二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

大切なのは駒の高さ!

2017-03-18 10:29:38 | ■工房便り 総合 
音色を変えるため?

雑音を消すため。

あるいは一番響きが良くなるようにするため?

皆さんいろいろ駒を取り換えたりします。

あるいは楽器屋さんに行って調整してくださいというと、

千斤を巻き直して、それから駒をあれこれ交換します。

何しろ原理はっきりしていませんから、勘だけです。

いくつか駒を取り換えた後、まあ、こんなものかなというところへ落ち着きます。

が、この時、楽器屋さんも皆さんも駒の高さというのを気にしていませんね。

今度皆さんご自分の持っている駒の高さを比べてみてください。

低いほうでは8ミリくらい、私の知っている市販されている駒の中で一番高さのあるのは、

11mmくらいもありました。

その差3mmもあります。

千斤の位置と幅が同じだとして、

駒を高くすると、音は強くなります。

低くすると、音は弱くなりますが、その分雑音は減ります。

ちなみに、ウルフ音、第二ポジションのFの音の音の裏返りで困っている方がいたらやってみてください。

駒の底辺を削って、高さを7ミリにするのです。

そうすると、裏返りがしにくくなります。

駒を低くすると、千斤がそのままだとすると、調弦すると、弦の引っ張りが強くなります。

そうすると弦は余分な振動が少なくなります。

おかげで変な共振を抑えることができるのです。

反対に、駒が高すぎると、第二ポジション以後の音が、何となく揺らいでしまい、

落ち着かない状態ができ上がります。

つい音が大きくなるということで、高さのある駒を買ってしまい。

音が裏返ることが多くなってしまったりもします。

ところがこの同じ駒を、10年前に初心者のころに使っていた楽器に、付けてみると、、

どうしたことかとんでもなく良く鳴ってしまったりもします。

これは皮が柔らかくなって、高さのあることによって、強く皮を振動させてくれるからです。

まとめると、新しい楽器には比較的低めの駒が安定した音を作り出し、

古く皮が緩んでしまったものには、高めの駒が、皮をよく振動させてくれます。

駒は樹種だけで選ぶのではなくその高さも考慮してください。

本当は皮の状態に合わせて駒を選び、

それから千斤をまくのが正しいのです。

そうすれば駒をあれこれ交換し、まあ、こんなところと妥協することなく、良い振動が得られます。
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