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2012年一般教書演説、日本語訳(その7)

2012-02-14 18:15:00 | 2012年一般教書演説
しかしこの問題の平和的解決はまだ可能ですし、またその方が遥かに望ましい。もしもイランが方針を変えて義務を果たすのであれば、国際社会の中に入り直すことが出来るのです。

アメリカのリーダーシップのリニューアルは、全世界で感じられたはずです。ヨーロッパおよびアジアの我々の旧来の同盟(関係)は、これまでよりも強くなっています。(南北)アメリカ大陸の結びつきはより深くなっています。我々のイスラエルの安全への厳格な責任は――つまり「装甲」は――我々二カ国間の歴史上最も親密な軍事協力(関係)となっています。

我々はアメリカが「太平洋国家」である事を明らかにしてきました。そしてミャンマーの新たなスタートが新たな希望の光を照らしています。核物質を守るために結んだ同盟から、飢餓や病気に向けた使命に至るまで、我々の敵に与えた一撃から、我々の道徳的模範の辛抱強い力に至るまで、アメリカは戻って来ました。

別な事を言う誰もが、アメリカが凋落している、我々の影響力が衰えたと言う誰もが、何について話しているのか彼ら自身分かっていないのです。

これは我々と一緒に仕事をする事を熱望している、世界中のリーダーたちからのメッセージではありません。これは東京から北京、ケープタウンからリオデジャネイロに至る人々がどのように感じているかということではありません。彼等によるアメリカの評価は長年のものよりも高いのです。そう、世界は変化しています。いや、すべての出来事を我々がコントロールすることは出来ません。しかしアメリカは依然として、世界情勢において必要不可欠な国家の一つです――そして私が大統領である限り、そう在り続けさせるつもりです。

そうした理由で、私はアメリカの軍事指導者達と取り組んで、予算の5億ドル近くを節約しつつも世界最高の軍隊を確実に維持する為の新たな防衛戦略を提案しました。常に相手の一歩先を行くために、私は既に本議会に、高まりつつあるサイバー攻撃の脅威からこの国を守る為の法案を提出しました。

何よりも我々の自由は、軍服を着た男性と女性が(自由を)守ってくれているおかげで保証されているのです。彼らが帰還した際には、彼等が我々に尽くしてくれたように私達が彼等に尽くさねばなりません。それには彼等が生み出したケアと利益を彼等に与えることも含まれます――それが私が大統領になって以来毎年、VA(役員軍人援護局)への支出を増やしてきた理由です。そしてそれは退役軍人の方たちにも、私達の国家を再建するという仕事に協力してもらうことを意味するのです。

この議会における2党間のサポートで、我々は退役軍人を雇用する企業へ新たに税額控除を提供します。Michelle(大統領夫人)とJill Biden(副大統領夫人)が、退役軍人とその家族へ135,000もの雇用をアメリカの企業に確保させるため共に取り組んでくれました。そして今夜、我々の社会が警官や消防士として退役軍人を雇用する助けとなる「Veterans Jobs Corps」を提案します。それによりアメリカを守ってくれた人達と同じように、アメリカは強くなるのです。  

最初に戻って考えてみましょう。(国家に)尽くすためにここへ送られてきた私達は、アメリカ軍への奉仕(活動)から幾つも学ぶことが出来ます。制服(軍服)を着れば、黒人も白人も、アジア人、ラテン系アメリカ人、ネイティブアメリカン、保守派、リベラル、裕福、貧乏、同性愛者、非同性愛者、何も関係ないのです。戦闘に出れば、隣にいる人に気を配ります。そうしないとミッションが失敗してしまいます。戦いの真っ最中にいれば、あなたは一部隊として昇り行くか堕ち行くかです。一つの国家に尽くし、後ろに誰も残さずに。

私が所有するもので最も誇れるものの一つが、ビンラディンを捕獲するミッションの際にSEAL(アメリカ海軍特殊部隊)のチームが持って行ったアメリカ国旗です。それには彼等の名前が一人ひとり書いてあります。ある者は民主党員かも知れません。ある者は共和党員かも知れません。しかしそんな事は関係ないのです。ちょうど私がBob Gates――George Bush政権の国防長官だった男性――とHillary Crinton――大統領選で私の対立候補だった女性――の隣に座っても、危機管理室ではあの日何も問題が無かったように。

