二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

9月7(日)上手くなる弓は有れど上手い右手のお取扱いはありません(笑)11時~17時

2014-09-09 09:15:20 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
9月に入りまして、光舜堂の平日の顔=ラジオガァデン画廊の工事が再開しました。
今月から新たに少しスペースが拡がりましたので、先週まずは床の塗装。
透明な塗装で今までの砂利混じりの昭和コンクリートを残しましたので
見た目はなんら変わり映えしませんが、確実に埃はたたなくなりましたねー♪
まぁ、これから1年ぐらいかけて地味に少しずつ手を入れて行く予定です。


さて、一応広くなりましたので、
108城の隅に積み上げられ、すっかり忘れられていたお宝作品家具を沢山持ち込み、
光舜堂はますます二胡屋の風貌から遠ざかっております日曜日、

開店時間前に徳絃社社長の野中さんがいらっしゃいまして、福音弓の話をば。
なんでも福音弓が徳絃社のお客様の間でもかなりの話題になっているとのことで、
扱わせて欲しいとのお話し!!
実は他店からもオファー有りまして、福音弓の真価を認めて頂けたようで嬉しい限りです。
徳絃社さんなら近いのだからウチに来れば安いのに~? とも思いますが、まぁそこは、
アクの強烈な店主とイジワルな店番の居る店には行きにくいのですかね(笑)
冗談はさておき、日曜日しかやっていないのは不便ですものね、
今後も通販ではなく店頭予約の受注式販売を展開する予定なので、
取扱店が幾つか在る方が皆様行き易いのでしょうね。
とは言え、秘密結社 光舜洞の会員さんには、
福音弓の注文に関して、会員特典の『店主の依怙贔屓』が発令されておりますので、
ご来店が難しい会員さんは、どうぞメールでご相談下さいね。


弓繋がりで時間が飛びますが、
この日の夕方に峠岡慎太郎君が弓の試し弾きにご来店下さいました。
いや、凄い! 峠岡君はまた更に演奏の腕を上げてます!!
彼が弾いたら、光舜堂の店内の壁全部が鳴って唸りまして、
狭い光舜堂の店全体が楽器のようになって響きわたりました!
そんな事は初めてだったので「なんじゃ、こりゃ!!」 と、ワタクシ鳥肌が立ちました。

で、福音弓の峠岡君の感想ですが、

凄いと。
欲しいと。 
ただし、『東風』の方が好きだと。

うーん。。。まだ『東風』は発売してないんですよねー!
実は、鳴尾さんも『東風』がお好きでしたし、ハイレベルの方やプロは『東風』好みのようです。
とは言え、ほとんどの方は『西風』の方が弾きやすいと『西風』を選びますし、
気をつけなければいけないのが、弾いている自分で聴こえる音色と傍で聴いているのでは違うという事。
1メートルも離れて聴くと、確実に『西風』の方が『東風』で弾くより遠鳴りして聴こえてきますから、
ある意味、聴かせる為の弓か、自分で楽しむ為の弓か、ということでも用途が変わってきそうです。
また、速いテクニックが必要な曲を弾くには断然『西風』の方が音の出の反応が良いので、
速弾きが好きな演奏者には『西風』が好まれます。
もう皆さん各1本ずつ持つしかないんじゃ。。。? カチャカチャ(←電卓の音 -笑-)
守銭奴ほぉは、そうして捕らぬ狸の皮算用をしたくなりますが、
この弓、ものすごく手がかかってまして、利益が殆ど無いんですよね。。。
選び抜き、手をかけまくった棹に、上質の毛をとことん丁寧に張っていますから。
或るクラシックの弦楽器演奏家さんからも「この(西風)毛、凄い上質ですね!」と。
(先日、関西でお会いした鳴尾先生が感想のひとつとして
「毛が端から端まで真っ直ぐ張ってあってキレイ!中国のは毛があっちゃこっちゃに入り組んだままだから」
と感動していらっしゃいましたが、
そ、それは、、、比べる対象の品質基準が低過ぎるのではないかと。。。)

とにかく、今週も続々のご予約が入っております☆
(発売時期が未定なのに『東風』のフライング予約もいただいてしましました!)
峠岡君もFBで大絶賛して下さってましたから、今後は更にご予約が続きそうです。


