🌸🌸扉の向こうに🌸🌸

扉の向こうにあるものは・・・

葡萄

2012年10月31日 22時43分55秒 | 花の神話と伝説

〈花言葉〉 「陶酔」「好意」「信頼」「思いやり」「親切」
      「慈善」「酔いと狂気」「人間愛」「忘却」
       

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ブドウ科 つる性低木
原産地 世界の温帯地域
高さ(つるの長さ) 20~30メートル
花期 5~6月
収穫期 8~10月

ブドウの分類
植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
バラ亜綱 Rosidae
クロウメモドキ目 Rhamnales
ブドウ科 Vitaceae つる性低木
ブドウ属 Vitis
原産地 世界の温帯地域
高さ(つるの長さ) 20~30メートル
花期 5~6月
収穫期 8~10月

旧約聖書「ノアの箱船」の下りにぶどう酒が登場、
ノアは「人類最初の酔っぱらい」とされております。

「巨峰」は日本で生まれた名品種。

世界中に分布が見られ、日本には、「ヤマブドウ」「エビズル」などが
自生しております。

果皮に含まれる色素「ポリフェノール」には、強い抗酸化作用があるとされ、
健康維持に有効な成分として注目されております。
そのほか、ブドウ糖、カリウムなど、栄養価が高い果物。
世界で最も生産量が多い果物となっております。

概要
葉は両側に切れ込みのある15 - 20cmほどの大きさで、穂状の花をつけます。
果実は緑または濃紫で、内部は淡緑であり、房状に生ます。
大きさは2 - 8cm程度の物が一般的です。
ブドウ属の植物は数十種あり、北米、東アジアに多く、インド、中東、
南アフリカにも自生種があります。
日本の山野に分布し、ヤマブドウ、エビヅル、サンカクヅル(ギョウジャノミズ)も
ブドウ属の植物です。

現在、ワイン用、干しぶどう用または生食用に栽培されているブドウは、
ペルシアやカフカスが原産のヴィニフェラ種(V. vinifera, 英 common grape vine)と、
北アメリカのラブルスカ種(V. labrusca, 英 fox grape)です。

米がうるち米(食用)・酒米(酒造用)があるように、ブドウにも食用ブドウと
酒造用ブドウがあり、食用はテーブルグレープ(table grapes)、
酒造用はワイングレープ(wine grapes)と呼ばれております。

生産
日本で古くから栽培されている甲州種は、中国から輸入されたヨーロッパブドウの
東アジア系が自生化して、鎌倉時代初期に甲斐国勝沼(現在の山梨県甲州市)で
栽培が始められ、明治時代以前は専ら同地近辺のみの特産品として
扱われてきました。
(ヤマブドウは古くから日本に自生していたが別系統にあたります。)

北アメリカ原産のブドウはフィロキセラ(Phylloxera、ブドウネアブラムシ)に
対する耐性を持ちますが、1870年頃に北アメリカの野生ブドウの苗木が
ヨーロッパにもたらされ、この根に寄生していたフィロキセラによって、
耐性のないヨーロッパの固有種の殆どが19世紀後半に壊滅的な打撃を受けました。
以後フィロキセラ等による害を防止するの理由で、ヨーロッパ・ブドウについては、
アメリカ種およびそれを起源とする雑種の台木への接ぎ木が行われております。

利用
果実は、そのまま生食されるほか、乾燥させてレーズンに、また、ワインや
ブランデーなどのアルコール飲料、ジュース、ゼリー、缶詰の原料となります。

ワインを製造する地域では、残った種子を搾油の原料として
グレープシードオイルが製造されております。
種子にはプロアントシアニジンという成分が含まれ、
健康食品用などに抽出も行われております。

紫色をした皮にはアントシアニンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、
赤ワインやグレープジュースにも多く、絞った後の皮などの滓は、
肥料として処理することが多い。

葉を食用にする地域もあります。

分類
ブドウ属 (Vitis) には、主に次のような種があります。  

西アジア種群
ヨーロッパ・ブドウ(European grape、学名 ヴィティス・ヴィニフェラ Vitis vinifera)
中近東が原産であるとされております。
ヨーロッパに自生する唯一の種となっております。
乾燥した気候とアルカリ性の土地によく育ち、フィロキセラ耐性がありません。

北米種群
アメリカ・ブドウ(Fox grape、学名 ヴィティス・ラブルスカ Vitis labrusca)
北アメリカを原産とする種のひとつです。
湿った気候でよく育ち、ヨーロッパ種よりも寒さにも強く、この系統の品種は
独特の香りを持ち、それに由来する香りのワインを、
(特にヨーロッパの)ワインの専門家は「フォクシー (Foxy)」と形容し
忌み嫌います。

東アジア種群
ヴィティス・アムレンシス (V. amurensis) アジアを原産とする種のひとつで、
朝鮮半島、中国東北部、ロシアに自生する。寒さに強く、
和名はチョウセンヤマブドウまたはマンシュウヤマブドウ。
中国名は山葡萄。本種は当初北海道に自生していると考えられていたため、
北海道で醸造されている「アムレンシス・ワイン」の原料は
北海道産アムレンシス種だとされておりました。しかし、その後、
アムレンシス種の北海道での自生は誤認だとわかり、
アムレンシス・ワインの原料はヤマブドウの1系統か
タケシマヤマブドウVitis coignetiae var. glabrescensだと考えられております。
ヴィティス・コワネティー (V. coignetiae) 日本に自生します。
和名はヤマブドウで、上記アムレンシスと同じく寒さに強く、北海道では平地で
普通に見られますが、東北地方では低山地、関東以西では高山地に自生し
、四国にも分布しますが、現在のところ九州地方での自生は確認されておりません。
東北地方、信州、岡山などでは、ヤマブドウワインが造られております。
ヴィティス・シラガイ (V. shiragai) 岡山県・高梁川流域の限られた地域に
自生する野生ブドウで、和名はシラガブドウ。
自生地での個体数が減少していて、絶滅が危惧されております。
アムレンシスと同種とする分類学者もおりますが、アムレンシスは寒冷地に
自生するのに対し、シラガブドウは温暖な地域に自生することから
生態的相違点が大きいので、全くの別種であると考えた方が合理的です。
和名および学名は植物分類学者牧野富太郎が、情報を提供してくれた
白神寿吉に因んで命名しました。
その他、クマガワブドウ、アマヅル、リュウキュウガネブ、ヨコグラブドウ、
ケナシエビヅルなど、日本では15種類の野生ブドウの自生が確認されております。
また、アジア大陸には中国を中心に、約40種の野生ブドウが確認され、
日本の野生ブドウと同種または近縁種も確認されております。

ヨーロッパ・ブドウの台木に使われるブドウの原種
全て北米原産でヨーロッパ・ブドウと違ってどれも
フィロキセラ耐性を持っております。
ルペストリス種 (V. rupestris) 台木の品種の一番基本になる種。
砂地に生えるため比較的乾燥に強く、交雑や繁殖が容易です。
リパリア種 (V. riparia) 川の土手に生える("ripa" とはラテン語で川の土手の意)。
そのため湿った土地で良く育ちます。酸性土を好み、繁殖は容易。
Berlandieri 種 (V. berlandieri) 石灰岩の丘に生えることから、
アルカリ性の土壌を好むとされており、繁殖は難しいとされております。
Champini 種 (V. champini) ルペストリス種と
V. mustagenesis の天然の雑種と考えられております。
強い (Root-knot) ネマトーダ耐性を有する。繁殖は難しい。

マスカダイン属
ブドウ属に含められる場合もありますが、形態や染色体の数等の違いから、
一般に別の属 (Muscadinia) とされております。
マスカダイン(Muscadine、学名 ムスカディニア・ロトゥンディフォリア
Muscadinia rotundifolia) 北アメリカを原産とする種のひとつで、
アメリカ合衆国南部の亜熱帯から熱帯の地域で栽培されております。
温暖湿潤な気候と酸性土壌を好み、ヨーロッパ・ブドウと異なり
フィロキセラに対する免疫を持ち、他の病害に対しても強い耐性を
持っております。
しかしヨーロッパ・ブドウと接ぎ木も交雑も困難なことから、
ワイン用ブドウの栽培にはほとんど利用されておりません。
栽培品種の育種は、両全花を持つ次のスカッパーノンの発見により
飛躍的に向上しました。

アメリカでは通常、房ではなく粒単位で売られ、マスカダインの皮は、
普通のブドウよりも厚みがあり、芳醇な香りで甘い。
果皮色は紫、緑、銅色の3種類に分けられ、
生食以外に加工(ジュース、デザート・ワイン、ゼリー等)に用いられます。
スカッパーノン(Scuppernong) マスカダインの1品種で、
アメリカ合衆国南部の亜熱帯から熱帯の地域で栽培されております。
色は、緑で温暖湿潤な気候と酸性土壌を好み、普通のブドウよりも
一粒一粒が丸い。
名前の由来は、ノース・カロライナ州にあるScuppernong Riverから
来ております。
17世紀にアメリカ開拓者たちがスカッパーノン川周辺で発見し、
その後、栽培促進された。名前の由来をさらに辿ってみますと、
アメリカ先住民のアルゴンキン族の言葉「アスコポ」からきており、
意味は「甘い月桂樹」と呼ばれております。

ブドウの象徴するもの
ブドウの花言葉は、その多くがブドウ酒にかかわっています。
イギリスでは、ブドウの木は「陶酔」、野生のブドウの木もしくは実は
「思いやり、施しもの」を意味します
(代金を支払わずに食べられることから)。
また、フランスではブドウの木は「忘却」「情熱の陶酔」を象徴し、
やはりブドウ酒につらなっております。
ちなみに、ブドウの葉は、大事な場所(特に女性の)を隠すことから
「好意、親切」を意味するとも言われております。
ブドウそのものはブドウ酒と同様、酩酊、祭、歓待を表し、
喜びや欲望を象徴します。
キリスト教ではイエス・キリストの血を指すことから、
生け贄もしくは聖体そのものを表します。
「若さ」「復活」を象徴することもありますが、
これはその生育の度合いやみずみずしさから来るものでしょうか。

ギリシア神話では、ブドウは酒神ディオニュソス(バッカス)の
持ち物です。
神話の中では、彼がブドウの木を初めて植えたことになっており、
この植物は彼を象徴するもののひとつになっています。
ユダヤ教では、「ノアの方舟」で有名なノアが洪水後初めて植えた
植物がブドウだったということになっております。

ブドウの歴史
ブドウの歴史はきわめて古く、中生代第三紀(200万年前)には
既にヨーロッパで自生種が生育しておりました。当時の化石から、
ブドウの葉の化石が掘り出されているからです。
ただ、ブドウを生食用、あるいはワインの醸造用に使ったとなりますと、
原産地はコーカサス・カスピ海南岸の広い地域ということができそうです。
4000年前にはこの地域で、ブドウの栽培やワインの醸造が既に
行われていたことが分かっております。

エジプトには第五~六王朝のころ、4500年前には伝えられており、
当時の壁画にブドウ酒の記録が残っております。
ヨーロッパへは3000年前ごろに伝えられ、紀元前にはローマを通じて
ヨーロッパ全域へと広まりました。
ヨーロッパの青銅器時代の遺跡からブドウの種が出ておりますので、
利用の歴史はもっと古いかも知れません。

アメリカ大陸へは17世紀ごろに伝えられましたが、
アメリカにはヨーロッパブドウとは別のアメリカブドウが自生しており、
雑種ができあがって現在のブドウの品種ができあがりました。
現在、私たちが食べているブドウは、こうしたアメリカとヨーロッパの
雑種ブドウが元になっています。
中国へは漢武帝の時に張騫(ちょうけん)が
紀元前110年ごろに伝えられております。
日本に入ったのは12世紀ごろで、甲州に植え替えられ、
甲州ブドウとして江戸時代から有名になりました。

ブドウの種類
大まかに分けて、ブドウは二種類に分けられます。
醸造用・生食用に作られるブドウ属のものと、
粒単位で売られるマスカダイン属のものです。
通常、私たちが「ブドウ」と言って食べているのはブドウ属の方です。
有名なデラウェアや巨峰などもこちらに属します。
ブドウの品種は多く、全世界で一万種類が存在すると言われ、
その大半が醸造用です。
また、生食したり、乾燥させてレーズンにしたり、
果汁を取ってジュースにしたり、
ゼリーや缶詰の材料にしたりすることもあるようです。

ディオニュソスの伝説
酒神と言えばギリシア神話のディオニュソス(ローマ名バッカス)を
はずすわけにはいきません。
この神は、ヘルメス(ローマ名メルクリウス)とともに、
最も人々に信仰された神です。
「バッカスはネプチューン(海の神)よりも多くの人間をおぼれさせた」
とも言われるほどです。
彼の父親はゼウスで共通していますが、彼の母親ははっきりしません。
一説には、地下の女神ペルセポネであるとも、
その母親であるデメテルであるとも言われていますが、
歴史的に最も古い説では、カドモス王の娘で月の巫女セメレが、
彼の母親だということになっているようです。
ヘルメスやニサの妖精たちによって育てられた彼は、
洞窟に生えていたブドウを遊び道具として使い、
やがて長じてブドウ酒を作ります。
このブドウ酒を飲んだ者は、あらゆる嘆きや悩みを消し去ってくれるので、
彼は熱狂的な支持者を手に入れました。
彼の一行はナクソス島まで来ると、英雄テーセウスに捨てられた
アリアドネを見つけます。
そこでディオニュソスは彼女を慰め、自分の花嫁としました。
二人は仲むつまじく暮らし、六人の子供をもうけたということです。