あの日重要だったのはミッションです。誰も政治のことなど考えませんでした。誰も自分自身のことなど考えませんでした。襲撃に参加した若者たちの一人が、後に私に語ってくれました。このミッションは称賛に値するものではないと。彼はこう言いました。ただ成功しただけだと。何故なら部隊の一人ひとりのメンバー全員が自分たちの仕事をしたからだと――制御不能になったヘリコプターを着陸させたパイロット、他のみんなの屋敷への侵入を助けた通訳者、女性や子供たちを戦闘から隔離させた兵士、階段を駆け登ったSEALのメンバー――それだけではありません。ミッションがただ成功したのは、部隊のメンバーがお互いを信じていたからです――後ろを見て誰かがいると分かっていなければ、階段を駆け登り、暗闇と危険の中に身を投じる事は出来ないからです。 

そう、それはアメリカと共にあるのです。折に触れ私はあの旗を眺めて、我々の運命はあの50の星と13のストライプのように共に縫い合わせられている事を思い出します。この国を勝手に作り上げる者はいません。我々が共に作り上げるからこの国は素晴らしいのです。我々が一つのチームとして取り組むからこの国は素晴らしいのです。我々がお互いの後ろにいるからこの国は素晴らしいのです。そしてもしも我々がこの真実を固く守れば、この苦難の時においても大き過ぎる課題など無いのです。困難過ぎるミッションなど無いのです。我々が共通の目的を持つ限り、共通の決意を維持する限り、我々の旅は前に進み、我々の未来は希望に溢れ、そして合衆国はいつだって強いのです。

ありがとう。あなた達に神の御加護が有らんことを。アメリカ合衆国に神の御加護がありますように。



2012年一般教書演説、日本語訳(その6)

2012-02-13 23:37:00 | 2012年一般教書演説
さて、私は今夜(演説を)見ている人々が税金や債務、エネルギーや健康管理(医療)について異なる見方を持っていると認識しています。しかしどの政党に属していようとも、多くのアメリカ人が今現在同じ事を考えているに違い有りません、つまり今年、政府において成し遂げられるものは何も無いだろうと。或いは来年も、いやその後においてさえも。何故なら政府は崩壊しているからだと。

少しひねくれている、と彼等の事を非難できますか?

昨年のアメリカ経済の信用に対する最大の打撃は、我々の制御の及ばない出来事が発端だったのではありませんでした。それは合衆国が支払いを行うのかどうかについてのワシントン(政府)での論争に端を発したのです。あの失態で誰が得をしたのでしょう?

私は今夜、実体経済とウォール街(金融業界)との間の失った信頼について話しました。しかし都市と他の地域との隔たりは少なくとも悪い――そして毎年悪化しているように見えます。

このうち幾つかについては、政治における腐敗したお金の影響をどうにかしなくてはなりません。だから一緒に、それを元通りにする為のステップを踏みましょう。議会議員によるインサイダー取引を禁止する法案を私に送って下さい。明日サインします。選挙で選ばれた役職者が、彼らが影響を与える企業の株を所有することを制限させましょう。議会への選挙献金をまとめる人々が議会でロビー活動を行えない事を確かめましょう。逆の場合も同じです――これは少なくとも政府の外側で、両党の支持を得た意見です。

崩壊しているもののいくつかについては、最近の議会が行なっている仕事の手法をどうにかしなくてはなりません。上院を通過したものを得るためには――経常的業務でさえも――もはや単純過半数は充分ではありません。これらの戦略において、どちらの政党にも非難すべき点があります。今こそどちらの政党も、こうした事を終わらせるべきです。まず第一に私は上院議会に、司法および公職の候補者が90日以内に簡単な信任投票を受けるようにするという簡単な決まりを通過させるよう求めます。

行政機関も変わる必要があります。効率が悪く、時代遅れで、そして遠い。そういうケースがあまりにも多い。だから私は本議会に、連邦政府の官僚制度を整備する権限を私に許可するよう求めます。それにより政府はより無駄が無くなり、迅速になり、そしてよりアメリカの人々の要求に応えられるようになるのです。

