二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の修理について。(hp)

2013-03-19 08:50:22 | ■工房便り 総合 
二胡の修理と調整は一体のものです。

雑音の原因が、胴の破損や皮の歪みなどによることも多いからです。

修理

◆胴の破損。

胴に亀裂や、割れが入ることが有ります。原因は木の乾燥が甘かったからということと、黒檀などは木自体が既にそういう性質を持っていて、100年乾燥しても亀裂の入ることがあるのです。それから二胡製作の地域の気候などと日本の気候との違い、一番大きいのは、現在の日本のエアコンのある生活空間との違いによって二胡の木が一気に乾燥を強めることによって、木が歪んだり縮んだりすることから起こる破損が多いのです。
これらはすべて修理可能ですが、場合によっては皮を張り変えないとすべての割れが直せないことも有ります。

◆棹と穴の隙間

棹と胴の穴との隙間はこれも直すことが可能です。ここに隙間が出来ると棹がしっかりと振動しなかったり、空弦の時に雑音が出たりすることもよくあります。
治す方法は、この隙間に薄い同じ木の板を差し込んでボンドで接着しその後馴染ませるように削り上げます。

◆台の脱落

台の脱落は、一度外してビスが止まっていた穴を同じ木で埋めます、そこにもう一度小さな穴を開けてビスを留めます。

◆頭部の破損

現状の二胡の頭部というのはとても破損しやすい物です。木の割れは剥離は、割れた面を一度きれいにアルコールで洗って、ボンドが付いている時はそれをそぎ落とします。再度ボンドをつけて強い力で圧迫します。この時に強く圧迫するというのは難しい場所でもあります。それから接着面の傷を同じ木で埋めて再度磨きこみます。白いプラスティック或いは牛骨だけが取れた時には接着面のボンドを取りアルコールで拭いて再度ボンドで接着します。
塗装をしてあるものは、再度塗装をし直します。

◆木軸のガタツキ

木軸の歪みや細くなったものは、木軸を正確に丸く削りなおします、酷い時には棹の穴に木の粉をボンドと共に充てんして隙間を亡くすという方法があります。木軸の歪みは空弦を弾く時の雑音の100%近くが、このことが原因ですから、調整時にこれは行います。

◆金属の糸巻き

金属の糸巻きには二つの種類があります。ギア式の物とボルトの引きこみ式の物です。
ギア式は糸巻き全体を交換するきり有りません。大変申し訳ありませんがこの交換部品というのは光舜堂にはありません。
ボルトの引きこみ式の物は交換部品が有りますのでこれは破損したりボルトの受けネジが摩耗したりした時には交換することができます。(ボルトは鉄なのですが受け手のネジが真鍮でできている為に摩耗して空弦時の雑音になることが必ず出て来ます)

Comment    この記事についてブログを書く
« その他の二胡を作る木の種類... | TOP | 二胡の雑音について。(hp) »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合