ワインの作り方
ブドウが圧搾機で潰されます。
昔は、房から実を取り、薪を転がして潰していましたが、
のちには近世の風景としておなじみの足で潰す作業に
取って代わられました。
赤ワインの場合は、果梗(かこう:房をつなぐ茎のようなもの)や
種子、果皮もあわせてつけ込みますが、白ワインの場合は
取り除きます。
これらの滓(かす)からは油を抽出したり、
飼料、肥料、プラスチックの原料としたりします。
この段階で、既に発酵は始まります。
炭酸ガスが発生し、液面がぶつぶつとうごめき出します。
このとき、果帽と呼ばれる滓が浮いてきますが、
酸味のもとになるので固定したり、再び液中に突き崩したりします。
アルコール度が15~16度になると、発酵は自然に終わります。
その後は「液抜き」を行い、圧搾によって集められた滓と
アルコールを分離します。
この段階を「澱引き(おりびき)」と称することもあるようです。
現在では化学物質を使って澱引きが行われますが、
古代ローマ時代は粘土、卵の卵白、チョウザメのにかわ、
子牛のゼラチン、豚の血などが使われたと言います。
塩を使う場合もあるようです。
分離が終わると、今度は樽一杯にワインを詰め込み、
二次発酵を促します。
樽一杯にするのはカビが生えるのを抑えるためで、
この段階でも頻繁にチェックが行われます。
ちなみに、この二次発酵で蒸発することを「天使の取り分」もしくは
「天使の分け前」といい、コニャック地方では、
実に瓶詰め分に換算して毎日2万本以上が、
この「天使の取り分」になっていると言います。

この二次発酵は、長い場合、10年から20年ほど行われますが、
短いものは数か月で瓶詰めされ、市場に出回ります。
有名なボージョレ・ヌーボー(ボージョレ新酒)は
この短いものの代表例です。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ウィキ・その他より転載
葡萄に関する神話や伝説は数多あるように思います。
必要に応じて、加筆 等致します。

あけび

2012年10月30日 21時29分23秒 | 花の神話と伝説
〈別 名〉 「木通(もくつう)」「通草(つうそう)」



〈花言葉〉 「才能」「唯一の恋」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
花について

名前の由来
・熟すとパカッと口を開けた実の様子を表わした「開け実」が転じたもの、
・「あくび」が転じたものなど諸説。

和歌山では、「あくび」と呼ぶ地方もあるらしい。

つるはカゴなどの生活用品の材料になり、種からは油も取れます。

また、アケビ・ミツバアケビの茎は「木通(もくつう)」という生薬として
利用されております。 利尿作用、抗炎症作用などがあります。

雌雄異花で、花びらに見えるのは「萼」です。

・アケビ科 つる性落葉低木
・原産地 日本、中国など東アジア
・花期 4~5月
・花色 淡紫色
・収穫期 9~10月

「一夜さに棚で口あく木通哉」一茶

※     ※      ※ 
   
あけび【木通・通草】(「開け実」の意)
アケビの分類
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
モクレン亜綱 Magnoliidae
キンポウゲ目 Ranunculales
アケビ科 Lardizabalaceae
アケビ属 Akebia
アケビ quinata
アケビ科・蔓性落葉低木の一種(学名: Akebia quinata)、
アケビ属・(学名: Akebia)に属する植物の総称
学名・Akebia quinata(木通)
   Akebia trifoliata(三葉木通)
Akebia : アケビ属
quinata : 五枚の小葉の
trifoliata : 三枚の葉の
アケビの分類
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
モクレン亜綱 Magnoliidae
キンポウゲ目 Ranunculales
アケビ科 Lardizabalaceae
アケビ属 Akebia
アケビ quinata

薬効・利尿や肝炎に効果があります。
山地に生え、葉は5小葉の複葉。

4月頃淡紅紫色の花をつけます。
果実は淡紫色で長さ約10センチメートル、秋、熟して縦に割れます。
果肉は厚く白色半透明で多数の黒色の種子を含み甘く美味。
つるで椅子・かごなどを作り、茎の木部は生薬の木通もくつうで、
利尿剤・消炎剤など。
これに似て3小葉から成る葉を持つミツバアケビがあります。
アケビカズラ。ヤマヒメ。
新芽は灰汁抜きし、茹でておひたしや卵とじにして食べます
実は種のまわりの白い部分を食べます。
口一杯にほおばり、舌でころがして味わったら、
思いっきり種を遠くまで吹き飛ばします。

季語・秋。
「通草の花あけびのはな」「丁翁の花あけびのはな」「木通の花あけびのはな」
「山女の花やまひめのはな」「通草咲くあけびさく」「花通草はなあけび」は晩春
形態・生態
茎は蔓になって他物に巻き付き、古くなると木質化します。
葉は5つの楕円形の小葉が掌状につく複葉で、互生します。

花は4 - 5月に咲き、木は雌雄同株であるが雌雄異花で淡紫色。
花被は3枚で、雄花の中央部には6本の雄しべがミカンの房状に、
雌花の中央部にはバナナの果実のような6 ? 9本の雌しべが放射状につく。
雌花の柱頭(先端部)には、甘みを持った粘着性の液体が付いており、
花粉がここに付着することで受粉が成立する。
雌雄異花で蜜も出さないので、受粉生態には
よくわかっていない点が多いが、雌花が雄花に擬態して、
雄花の花粉を目当てに飛来する小型のハナバチ類を
騙して受粉を成功させているのではないかとする仮説があります。
ハエ類が甘みを持った粘着質を舐めに来る際に受粉していると
考えられております。
受粉に成功した個々の雌しべは、成長して果実となり、
10cm前後まで成長する。9 - 10月に熟して淡紫色に色づきます。
成熟した果実の果皮は心皮の合着線で裂開し、
甘い胎座とそこに埋もれた多数の黒い種子を裸出します。
この胎座の部分は様々な鳥類や哺乳類に食べられて、
種子散布に寄与しております。

アケビにつく昆虫
アケビを食樹として利用する昆虫として、
ヤガ科の大型のガであるアケビコノハが知られております。
幼虫がアケビ類の葉を食べて育つが、静止時や外敵の刺激を受けたときに、
背を丸めて胸部の眼状紋を誇示する独特の防御姿勢をとることが
知られております。
成虫は口吻が硬化しており、ブドウやナシなどの果実に
これを突き刺して果汁を吸う、重大な果樹園害虫とされます。

他にアケビにつく昆虫で目立つのは、
カメムシ目ヨコバイ亜目キジラミ科の小型昆虫であるベニキジラミがあります。
幼虫がアケビの展開前の若い葉に寄生すると、
小葉が二つ折りのまま展開できずに肥厚して虫?となります。
幼虫はこの中で吸汁して育ち、羽化して成虫になると外に出て自由生活を送ります。
成虫は体長2mmほどで、セミを小さくしたような姿。
非常に鮮やかな紅色で、アケビの植物体上にいるとよく目立ちます。

人間との関わり
利用
種子を包む胎座が甘みを持つので、
昔から山遊びする子供の絶好のおやつとして親しまれてきました。
果皮はほろ苦く、内部にひき肉を詰めて油で揚げたり
刻んで味噌炒めにするなど、こちらは山菜料理として親しまれている。
主に山形県では、農家で栽培され、スーパーで購入することができます。

また、東北地方などでは、新芽(山形県や新潟県などでは「木の芽」と呼ぶ)
をやはり山菜として利用されております。

その他、成熟した蔓は、籠を編むなどして工芸品の素材として利用されます。

また、秋田県では、種を油の原料としており、
江戸時代から明治時代にかけては高級品として珍重され、
明治以降生産が途絶えていたが、近年復活しました。

栽培
商業栽培では、品質に優れたミツバアケビ由来の品種が多く用いられます。
安定した結実のため、人工授粉を行うことがあります。
自家不和合性があり、他品種との混植などが必要です。
アケビとミツバアケビは交雑しやすいため、
ミツバアケビ由来の品種に対し、アケビを授粉樹として
用いることもあります。
3葉種と5葉種では熟期が2 - 4週間程度異なります。

日本国内で栽培されるものは、ほとんどが山形県産です。

生薬
アケビまたはミツバアケビのつる性の茎は
木通(もくつう)という生薬である(日本薬局方に記載の定義による)。
木通は、利尿作用、抗炎症作用、通乳作用などがあり、
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
などの漢方方剤に使われております。

また、木通とまぎらわしいものに関木通(かんもくつう)というものがあります。
これはアケビ類とは別の植物(ウマノスズクサ属)であり、
腎臓障害を起こすおそれのある成分アリストロキア酸が含まれております。
名前が似ている上、中国などでは関木通を「木通」としていることもあることから
十分な注意が必要です。

「木通」を利用する場合は日本薬局方のものが無難です。

・春の若菜は、”おひたし”やお茶(アケビ茶)に使われます。

・江戸時代は、実の中の種子から油を採りました。

・「通草」とも書く。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキペディア・その他より

子供の頃に見慣れた「あけび」
白く甘くて黒い種だらけ・・・
気持ち悪いと思ったものです。
懐かしい思い出です。

どんぐり

2012年10月30日 20時38分45秒 | 花の神話と伝説

どんぐり・・・とは

日本語でドングリ(どんぐり、団栗)とは
クヌギ・カシ・ナラ・カシワなどの果実の総称のことです。
ドングリは全てブナ科の果実です。

ドングリは以下に詳述する通り、一部または全体を殻斗(かくと)に
覆われる堅果ですが、これはブナ科の果実に共通した特徴であり、
またブナ科にほぼ固有の特徴となっております。
よって本項ではブナ科の果実についても述べることに致します。

内部の種子の大部分を占める子葉はデンプン質に富み、
人間を含む動物の食料になります。
日本の古典的な玩具(独楽など)の材料にもなっております。

ドングリの範囲
日本語でドングリとされるのは、ブナ科の果実の内、
普通クヌギ・カシ・ナラ・カシワなどがあります。
クリは含まれず、ブナ属は普通含まれません。
地域や時代、個人にもよるかも知れません。

スダジイについてはドングリとは呼ばない事も多いが、
馴染みのない特に現代人はドングリと呼ぶかもれません。

狭義ではクヌギの実を指します。

ブナ科の果実では、固有の名称を持つものがあります。
クリの実は「栗」もしくは「栗の実」と呼ばれております。
「椎の実」、「なら」の実の語もあります。
ブナの実は、「そばぐり」と呼ばれる事もあります。

ブナ科ではないが、似た外見のものとして、ヘーゼルナッツ等の
ハシバミ類の堅果や、トチノキの種子(「とち」もしくは「とちのみ」と呼ばれる)
があります。

日本に自生するブナ科の木
「ブナ科」
ナラの仲間(落葉樹) アベマキ
カシワ
クヌギ
コナラ
ナラガシワ
フモトミズナラ
ミズナラ

カシの仲間(常緑樹) アカガシ
アラカシ
イチイガシ
ウバメガシ
ウラジロガシ
オキナワウラジロガシ 日本最大のどんぐりをつける
シラカシ
ツクバネガシ
ハナガガシ

クリの仲間(落葉樹。どんぐりとは呼ばれない) クリ (ニホングリ) 

シイの仲間(常緑樹) スダジイ 
ツブラジイ
マテバシイの仲間(常緑樹) シリブカガシ
マテバシイ

ブナの仲間(落葉樹。普通はどんぐりとは呼ばれない) イヌブナ
ブナ

特徴
ドングリは果実(堅果)であり種子ではありません。
樹種により形状は多様であるが、ドングリに限らずブナ科の実の
共通の特徴として、先端はとがり、表面の皮は硬く、上部はすべすべして茶色、
下部はぶつぶつした薄めの褐色になっております。
実の下部または全部を覆うおわん状・まり状のものは
殻斗(かくと、英語: cupule)といい、
ドングリの殻斗は俗には「ぼうし」「はかま」などと呼ばれております。

ドングリのイメージとして、細長く、下部をぶつぶつとした殻斗が覆う、
というものがしばしば見られますが、クヌギではドングリは丸く、
殻斗は毛が生えたようになっております。
クリまたスダジイなど殻斗がどんぐり全体を覆うものもあります。
クリの殻斗はトゲが生え、「イガ」と呼ばれております。

殻斗は総苞片が集まり癒合変形、乾燥したものであり、ブナ科と
ナンキョクブナ科植物の果実特有のものです。
このことから、かつてブナ科は殻斗科と呼ばれたブナ科の堅果は、
他の堅果と区別して殻斗果またはどんぐり状果と呼ばれます。

殻斗を持つなど、ブナ属に酷似する果実をつけるナンキョクブナ科は
ブナ科に近縁ですが、かつてはブナ科のナンキョクブナ属に分類されておりました。

分類と判別
ドングリからその樹種を判別する事は可能ですが難しく、
木自体を見る方がはるかに易しい。ただし属の見分けは比較的やさしい。
以下は日本に自生するものの見分け方です。

コナラ属コナラ亜属 (ナラの仲間とウバメガシ):
 果実の基部は湾入せず、殻斗は果実の基部を覆う。殻斗は鱗片状。
コナラ属アカガシ亜属(カシの仲間。ウバメガシとシリブカガシはアカガシ亜属ではない): 果実の基部は湾入せず、殻斗は果実の基部を覆う。殻斗は輪層状。
マテバシイ属(マテバシイとシリブカガシ):
果実の基部が湾入し、殻斗は果実の基部を覆う。
2、3の殻斗が基部で癒合している場合がある。 クリ属(クリの仲間):
 果実は稜が2つあり、 殻斗が全体を覆う。
シイ属(シイの仲間):果実は稜がなく、球状ー円柱状で、殻斗が全体を覆う。
ブナ属(ブナの仲間):果実は稜が3つあり、三角錐状、殻斗が全体を覆う。

日本国外に分布するものでは多様な形状を示しております。
マテバシイ属のドングリには殻斗が全体を覆うものが多く存在します。
シイ属では別名のクリガシ属が示唆する通り、クリ属のように複数の
果実がイガに覆われ、クリそのものの形をしたものも多い。
北米には常緑樹でクリ属によく似た殻斗をつける
トゲガシ属(Chrysolepis、英語版。かつてはシイ属に含められていた。)が
2種が存在します。
逆に北米産のチンカピングリ(Castanea pumila、英語版)はクリ属ではあるが、
実には平たい面がなく、丸い。