最後に、我々がこの街の熱を下げない限り、今話した事のどれも実現する事はありません。我々は2つの政党が終わりのない相互破壊の運動で身動きがとれなくなっているに違いないという考え、つまり政治が常識的な意見の合意を作り上げるのではなく、凝り固まったイデオロギーに依存しているという考えを終わりにする必要があります。

私は民主党員です。しかし共和党員であったAbraham Lincolnの信念を信じています。「政府は人々が自分たち自身ではよりよく出来ない事のみをするべきだ。それ以上は無い」だから私の教育改革は、より多くの競争と学校や州によるより多くの管理を提案しているのです。だから機能していない規制・規則は取り除いているのです。だから我々の医療保険制度は、政府の計画ではなく改善された民間市場を信頼しているのです。

一方で、特に政府の時間の浪費について文句を言っている私の共和党員の友人でさえも、連邦政府によって助成された道路やクリーンエネルギー計画、そして祖国の人々のための連邦政府機関を支持してくれています。

論点は(全てにおいてより洗練されたものを望むべきですが)、より効果的な政府という事です。そして我々が最大の哲学的相違を今年乗り越えることは出来ないかも知れませんが、実際に進歩させる事はできます。この議会の有無にかかわらず、私は経済成長を助ける活動を起こし続けます。しかしあなた方の助けがあれば遥かに多くの事ができます。何故なら我々が共に行動すれば、アメリカ合衆国が成し遂げられない事など無いからです。それがここ数年に渡る海外での活動から我々が学んだ教訓です。

イラク戦争の終焉は、我々が敵に対して決定的な打撃を与える事となりました。パキスタンからイエメンに至るまで、残存するアルカイダの工作員達は混乱しており、アメリカ合衆国の手から逃れられない事を理解しています。

この強い立場にたって、我々はアフガニスタンでの戦闘を段階的に縮小し始めました。部隊のうち1万人が帰国しました。今年の夏の終わりごろまでには、更に23,000人の兵が帰国の途につくでしょう。このアフガニスタン主導への移行は継続します。そして我々はアフガニスタンとの確かな協力関係を構築します。従って(アフガニスタンが)アメリカに対する攻撃を生み出す元となることは二度と有りません。

戦争の流れが収まるにつれ、変革の波が中東と北アフリカの各地で、TunisからCairoまで、Sana'aからTripoliまで打ち寄せました。1年前、Qaddafiは世界でも最も長く在位した指導者――その手にアメリカ人の血がついた殺人者――の一人でした。今日、彼は既に世を去りました。そしてシリアにおいて、変革の力を反転させることは出来ない事に、そして人間の尊厳を否定することは出来ない事にAssad政権がすぐに気がつく事に私は何の疑いも持っていません。

この驚くべき変革は、先行きが不透明なまま終わるかも知れません。しかし我々は結果として多大な利益を享受します。そして運命を決定するのは最終的にはその地域の人々次第ですが、自分たちの国をよくする為に尽くしてきた彼等の価値観を我々は支持します。我々は暴力や脅迫には反対します。全ての人類の権利と尊厳――男性と女性、キリスト教徒、イスラム教徒、そしてユダヤ教徒――を支持します。我々は強くてしっかりした民主主義と公開市場をもたらす政治を支持します。何故なら圧政は自由には敵わないからです。

そして我々は、アメリカの国民を、友を、そして利益を脅かす者達からアメリカの安全を守ります。イランを見て下さい。我々の外交を通じ、イランの核開発計画をどう取り扱うかについて一度は世界の意見は分かれていましたが、今は団結しています。政権はかつて無いほどに孤立しています。指導者達は深刻な制裁措置に直面しており、彼等が責任を逃れ続ける限り、この圧力が弱まることはないでしょう。

ここでハッキリさせておきます。アメリカはイランの核兵器所持を阻む事を決定しており、またその目標を達成するため、私は他の(提案されていない)選択肢は持ちません。 



2012年一般教書演説、日本語訳(その5)