話は変わって、この日、
前回のご来店時に素敵な手作りケースを見せて下さったお客様のご予約が入っており、
またあのケースが見られるねと、店主もワタクシも再会を楽しみにしていました。
しかしお天気は、雨。
現れたその方は、残念ながら別の雨の日用のケースでご来店でした。
聞けば所有する二胡は1把なのに対し、ケースを幾つもお持ちとのこと。
こうなると気分で変えたり、用途で変えたり、そんな楽しみ方もあるなぁ、と、
ワタクシ、着せ替え人形を想像してしまいました。
この日入れてきたケースがお持ちの中では一番軽いのだそうですが、
しかしその方、光舜堂オリジナルケースを背負ってみてビックリ!!
「背負ってるの忘れそうなくらい軽いー!!」と。
また同じく、ケースをご予約で受取りにいらした会員Mさんも予想以上の軽さにビックリ!
最初 品物を確認するために空で背負っていらしたので、
「あらMさん、中身入れなきゃ意味ないでしょ!」と、ワタクシが後から楽器を入れたのですが、
それでも軽くて更にビックリされていました。
やはり光舜堂の二胡ケースの軽さはスペシャルなようですね。


ところで、この日初来店でいらしたTさん、
調整の後で、「あとは、貴方自身の右手が音色を作るんですよ」という話をしたら、
「上手く弾くその右手が欲しいわ! ここのお店には売ってたらいいのに」 と(笑)
いいですねー!“上手く弾く右手”売ってたら♪ 
残念ながらその品物、当店ではお取扱いは無いのです(笑)
Tさんの面白い発想で笑ってしまいました。


またこの日は、とある中胡の修理の退院日でもありました。
お預りした時、店主が「こんなにボロボロで修理箇所が多い楽器は初めてだな」と言う位、
かなり重症な楽器だったのですが、幾つもの割れを直し、皮を張替え、手を加え、
弦も店主が作った特殊な物に張替え、磨き上げたら生まれ変わりました!
通常の中国製の中胡では在り得ない高音までの音域と、音色の良さと、爆音です。
通う教室には他にも中胡をお持ちの方がいらっしゃるそうなので、
「この中胡、差が出過ぎだから教室には持って行かない方がいいかもね」という話が出るほどの
もはや、今までの中国製中胡の常識を覆す修理結果でした。

そのお客様が入口付近で退院したばかりの中胡を弾いていると、
その素敵な演奏の音色に誘われて往来の方が入ってきまして、
初めて見る二胡を体験されていきました。
中胡のお客様が持ち方などを教えて下さったのですが、とっても親身になって説明する姿に、
店主とワタクシは そのスペシャルな優しさに感動しておりました。
あえてボロボロの中胡を直してあげたいから引取ったという話も、
彼女の優しさ ならではなんだろうねぇ、と。

そんなふうに今週もたくさんの偶然通りかかった方々がいらして、
なんと中にはドイツ人のカップルまで!
「さっきの方々、ジャーマニーからですって」と後で店主に話したら、
「さすが長身だね、あんなデカいのとは闘いたくないな」
(って、闘うって。。。何を?????)


また、この日は約束していた若きギター製作者さんが奥様とご来店。
ギターを作る材木をお見せする約束で、板を幾つか持って来ておいたのです。
彼が普段仕入れる材料は、いつも既に小さく切り分けられた物しか見たことが無かったそうで、
ワイルドにも豪快に板にしただけの丸太の一部を持って行ったので驚いていました。
店主は今後、若きこれからの楽器製作者達を応援すべく、
ラジオガァデン画廊でギターやヴァイオリンの材料販売会も開いたりしていきたいようです。
異なる楽器であっても、世代が違っても、店主は楽器製作者と話すのが大好きなのです。
同じ楽器製作者としての交流の中で若い人たちから学ぶことも多いそうで、
そんな交流をした直後は、楽器研究に没頭するエネルギー値がいつも以上に高くなります。
店主にとって、ヴァイオリンを製作したり他の楽器製作や修理をすることは、
一見、二胡から脱線したように見えるのですが、結果として、いつも結局、
二胡や、駒や、弓の進化に、総合力という集大成となって繋がって来ているのです。