餌としてのドングリ
ドングリを作るブナ科植物は、暖帯から温帯にかけての森林では、どこでも
主要な構成樹種です。暖帯では常緑のシイ・カシ類が
照葉樹林の主要構成樹種であり、
温帯ではブナ・ミズナラなどが落葉広葉樹林の中で占める割合が大きい。
人工的な撹乱がある場所では、クヌギ・コナラなどが出現します。
これらブナ科植物の果実は個々の果実も大きく、
肥大した子葉に大量のデンプンを蓄え、また生産量も多い事から、
特に哺乳類にとって、秋の重要な食料であり、ドングリの出来不出来が、
森に棲む野生動物の秋から冬の生存に大きな影響をもたらします。
2004年は、秋に北陸で多数のツキノワグマが人里に出没した事で話題をよびましたが、
この年の落葉樹林のドングリは不作だったとされております。
イベリコ豚の重要な飼料として、イベリア半島に自生するコルクガシなどの
ドングリが利用されます。
また中央ヨーロッパにはヨーロッパブナの林の中でブタを飼う養豚林があります。
日本でもかつてオキナワウラジロガシのドングリが豚の飼料として
利用されておりました。

種子散布システムとしてのドングリ
果実としてのドングリは特に目立った種子散布器官を持たないように
見えるため、古くは種子散布の形式を重力散布(つまり、落ちる事)と
みなされました。しかし、今日では上述の動物の餌としての重要性が
この仲間の種子散布に大きな役割を果たしているとされております。

ドングリを秋から冬にかけての重要な食料としている動物の中に、
ネズミ類、リス類、カケス類のように林床に少数ずつ分散して
埋蔵貯食するものがあります。こうした動物が埋めたドングリは、
大半が越冬時の食料として消費されますが、春までに
一部が余って食べ残されます。
これが親植物から離れた地点で発芽して新世代の植物となるのです。

また、ドングリは乾燥に弱く、単に林床に落ちただけでは乾燥によって
速やかに発芽能力を失うことが多い。
ネズミ等による貯食は、この乾燥から免れる効果もあるとされております。

イノシシ、シカ等の大型哺乳類の採餌により森林の下草、ササなどが
取除かれ、蹄耕により土壌が露出すると、そこにはネズミ、リス等の
げっ歯類、カケス類がドングリを埋められる条件が生まれてきます。
ドングリを作るブナ科の植物はネズミ類、リス類が誕生する以前、
約6500万年前の白亜紀にはすでに出現していたことが明らかになっており、
土壌の攪乱を当時の大型の草食恐竜が担い、当時の小型だった哺乳類の
祖先がネズミやリスの代わりを担っていたと推定されております。

利用
食品
ドングリは渋み(主にタンニンやサポニン)が非常に強く、
一般に人間がそのまま食用とするには適さないが、スダジイ、ツブラジイなど
一部の種では甘みがあって渋みがなく、渋抜きせずに生あるいは炒って
そのまま食べることが出来ます。
また、縄文時代においては渋抜きをして食用にしていたと考えられております。
その後も飢饉や太平洋戦争直後の食糧難時代によく利用されたのみならず、
米の栽培困難な東北山村などいくつかの地域では、大正期あたりまで
主食格の食品として重要でした。
渋がほとんどないドングリ - スダジイ、ツブラジイ、ニホングリ
渋が少ないドングリ - マテバシイ、イチイガシ、ブナ、イヌブナ、
 シリブカガシ
渋があるドングリ - コナラ、ミズナラ、クヌギ、アベマキ、カシワ、
 ナラガシワ、ウバメガシ
渋が多いドングリ - シラカシ、アラカシ、アカガシ、ツクバネガシ、
 ウラジロガシ、オキナワウラジロガシ、ハナガガシ

ドングリの渋抜きの方法としては、流水に数日さらす方法と、
煮沸による方法があります。特に煮沸の場合、木灰汁を用いることがあります。
日本においては、前者は主に西日本から広がる照葉樹林帯の地域で、
後者は東北地方や信州に広がる落葉広葉樹林帯で認められております。
また、渋みの少ない種の場合は、から煎りでもあく抜きになります。

北海道のアイヌ民族はドングリを「ニセウ」と呼んでおりました。
秋にトゥンニ(ミズナラ)やコムニ(カシワ)の実を拾い集め、
何度もゆでこぼしてアクを抜いたものをシト(団子)やラタシケプ(煮物)に
加工して食べました。

北上山地の山村では、ナラ(ミズナラ)の実を粉砕して皮を除き、
湯、木灰汁などを用いて渋抜きした「シタミ粉」と呼ばれるものが
作られておりました。シタミ粉は通常湯で戻し、粥状にして食べました。

長野県木曽地方等では、地域興しの一環としてドングリコーヒーを
提供しているほか、パンやクッキー等の材料としても用いられております。

熊本では、カシ類(イチイガシ)の実から採取したデンプンで作る、
「イチゴンニャク」や「カシノキドーフ」、あるいはシイの実を用いた
「シイゴンニャク」といった葛餅状の食品が知られております。

韓国では、ドングリ(韓国語で「トトリ(???)」)から採取したデンプンを、
「ムク(?)」と呼ばれる葛餅ないしういろう状の食べ物にします。
元々は食料が不足していた時代や、飢饉の年に食べられた救荒食料ですが、
一部の地方で受け継がれ、最近では健康食品として見直されたことにより、
大量生産されて市場に流通しております。
大衆食堂で副食として出されることが多いが、最近ではクッパのように
飯と一緒にスープに入れた「トトリムク・パプ(???? ?=トトリムク飯の意)」が
一品料理にもなっております。
また、以前は、皮を剥いてから、水さらしと加熱によって渋抜きをした
ドングリの実を用い、米と炊いたドングリ飯、また粉を用いたドングリ餅、
ドングリ粥、ドングリうどん、ドングリ水団なども作られていたようです。

縄文時代の遺跡からドングリが出土することがあり、稲作以前にも
日本に農耕文化があったことが示唆されております。

その他
玩具や工芸品の材料として用いられる。例えば、
軸を付けてヤジロベエや独楽(コマ)などの玩具とされております。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
「どんぐり」についてはまだ、加筆訂正の可能性がございます。

泡立草

2012年10月29日 23時57分35秒 | 花の神話と伝説

〈別 名〉 「秋の麒麟草アキノキリンソウ」「セイタカアキノキリンソウ」
      「ヘイザンソウ」
  


〈花言葉〉「用心」「警戒」
     「唯我独尊(他の植物を駆逐して広がる)」
〈背高泡立草せいたかあわだちそうの花言葉〉
〈花言葉〉 「元気」「生命力」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

・菊(きく)科。
・学名
Solidago altissima
Solidago : アキノキリンソウ属
altissima : 非常に丈の高い
  Solidago(ソリダーゴ)は、ラテン語の
「solidus(完全な) + ago(導く)」が語源。
傷薬として 使用されていたことから。
・開花時期は、10/ 1 ~ 11/20頃。
・北アメリカ原産の帰化植物。
明治時代に渡来。
戦後、各地で大繁殖。
繁殖力が強すぎてかえって自ら
繁殖力を弱めている、との説もあります。

名前の由来
・花を、酒を醸造するときの 泡立ちに見立てて、
さらに背丈が高いので「背高泡立草」。
 (草木染に利用されることもあり、染めるために煮立てると
名前のとおりに泡が立つらしい。いろんな「泡立ち」)
・背高泡立草でアキノキリンソウ属の中でも際立って草丈が高く、
 黄色い小さな花が密集して咲く様はまるで泡立ちしているように
 見えるのが名の由来。

・雑草ですが、よく見るときれいな花。
たくさん群生している姿は圧巻です。

秋の麒麟草/背高泡立草
・キク科の多年草。
・山野に見られる。
 秋、五十センチくらいの直立した細い茎に
 黄色い小頭状花を密生させる。
 背高泡立草は北アメリカ原産の帰化植物。
 草丈一メートルを超すものもあり荒地に群生します。
高山のものは背が低くミヤマアキノキリンソウと呼びます。
もともと旺盛な繁殖力を持つ上に、
・根から他の植物の成長を阻害する物質(アレロパシー物質)を
 分泌します。
・湿地を好み、河原や土手などで群生していることがあります。
・ケンタッキー州の州花
・日本では代萩とも呼ばれ、切り花用の観賞植物として
 ハギ(萩)の代用として用いられ、同様に茎を乾燥したものは
 萩の代用としてすだれなどの材料に利用されております。

概要
北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として
導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と
競合します。
河原や空き地などに群生し、高さは1 - 2.5m、
良く肥えた土地では3.5 - 4.5m程度にもなります。

日本における分布状況は北海道の一部から
沖縄までとなっており、一部調査で北限の変化が
確認されたことから、繁殖域が北上している可能性があります。

同時期に増えた帰化植物のブタクサと時折間違われ、
花粉症の原因だと言われるが、別の植物です。

日本への侵入経緯
日本国内への移入は、明治時代末期に園芸目的で持ち込まれ、
「昭和の初めには既に帰化が知られている」との記述が
牧野日本植物図鑑にある。
その存在が目立つようになったのは第二次世界大戦後で、
アメリカ軍の輸入物資に付いていた種子によるもの、
養蜂家が蜜源植物として利用するため
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)、等が拡大起因とされており、
昭和40年代以降には全国、北海道では比較的少ないが
関東以西から九州にて特に大繁殖するようになった。
沖縄県へも侵入しているが、沖縄本島や久米島などの一部地域で
小規模な繁茂に留まっている。

外来生物法により要注意外来生物に指定されているほか、
日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100にも
選ばれている。

盛衰
昭和40年代の繁殖状況は、アレロパシー(後述)効果で
ススキ等その土地に繁殖していた植物を駆逐し、
モグラやネズミが長年生息している領域で肥料となる成分
(主として糞尿や死体由来の成分)が多量蓄積していた地下
約50cmの深さまで根を伸ばす生態であったので、
そこにある養分を多量に取り込んだ結果背が高くなり、
平屋の民家が押しつぶされそうに見えるほどの勢いがあった。
しかし、平成に入る頃には、その領域に生息していたモグラや
ネズミが駆除されてきたことによって希少化し
土壌に肥料成分が蓄えられなくなり、
また蓄積されていた肥料成分を大方使ってしまったこと、
他の植物が衰退してしまったことで自らが
アレロパシー成分の影響を強く受けてしまったこと等の
理由により、派手な繁殖が少なくなりつつあり、
それほど背の高くないものが多くなっている。
セイタカアワダチソウの勢いが衰えてきた土地には
ススキなどの植物が再び勢力を取り戻しつつある。

日本各地で刈取りや抜き取りなどの駆除活動が展開されている。

性質
アレロパシーを有しており、
根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出す。
これはcis-DMEという名称で知られるが、
この物質はセイタカアワダチソウ自身の成長も抑制する。
一時は気管支喘息や花粉症の元凶だと考えられていたが、
セイタカアワダチソウは虫媒花で風媒花ではないので、
花粉の生成量は少ない上に比較的重く
形状も風で飛ぶのには不適であるため、
無関係と考えられている。

生育環境
湿地や弱アルカリ性の所を好みますが、適応性が広く、
かなり乾燥するところや日があまり当たらないところでも
良く生えます。
人の手が入った空き地、休耕田や川の土手にもよく生えております。
在来の湿地性植物群落に取って代わったような場所もあり、
このような場所では現在も駆除に苦労しているようです。


長楕円形で先端が尖る。厚くてざらつく

根・茎
短毛を密生してざらつく。紫褐色で直立する
茎は、下の方ではほとんど枝分かれがなく、
先の方で花を付ける枝を多数出します。
種子だけでなく地下茎でも増える。


円錐花序に約6mmの頭花を上側に付ける
花期は秋で、濃黄色の小さな花を多く付ける。
果 実
稜のある円柱形の痩果は微小

高さ100~250㎝

花 期10月~11月

生育地
堤防、荒地や路傍などに生える多年草

分 布
北海道~沖縄

近似種 アキノキリンソウ

別名のセイタカアキノキリンソウも同じ。
ヘイザンソウは閉山草で日本国内に急激に広まった時期が
炭鉱の閉山の時期と重なったため。
同じような理由でベトナム草とも呼ばれたようです。

雑   記
北アメリカ原産の多年草で明治時代に観賞用に導入されたのが
第2次大戦後各地の荒地に猛烈な勢いで広がりました。
地下茎を伸ばして栄養繁殖し、
根から他の植物の発育を抑制する物質を分泌すると
騒がれた事もあります。
花粉症の原因植物の一つとも云われておりましたが、
虫媒花で花粉の飛散は殆どありません。
花が少ない時期に多 くの花を咲かせる植物として
養蜂業者には貴重な花のようですが、
駆逐すべき特定外来生物の一歩手前の要注意外来生物に
指定さ れております。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウイキペディア・その他より
花の時期等 ずれておりますのは場所の違いによるものと
推測しております。
加筆・訂正の可能有ります。

2012年10月27日 08時10分17秒 | 花の神話と伝説

〈花言葉〉 「恵み」「優美」「自然美」「優しさ」「恩恵」
      「広大な自然の中で私を永遠に眠らせて」


〈柿の花〉季語は夏
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
カキノキ目 Ebenales
カキノキ科 Ebenaceae
カキノキ属 Diospyros
カキ kaki
・柿の木科。
・学名
Diospyros kaki
Diospyros : カキノキ属
kaki : 柿(日本名)

Diospyros(ディオスピロス)は
 ギリシャ語の「Dios(神、ジュピター)+ pyros(穀物)」
が語源で、 ”神の食べ物”の意味。

原産地・日本、中国、朝鮮半島 
形態 ・落葉広葉高木

・秋の果物。
甘柿(富有、次郎、江戸一、御所等)、
渋柿(西条、平核無等)があります。
実の表面に黒い斑点がツポツあるものは
どちらかというと「甘い」
・春の新緑若葉は とてもすばらしい色で、林の中でよく目立ちます。
・葉は”柿の葉のお茶” としても使われております。

・花はあまり目立たちません。
5月頃に開花く。
花は終わりかけになると ボトボトッと 音をたてて地面に
 どんどん落ちます。
その場に居合わせると壮観です。
時期はだいたい5月下旬から6月初め頃。
梅雨の前。
「柿花落」は その頃の季語だったと思われます。
この、花が落っこちてくるようすは 青桐も同じです。