2012-02-11 21:18:00 | 2012年一般教書演説
我々は金銭的余裕の無い人たちに住宅ローンを売りつけた貸し手と、また余裕が無い事が分かっていた買い手の代償を払ってきました。だから我々には無責任な振る舞いを防ぐための洗練された規制が必要なのです。金融詐欺や有害な投げ売り、欠陥医療機器を防止する法律――これらは自由市場を破壊しません。それらは自由市場をより良く機能させるのです。

幾つかの規制が時代遅れであり、不必要であり、そしてコストがかかリ過ぎる事には異論ありません。実際私は大統領任期の最初の3年で、共和党の前任者が任期だった頃よりも規制を少なくする取り組みを行ってきました。全ての連邦政府関係機関に、筋の通っていない規定は取り除くよう命じました。我々は既に500以上の改革を発表しました。そしてそれらのほんの一部が、今後5年に渡って100億ドル以上もの節約を企業と国民にもたらすでしょう。我々は40年前、ある規定を撤廃しました。(ミルクが)溢れる事を食い止められる事を証明するために、酪農業者が一年に10,000ドルも強制的に費やしていたようなものでした。何故ならミルクはどういうわけか石油として分類されていたからです。そのような規定があれば、こぼしてしまったミルクには嘆く価値があると私は思います。

私は今、農業者は肩越しに連邦政府機関の姿を見ることなく、ミルクが溢れることを防げると確信しています。間違いありません。しかしある石油会社が、2年前に湾岸で我々が目の当たりにした「石油流出」という類のものを食いとめられることを確認することから私は逃げません。水銀の毒から子供たちを守ること、我々の食品が安全で水が綺麗である事を確実にすることから私は逃げません。健康保険会社があなた達に対して契約を解約し、補償を拒否し、男性と女性とで異なった請求をするという絶対的権力を持っていた日々に戻るつもりはありません。

そして私は、ウォール街が自ら設定したルールで振る舞うことが許された日々に戻るつもりはありません。我々が通過させた新たなルールは、金融システムの主目的であるべきものを元に戻します。最良のアイデアを持った起業家への資金調達を行い、家を買ったり、ビジネスを始めたり、或いは子供を大学に行かせる事を望む責任ある家族に融資を行います。

だからもしもあなたが大手銀行や金融機関であれば、もう顧客の預金にリスキーな賭けを行うことは許されません。あなたはもしも失敗した時にどのように支払いをするのか詳細を記した「生前遺言」を書く必要があります――何故なら他の人達は二度とあなたを救済しないからです。そしてもしもあなたが住宅ローンの貸し手、または給料担保金融業者、或いはカード会社であれば、分かりづらい書式と欺まん行為で到底買う事ができない商品に人々が契約のサインをする――そんな日々は終わりです。今日ついにアメリカの消費者はお目付け役を持ちます。彼等に目配りをするというRichard Cordrayの仕事がその役割を担います。

また我々は、高度に訓練された捜査官により大規模詐欺を取り締まり、人々の投資金を守る「Financial Crimes Unit」を設立します。幾つかの金融業者は対詐欺の主要な法律を破っています。理由は犯罪常習者となっても実質ペナルティが無いからです。それは消費者にとってよくない事だし、また正しく事を行なっている圧倒的多数の銀行員や金融サービスのプロ達にとってもよくない事です。だから詐欺罪にペナルティを課す法律を通して下さい。

そして今夜、私は検事総長に連邦検事の特殊部署を創設するようお願いします。また州検事総長に、不正な貸付や住宅危機につながったリスキーな住宅ローンの一括契約に対する調査を拡大させるよう指導します。この新たな部署は法を破った者を拘束し、家の所有者への支援を加速させ、そしてあまりに多くのアメリカ人を傷つけた無謀なる時代のページをめくる助けとなる事でしょう。

フェアプレーと責任の共有というアメリカの価値観への回帰が、アメリカ国民とアメリカ経済を守る助けになるでしょう。しかしそれはまた、アメリカの債務の支払いと未来への投資に目を向けるよう我々を導くべきなのです。

今現在の我々の喫緊の課題は、(経済の)回復がまだ脆弱にある中で、1億6000万のアメリカの労働者への増税を止めることです。人々は今年の給料から40ドルずつ引かれる事に対する金銭的余裕はありません。これを終わらせる方法は無数にあります。だから今ここで、まさに今合意しましょう。諸問題は終了です。ドラマは終わりです。遅滞なく給与税減税法案を通して下さい。終わらせましょう。

