望に出会うまで探すことをお勧めいたします。
これが中国の音なのだよと、そのように調整というより、千斤や駒など取り替えて、少し籠った音にすることも出来ます。
殆どこれが二胡の調整とされているようではあります。
でも無理やり響きをでっち上げたとしても、決して楽器の為になるとは思えません。
その本来の音が十分響き渡る気持ちよさというのがあります。
そのためにこそ彪駒、黒彪駒作り上げたのです。
まず皆さん彪駒をお試しいただいて皆さんの楽器の本来の鳴りというのを試してみてください、そのうえでもっと違う音色が欲しい場合は、良い出会いを求めて、たくさん試しびきしてみてください。
彪駒は皆さんのお持ちの二胡の本来の響きと音色を十分に響き渡らせます。
後は皆さんの弾き込みで楽器をどんどん育てて下さい。
こんなところでよろしいでしょうか?
コメントありがとうございます。たぶんこのブログを読んでくれている方の中にも同じようなご意見があると思いますのでここに一つの項、立ち上げます。
「調整する時に、当然ですが基準が有ると思います。西野さんは何を基準に調整されますか?」
私は、あくまでも、楽器自体それぞれの持っているポテンシャルがなるべく良く発揮されるように調整していきます。
楽器はそれぞれ皮の質も違いますし経年変化も違います。
弾き手によっては多少の癖も付いているでしょうが、それでも例えば、花梨なら花梨、紫檀なら紫檀、そして皮の成長度によって響きの状態や、音の大きさなど出来る限りその良さが出るように調整します。
それには、駒の高さや、千斤の位置、あるいは千斤の巻き方や、棹からの距離など、そして千斤の種類など、考えます。
楽器にはもともとそれぞれの音が音色があると考えています。
ですからその持ち味が生きるようにと調整していきます。
楽器自体に何のトラブルもない場合は、とても良く楽器自体のポテンシャルを引き出すことが出来ます。
しかし、楽器自体にいろいろ問題が有る場合は、まずそのことを直す方が先でしょう。(ほとんど二胡のうち90%は、何らかのトラブル抱えています)
楽器を見せていただいた時にどこか不具合が無いか、あった場合は、お客様にその部分を示して確認してもらいます。
木軸が棹の穴に綺麗にフィットしているか(これはその場で削り合わせて直します。)
台はぐらついていないか(これは、台の後ろの木ねじの締め具合を確かめ駄目な場合はその場で締め込みます、
棹はぐらついていないか、(これは、程度によってはお預かりして、穴を同じ木で、埋め込んで棹に合わせます)
絃は耐久年数を過ぎていないか?
弓も耐久年数を過ぎていないか?
フェルトも古くなって弾力が無くなっていないか、などをまずお客様と一緒に確認していきます。
それから胴の後ろから皮をのぞいて亀裂や破損が無いかを確認します。(このことは往々にしてありますので、とても大切です)
そして経年変化あるいは制作時の木のゆがみによる、蛇皮の張力のゆがみが無いかの確認を、お客様と一緒にします。
以上のような難点が何もないことが、まずは楽器としての大切な事です。
「勿論、持ち主の希望に添う音を目指されると思いますが持ち主の方向性が過ちで有る場合は、もち主にそれは過ちで本来の音はこうだ
と指摘されますか?」
このことは、この文章では今一つ私にはわかりかねます。
持ち主の方向性というのが、よくわからないのです。
同じ楽器でも、皆さんそれぞれ弾くひとによって音が違うというのはあります。
弾いている人の体格や弓の運動の方向性あるいは強さ、など、同じ楽器を弾いても、違う音色に聞こえますし、
ましてや自分で弾いているときの音と、人様が弾いているのをわきから聞くのでは、かなり違いがあると思います。
それから音の自分が望む音色と違うなら、やはりまずは、ご自分の気に入る楽器に出会うという事が大切なのではないでしょうか。
それは、初心者の頃には十分解らなくとも、しばらく弾いていて、自分はこういう音が好きだとわかってきたら、なるべく多くの楽器を弾かせてもらって、自分の気に入る楽器に出会えると良いですね。
また持ち主の方向性が誤りというんが良くわかりません。
楽器の音色となりなどは、皆さんそれぞれの個性です。誤りというのはないと思います。
ですから、たとえばジャーさんのような音で弾きたいという事でしたら、当然ジャーさんが発売している物か、あるいはジャーさんの持っている楽器を作ったところへ発注するきりありません。
以前光舜堂にいらした8角形の楽器をお持ちの方は、この8角形を蘇州系のような音にしてほしいとの希望でしたが、それは出来ないことですので、蘇州系を購入することをお勧めいたしました。
これはわかりやすい例ですが、同じ蘇州系をお持ちの方でも、だれだれが弾いているような二胡の音にしてほしいというご希望には添いかねます。
まず、そのご希望の方のレベルに演奏力が上がらないと、そのご希望の音は出ないからです。
ですからお客様とお話ししていて、お持ちの楽器を見せていただいて、その楽器が最大限の力を発揮できるように、調整します。
ただし、他の樹種の音や、あるいはある演奏家の方の持っている楽器に近くすることは出来ません。
初心者のうちはともかく、かなり自由に弾けて来たら、楽器はご自分が気に入るものが出てくるまで、たくさん出会いを求めて、色々弾いてみるのが良いのではないでしょうか。
ジャーさんも自分の気に入るものに出会うまで、20年かかかったと言っていました。
「持ち主がそもそも理想の音を明確に持って居ない場合は有る意味非常にスムーズに事が運ぶと思いますが
そんな場面ばかりとは限りませんよね。」
二胡の調整というのは、音色を変える事ではないと思います。まずは健全に鳴らすという事が最優先でしょう。
そのうえで、もしお客様のおもちの二胡がお客様のお望みと違った場合は、そのご希望に出会うまで探すことをお勧めいたします。
これが中国の音なのだよと、そのように調整というより、千斤や駒など取り替えて、少し籠った音にすることも出来ます。
殆どこれが二胡の調整とされているようではあります。
でも無理やり響きをでっち上げたとしても、決して楽器の為になるとは思えません。
その本来の音が十分響き渡る気持ちよさというのがあります。
そのためにこそ彪駒、黒彪駒作り上げたのです。
まず皆さん彪駒をお試しいただいて皆さんの楽器の本来の鳴りというのを試してみてください、そのうえでもっと違う音色が欲しい場合は、良い出会いを求めて、たくさん試しびきしてみてください。
彪駒は皆さんのお持ちの二胡の本来の響きと音色を十分に響き渡らせます。
後は皆さんの弾き込みで楽器をどんどん育てて下さい。
こんなところでよろしいでしょうか?
年に数回関西でも機会を持たれるかも知れないとの事なので、その際はお願いします。
普段あまり疑問を持たずに暮らしているもので・・・(^_^;)
今度調整をしていただく時は、目を皿のようにしてよーく見ていようと思いました。