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扉の向こうにあるものは・・・

凌霄花 (のうぜんかずら)

2014年06月21日 04時50分33秒 | 花の神話と伝説
別 名 トランペットフラワー (Trumpet creeper)

花言葉 「名誉」「栄光」「名声」「華のある人生」「女性らしい」
     「華やかな」「女性」「崇高」「気高い」
季 語  晩夏
     凌霄の花(のうぜんのはな)
子季語   凌霄、凌霄葛、のうぜんかづら

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ノウゼンカズラ(凌霄花、紫葳、Campsis grandiflora)は
ノウゼンカズラ科のつる性木本。
夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつける、つる性の落葉樹。
気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを延ばします。
花冠は漏斗状。
結実はまれです。
中国原産で、平安時代に渡来したといわれております。
名称ノウゼンというのは凌霄の字音によるといわれております。
古くはノウセウカズラと読まれ、これがなまってノウゼンカズラとなりました。
霄は「空」「雲」の意味があり、空に向かって高く咲く花の姿を表しております。
夏の暑い時期は花木が少なく、枝を延ばした樹木全体に、ハッとするような
鮮やかな色の花を付け、日に日に咲き変るので、よく目立ちます。
花の形がラッパに似ていることから英語では「トランペット・フラワー」、
「トランペット・ヴァイン」あるいは「トランペット・クリーパー」と呼ばれております。
特徴
・茎の先に房状花序をつけます。
・花冠はラッパ型で先が5片に裂けて開きます。
・葉は奇数羽状複葉。
・つるは気根を出し固着しながら伸びていきます。
・幹はフジと同じように太くなります。
・樹勢が非常に強く丈夫な花木であり、地下茎を延ばしひこばえを周囲に
 芽生えさせ、繁殖します。
・落花すると、蜜がたれ周りを湿らすほど。その蜜にメジロや蜂が集まってきます。
 その蜜は毒性があるといわれておりますが、根拠のない俗説・風評。
・花や樹皮は漢方薬では利尿や通経に使われます。
・園芸品種が複数存在し、ピンクや黄色などの花色もあります。
・新梢に房となって花が枝元から次々に咲き、花は毎日のようにすぐに散ります。
・花が終わった新梢をそのままにしておきますと、樹の姿が乱れ、樹勢が衰えるので
 適切な剪定が必要。
・鳥媒花であり、世界でもっとも小さい鳥といわれるハチドリが空中をホバリング
 しながら嘴を花の中にさし込んで蜜を吸います。
花言葉「名誉」
この花は、形がラッパに似ていることから、アメリカではラッパツルクサともいいます。
立派な人の名誉をたたえ、表彰するときにはラッパを吹き鳴らすことから、
「名誉」と言う花言葉が生まれたようです。
近縁種
ノウゼンカズラ属はノウゼンカズラと、アメリカ合衆国南東部原産の
アメリカノウゼンカズラ(C. radicans)、
およびこれらの雑種C. × tagliabuana からなります。
アメリカノウゼンカズラの花は中国系ノウゼンカズラより小ぶりで細長く、
濃い赤橙色。
《基本情報まとめ》
・凌霄花(のうぜんかずら)科。
・学名 Campsis grandiflora(凌霄花)
    Campsis radicans(アメリカ凌霄花)
    Campsis : ノウゼンカズラ属
    grandiflora : 大きい花の
    radicans : 根を生ずる
 Campsis(カンプシス)は、ギリシャ語の「Kampsis(湾曲、曲がっている)」が語源。
 おしべの形が曲がっているところから。
・開花時期は、 6/25 ~ 9/15頃。
・中国原産。
 古くから薬として使われておりました。
 日本には平安時代の9世紀頃に渡来しました。
・オレンジ色の派手な花。
・つるでどんどん伸びていきます。
 いろいろからみついていきます。
・とても寿命の長い木で、豊臣秀吉が朝鮮半島から持ち帰ったといわれるものが
 金沢市にまだ健在のようです(樹齢400年以上・・・)
・古名の「のせう」が変化して「のうぜん」になったともいわれております。
 「凌霄」の音読みの”りょうしょう”が変じて「のしょう」になったとも
 いわれております。
 「凌霄花」は漢名からで、「凌」は”しのぐ”、
 「霄」は”そら”の意味で、
 つるが木にまといつき天空を凌ぐほど高く登るところから、この名がつきました。
・茎、花が甘いらしく、よく蟻(あり)がうろうろしております。
・江戸時代の貝原益軒さんが「花上の露、目に入れば目暗くなる」と記述し
 いかにも有毒の花、というイメージがついておりますが、実際には毒はありません。
作品
凌霄花に秋の通ふか風見ゆる     恒丸
凌霄の咲くや田中の薬師堂      露羔   「東華」
凌霄や水なき川を渡る日に      蒼虬   「蒼虬発句集」
凌霄や木を離れては何処這ん--    桃隣 「古太白堂句選」
のうぜんや真白き函の地震計     日野草城「青芝」
家毎に凌霄咲ける温泉(いでゆ)かな 「正岡子規」「子規全集」