赤字に関して言えば、我々は既に20億ドル以上の削減および節約に合意しています。しかし我々は削減と節約を更に行う必要があり、またそれは選択を行うという事でもあります。現在我々は、アメリカ人の2%である富裕層に対する一時的な優遇税制措置であったものに、10億ドル近くの額を使う用意が出来ています。現在税法上の抜け穴および逃げ場のせいで、大富豪の4分の1が数百万の中間所得層世帯よりも低い利率で税金を払っているのです。現在Warren Buffettは、彼の秘書よりも低い利率で税金を払っているのです。   

我々は最も裕福なアメリカ人達の為の、これらの減税を維持したいのでしょうか?或いは他の何か――教育や医学研究、強力な軍や退役軍人のケア等への投資を維持したいのでしょうか?こう聞く理由は、もしも我々が債務の支払に真剣になれば、両方同時には出来ないからです。

アメリカの人々は何が正しい選択なのか分かっています。私も分かっています。私には議長に話したように今夏、メディケア(高齢者向け医療保険制度)とメディケイド(低所得者向け医療費補助制度)の長期的な出費を抑制し、またこれらの計画が高齢者の為の安全保障である限り、社会保障制度を強化させる更なる改革を行う準備があります。

しかし見返りとして、私のような人々が、非常に多くの議会のメンバーが、公平に税を負担し払うために税法を変える必要があります。

税の改革はBuffett Ruleに従うべきです。もしもあなたが年間100万ドル以上生み出すならば、納める税金は30%以下であるべきではないのです。私の共和党の友人であるTom Coburnは正しい。ワシントンは大富豪の助成を止めるべきです。実際もしもあなたが年間100万ドル稼いでいるならば、特別な租税補助金や税額控除を得るべきではないのです。一方でもしもあなたが(アメリカの家庭の98%がそうであるように)年間25万ドル以下しか生み出さないのであれば、あなたの税金は高くなるべきではないのです。コストの上昇や賃金水準の停滞と闘っているのはあなた方なのです。安心・安堵が必要なのはあなた方なのです。

さて、この階級闘争をあなた方は好きなように呼ぶことができます。しかし億万長者に、少なくとも彼の秘書と同じだけの税金を支払うよう求める事は?多くのアメリカ人は恐らくそれを常識と呼ぶでしょう。

我々はこの国における経済的成功を羨みません。賞賛します。アメリカ人が私のような税金を公平に負担する人々を話題にするのは、金持ちが妬ましいからではありません。彼等は私が必要のない、また支払う余裕が国には無い税制優遇を得ると赤字もまた増える事、或いは他の誰か――例えば一定の収入がある年配者、学校の試験をパスするために頑張っている学生、或いは生活の収支を合わせようと頑張っている家庭――が穴埋めしなくてはならない事を理解しているからです。それは正しくない。アメリカ人はそれが正しくないと分かっています。過去の世代がお互いに対して、そして国の未来に向けて責任感を抱いたから、この時代の成功が唯一可能である事を彼等は知っています。そして我々の生活様式は、我々が同じように共有された責任感を抱く時のみ持続する事を彼等は知っています。それが我々の赤字を減らすキッカケになるのです。それが永続するアメリカなのです。



2012年一般教書演説、日本語訳(その4)

2012-02-07 23:59:00 | 2012年一般教書演説
そしてアメリカ産のエネルギーほど、イノベーションの期待が大きい分野は無いのです。ここ3年に渡り、我々は石油およびガスの調査のために無数の新たな土地を開発してきました。そして今夜、私は自分の政権運営陣に、潜在する沖合の石油およびガス資源の75%以上を開発させるよう指示します。

しかし世界の石油埋蔵量の僅か2%に過ぎず、石油は充分ではありません。利用可能なあらゆるアメリカのエネルギー源を開拓・発展させるための、総力を挙げた戦略がこの国には必要なのです。よりクリーンな、より安価な、そして新たな雇用に満ちた戦略です。