名前の由来
・秋に紅葉する「赤」い葉と「黄」色の実から、
「赤黄」→ 「あかき」 → 「かき」になった、
という説があります。

・「桃 栗 3年、 柿8年、梅は酸い酸い13年、
柚子は大馬鹿18年、 林檎ニコニコ25年」。
実を結ぶ時期のことです。
何事も、時期が来なくてはできない
というたとえ。
ただし柿は鉢作りなら
3~4年くらいで結実致します。

・英語では
「パーシモン(persimmon)」
 ゴルフのクラブの ヘッドの材料として 柿の木が使われております。
(パーシモンヘッド)。
柿の木の前には 「ブナの木」が使われておりました。

・劇場が新築されてから 初めて行われる劇のことを
「柿落とし(こけらおとし)」と申します。
この場合の「柿」の字は、
右側の「市」の部分の縦棒が上から下まで突き抜けている字で、
「こけら」と読み、材木のけずりくず」などを 意味します。
新築、改築工事の最後に足組みなどの
 柿(こけら:材木のけずりくず)を 払い落としたところから
 来ております。

・「桜切るバカ、梅切らぬバカ、柿を折らぬはもっとバカ」と
 小僧の頃から言われてきた柿は、生ってる実を取りながら枝も折れ、
 その枝には来年実がつかないからということ。

・透かし剪定にもなって一石二鳥。

・また柿の枝は簡単に折れます。だから登ってても折れて落ちやすい。
 そういうことから「柿の木から落ちると3年しか生きられぬ」と
 言われております。
 これは戒めの言葉で柿に登る時は気をつけろという意味のようです。

・柿は、体に良いことから「柿が赤くなると医者が青くなる」とも
 言われております。

名言格言
・貧乏柿の核沢山→「貧乏人の子沢山」と似たような意味で、
「渋柿の核沢山」「痩柿の核沢山」があります。

・牛蒡の種蒔きは柿の葉三枚→柿の若芽がやっと出るか
 出ないかの頃が牛蒡の種蒔き時です。

・柿の皮は乞食に剥かせ、瓜の皮は大名に剥かせよ→柿の皮は薄く、
 ウリの皮は厚くむくとよいという教え。
 貧しい人は少しでも多く食べようと思うので皮を薄くむき、
 鷹揚な大名は厚くむくということ。

・青柿が熟柿弔う→熟した柿が落ちたのを、まだ青い柿が弔うこと。

・青い柿もいずれは熟して落ちていく身である。
 たいした違いのない者が、わずかな優劣をもとにあれこれ言う
 ことのたとえ。

・柿の種は囲炉裏に捨てるな 牛が病気になるとか
 柿の種を囲炉裏にくべると暴風雨となる

・桃栗3年柿8年柚子の大馬鹿18年続きは上記掲載

・柿の木百本植えれぱ百石取りと同じ 

カキノキ(柿の木)とはカキノキ科の落葉樹
東アジアの固有種で、特に長江流域に自生
熟した果実は食用とされ、幹は家具材として用いられております。
葉は茶の代わりとして加工され飲まれることがあります。
果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられております。
現在では世界中の温暖な地域(渋柿は寒冷地)で果樹として
栽培されております。

特徴
雌雄同株であり、雌花は点々と離れて1か所に1つ黄白色のものが
咲き、柱頭が4つに分かれた雌しべがあり、周辺には痕跡的な
雄しべがあります。
雄花はたくさん集まって付き、雌花よりも小さい。
日本では5月の終わり頃から6月にかけてに白黄色の
地味な花をつけます。
果実は柿(かき)と呼ばれ、秋に橙色に熟す。
枝は人の手が加えられないまま放って置かれると、
自重で折れてしまうこともあり、折れやすい木として
認知されております。

学名・英語名の由来
日本から1789年にヨーロッパへ、
1870年に北アメリカへ伝わったことから学名にも kaki の名が使われ
英語で柿を表す「Persimmon」の語源はアメリカ合衆国東部の先住民
であるアルゴンキン語族の言葉で「干し果物」を意味する名詞
「ペッサミン」であり、先住民がアメリカガキ(Diospyros virginiana L.)
の実を干して保存食としていた事実に基づきます。
近年、欧米ではイスラエル産の柿(渋抜きした「Triumph」種)が
「シャロンフルーツ(Sharon Fruit)」という名称で
流通するようになったため、
柿は「Persimmon」よりも「Sharon Fruit」という名で
知られております。

生産
国際連合食糧農業機関(FAO)の統計データ
(2005年現在)によりますと、全世界におけるカキの生産量は
256万1732トン。
このうち、72%(183万7000トン)を中国一国が生産されております。
次いで韓国(25万トン)、日本(23万トン)、ブラジル(15万トン)、
イタリア(5万1000トン)、イスラエル(4万トン)となっております。
以上6カ国で生産量の99.8%を占めております。
他にニュージーランド(1300トン)、イラン(1000トン)、
オーストラリア(650トン)、メキシコ(450トン)などの
諸国でも生産されております。
地域別ではアジア州が92%、南アメリカ州(ブラジルのみ)が6%、
ヨーロッパ州(イタリアのみ)が2%という比率になっております。

柿は北海道と沖縄県を除く日本の全都府県で栽培がされており、
柿の栽培面積が多い県は
和歌山県、福岡県、奈良県の順となっております。

日本国内の収穫量
2011年度 20万7500トン
全国1位:和歌山県 4万7200トン(23%)
全国2位:奈良県 2万8600トン(14%)
全国3位:福岡県 1万5300トン(7%)

品種
品種は多く、1000を超えるとも言われるが、
渋柿と甘柿に大別されます。

食用の栽培品種のほとんどが2n = 90の6倍体ですが、
一部の種なし品種(平核無や宮崎無核)は2n = 135の9倍体で、
播種から結実までの期間は長く、ことわざでは8年ともありますが、
接ぎ木の技術を併用すると実際は4年程度で結実致します。
品種改良に際して甘渋は重要な要素で甘柿同士を交配しても
渋柿となる場合もあり、品種選抜の効率化の観点から播種後1年で
甘渋を判定する方法が考案されております。

渋柿は実が熟しても果肉が固いうちは渋が残る柿のことです。
代表的な品種は、平核無と刀根柿(刀根早生柿)で、
平核無は新潟県が発祥になっております。

刀根柿は奈良県天理市の刀根淑民の農園で栽培されていた
平核無が1959年に伊勢湾台風の影響で突然変異したもので、
1980年に品種登録されました。

甘柿は渋柿の突然変異種と考えられており、日本特産の品種です。
未熟時は渋いが熟すに従い渋が抜け、甘みが強くなっていく。
1214年に現在神奈川県川崎市麻生区にある王禅寺で
偶然発見された禅寺丸が、日本初の甘柿と位置づけられております。

なお、中国の羅田県周囲にも羅田甜柿という甘柿が生育しており、
京都大学の調査によると、日本産甘柿の形質発現は
劣性遺伝であるのに対し、羅田甜柿は優性遺伝で、
タンニンの制御方法も全く異なっているとわかっております。

甘柿は、熟せば常に甘みを持つ完全甘柿と、種の有無・多少により
成熟時に渋が残ることがある不完全甘柿に分類できます。

渋が残ることがあることから、不完全甘柿を渋柿の一種に
含めることもあります。

完全甘柿の代表的な品種は、富有と次郎。
富有は岐阜県瑞穂市居倉が発祥で原木があります。

次郎は静岡県森町に住んでいた松本次郎吉に由来します。
不完全甘柿の代表的な品種は、上記の禅寺丸や愛知県が
発祥の筆柿などがあります。

主な完全甘柿 富有、次郎、太秋、愛秋豊、御所、伊豆、早秋、
貴秋、晩御所、花御所、天神御所 主な不完全甘柿 禅寺丸、筆柿、
西村早生、黒柿 主な渋柿 甲州百目、蜂屋、富士、江戸柿、平核無、
刀根柿(刃根早生柿)、西条柿、市田柿、四つ溝、会津身知らず、
堂上蜂屋柿形状はトマトのように横長なもの(平核無など)と、
ドングリや砲弾のように縦長なもの(甲州百目など)に大別されます。

柿の利用
柿は弥生時代以降に桃や梅、杏子などとともに栽培種が大陸から
伝来したものと考えられており、鎌倉時代の考古遺跡からは
立木の検出事例があり、この頃には果実収穫を目的とした植栽が
行われていたと考えられております。

柿の実
甘柿の果肉ではタンニンが不溶性となっているため生食しますが、
渋柿の果肉ではタンニンが水溶性で渋みが強いため生食できず、
渋柿を食用にするには果肉が軟らかくなった熟柿(じゅくし)に
なるのを待つかタンニンを不溶性にする渋抜きの加工をする
必要があります。
湯やアルコールで渋を抜くことを動詞で「醂(さわ)す」といい、
これらの方法で渋抜きを施した柿は「さわし柿」と呼ばれます。

ほとんどの場合収穫後に渋抜き処理を行いますが、
品種によっては収穫前に樹上で渋抜きを行うことも出来ます。
渋柿のタンニンの性質は品種間で異なっており、
適する渋抜き方法は異なります。

渋抜きの方法
アルコール漬けにする(樽柿)。
アルコールを掛ける。
35度のアルコールを少量振りかけ(20 - 30kgに湯飲み1杯程度)、
容器(何でもよい)に密封して1週間置く。
乾燥させる(干し柿)。あんぽ柿、市田柿は干し柿の一種。
湯抜き(35 - 45℃の湯に浸ける)。
鹿児島県の紫尾温泉など、温泉につけることもある。
米・米ぬかにつける。
炭酸ガス脱渋(大量の渋柿を加工する業務用の方法。
家庭でもドライアイスを使えば可能)。
容器にりんごと一緒に入れ密封して一週間置く

干し柿以外の加工品
生食、干し柿の他に次のような食品に加工されております。

菓子
ジャム
羊羹
ゼリー
チョコレート菓子

ソフトクリーム

ワイン(果実酒)
カレー

このほか朝鮮半島では干し柿、生姜、肉桂からスジョングァという
飲み物を作ります。
また米国には柿プディング(パーシモンプディング)という
伝統料理があります。
製法はクリスマスプディングと似ており、
本来は軟らかく熟したアメリカガキの実を用いられます。

栄養価
ビタミンC、ビタミンA、カロテン、糖質に富む。ただし、
干し柿に加工するとビタミンCはほとんど失われます。

なお、体が冷えるという俗説がありますが、柿の実は果実類の中でも
栄養価が特に高く、実際には体を冷やさない食べ物とされております。

柿に含まれるカリウムには利尿作用もありますが、
食べ過ぎに注意すれば問題はないとされております。

柿の葉
ビタミンC、KやB類といったミネラル分フラボノイドなどを多く含み
血管を強化する作用や止血作用を持つとされるため、
飲用する(柿葉茶)などで民間療法に古くから用いられてきました。

また近年では花粉症予防に有効とされ、従来の茶葉としてだけではなく
成分をサプリメント等に加工され商品化されたものも流通しております。

飲用方法としては、5-6月に収穫した葉を天日で乾燥させ粉末化し
煎じることが一般的になっております。

またその殺菌効果から押し寿司を葉で巻いたり(柿の葉寿司)、
和菓子などの添え物にされることもあります。

柔らかい初春の若葉は天ぷらにして食用にできます。

柿の木
木質は緻密で堅く、家具や茶道具、桶や和傘などの材料として
利用されます。
ただし、加工がやや難しく割れやすいため、建築材としては
装飾用以外には使われておりません。

また、かつてのゴルフクラブ(ウッド)のヘッドには
柿材(特にアメリカガキ)を使った物が多くパーシモンの名で
呼ばれておりましたが、現在では金属製のウッドが普及したために
あまり使われなくなりました。

柿渋
紙に塗ると耐水性を持たせることができ、和傘や団扇の紙に
塗られました。
柿渋の塗られた紙を渋紙と呼びます。
また、塗料としても用いられた。石鹸の原料ともなります。
(柿渋石鹸)。

ヘタ
成熟した果実のヘタを乾燥したものは柿蒂(シテイ、「柿蔕」とも書く)
という生薬で、しゃっくり・鎮咳・鎮吐に用いられております。

過疎の影響
農村の過疎化や、高齢化などで、取られないまま放置される柿の実が増え、
それらがニホンザルやニホンジカなどの野生動物の餌になっている
という指摘があります。
特にツキノワグマは柿の実にひきつけられて人里に出没するという。

柿にまつわる慣用句など
「柿の花」は夏、「柿」・「熟柿」・「木守柿」は秋の季語
なおこの木守柿とはカキノキになった柿の実をすべて収穫せず、
木になったまま残しておく数個の柿の実のことです。

「こもりがき」、「きもりがき」、「こまもりがき」、
「きまもりがき」と読まれております。
このような風習は来年の豊作への祈願であるとも、
野鳥のために残しておくともいわれております。
なお、ユズなどについても同じような風習があります。

こけら落としの「こけら」は「?」と書きますが、
これは音読で「ハイ」と読む画数8画の漢字であり
画数9画の「柿」(かき・シ)とは全く異なる文字です。
しかしながら、この二つの文字を別字とする根拠は明確ではありません。

「桃栗三年柿八年」 と言われ、播種から初回結実までの期間は長い。
「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うことわざがあり、
豊富なビタミン類とミネラルが栄養価摂取の低い時代では
医者いらずの万能薬として重宝されました。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ウィキペディア・その他 より
柿の歴史が古く発祥が日本で在るために俳句・短歌にも多く
詠まれております。
逸話等・・・後に掲載致します。
加筆ございます。

一位の実

2012年10月27日 07時30分30秒 | 花の神話と伝説
〈別 名〉「アララギ」「オンコ」「トガ」「笏の木(しゃくのき)」
 



〈花言葉〉「高尚」「悲しみ」「残念」「悲哀」「慰め」

〈季 語〉「一位の花」は晩春。「いちいの花」「あららぎ」「おんこ」
「一位の実」は秋。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
イチイ(一位、櫟、学名:Taxus cuspidata)
イチイ科イチイ属の植物。
またはイチイ属の植物の総称。
常緑針葉樹。
北海道や北東北の方言ではオンコと呼ばれる。
同属にヨーロッパイチイ T. baccata がある。

