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ことりのあしあと

ほんのわずかなじかん、立ち止まって耳をすませて自分を見つめたい。そんなあしあとをペタペタとのこしています。

秋の夜長に読書でも。瀬尾まいこ『戸村飯店青春100連発』理論社 2008

2010年09月20日 23時58分51秒 | 
読み始めたら止まらない小説に出会えるのは、極上の幸せです。

瀬尾まいこ、いいではないか。

素直で変に凝らないのが、良いです。

青春だねぇ、と、タイトル通り、呟きながら本を閉じた。

10歳から19歳、つまり十代というのは、なかなかにして、たいへんな年齢だ。その危うい年齢をじっくりと過ごせるのは、ステキなことだと、ひたすらに思う。

急がせ過ぎなくても、時の方が早く早く流れてしまうから。
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内田樹『子どもは判ってくれない』洋泉社 2003

2010年09月20日 09時24分23秒 | 
朝はいつも通りの時間に目を覚ます。休日なので、も少しのんびり起きようと思い、昨晩読みかけの本に手を伸ばした。

昨晩はそれほどの呪縛はなかったのに、今朝は読み終えるまで席を立ってはならない。という気分で、積極的なのか、無理矢理なのか、自己の意識もはっきりとはしないのだけど、内田論的には「仕方ないのでひとまず読み終えよう」と結論を出して、読み進めることにした。
ははぁ、なるほど、もっとも。と、思われる言説が増えていく。
以下、長いけれど、忘れっぽい私である自覚があるので、実用的で今すぐ使える教えを忘れぬために、メモをとった。
やっと、朝食にありつける。


(以下、引用)
「私の主張は間違っている可能性がある」と思っている人間たちが集まると、その議論はたいへん迅速に進行し、かつ内容は濃密で深厚なるものとなる。


「私の知性のどのへんがうまく機能していないのか」を点検することは、「「私の知性はどれくらい素晴らしく機能するか」をショウオフすることよりずっと優先順位の高い仕事である。


悪口を言うときには対象への適切な理解は不要である。しかし、ほめるときには対象への適切な理解が必要である。


「怒る」ことは知性のパフォーマンスの最大化に寄与しない。「怒る」人間が対立者をも代表する合意形成や異論との共存を成就したという事例を私は残念ながら知らない。


「ハラスメント」というのも、おそらくほんらいは「それにきっぱりと答えきることのできない種類の問いかけや要求を、身近にいる人間から執拗に繰り返されることによって、生気を奪われ、深い疲労を覚えること」という事況を指していたのではないだろうか。
しかし、他人を愛し、その身を気遣うという配慮の気持ちと、「こんなにもお前を愛し、気遣っているのに、どうしておまえにはその真意が分からないのだ」という他者を縛りつける「呪いの言葉」のあいだには、ほんとうにわずかな距離しかないのである。
だから、さしあたり私たちにできるのは、愛着と呪詛の境界線が限りなくグレーであるという事実を冷静に見つめること、もし「深い疲労感」を与える人間がいたら、その人は「呪い」をかけているのだと知ること、そして、できうるかぎりすみやかにその関係から離脱すること、これに尽きると思う。

~呪い事例「そんなことをしてたらあんたはきっとダメになる」「うまくいかなかったら戻ってくればいい」「そういうことじゃ病気は治らないよ」「あんたは何をやってもダメな人ね」「おまえは男運が悪いな」「そんなことじゃ誰も友達になんかなってくれないわよ」「将来ロクなことはないね」「あなたのためだけを思ってるのよ」「何が気に入らないのかはっきり言ってよ」「おまえ俺をなめてんのか」「お願いだから私のこともわかって」「俺はお前のことだけを思ってやってるんだ」
〜呪い事例「そんなことをしてたらあんたはきっとダメになる」「うまくいかなかったら戻ってくればいい」「そういうことじゃ病気は治らないよ」「あんたは何をやってもダメな人ね」「おまえは男運が悪いな」「そんなことじゃ誰も友達になんかなってくれないわよ」「将来ロクなことはないね」「あなたのためだけを思ってるのよ」「何が気に入らないのかはっきり言ってよ」「おまえ俺をなめてんのか」「お願いだから私のこともわかって」「俺はお前のことだけを思ってやってるんだ」

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瀬尾まいこ『温室デイズ』角川書店 2006

2010年09月19日 16時41分25秒 | 
良いではないか。

瀬尾まいこ。

良くてホッとする。

寡作の大好きな作家なので、がっかりしたらおしまいになっちゃうから、どうか次も読みたくなる小説でありますように、と祈りながら。

10代。なんて苦しい時期。わかっていてもわからないフリをする。
だって、どう解決したらいいか、どう脱したらいいかわからないんだもの。
誰にも頼ることができないことばかりなんだもの。

ひとりひとりは微力です。でもひとりがひとりずつ変われば変わる。

一ミリずつでいいんだ。

一ミリずつで。

静かにそう思って、10代、がんばれって、つぶやいた。


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石田衣良『目覚めよと彼の呼ぶ声がする』文藝春秋 2007

2010年09月19日 09時26分39秒 | 
実は一冊もこの人の小説を読んだことがない。
彼岸の人で、私とシンクロすることは無いだろうと、決めてしまっている部分もある。

以前、彼を追いかけたドキュメントと、虐待の番組のコメンテーターとしてのコメントを聞いて、作り物ではない彼はなかなかいい人っぽい気がすると思った。

けど、なかなか小説に手が伸びない。

一昨日も迷ってエッセイを借りてしまった。
一気に読んだ。
私は多分彼の諦念みたいなものは好きだけど苦手。
小手先で文章は書けるんだ、みたいななんというのか、
おごりのようなものを感じることがあるから。

それが、小説になったときに信用ならないような気がするのかもしれない。
でも、読まない限りなんとも言えない。ので、どこかでチャレンジしてみたい。
彼の本好きと、次の言葉は信頼できる人に違いない、と私に思わせてくれた。

(以下、引用)
自然や経済、社会などさまざまに条件の違う場所で暮らすこの国の一人ひとりの人間が、まず自分の幸せを追求する。その結果として、経済成長などしなくても、日本がふんわりと心豊かな国になる。それで十分なのではないだろうか。その際、国にできることなど、ほんのわずかでしかない。なにをするかでなくて、なにをしないかが公的機関の役割になるだろう。ぼくがつぎの政府に期待するのは、幸せになりたいと努力する個々の国民の邪魔をなるべくしないことなのだ。
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内田樹『態度が悪くてすみませんー内なる「他者」との出会い』角川oneテーマ21 2006

2010年09月14日 22時19分49秒 | 
この人の書いていることは、筋が通っているのか茶化されているのか、よくわかりません。煙にまかれているような気がしながら、かつ、理解するためには、胆力が必要です。
疲れる著者だ。
でも、なぜか、ヒットする言葉はホームラン級だったりするので、読まずにいると損した気持ちになります。

今回の、ホームラン3つです。
(以下引用1)
本に呼び寄せられること、本に選ばれること、本の「呼び声」を感知できること。それがたぶん本と読者のあいだに成立するいちばん幸福で豊かな関係ではないかと私は思う。

(以下引用2)
「プロの条件」とは「自分に厳しく」ではなく、「クライアントに優しく」である(第一の鉄則)。第二の鉄則「わからないところは静かにスルー」こと。


(以下引用3)
人は「教えない」先生に就いたときにこそもっとも多くを「学ぶ」ことができる。