我々はアメリカが100年近くも持ちこたえられるほどの量の天然ガスを供給しています。そして私の政権は、このエネルギーを安全に発展させるために出来うるあらゆる活動を行います。この事が10年後までに60万以上の雇用を下支えするだろうと専門家は考えています。そして私は、ガスを求めて公有地にドリルで穴を開けている全ての会社に、使用している化学薬品を公開する事を要求しています。何故ならアメリカは、国民の健康や安全を危険にさらす事無くこの資源を開発していくからです。

天然ガス開発は雇用を、電力トラックを、工場を生み出すでしょう。そしてそれらはよりクリーンで、より安価で、我々が環境か経済かを選択する必要のない事を証明する事でしょう。一方でそれは30年にわたり公的研究費として、全ての天然ガスを頁岩(シェール)から得るためのテクノロジーの発展を支えてきました。そしてその事は、新たなエネルギーのアイデアを実現させるビジネスの下支えにおいて、政府のサポートが重要であることを思い出させるものです。

天然ガスの事例は、全てのクリーンエネルギーにも言えることです。我々と民間企業との提携により、この3年でアメリカはハイテクバッテリー製造において世界をリードする立場になりました。連邦政府の投資により、再生可能エネルギーの利用は倍近くとなり、また数千人ものアメリカ人が職を得ています。

Bryan Ritterbyが家具作りの職を解雇になった時、彼は55歳であり、誰も彼にセカンドチャンスをくれないのではないかと心配していました。しかし彼はEnergetxという、ミシガンの風力タービン製造の会社に仕事を見つけました。景気後退の前、工場は高級ヨットしか作っていませんでした。今はBryanのような労働者を雇っています。彼はこう言います「未来の企業で働ける事を誇りに思っています」。

我々のシェールガスでの経験は、天然ガスでの経験は、公共投資の見返りがただちにやって来るわけではないという事を示しています。幾つかのテクノロジーは上手くいかず、幾つかの企業は倒産しました。しかし私はクリーンエネルギーの期待に背を向ける事はありません。Bryanのような労働者に背を向ける事はありません。私は中国やドイツに風力、太陽光、バッテリー産業を譲り渡すつもりはありません。何故なら我々はここで同じ公約を誓う事を拒否するからです。

我々は一世紀に渡り、石油会社を支援してきました。もう充分です。恩恵をもたらすことが滅多にない産業への「納税者からの無料贈呈」を終わりにし、これよりも期待できるものの無いクリーンエネルギー産業に注力するべき時です。クリーンエネルギーの税額控除(法案)を通して下さい。クリーンエネルギーへの雇用を作って下さい。

我々はまた、新たなインセンティブでエネルギー革新を促進させる事ができます。気候変動に立ち向かう為の包括的な計画を今すぐ(議会を)通すには、この議場での(両党の)溝が深すぎるかも知れません。しかしイノベーションの需要を生み出すクリーンエネルギー基準を、少なくとも議会は定めるべきではないとする理由など無いのです。これまであなた方は行動してきませんでした。今夜、私は行動します。政権運営陣に、300万世帯に電力を供給できる公用地でのクリーンエネルギー開発を許可するよう指示します。そして誇りを持って発表します。我々と共にある、世界最大のエネルギー消費者でもある国防省が、歴史上最大のクリーンエネルギーに対する誓約を行います――海軍に、1年に25万世帯の電力を供給できるだけの量を獲得させます。

勿論、お金を守る最も簡単な方法はエネルギーを浪費させないことです。だからここに提案があります。製造業の工場でのエネルギー浪費を根絶させる事を支援し、企業が建造物の性能を向上させる事にインセンティブを与えるというものです。これらのエネルギー法案は、今後10年で1000億ドル分(エネルギー浪費を)下げる事でしょう。そしてアメリカの公害は減り、製造業は増え、建設業での労働の仕事は増えるでしょう。こうした仕事を生み出す法案を私に送って下さい。

この新たなエネルギーの未来の構築は、アメリカのインフラを修繕・復興させるための広範な課題の一部であるべきです。アメリカの(インフラの)多くが再構築を求められています。我々は壊れかけた道路や橋を、大量のエネルギーを浪費させている送電網を、そしてアメリカの地方の小さな会社経営者が世界中に製品を販売する妨げとなっている不完全な高速ブロードバンド回線を抱えているのです。