属の学名 Taxus はヨーロッパイチイのギリシャ語名 taxos から、
種小名 cuspidata は「急に尖った」の意味。

・西洋では、墓地に植える木・弓矢の材料として使われております。
悲観的な意味の花言葉は、西洋におけるこの木の役割から
 来ております。

・日本では、高官の持つ「笏(しゃく)」の材料となることから
「一位」の名がついたとされております。


・針葉樹。寒さに強く、北海道でも育ちます。
・葉っぱは、とがるが先端は柔らかい。
葉っぱは、左右に並ぶことが多い。
・材は良質で建築材、鉛筆、細工物等に使われております。
・実は9~10月頃に赤くなります。
 赤い皮と身のところは甘いが、中の黒い種子は有毒。
・昔、貴族の持つ「笏(しゃく)」を
飛騨の位山(くらいやま)にあるこの木で作り、
朝廷から官位の「一位」を賜ったことから
「一位」の名になまりした。
また上記から、「笏の木(しゃくのき)」の
別名もあります。
・岐阜県の県の木(一位)

分布
・中国東北部、朝鮮半島、ロシア沿海地方、千島列島、
 サハリン島に分布します。
・日本では北海道から九州にかけて山地に自生し、
 特に東北地方から北海道までの寒冷地帯に群生しております。
 庭木としては、沖縄県を除いた日本全国で一般的に見られます。

特徴
雌雄異株で、高さ20mほどの高木になるが成長は遅い。
樹型は円錐形になります。
幹の直径は50-100cmほどになり、樹皮には縦に割れ目が走ります。

葉は濃緑色で、線形をし、先端は尖っているが柔らかく
触ってもそれほど痛くありません。
枝に2列に並び、先端では螺旋状につきます。

4月ごろ小形の花をつけ、初秋に赤い実をつけます。
種子は球形で、杯状で赤い多汁質の仮種皮の内側におさまっております。
外から見れば、赤い湯飲みの中に丸い種が入っているような感じです。

変種、品種
イチイの変種、品種などとして下記のものがあります。
Taxus cuspidata イチイ
ver. cuspidata f. luteobaccata キミノオンコ
ver. nana キャラボク 'Aurescens' オウゴンキャラ


キャラボク
イチイの変種であるキャラボク(伽羅木)
Taxus cuspidata var. nana は、
常緑低木で高さは0.5?2m、幹は直立せずに斜に立ちます。
根元から多くの枝が分かれて横に大きく広がります。
雌雄異株で、花は春(3?5月)に咲き、
雌木は秋(9?10月)になると赤い実をつけ、味はわずかに甘い。

本州の日本海側の秋田県真昼岳?鳥取県伯耆大山の高山など
多雪地帯に自生致します。
鳥取県伯耆大山の8合目近辺にあるキャラボクの群生地は
天然記念物のダイセンキャラボクとして知られております。
また朝鮮半島にも分布します。

名の由来
キャラボクの材が、香木のキャラ(伽羅)に似ているためですが、
全くの別種です。

キャラボクと通常のイチイを比べた場合。
全体的にはイチイの方が葉が明らかに大きい。
イチイとの最大の違いは、イチイのように葉が2列に並ばず、
不規則に螺旋状に並ぶ点にあります。
ただし、イチイも側枝以外では螺旋状につきますので注意が必要です。

植木
耐陰性、耐寒性があり刈り込みにもよく耐えるため、日本では
中部地方以北の地域で庭木や生垣に利用されます。
東北北部と北海道ではサカキ、ヒサカキを産しなかったため、
サカキ、ヒサカキの代わりに玉串など神事に用いられ、
神社の境内に植えらております。

木材
木材としては年輪の幅が狭く緻密で狂いが生じにくく加工しやすい、
光沢があって美しいという特徴をもっております。
工芸品や机の天板、天井板、鉛筆材として用いられ、
岐阜県飛騨地方の一位一刀彫が知られております。

和名の由来
古代日本(一説には仁徳天皇の時代)では
高官の用いる笏を造るのにこの木が使われました。
和名のイチイ(一位)はこれに由来するという説もあります。

心材が赤いため、赤色の染料にも用いられます。

果実
果実は甘く、そのまま食用にしたり、焼酎漬けにして果実酒が作られます。
しかし種子には有毒アルカロイドのタキシン (taxine) が含まれており、
種子を誤って飲み込むと中毒を起こし、量によってはけいれんを起こし、
呼吸困難で死亡することがあるため注意が必要です。
イチイのタキシンは果肉を除く葉や植物全体に含まれます。

葉はかつて糖尿病の民間薬としての利用例がありますが、
薬効についての根拠はなく、種子と同様有毒であるために
絶対に服用してはなりません。


*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ウィキペディアより

「おんこ」とは・・・
(アイヌ語から) 〔植〕東北地方でイチイ(一位)のこと。広辞苑 第5版
〔植〕東北地方でイチイ(一位)のこと。広辞苑 第6版

蕎麦の花

2012年10月27日 06時41分33秒 | 花の神話と伝説
〈別 名〉 「赤地利蕎麦(しゃくちりそば)」



〈花言葉〉 「懐かしい想い出」「喜びも悲しみも」「あなたを救う」
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
そば【蕎麦】(古名「そばむぎ」の略)
・蓼(たで)科。
一年生作物。
・学名 Fagopyrum esculentum
Fagopyrum : ソバ属
esculentum : 食用になる
Fagopyrum(ファゴフィーラム)は、
ラテン名の「Fagus(ブナ)」と
ギリシャ名の「pyros(小麦、穀物)」の合成語。
三つの角を持つ実がブナの実に似ていることから。

・中央アジア原産。
 東アジア北部とされ、中国・朝鮮から日本に渡来。
  ロシアに多く栽培。
縄文時代より前に渡来しました。

・「おそば」の花と実です。

・”稜(そぱ=角)のある麦”から「そば」になりました。
「蕎麦」の字は漢名から。

・葉はハート形。
・花は夏~秋に咲く。白またはうすいピンク色。
実は三角形で黒くなる。中は白い粉。
白粉花(おしろいばな)の実の粉に似ております。
これがそば粉の原料になります。

・「宿根蕎麦(しゅっこんそば)」は多年草。
(ふつうの蕎麦は一年草)。
葉っぱを食べられる。”そばの芽”
 種を蒔いてから収穫して加工したものが人の口に入るまで
 名前が変わりません。
 ソバは痩せた土地でしか栽培されない救荒作物でした。

・「そばがらの枕」は、そばの実の中の白い部分を
取り除いたあとの黒い殻(から)をたくさん集めて
枕の中にぎっしり入れたものです。


殻が黒くなり、もうじき収穫されて新蕎麦になります。

多くの品種があり夏ソバ・秋ソバに大別します。
茎は赤みを帯び、花は白。
収穫までの期間が短く、荒地にもよく育ちます。
果実の胚乳で蕎麦粉を製します。

薬効
高血圧に効果があることはよく知られております。
ソバ粉に食塩を加えて練ったものを腫れ物に塗ります。

季語 「蕎麦の花」は秋

・一般に穀物は、 イネ科(単子葉類)であるのに対して、
 ソバはタデ科、つまり双子葉類。

 このようにイネ科以外の穀類として、アマランサス(ヒユ科)、
 キノア(アカザ科)等があり、
 これらは擬穀類とよばれております。

利用方法として、主にソバの実の製粉して蕎麦粉として利用し、
それを用いた麺(蕎麦)や蕎麦掻等を食用にします。

特徴
草丈は60?130cmで、茎の先端に総状花序を出し、
6mmほどの花を多数つけます。

花の色は白、淡紅、赤、茎の色は緑、淡紅、濃紅であり、
果実の果皮色は黒、茶褐色、銀色である。
主に実を食用にします。

ソバは、新たに作ったばかりの畑のような痩せた土壌、
冷帯に属するような冷涼な気候、雨が少なかったり
水利が悪かったり致します。
乾燥した土地でも、容易に生育します。
しかも、種まきをしてから2?3ヶ月程度で収穫できることから、
救荒作物として5世紀頃から栽培されておりました。

原産地は、ド・カンドルが中国北部からシベリアという説を提出し、
これが信じられてきましたが、1992年に京都大学のグループが
中国南部で野生祖先種 F. esculentum ssp. ancestrale を
発見したことから、中国南部説が有力となっております。

日長反応の違いから、感光性が弱い夏型、
強い秋型、両者の中間タイプの中間型があり、
中間タイプはさらに夏型に近い中間型、
秋型に近い中間型に分れております。

さらに、栽培形態として、播種期の違いにより春播きの夏蕎麦と
夏播きの秋蕎麦があります。

日本の主産地北海道では年一作で、夏蕎麦、秋蕎麦の
区別はありません。

つまり、北海道のソバは夏型であるが夏蕎麦ではない。
東北以南では、いわゆる夏蕎麦、秋蕎麦に別れ、地域により年に2回、
ないし3回収穫できます。

例えば、北海道の夏型の牡丹そばを本州で夏播きした場合には
秋蕎麦になり、北海道産品種は夏蕎麦にも秋蕎麦にも
利用できる品種群です。

そのため、北海道の新蕎麦も秋の味覚の走りとして最近は
「秋新」と呼ばれております。また、最近、4?5月播種の
春播きソバを春蕎麦と呼ぶ事例がありますが、
夏蕎麦の低質のイメージを回避した呼称であり、
従来通り夏蕎麦と呼ばれるべき作型です。

元は救荒作物である事から安価で流通しておりましたが、
それゆえに1940年代から1960年代にかけての、いわゆる
『緑の革命』による穀物の飛躍的収量増加の恩恵を受けておらず、
現在では他の穀物よりも単位面積あたりの収量が低く、
むしろ流通価格が比較的高価になっております。

1980年代より、新品種の開発が加速化し、
下記の品種群が開発されましたが、
蕎麦の原材料として食味が重視されており、
それとの両立を図る必要があり、
未だ収穫量の大幅向上には至っていない
(ソバは75日程度で成熟する短期作物の故、
やむを得ないという説明がなされる事もありますが、
それが理由なら成熟期間を長期化させて
収量増加を図る事もできるはずですが、そのような品種改良は
行われておりません。
また、ジャガイモなど短期作物で収穫量の多い農作物は存在します。)

休耕田などを利用した栽培が増えておりますので、
日本での生産量は増加傾向ではありますが、
消費量の80%は輸入品であり、その84%が中華人民共和国、
12%がアメリカ合衆国と続き、
カナダからの輸入は1.2%。日本での主要産地は北海道、茨城県、
長野県となっております。
世界での主要産国としては中国、ロシア、ウクライナ、
スロベニアが挙げられます。

食品衛生法によるアレルゲンの特定原材料5品目の一つとして表示が
義務付けられております。

語源
古代日本語ではソバのことを「そばむぎ」、「くろむぎ」と
呼んでおりました。
「そばむぎ」は稜角(物のかど)を意味する古語「そば」と
「むぎ(麦)」が複合した語で、角のある麦という意味です。
後世には「そばむぎ」が略されて「ソバ」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、「ブナ(?)」の古名を「そばのき」、
ブナの実を「そばぐり」というのは、その実の形状が一般のドングリと
異なり稜角を持っていることに由来します。

同様に英語名の「buckwheat」、ドイツ語名の「Buchweizen」もまた、
ブナと似た形の実を付ける小麦のような作物という意味を含む
(英名「buckwheat」=「beech(ブナ、転じて『buck』の形)」+「wheat(小麦)」)。

また、ソバの異称の「くろむぎ(黒麦)」は平安時代以降は使われなくなり、
後にライムギの異称として使われました。

利用
日本においては、縄文時代から食されておりました。
麺状ではなく塊状の「蕎麦がき」・「そばもち」として
食べられておりましたが、江戸時代中期には麺状にした「蕎麦」が
発明され大流行しました。

食用とされるのは実ばかりではなく、幼い茎や葉は、
スプラウト(新芽野菜)としてサラダの材料などとしても
食用となります。このため、家庭でソバを栽培した時などは、
間引きを行った時に、間引いたソバを野菜として利用することも
あります。また、ソバは蜂蜜の蜜源植物としても知られており、
ソバの花からは黒色で鉄分が多く独特の香りを持つ
蜂蜜が得ることが出来ます。
さらに食用以外にも利用され、ソバの実の殻(果皮)は
比較的簡単に取ることが可能であり、
これを蕎麦殻と呼ばれております。
実または蕎麦粉ソバは、主に製粉して蕎麦粉として用いられ、
蕎麦粉は、ソバの実(種実)から殻(果皮)を除き(丸抜き)、
種子の胚乳の部分を粉状にすることで作られております。
こうして作られた蕎麦粉を、さらに加工、加熱して食用に致します。
しかしながら、粉状にはせずに利用されることもある。
例えば、殻を剥いたそば米 は、カーシャ、そば茶に利用されたり、
コメと混ぜて炊いて食べたりも致します。

また、ソバは焼酎の主原料としても使用されることがあります。
ソバが原料として使用された焼酎はそば焼酎 と呼ばれますが、
本項は植物体のソバを扱うので、詳細は焼酎を参考にされたい。

蕎麦殻も枕の内容物等に産業的に利用されます。
詳細は蕎麦殻を参考にされたい。
成分と健康
ビタミンB群、ルチンなどを多く含むとされ、
健康食としてのイメージが強い。
しかし、実や茎にファゴピリン( fagopyrin )という物質を含む為、
食後に日焼けを伴う程度の紫外線(日光)に当たった場合、
光線過敏を起こします。
また、実や蜂蜜を含む食品の摂取や接触、粉末の吸引により、
アナフィラキシーショック等を伴う急性アレルギー症状を
起こすことがあります。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキペディア・その他より
※蕎麦の花に纏わる様々な伝説があるようです
それはまたの機会に致したいと存じます

杜鵑草(ほととぎす)