という事で、今週もご来店ありがとうございました!
弓お試しでのご来店も、なるべく事前にご連絡いただけると幸いです。

では♪

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中村さん (nisino)
2014-09-17 07:55:59
代金いただくというような物でもないです。ただ沖縄では手に入りにくいだろうと思っただけなので。
それより良い駒作って下さい、たぶん今までの駒より胴に接する部分を薄く横に長くとった方が良いのではと推測します。それより二胡姫さんひいきにしてやってください。
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ゼブラウッド (仲村)
2014-09-12 00:40:07
代金如何しますか?二胡姫さんに預ければいいですか?
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仲村さん (nisino)
2014-09-11 13:24:34
見ず知らずではないですよ、こうやってコメント書いていただいています。その上、もっと書きたいのをこらえてこの辺にしておこうという良心的に書こうと言うお気持ちも伝わってきます。
それに、人様に何かしてあげるの好きなのかもしれません。
最近はギターつくりの学校の先生や二胡作る人から材料販売の依頼も来ます。おもいっきりやすくしていまいます。ほとんど私がかった金額でお譲りする感じです。皆さんは木場に買いに行けませんが私は入札する権利持っていますから。
でもそのくらいしないとね、、もうしわけないですから、
それにだいたい相手によります人によっては福音弓欲しいけれど修理もしてほしいけれど、、、西野に逢いたくない人もいますから、今しばらくお待ちください。
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ゼブラ材について (仲村)
2014-09-11 10:45:10
ありがとうございます。大切に使わせていただきます。見ず知らずの私にここまでして頂けるとは。何か私にできることがあればと思います。しかし、あまり能力高くないので大したことはできないかもしれませんが。
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ゼブラでもこれは少し特殊です (nisino)
2014-09-11 09:46:49
アテの部分ですので、かなり硬く、彪駒に使っているところです。今週中に二胡姫さんに送っておきます、来週なら、届くと思います。
育つのに少し時間がかかりますから辛抱強く弾いてくださいたぶん一ヶ月
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胡弓駒 (仲村)
2014-09-11 00:21:24
材料を送って頂けるんですか!是非お願い致します。私の先生と胡弓に使えるか検証してみたいと思います。ありがとうございます。
やはり、擦絃楽器の駒は、硬い部分と柔らかい部分がある方が良いんでしょうか?今使っている駒も黒檀の黒身が上にきていて白身が下にきている感じです。ゼブラウッド楽しみです。
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やすぞ~さん (nisino)
2014-09-10 17:13:09
もう、そんなになりますか!
早いですね、祖rもそうだけど、もうすぐ3歳、これにもビックリ。
まあ、爺になったら、私の跡継ぎますか?
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ウズウズウズ (やすぞ~)
2014-09-10 12:39:43
興味はあれど、練習から遠ざかること、はや4年…
まずは復帰ですね…
上の子が二胡出来るようになれば、教室へも行けるのですが…
既に私たち家族の枠は 無いようにも思いますが、娘の笑顔をひっさげて、口説に行きたいと思います!(笑)
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クーチョー駒 (nisino)
2014-09-10 09:14:43
今ジャズバイオリン作っているのですが、裏板は紫檀ですが、駒はゼブラウッド(軽くて、硬い所と柔らかい所が積層されている感じです)にしています。
通常のヴァイオリンに使っても、響きの柔らかさと強さが出ます。基本的に擦弦楽器の駒は硬くて強くて、軽いというのが一番でしょう。そこへ行くとフェルナンブーコで作った駒は音の強さと言う点では最高なのですが、音が少し単純になってしまいますから。
このゼブラの駒は、二胡に作ったとしても音色の豊かさと言う点では、他の材料の追従を許しません。以前重松涼子さんというチェリストが弾いている革胡のコアにしたところ鳴りが相当良くなってきました。(今までは楓だったのです。もしよければ、材料二胡姫さんに送ってあげましょうか?
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クーチョー駒ですか。 (仲村)
2014-09-09 22:23:57
まぁ、もともと少し白かったこともありますが。一時間にしては白くなり過ぎていたもので。
クーチョーの駒開発するんですか。楽しみです。今使っているのは黒檀です。従来は竹なのですが、マンドリンの金属絃を使用してますので竹だと駒が反ってくるそうです。
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松脂 (nisino)
2014-09-09 21:52:31
松脂塗り過ぎです。

以前から書いていますように、この福音弓には松脂は10時間に いっぺん位、軽く塗れば十分です。
塗り過ぎは弓を弾くのに重くなり、雑音の原因になります。
以前から言っていますように、ほんの少し塗れば良いのです。松脂の煙が立つほど塗らないで下さい。
二胡姫さんによくお伝え下さい。
そのうちクーチョーの駒作りますよ。
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福音弓拝見しました。 (仲村)
2014-09-09 20:50:30
今日、二胡姫さんにお邪魔して、福音弓を拝見と試しに使ってみました。二胡よりもどちらかと言うと琉球胡弓が専門なので、取り外して胡弓で東風と西風弾き比べてみました。「西風」は音がクリアで重量も軽くて弾き易く、長時間の演奏に向いているかもしれません。バイオリン的な音な感じがしました。「東風」は少し重量もあり、雑味があった印象です。琉球古典音楽のようなゆっくりで重みのある音楽を演奏するのであれば、「東風」が良いかと思います。「東風」だけに東洋楽器と相性が合うのかな?という感じでした。
「西風」、「東風」どちらが良いかとは言えませんが、専門が琉球古典だけに使うとしたら「東風」ですね。購入も検討しております。
しかし、松脂が凄いですね。1時間ほど引いたら、絃と野坂の部分が真っ白になりました(笑)
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