世界恐慌の期間に、アメリカはHoover DamとGolden Gate Bridgeを建設しました。第二次世界大戦後に、我々は州をハイウェイシステムで結びました。民主党と共和党それぞれの政権が、それらを建設した労働者から今日もなおそれらを利用している企業に至るまで、全ての人達に恩恵を与えた偉大なるプロジェクトに投資を行ったのです。

数週間のうちに、あまりに多すぎる建設計画の進行を遅らせている役所仕事を一掃させる大統領命令にサインします。しかしこれらのプロジェクトに資金を出す必要はあります。もはや戦争に費やす事のないお金を手にとって、半分を債務の返済に充て、残りをここ祖国の国づくりに使いましょう。

そうした構築に良い時期というものはありません。住宅バブルが崩壊して建築業界が最も深刻な打撃を受けてからは尚の事です。勿論被害を被ったのは建設業界の労働者達だけではありません。住宅価値の下落を目の当たりにした数百万もの罪の無いアメリカ人も同様です。そして政府が問題を解決できず、責任ある住宅所有者達が、住宅市場が底を打って悩みから解放されるのを座して待たねばならない状況などあるべきではないのです。

だから私は、歴史的な低金利で住宅ローンを借り換える事で、年間およそ3,000ドル貯蓄できる機会を責任ある家のオーナーに与えるプランを議会に提出します。役所仕事はもう要りません。銀行のその場しのぎのごまかしはもう要りません。最大の金融機関が負担する少額の料金が、赤字を増やす事なく、納税者により救われた銀行に「失った信頼」を返上するチャンスを与える事は間違いないでしょう。

決して忘れてはいけません。毎日一生懸命に働き、法を遵守して活動している数百万ものアメリカ人は、同じ事をする政府や財政システムと同等の価値があるのです。今こそ最上部から最下部まで同じルールを適用させるべき時です。救済措置も、施しも、言い逃れも要りません。永続するアメリカは、あらゆる者に責任を求めます。


2012年一般教書演説、日本語訳(その3)

2012-02-04 23:30:00 | 2012年一般教書演説
また、複雑で混乱をきたす訓練プログラムは省略させたいと思っています。なので今後はJackieのような人々は、必要な全ての情報や援助を一つのプログラム、一つのウェブサイト、そして一つの場所で得る事になります。今こそ我が国の失業システムを、人々を労働に就かせる為の再雇用システムへと変える時です。

これらの変革は、今日(現在)空いている職を人々が得る助けとなる事でしょう。しかし明日の(将来の)仕事に備えるためには、技術や教育への投資をより早く始めなくてはなりません。

国が毎年教育に費やす金額は全体の1%にも満たないのです。我々はこの国のほぼ全ての州に、指導と学習の水準を引き上げるよう説得してきました。この時代において初めて起きた事です。

しかし課題はなお残っています。そして我々はこれらの解決方法を知っています。

他の国々が教育に注力する中、州は緊縮財政により何千人もの教師を強制解雇させました。良い教師はクラスルームの生涯所得を25万ドル以上増やすことができます。優れた教師は、置かれた環境をのり超えて夢を見る子供たちに、貧困からの逃げ道を与えることができます。この議場にいる全ての人に、人生の軌道を変えてくれた恩師がいる事でしょう。多くの教師が休むことなく働いています。少ない給料で、時には学校の消耗品に自腹を切っています。ただ状況を良くしたいがために。

教師は重要です。だから彼等を非難したり現状を守るのではなく、学校に提示しましょう。学校が良い教師を持ち続けられるよう支援し、優れた学校には褒賞を与えましょう。そして見返りとして、学校に柔軟性を供与します。すなわち創造性と情熱をもって教える事、テスト対策の授業を止めさせる事、そして子供たちの学習の助けにならない教師を替える事。行う価値のある取引とはこういう事です。

生徒たちが教育の道を外れて行かなければ、彼等の多くが卒業証書を手にするステージに到達することも我々は知っています。生徒たちがドロップアウトすることが許されなければより良いでしょう。だから今夜私はこう提案します。すべての州の――すべての州の――すべての生徒が卒業するか18歳になるまで学校に残るよう求めます。