2012年10月24日 23時13分52秒 | 花の神話と伝説
<花言葉> 「秘めた思い」「秘めた意志」 「永遠にあなたのもの」
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ゆり科ホトトギス属の多年草
学名は「Tricyrtis hirta」
属名の「Tricyrtis(トリキルティス)は、ギリシャ語の「treis(3)と「kyrtos(曲)」が語源で、「3枚の外花被」というところの基部が曲がっていることから」にちなんでおります。
種名の「hirta」は「短い剛毛のある」を意味しております。
・開花時期は、 8/25頃~11/15頃。
・秋に日陰に多く生える。
葉にある斑点は花が咲く頃には消えるようです。
・「杜鵑」とも書きます。
・鳥のホトトギスの方は「不如帰」と書きます。

品種は約20種類ほど自生しその中の10種類は日本固有の種類で自生しております。
山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの半日陰で適度に湿り、しかも水はけが良いところを好んで生育しております。
草丈は30~100cmくらい。 
葉は緑色で楕円形よりも細長く高さが幅より3~4倍くらいある長楕円形をしており葉先は尖っていて交互にほぼ二列に規則正しく並んで葉柄はなく、葉の基部は茎を抱いており両面に軟毛があります。
茎にも短い毛が多く褐色で上向きに生えております。

・日陰の崖地などに生育すると垂れ下がりますが、明るい場所では立つこともあります。
日本では野鳥の「ホトトギス」と見るが、英名は「がまガエルのユリ」。

東アジアを中心に20種ほどが分布しますがそのうち半分が日本に自生しております。
花は葉の付け根に1~3ツついて上向きに開きます。
花には短い花柄があり、漏斗状鐘形で花径は3~4cmくらいです。
茎の元近くから茎の先まで万遍なく花をつけます。
花びらは6枚で、やや斜めに開き、外側は白色で毛があり、内側は全体に紫紅色の斑点があり、基部近くに黄色の斑点が入っております。
3枚の外側の花被片は3枚の内側の花被片に比べて幅が広い。
幅が広い花びらの基部には瘤状の距があり、蜜がたまっております。
花の大きさや斑点の大きさなどに変異があります。
花は4~5日間は咲いて、よく結実して乾いた果実をつけます。
ホトトギス(不如帰)は漢文の古典に由来するものが多い。

名前の由来
・若葉や花にある斑点模様が、鳥のホトトギスの 胸にある模様と似ていることからこの名がつけられました。
かっこう目カッコウ科に分類される鳥の一種で、特徴的な鳴き声とウグイス(鶯)などに托卵する習性で知られているホトトギス(不如帰)の羽毛の斑点と花の模様が似ているために、花にもホトトギス(杜鵑草)という名前がつけられました。

・ホトトギス(不如帰)の異称のうち「杜宇」「蜀魂」「不如帰」は、中国の伝説にもとづております。
・古代の蜀国の帝王だった杜宇は、ある事情で故郷を離れたが、 彷徨ううちにその魂が変化してホトトギス(不如帰)になりました。そのため、ホトトギス(不如帰)は今も「不如帰(帰るにしかず)」と鳴いている、という。
・江戸時代から日本各地に伝わる「厠の中にいるときにホトトギス(不如帰)の声を聞くと不吉である」という迷信の出典も、『酉陽雑俎』および『太平広記』にございます。
・夏目漱石が西園寺公望におくった有名な俳句「時鳥 厠半ばに 出かねたり」も、この迷信をふまえております。
鳥のホトトギス(不如帰)という伝説。
・ 昔、貧乏な兄弟がいた。兄は盲目だった。優しい弟は毎日山へ行って山芋を掘っ
てきては、美味しい部分を兄に食べさせ、自分はまずい部分をこっそりと隠れて食べていた。ところが兄は、弟がもっと美味しいものを食べていると思いこみ、寝ている弟を刺し殺してしまった。ところが弟の腹を割いてみると、出てきたのは山芋の硬くて不味い部分ばかりだった。兄は後悔し、ホトトギス(不如帰)になってしまった。そして「弟恋し」と鳴くようになった。

この伝説は全国的に知られておりますが、
土地によってホトトギス(不如帰)の鳴き方が違っているようです。
鳥取県や新潟県では
「ホトトギスが鳴き始めると山芋が芽を出す」というそうだが、ホトトギス(不如帰)は使者の言葉を伝える鳥とも考えられていたようです。
・日本の古典文学では、激情的ともいえる囀りに仮託して、古今ホトトギス(不如帰)の和歌が数多く詠まれすでに万葉集にも見ることができます。
鳴き声が聞こえ始めるのとほぼ同時期に花を咲かせる橘や卯の花と取り合わせて詠まれることが多いようです。
他にも夜に鳴く鳥として珍重され、その年に初めて聞くホトトギス(不如帰)の鳴き声を忍音といって、これも珍重されました。
・平安時代中期の女流作家、「清少納言」により執筆されたと伝わる随筆の「枕草子」ではホトトギス(不如帰)の初音を人より早く聞こうと夜を徹して待つ様が描かれております。
平安時代以降には「郭公」の字が当てられることも多いようです。
これはホトトギス(不如帰)とカッコウ(郭公)がよく似ていることからくる誤りによるものと考えられております。
花の種類
ふつうに見かける「台湾(たいわん)杜鵑」や、
花の黄色い、
「玉川(たまがわ)杜鵑草」
「黄花(きばな)の杜鵑草」
「黄花(きばな)の突抜(つきぬき)杜鵑草」
「高隈(たかくま)杜鵑草」や、
その他、
「山杜鵑草」「山路の杜鵑草」など。
・9月12日の誕生花(杜鵑草)

特徴のまとめ
・山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの、日当たりの弱いところに自生します。
・葉は互生し、楕円形で長く、葉脈は縦方向で、表面には毛が生えます。
・花期は初夏から秋にかけてで、雌雄同花で上向きに咲き、
 花弁が 6枚で直径数cm程度のもので 2?4日程度咲くことが多い。
ジョウロウホトトギス類は黄色く下方向に向く釣鐘型の花を 4?5日ほどつけるものが多い。
分布
東アジア(日本、台湾、朝鮮半島)に分布し、19種が確認されております。
そのうち日本では 13種(変種を除く)が確認されており、うち 10種は日本固有種です。
日本列島を中心に分布していることから、日本が原産であると推定されております。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
種類につきましては省きました。
ウィキペディア その他より 転載
訂正や加筆の可能性ございます。

胡桃

2012年10月24日 22時18分15秒 | 花の神話と伝説

〈花言葉〉 「知恵」「謀略」「野心」「知性」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
クルミ(胡桃、山胡桃、英: Walnut、Black walnut、学名:Juglans)
クルミ科クルミ属の落葉高木の総称。
また、その核果の仁を加工したナッツ。
仏語ではノア (noix) 。
木材としてはウォールナット。

・原産地はヨーロッパ南西部からアジア西部とされ、
北半球の温帯地域に広く分布します。
樹高は8mから20mにおよびます。
日本に自生している胡桃の大半はオニグルミといい、
核はゴツゴツとして非常に硬く、種子(仁)が取り出しにくい。
なお、クルミとして利用されるのはクルミ属の
植物の一部にすぎません。


生産はアメリカ・カリフォルニア州と中国が多く
・日本では長野県東御市(旧長野県小県郡東部町)が
クルミの生産量日本一です。
5月から6月にかけて開花し、その後に直径3cm程度の仮果と
呼ばれる実を付けます。
 仮果の中に核果があり、その内側の種子(仁)を食用とします。
 脂質が70%を占め、ビタミンEも多い。
食用としての利用は古く、紀元前7000年前から人類が
食用としていたとも言われております。
・日本では縄文時代から種実の出土事例があり、
オニグルミを中心に食料として利用されていたと考えられております。
・文献資料においては『延喜式』に貢納物のひとつとして
記されているほか、『年料別貢雑物』では甲斐国や越前国、
加賀国においてクルミの貢納が規定されており、平城宮跡出土の
木簡にもクルミの貢進が記されております。
・アメリカでは子孫繁栄の意味を込め、結婚式の際に
クルミを撒く習慣があります。
非常に硬く簡単には割れないため、
専用のクルミ割り器(クラッカー)もあります。
なお、クルミ割り人形は、これを人形の頭にして顎に
クルミを挟ませ、噛み割るように見せるものです。
・他に、手のひらにクルミを握り込んで転がすのが握力の鍛錬に
なるほか、老化の防止になるなどの効用もあります。
オニグルミはハンマーを使わないと割れませんが、
シナノグルミ(菓子クルミ)やヒメグルミは核果同士を縦筋に合わせて
手の腹で押したり握り潰せば、容易に割れます。

木材およびその利用
木材としては、日本国内でも「ウォールナット」という名称で
扱われております。
北アメリカやカナダで産出されており、チークやマホガニーと共に
世界三大銘木の一つに数えられております。
1660年から1720年にかけ、ヨーロッパ市場ではイギリスデザインや
ウォールナット種の製品が大きな人気を博し、ヨーロッパ家具の歴史では
「ウォールナットの時代」と呼ばれるほど持て囃されました。
木質は重硬で衝撃に強く、強度と粘りがあり、狂いが少なく
加工性や着色性も良いという特性を持ちます。
落ち着いた色合いと重厚な木目から、高級家具材や工芸材に
用いられてきました。
アメリカ合衆国大統領の指揮台やアメリカ合衆国最高裁判所の
ベンチに使用されるほか、耐衝撃性の強さを生かして
ライフルの銃床にも使用されております。
また、チップは薫製づくりの際のスモークチップとしても用いられます。

以上ような需要の高さから持続的な伐採が行われた結果、
資源が枯渇ぎみであり、現代ではクルミ材は高級木材となっております。


含まれる種
食用とされるもの
オニグルミ(鬼胡桃)Juglans mandshurica var. sachalinensis,
(Syn. Juglans ailantifolia)
ヒメグルミ(姫胡桃)Juglans mandshurica var. cordiformis,
(Syn. Juglans ailantifolia var. cordiformis)
シナノグルミ(菓子胡桃、テウチグルミ) Juglans regia,
(Syn. Juglans regia var. orientis)
その他 クルミ科のヒッコリー
(英:hickory、中:美国山核桃、学名:Carya spp.)の材は、
ドラムスティックの材料に多く使われております。
また、スキー板や杖など運動器具のほか、食品の燻煙にも
用いられております。

「くるみ餅」の地域性
仙台などで「くるみ餅」といえばくるみ餡で和えた餅を指しますが、
大阪などにおける「くるみ餅」は植物のくるみではなく、
餅を餡で「くるむ」という語源であり、ここで用いられる餡は
主に大豆餡のことです。
また、高級化を図って枝豆餡で作られることも多く、
その場合の「くるみ餅」はずんだ餅に酷似しております。

その他
北欧神話には、女神イズンがクルミの実へ変えられる話があります。
クルミはニセアカシアやイタチハギなどとともに植物の病害でもあり、
リンゴ炭疽病(人畜に感染する炭疽病と全く無関係)の
伝染源になりやすく、リンゴなど果樹栽培のさいには伐採するなど
植生に注意が必要です。

クルミは良質な材木で、昔は各国で小銃の台にも使われておりました。
また、胡桃の実の皮から出る汁は、黒にするための染料として
使われております。ちなみに、クルミはウォールナッツと言う名で
売られておりますが、本当は果実ではなく、、種ということです。

花言葉より
神話と伝説
・ロシアのことわざで「犬と嫁とクルミの木は叩けば叩くほどよくなる」と
 言うのがあるそうです。
・クルミの木を罵りながら叩き、悪魔を追い出せば収穫量が増える
 と言うのもあるそうです。
・ギリシャ神話では、酒の神ディオニュソスの悲恋話で登場します。
 この神が浮気をするとはとても思えませんが、
 アリアドネと知り合う前か後かは、残念ながら把握する事ができません。
 また、クルミはギリシャ語でカリヨンと呼ばれており、クルミの実の皮が
 カリ(ギリシャ語で「人間の脳」と言う意味だそうです…)に
 似ているところからつけられているそうです。

 ギリシャのラコーニアに、カリュアと言う美しい娘がいました。
 酒の神・ディオニュソスはカリュアが好きでしたが、
 その恋は実らずして終わったようです。
 と言うのは、カリュアはある日病気になり、
 それが原因で死んでしまったのです。
 ディオニュソスは、とても悲しみ、カリュアの魂を胡桃の木に
 宿らせました。そして、その木を眺めては彼女を思い出していたのです。
 それを見ていた(らしい)出産の女神が、ラコーニアの人々に
 その事を知らせたので、人々はカリュアのために神殿を建てたそうです。
 …ギリシャ神話からでは、解釈するのに無理があるのは明らかですね。
 以前の花言葉と同じく、今回も他の花物語を使って行く事にします。
・アイヌ神話の話です。
 ポノオキキリムイと言う神が、川上に遊びに行きました。するとそこに、
 クルミの弓と矢を持った、黒衣の美しい魔人の少年がいました。
 魔人の子がクルミの弓矢で水源を射ると、鮭達は引き返していきました。
 彼らはクルミの水が苦手だったのです。
 それを見て怒ったポノオキキリムイが、銀の弓矢で水源を射ると、
 鮭達がまた川をのぼってきました。
 それを見た魔人の子は、今度は胡桃の弓矢で鹿を全滅させようと
 大空を射ました。が、ポノオキキリムイが銀の弓矢で大空を
 射たので、元に戻りました。
 二人はしばらく力比べをしていましたが、魔人の子が地獄に落ちて、
 勝負は終わりました。
 …この神話では、小さいオキクルミが語ったとされています。

 まず、最後の「野心」と言う言葉から。
 アイヌ神話で出てきた魔人の子は、最初は遊びのつもりで水を打ったのでしょう。
 ところがポノオキキリムイが台無しにしてしまい、多分
 その事に怒りを覚えたのだと思います。
 で、仕返しとばかりに天空を撃ったのでしょう。
 が、またしても邪魔されてしまう。
 その悔しさから野心が芽生え、彼はポノオキキリムイと
 対決したのだと思われます。
 「―クロムウェルよ、汝に命ずる。野心を投げ捨てよ。神の使いでさえ、
 その罪のために堕落したのだ…」
 …と言う、シェークスピアの言葉があります。
 魔人の子は野心を持ってしまったがために、地獄に落ちてしまったのでしょう。
 
 また、あまりにも捻じ曲がった解釈ですが、ポノオキキリムイは
 最初から相手を地獄に落とそうと考えていたのかもしれません。
 つまり、一種の「謀略」です。
 
・最後に、語り部とされていたオキクルミについて。
 このクルミは、多分2人の一部始終を見ていたのでしょう。
 でも、あえて止める事はしなかった。クルミは鮭達の苦手な物で、 
 魔人の子はクルミの弓矢を持っている。
 オキクルミが出て行けば、間違いなく魔人の味方とされてしまうでしょう。
 ポノオキキリムイに射殺されるかもしれません。その事を考えれば、
 このオキクルミはなかなかの知恵者だと思います。
 知性も持ち合わせている事も確かです。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキペディア その他 より

胡桃については更に物語があるように思えますが、今回はここまでに致します。
加筆の可能性ございます。

夏芽(なつめ)棗

2012年10月24日 21時47分25秒 | 花の神話と伝説




*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

・黒梅擬(くろうめもどき)科。
・学名 Zizyphus jujuba var. inermis
Zizyphus : ナツメ属
inermis : とげのない

・被子植物門 Magnoliophyta
・双子葉植物綱 Magnoliopsida
 バラ亜綱 Rosidae
・クロウメモドキ目 Rhamnales
 クロウメモドキ科 Rhamnaceae
・ナツメ属 Ziziphus
 ナツメ Z. jujuba

花言葉の由来
果実がおやつになるだけでなく、さまざまな薬効をもつので、
花言葉は「健康の果実」です。

落葉小高木。
原産は中国とされております。
高さ約6メートル、枝分れしてこんもりした樹形。
葉は卵形で3条の葉脈が明瞭。
夏、葉腋に黄白色の花をつけ、花後、核果を結び、暗赤色に熟す。
食用・強壮剤。材は細工物。

葉の付け根に目立たない花が咲きます。

・原産地は中国から西アジアにかけてであり、
 日本への渡来は奈良時代以前とされております。

・光沢のある茶色の実ができています。
 古代中国では、桃、李、杏、棗、栗を「五果」と呼び、
 重要な果物とされておりました。
 特に北方地域においては、棗は栗とともに救荒食として
 栽培されたそうです。

青い実を齧るとシャリっとして少し甘く、
林檎のように水気があってパリッとはしません。
実が鉄色になると熟して風でよく落ちます。

・因みに茶道に使う抹茶を入れる木製の器も棗と云いますが
・花言葉は『健康の果実』とあり漢方薬として動悸・息切れ
 不眠・血圧などに有効といわれております。

和名の由来夏に入って芽が出ること(夏芽)に由来します。

果実は乾燥させたり(干しなつめ)、菓子材料として食用にされ、
また生薬としても用いられます。

ナツメヤシは単子葉植物であり遠縁の別種。
果実が似ていることから。
英語ではjujube または Chinese date(中国のナツメヤシ)と
いわれております。

学名
1753年 - カール・フォン・リンネが Rhamnus zizyphus として記載。
1768年 - フィリップ・ミラーが Ziziphus jujuba[2]として記載。
クロウメモドキ属 (Rhamnus) から分離したので、新しい属名として
リンネによる種小名を属名に昇格(ただしおそらくは何らかの間違いで1文字変わった)
させ、トートニム(属名と種小名を同じにすること)は植物命名では
認められないため新たに種小名をつけました。
1882年 - ヘルマン・カルステンが Ziziphus zizyphus として記載。
 Ziziphus と zizyphus は1文字違うのでトートニムにはならず、
 リンネのつけた種小名が引き続き有効であることを指摘されました。

特徴
葉は互生し、落葉樹らしからぬ光沢があり、3脈が目立つ。
花は淡緑色で小さく目立たちません。
果実は核果で長さ2cmほどの卵型、熟すと赤黒くなり
次第に乾燥してしわができます。
(英語名のとおりナツメヤシの果実に似る)
核には2個の種子を含みます。

同属は多く熱帯から亜熱帯に分布し、ナツメ以外にも食用に
されるものはありますが、ナツメが最も寒さに強い。
中国北部原産で非常に古くから栽培されてきました。

食用
・台湾では棗仔(ゾーアー、注音: ?? ??、?音: cho-a )を
緑色の状態でそのまま果物として食べることが多い。
味は梨のようにさっぱりとした甘さである。
旬は冬から春にかけて。
核には1個の大きめな種子を含んでおります。

・韓国では、薬膳料理として日本でも知られるサムゲタンの
材料に使われるほか、砂糖・蜂蜜と煮たものを「テチュ茶(ナツメ茶)」
と称して飲用されております。

・欧米には19世紀に導入されキャンディ(当初はのど飴)の
材料として使われるようになりました。
また葉に含まれる成分ジジフィンZiziphinは、
舌で甘味を感じにくくさせる効果があります。

乾果の砂糖漬を高級の菓子として賞味されております。

生薬
ナツメまたはその近縁植物の実を乾燥したものは大棗(たいそう)
種子は酸棗仁(さんそうにん)と称する生薬である
(日本薬局方においては大棗がナツメの実とされ、酸棗仁が
サネブトナツメの種子とされております。)

・大棗には強壮作用・鎮静作用が有るとされております。
甘味があり、補性作用・降性作用があります。
葛根湯、甘麦大棗湯などの漢方薬に配合されております。
生姜(しょうきょう)との組み合わせで、副作用の緩和などを目的に
多数の漢方方剤に配合されております。

・酸棗仁には鎮静作用・催眠作用が有るとされております。
酸味があり、補性作用・降性作用があります。
酸棗仁湯に配合されております。

その他
庭木や街路樹としても用いられております。
茶器にも「棗」があるが、これは形が棗に似るためです。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ウィキペディア・その他 より
加筆の可能性があります。 

大角豆(ささげ)

2012年10月16日 16時10分48秒 | 花の神話と伝説
〈別 名〉 「ナガササゲ」「ハタササゲ」



〈花言葉〉 「恥じらい」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

原産地:アフリカ、
学名:Vigna unguiculata
英名:Cowpea
和名:ササゲ(大角豆)
目名:マメ目
科名:マメ科
亜科:マメ亜科
属名:ササゲ属
草丈:200cm~400cm
開花期:9月~10月
種まき期:5月~6月
植え付け期:5月~6月

ササゲ(大角豆、Vigna unguiculata)はマメ科の一年草。
つる性の種類とつるなしの種類とがあります。

主に旧世界の温暖な地方で栽培されております。
南米では繁栄と幸運を呼ぶ食物と考えられ、
正月に食べる風習があります。
樹木の形状は低木であり、直立ないし匍匐(ほふく)します。
枝を張ったり、からみついたりと、成育の特性は多彩

語源
・莢(さや)が上を向いてつき物をささげる手つきに
 似ているからという説
・莢を牙に見立てて「細々牙」と言ったという説、
・豆の端が少々角張っていることからついたという説など

特徴
藤色、紫、ピンクなど様々な色の花をつけます。
花の形は蝶形花です。

穀物用種は、さやが10-30cmで固く、
豆は1cm程度の腎臓形で、
白・黒・赤褐色・紫色など様々な色の斑紋をもちます。
白い豆には一部に色素が集中して黒い目のような姿になるため、
ブラック・アイ・ピー(黒いあざのある目を持つ豆)と呼ばれております。
つる性種は草丈が2mから4mになるのにたいし、
つるなし種の草丈は30cmから40cm。
ナガササゲと呼ばれる品種は100cmに達します。
耐寒性は低いが、反面暑さには非常に強い。

日本では、平安時代に「大角豆」として記録が残されております。
江戸時代の『農業全書』には「豇豆」という名前で
多くの品種や栽培法の記述があります。
また、アズキは煮ると皮が破れやすい
(腹が切れる=切腹に通じる)のに対し、
ササゲは煮ても皮が破れないことから、江戸(東京)の武士の間では
赤飯にアズキの代わりに使われるようになりました。

ササゲを用いた料理
加熱したササゲを冷却し、微塵切りにしたニンニクや
ビネグレットソースを添えたテキサスキャビアと呼ばれる料理があります。
他、豚肉、米、タマネギなどと併せて煮る。

市販のパック赤飯には、小豆の代わりにササゲを用いている品もあります。
 
秋の季語
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキペディアより転載
必要に応じて加筆致します。

糸瓜(へちま)

2012年10月15日 17時10分28秒 | 花の神話と伝説


〈花言葉〉  「悠々自適」「剽軽(ひょうきん)な」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ヘチマ(糸瓜、天糸瓜、学名:Luffa cylindrica (L.) Roem.、
シノニムLuffa aegyptica Mill.)はインド原産のウリ科の一年草。
また、その果実のこと。
日本には江戸時代に渡来したといわれております。

本来の名前は果実から繊維が得られることからついた糸瓜(いとうり)で、
これが後に「とうり」と訛りました。
「と」は『いろは歌』で「へ」と「ち」の間にあることから「へち間」の意で
「へちま」と呼ばれるようになりました。
今でも「糸瓜」と書いて「へちま」と訓じます。
沖縄ではナーベーラーと呼ばれるが、これは果実の繊維を
鍋洗い(なべあらい)に用いたことに由来するといわれております。

特徴
つる性の植物。
巻きひげで他のものに絡みつきながら生長します。
花期は7 - 9月。雌花と雄花に別れており、
直径8cmほどの黄色い花を咲かせます。
自家和合性で同一株で受粉が可能。

果実は細長く、大きなキュウリのような形をしております。
若い果実は食用に、成熟した果実は強い繊維が発達するので
たわしなどに用いられます。
果実は成熟後、次第に乾燥し、種子の周囲が繊維で支えられた
空洞となります。
その頃になると果実の先端が蓋のように外れ、
果実が風でブラブラと揺れるたびにここから遠心力で
種子が振り出され、飛び出します。
原産地で野生植物であったときには、こうして一種の
投石器のような機構で種子散布を図っていたと考えられます。

有用植物としてのヘチマ
食用 繊維が未発達の若い果実には独特の風味があり、
固い皮を剥いて加熱すると甘味のある液が出ます。
汁物や煮物などに用いるほか、台湾では小籠包の具としても
使用されております。
日本では主に南西諸島と南九州で食べられております。
沖縄では味噌味の蒸し煮であるナーベラーンブシーとして食べるほか、
シチューやカレーなどの洋風料理にも用いられております。
南九州では煮物や焼き物などにし、味噌汁の具になることが多い。
へちま水 秋に実が完熟したころ、地上30cmほどのところで蔓を切り、
切り口を容器に差し込んでおくとたまる液体を「へちま水」といいます。
化粧水として用いるほか、民間薬としては飲み薬や塗り薬として
用いられます。
飲み薬としては咳止め、むくみ、利尿に効くとされ、塗るとあせも、
ひび、あかぎれ、日焼け後の手当てにも効くとされております。
含有成分は、ヘチマサポニン、硝酸カリウム、ペクチン、タンパク質、
糖分等です。

正岡子規の句「痰一斗糸瓜の水も間に合わず」はこの咳止めの
効能に関わるものです。
そのままでは防腐剤が入っていないため腐りやすいので煮沸、
濾過をして冷蔵庫にしまい、使う時だけ取りだすと長持ち致します。
タワシ 晩秋に茶色くなった果実を、水にさらして軟部組織を腐敗させて
除き、繊維だけにして、タワシを作ります。
果実の先端(雌しべのある方)を地面などに軽く叩きつけて、
蓋のようになっている部分を開いて取り除いて水にさらします。
他にも、完熟して乾燥した果実の皮を剥いて中身の種を取り出す方法のほか、
煮て中身を溶かして作ったり、酵素剤を使って中身を溶かす方法で
作ることができます。
産地には、江戸時代から静岡県浜松市・袋井市があります。
学習教材 1年で発芽、開花、受粉、結果、枯死し、雄花と雌花によって
他家受粉することから、日本では小学校の理科教材として
使用されております。

近縁種
トカドヘチマ トカドヘチマ(Luffa acutangula (L.) Roxb.)の
果実にはとても硬い筋があり、そこから名前がつけられました。
野菜としての用途が主たる栽培目的です。
トカドヘチマの葉と茎にはナッツ系の独特の臭気があります。
タワシを作る場合は、完熟乾燥すると果実が硬く加工が難しく
なりますので、やや緑がかった状態が適しております。
繊維採取用の種類より幾分果実が小さく、15 - 40cm程度です。
小さい果実であれば原型を活かしたままタワシにすることができます。

・瓜(うり)科。
・学名 Luffa aegyptiaca
Luffa : ヘチマ属
aegyptiaca : エジプトの
Luffa は、「ヘチマ」の昔のアラビア名。

「へちま」の名の由来
・ 実(み)が繊維質なところから
「糸瓜(いとうり)」と呼ばれ、さらに、「糸瓜(いとうり)」の
 「と」は、
”いろはにほへとちりぬる・・・”の 「へ」と「ち」の間に
 あることから、
”「へ」と「ち」の間” →”「へ」「ち」間”→ へちま

「痰(たん)一斗 糸瓜の水も 間に合はず」
「糸瓜咲いて 痰のつまりし 仏かな」
「をととひの へちまの水も 取らざりき」
(正岡子規)

上記3首は子規の辞世の三句と言われております。
子規が亡くなったのは1902年9月19日。
子規の命日9月19日は
「糸瓜忌(へちまき)」と呼ばれて秋の季語にもなっております。

・繊維の多い実をつけることから「いとうり」と呼ばれ、
 次第になまって「とうり」となり、
「と」は、「いろは四十七文字詩」では「へ」と「ち」の間で
 あることから、 「へち間(ま)」の名になったという説もございます。

西アジア地方原産で、日本には江戸初期に中国から渡来。
夏から秋にかけて黄色い花が咲き、その後、筒型の長い実がなります。

花言葉の由来
花言葉「悠々自適」は、茎に気持ちよさそうにぶらさがった実に、
ぶらりとして自分の思いのままに暮らしていることの喩えかと・・

花言葉「剽軽な」は、ぶらんと垂れさがる大きな実が風に揺れる様子が
剽軽なことを表しています。

ヘチマ(糸瓜、天糸瓜、学名:Luffa cylindrica (L.) Roem.、
シノニムLuffa aegyptica Mill.)はインド原産のウリ科の一年草。
また、その果実のこと。
日本には江戸時代に渡来したといわれております。