子供たちが卒業した後の最も手強い課題は、大学のコスト(学費)でしょう。アメリカ人がクレジット債務よりも授業料に対する債務をより多く抱えている今、7月に学生ローンの利率を2倍に引き上げることを議会は止める必要があります。

数千ドルの授業料免税を延長して数百万の中流階級(中間所得層)の家庭を守り、また作業研究の仕事の数を今後5年で倍増させ、大学を通して学費を稼ぐ機会を若い人達に与えます。

勿論生徒の救済を増やすにはそれでは不充分です。急騰する授業料に助成金を出し続けることは出来ません。我々のお金が尽きてしまうでしょう。各州は、彼等の組織で事を成す必要があります。つまり州予算において高等教育を優先させるのです。そして大学および短期大学も彼等の組織で事を成さねばなりません。つまり経費削減の維持に努めるのです。

私はつい先日、それらをまさに実施した大学学長のグループと話をしました。ある学部は、生徒がより早く修了出来るようコースを設計し直しています。またある学部は、より良いテクノロジーを使用しています。大事なのはそれが可能だということです。だから私は大学および短期大学にこう伝えたい。もしも授業料の増加を防げないのならば、納税者から得られる財政支援が減少するだろうと。高等教育が贅沢なものであるはずがありません。それは「経済的義務」であり、アメリカのあらゆる家庭が得られるべきものなのです。

この国の何十万もの才能ある勤勉な生徒たちが、別の課題に直面している事も思い出して下さい。つまり彼等が未だアメリカ国民ではないという事実です。その多くが小さな子供の頃にここへ連れて来られ、今は完全にアメリカ人であり、にもかかわらず国外強制退去に怯えながら毎日を過ごしているのです。また他の者はつい最近アメリカへ来ました。ビジネスや科学や工学を勉強するためです。しかし彼等が学位を修得したら、すぐに我々は彼等を故郷に返してしまう。そして彼等は別のどこかで新商品を考案し、新たな雇用の創出を行なっているのです。

そんな事は道理に合いません。

以前と同様に、私は不法移民者を雇用するべきだと考えています。そうした理由で、私の政権はそれまでよりも国境に多くの兵を置いたのです。そうした理由で、不法渡航者の数は私の大統領就任時よりも少ないのです。反対者は言い訳できません。我々は今すぐに包括的な移民改革にとりかかるべきです。

しかしもしも選挙向け政治により、議会が総合計画に基づいた行動を続けるのならば、少なくとも研究室に加わり、新たなビジネスを始め、この国を守る事を望む責任ある若い人々を追い出すのを止めることに同意しましょう。彼等に市民権を得る機会を与えるための法案を私に出して下さい。すぐにサインします。

ご存知でしょうが長持ちする経済とは、この国の才能と創意に溢れる全ての人達に希望を与える経済です。それは女性が同等に働き、同等に報酬を得られる事を意味します。それは我々が働きたいと思う全ての者を、リスクを恐れない全ての者を、そして次のSteve Jobsになる事を目指す全ての起業家をサポートする事を意味するのです。

とどのつまり、イノベーション(革新)とはアメリカがずっと行なってきたものです。新たな仕事の多くは新興企業や小さな事業から生まれています。だからそれらの成功を助けるという課題をクリアさせましょう。野心ある起業家達の資金調達を邪魔するような規制を打ち壊しましょう。賃金を引き上げ、よい仕事を作り出している小さな事業への減税を拡大させましょう。両党ともこれらの考えには同意しています。だから法案に盛り込んで下さい。そして私の机に今年中に置いて下さい。

イノベーションは基礎研究も必要とします。今日、連邦政府に資金提供を受けている研究所や大学で成されている発見が、癌細胞を殺すが正常な細胞には影響しない新たな治療につながるかも知れません。あらゆる弾丸を止めることができる警察官や兵士用の新たな軽量チョッキにつながるかも知れません。予算においてこれらの投資を骨抜きにしてはいけません。他の国を未来への競争に勝たせてはいけません。半導体とインターネットに結びついた、すなわち新たなアメリカの仕事、新たなアメリカの産業に結びついた同様の研究とイノベーションを支援しましょう。