本来の名前は果実から繊維が得られることからついた糸瓜(いとうり)で、
これが後に「とうり」と訛った。
「と」は『いろは歌』で「へ」と「ち」の間にあることから「へち間」の意で
「へちま」と呼ばれるようになりました。
今でも「糸瓜」と書いて「へちま」と訓じる。
沖縄ではナーベーラーと呼ばれるが、これは果実の繊維を鍋洗い(なべあらい)
に用いたことに由来するといわれております。
ウィキ・その他より転載

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
糸瓜から正岡子規の糸瓜忌が想起されます。

弟切草(おとぎりそう)

2012年10月11日 19時09分32秒 | 花の神話と伝説
〈別 名〉 「薬師草(ヤクシソウ)」「青薬(アオグスリ)」



〈花言葉〉  「迷信」「秘密」「盲信」「信心」「恨み」「敵意」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

オトギリソウ科の多年草。
山野に自生。高さ30~60センチメートル。
葉は茎を抱くようにつき、黒色の油点があります。
夏、茎頂に数個の黄色五弁の小花を開きます。
花の寿命は一日で、日中だけ咲きます。
原産地 日本
草丈 30~80センチ
花期 7~9月
花色 黄色
学名
Hypericum erectum


・茎葉をもんで傷薬とします。
 また、干したものを小連翹(しようれんぎよう)といい、止血・洗浄
 うがい薬とし、関節炎にも用いられます。

・「西洋オトギリソウ」は「セントジョーンズワート」の名で、
 サプリメントやアロマテラピーに使われております。

名前の由来昔、この草を、鷹の傷を治す秘薬としていた鷹匠がいた。
草のことは「秘薬」として決して口外しなかった。

ある日、鷹匠の弟が草のことを他人に話した。
それを知った兄は、激怒のあまり弟を斬り殺してしまった。

その時、弟の血潮がこの草に飛び散り、

「弟切草」の名がついたという。

斬られた弟の血潮を思わせるような、
黒褐色の細かい斑が葉に散らばっている

薬効
葉をもんで切り傷につけて血止めにします

葉の表面に褐色の油点が見られますが、これはヒペリシンという
光作用性物質で、これを摂取した後に日光に当たると
皮膚炎や浮腫を生じます。

またオトギリソウにはタンニンが多く含まれており、
全草を乾燥させたものを小連翹(しょうれんぎょう)と称して
生薬として用います。

基本的には薬草であり、タカノキズグスリ(鷹の傷薬)、
チドメグサ(血止め草)などの悪いイメージのない異名も持ちます。
(同様に民間療法で傷薬として使うチドメグサは別種に存在する)。

季語 秋

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
正直申しまして 名前の由来にはうんざり致しました。
調べますと 必ずやその由来が出て参ります。
それだけ知られており、劇的な内容だったのでしょう。


2012年10月09日 15時54分53秒 | 花の神話と伝説
〈別 名〉 「紅葛」



〈花言葉〉 「私を思って」「媚び」「誹謗」「傷」「不信」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
キク亜綱 Asterdiae
アカネ目 Rubiales
アカネ科 Rubiaceae
アカネ属 Rubia
アカネ argyi

蔓性の茎の先に小さな花びらを反り返らせたアカネが、
道端に群がっております。
 昔は、根を茜染めの染料に利用しました。

「あかね【茜】:
アカネ科の蔓性多年草。
山野に自生し、根は橙色。
茎は四角く中空でとげがあります。
各節に四葉を輪生し、秋、白色の小花をつけます。
根から染料を採ります。
生薬名を茜根せんこんといい、通経薬・止血薬。茜草。 (広辞苑)より

科名
アカネ科アカネ属
学名
Rubia argyi
Rubia akane Nakai
Rubia cordifolia L. var. mungista Miq.
薬効
鼻血や慢性気管支炎に効果があります。
季語  秋

アカネ(茜、Rubia argyi)はアカネ科のつる性多年生植物。
分布は中国、朝鮮半島、日本。
日本では本州、四国、九州に分布し、
路傍や林の縁などでよく見かけることができます。
根は乾燥すると赤黄色から橙色となり、
赤い根であることからアカネと名づけられたといわれております。
シノニムR. akane。

形態
四角い茎には細かいとげがあり、
葉はハート型で4枚輪生しますが、そのうち二枚は托葉が
変化したもので(偽輪生)実際は対生です。
見分けるには枝分かれを見ればよく、枝が出ている方向の葉と
その向かいの葉が本当の葉で、違う2枚が托葉の変化した葉です。
春になると根から芽を出し、成長します。
花期は夏から秋にかけてで、目立たない小さな花が咲きます。
晩秋には黒い果実をつけ、
冬にはほとんど地上部は枯れてしまいます。

アカネの花は多数分岐した枝の先に咲きます。
果実は1つ、たまに2つくっついてできます。
中には軟らかい果肉とやや硬い種子が一つ入っております。
種子からの発芽は大体2月下旬から3月ごろ。

利用方法
アカネの名は「赤根」の意で、その根を煮出した汁には
アカネ色素が含まれております。
これを使った草木染めが古くから行われており、茜染と呼び、
また、その色を茜色と呼ばれております。
このほか黒い果実も染色に使用できるといわれております。

現在では、アカネ色素の抽出には
同属別種のセイヨウアカネ(西洋茜、R. tinctorum)が
用いられることがほとんどです。
セイヨウアカネは常緑で、葉は細長く6枚輪生。
根が太く、アカネより収量が多い。
色素の構成物質がアカネとは若干異なります。

染色用途のほかには、秋に掘り起こした根を
天日で十分乾燥させたものを茜草根(せいそうこん)として、
生薬に用いられます。

アカネの文化
日本では紅花(ベニバナ)よりも古くから
赤色の染料として用いられておりました。

ヨーロッパでも昆虫学者のジャン・アンリ・ファーブルが
アカネ染色法の特許をとるなど、
近代まで染料として重要視されておりました。

学名(属名+種小名)Rubia argyi(Rubia akane)
名前の由来
・属名のRubiaはラテン語のruber(赤)に由来しております。
 東西ともにこの仲間が赤い色素を取るのに用いられた事を
 表わしているといわれております。
・黄赤色の根が茜染めの原料として使われた事に由来します。
 茜色とは黄赤色または暗赤色を指し茜雲、
 茜色の空など空 の色を形容する事が多い。
 そして「あかねさす」は茜色に鮮やかに照り映える意から、
 「日」「昼」「紫」「君」などにかかる枕詞 として使われました。

あかねさす日は照らせれどぬばたまの
          夜渡る月の隠らく惜しも 〈万葉集169〉

あかねさす紫野行き標野(しめの)行き
          野守は見ずや君が袖振る 額田王〈万葉集20〉

アカネの根の紅色素はプルプリンで古くは
石灰を媒染剤として染料に用いられました。
プルプリン (purpurin) は赤 または黄色の染料で
アカネ色素にアリザリンなどと共に含まれます。
エタノールに溶かすと赤く、
アルカリ性の水溶液に溶かすと黄 色くなります。
茜は藍と並んで世界最古の植物性染料で、
日本でも吉野ヶ里遺跡から茜染めの絹布が見つかっております。


*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
茜の花、今の時期晩秋になりますと茜の実が成ります。
楽しみですね。

金木犀

2012年10月08日 20時28分56秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉 「木犀花(もくせいか)」「桂花」



〈花言葉〉  「謙遜」「真実」「変わらぬ魅力」「陶酔」「初恋」
       「謙虚」「真実の愛」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
被子植物門
双子葉植物綱
合弁花亜綱
モクセイ目
モクセイ科
モクセイ科 常緑小高木
原産地 中国
高さ 4メートル前後
花期 9~10月
花色 オレンジ色
別名 木犀花(もくせいか) 桂花
モクセイ属
・学名 Osmanthus fragrans
var. aurantiacus
Osmanthus : モクセイ属
fragrans : 芳香のある
aurantiacus : 橙黄色の
Osmanthus(オスマンサス)は、
ギリシャ語の
「osme(香り)+ anthos(花)」
が語源。
・開花時期は、 9/25頃~10/10頃。
10月中旬頃に別の枝先の花が咲いて
「再びあの香りが♪」ということもあります。

中国原産の花木。
・ 雌雄異株で、日本にあるのは雄株のみとされる。
・大気汚染に弱く、また葉が汚れていると
 花芽のつきが悪いことがあります。
・種としての「モクセイ」は、花が白色の「ギンモクセイ」のことを指し、
 キンモクセイはその変種という扱いです。
・キンモクセイのお酒「桂花陳酒」は、白ワインにキンモクセイの花を
 3年ほど漬けたリ キュール。
・「トイレの芳香剤の香りと言えばこの花」というイメージも
 一時ありましたが、1990年代以降は、
 ほとんど見られなくなりました。

・キンモクセイ(金木犀、学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus)
 モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で、
 ギンモクセイの変種。
・中国南部が原産で江戸時代に渡来しました。
 中国では正しくは丹桂がこれに当たりますが、一般には桂花の名で
 呼ばれることがあります。
 しかし桂花は木?属におけるひとつの種名であり、
 金桂(ウスギモクセイ)、銀桂(ギンモクセイ)
 などを含む全ての亜種・変種・品種を総括するものでなのです。

特徴
主に庭木として観賞用に植えられております。
秋になると小さいオレンジ色の花を無数に咲かせ、芳香を放つ。
芳香はギンモクセイよりも強い。
雌雄異株ですが、日本では雄株しか入っていないので結実しません。
雄しべが2本と不完全な雌しべを持ちます。
花冠は白ワインに漬けたり(桂花陳酒)、
茶に混ぜて桂花茶と呼ばれる花茶にしたり、
蜜煮にして桂花醤と呼ばれる香味料に仕立てたりされております。

また桂花蟹粉(芙蓉蟹の別名)、桂花鶏絲蛋、桂花豆腐、
桂花火腿などのように鶏卵の色をキンモクセイの花の色に見立てて
名づけられた卵料理は多く、正月用の菓子である桂花年?のように
 キンモクセイの花の砂糖漬けを飾るなど実際にこの花が
使われる料理もあります。

香りの主成分はβ-イオノン、リナロール、γ-デカラクトン、
リナロールオキシド、cis-3-ヘキセノールなど。
このうち、γ-デカラクトンなどはモンシロチョウなどへの
忌避作用があることが判明しております。

文化
秋の季語です。

・金木犀の花は甘めでしっかりした強い香りであることから、
 日本において汲み取り式トイレが主流で悪臭を発するものが
 多かった時期には、 その近くに植えられることもございました。
 その要因から香りがトイレの芳香剤として1970年代初頭から
 1990年代前半まで主流で利用されていたため、一部年齢層に
 おいてはトイレを連想させることがあります。
・咲いているあいだじゅう強い香りを放ち、
かなり遠くからでも匂って来ます。
(どこで咲いているのかを探すのも 楽しみのひとつ)
・春の沈丁花と同じぐらい香る。
・咲いたあとで雨風があるとあっけなく散ってしまう。はかない。
・中国南部の桂林地方原産。
中国語では”桂”は木犀のことを指し、
「桂林」という地名も、木犀の木がたくさん
あることに由来するらしい。
日本では木犀といえば、
ふつう思い起こすのは金木犀ですね。
金木犀の中国名は「丹桂」。
丹=だいだい色、桂=モクセイ類。
・”犀”の字は「固い、鋭い」の意味あり。
枝が固いからかな?
・江戸時代初期の頃、渡来した。

古代中国には、次のような伝説がありました。
 月には桂花の大木があり、秋に月がことさら美しく
金色に輝くのは、この花が満開になるからでした。

 ある仲秋の名月の夜、女神の嫦娥(じょうが)は
月宮殿の窓辺にもたれて下界を見下ろしていました。
ちょうど月の名所といわれる杭州あたりで、
西湖の水面に金色のさざ波が立ち、えも言われぬ美しさでした。
嫦娥は思わず舞いはじめました。するとそばにいた男神の
呉剛(ごこう)も浮かれて、花ざかりの桂花の幹を叩いて
拍子をとりました。桂花からは、花や実が金の雫のように
こぼれ落ちます。
 嫦娥は、地上の人々にもこの天上の花を分け与えて
やろうと思い、花や実をぱらぱらと落としてやりました。
そのおかげで地上にも桂花が根づき、広く広まったといいます。

 この伝説からもわかりますように、中国で桂花といえば
モクセイを意味します。キンモクセイなどの木犀も、
日本固有の植物ではなく帰化植物です。
しかし、いつごろ日本に渡ってきたのかについては、わかっていません。
万葉の時代にキンモクセイがあったのかどうかも、諸説があるようです。
 しかし、中国の桂花伝説は、万葉のころにはすでに日本にも伝わっており、
多くの歌人たちがこの伝説に基づく歌を詠んでおります。

 上の歌の「桂」も、現在でも庭木や高級な建築材料などとして
使われております。
「カツラ」とする説もありますが、「月人の桂」なると中国伝説の
「桂花」つまり「キンモクセイ」とするのが妥当のような気がします。

 キンモクセイは環境汚染に非常に敏感で、とくに自動車の排ガスには弱く、
幹線道路沿いでは花を付けません。
いつまでも「天上の香」の漂う世の中であってほしいですね。

 なお、蛇足ですが、伝説で嫦娥が花や実を落としたところは、
現在でも山紫水明の地として有名な桂林あたりだったといいます。
ちょっと出来過ぎという気がしないでもありませんが、
キンモクセイの原産地が桂林を含む中国江南地方一帯と聞くと、
うなずけるところもあります。

金木犀は中国原産の樹木で、もともとは月に生えていたという
神話があります。
月に住む女神が下界のお月見の名所を偶然覗き、
あまりの美しさに思わず舞いを始めました。
それを見ていた月の住人たちが金木犀の幹をたたいて
拍子をとった振動で地上に種が落ち、
やがて花を咲かせるようになったのです。
お月さまが綺麗なこの季節に咲き誇る、金木犀らしいお話です。


*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウイキペディア・その他 より

加筆等の可能性ございます。