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ウィキペディア その他より掲載
必要に応じ、加筆・訂正 します。

2014年06月02日 19時54分24秒 | 花の神話と伝説
別 名  「山桑(やまぐわ)」「山法師」「山桑(やまぐわ)」
 花言葉  「知恵」「彼女のすべてが好き」「あなたより生き延びる」
      「ともに死のう」
白実・・・「知恵」
黒実・・・「私はあなたを助けません」
季 語 桑の実(桑苺)  仲夏
季 語 桑 仲春

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蚕の餌となる桑は春、新芽を出し早々と葉を茂らせます。
養蚕農家は、これから秋の終りまで桑を摘み取るために忙しい日々を送ります。
来歴ー文学での言及  
実証的見解 桑は、クワ科クワ属の落葉高木。
日本各地の山地に自生し、また、養蚕のために広く栽培されます。
高さは十メートルから十五メートルにも達します。
葉は互生し、長さ十センチほどの卵形でふちにぎざぎざを持ちます。
雌雄異株で開花は四月ころ、七月ころに赤から黒くなる果実を実らせます。
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桑はクワ科の落葉高木。
春に小花をつけ、夏に実を結びます。
熟すと黒紫色になり多汁で甘い。
養蚕が盛んな頃は子供が摘んで食べ、 唇を紫色に染めたが、
最近はあまり見かけなくなりました。

白→赤→赤黒の順で熟れていきます。

クワ(桑)はクワ科クワ属の総称。
カイコの餌として古来重要な作物であり、また果樹としても利用されております。
特徴
落葉性の高木で、大きいものは15mに達するが、普段見かけるのは数m程度のものが多い。
樹皮は灰色を帯びます。
葉は薄く、つやのある黄緑色で、縁にはあらい鋸歯があります。
大きい木では、葉の形はハート形に近い楕円形だが、
若い木では、葉にあらい切れ込みが入る場合があります。

雌雄異株ですが、同株のものがあります。
春に開花します。
雄花は茎の先端から房状に垂れ下がり、雌花は枝の基部の方につきます。
果実は初夏に熟します。
キイチゴのような、柔らかい粒が集まった形で、やや長くなります。
熟すと赤黒くなり、甘くて美味しい。
果実には子嚢菌門チャワンタケ亜門ビョウタケ目キンカクキン科に属する
キツネノヤリタケ(Scleromitrula shiraiana)、
キツネノワン(Ciboria shiraiana)が寄生することがあり(クワ菌核病)、
感染して落下した果実から子実体が生えます。

生薬
ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬です。(日本薬局方による)
利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、
五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われております。
また、葉を茶の代用品とする「桑茶」が飲まれていた地域もあり、
現在も市販されている他、若くて柔らかい葉は天ぷらにして
食べることもあります。
桑葉には1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)が含まれている
ことが近年の研究で明らかになっております。
DNJ はブドウ糖の類似物質(アザ糖類の一種)であり、
小腸において糖分解酵素のα-グルコシダーゼに結合する事でその活性を
阻害します。その結果、スクロースやマルトースの分解効率が低下し、
血糖値の上昇が抑制されます。
クワを食餌とする蚕のフンを乾燥させたもの(漢方薬である蚕砂)も
同様の効果があります。
果実
果実は桑の実、どどめ、マルベリー (Mulberry) と呼ばれ、
地方によっては桑酒として果実酒の原料となります。
その果実は甘酸っぱく、美味であり、高い抗酸化作用で知られる色素
・アントシアニンをはじめとする、ポリフェノールを多く含有します。
旬は4月~5月です。
キイチゴの実を細長くしたような姿で、赤黒くなります。
蛾の幼虫が好み、その体毛が抜け落ちて付着するので食する際には
十分な水洗いを行う必要があります。
また、非常食として桑の実を乾燥させた粉末を食べたり、
水に晒した成熟前の実をご飯に炊き込む事も行われてきました。
なお、クワの果実は、キイチゴのような粒の集まった形を表す語としても
用いられます。
発生学では動物の初期胚に桑実胚、藻類にクワノミモ(パンドリナ)などの
例があります。
養蚕とクワ
地図記号にもなったほど、日本で桑畑は良くある風景でした。
しかし、現在、養蚕業が盛んだった地域では、生産者の高齢化、後継者難、
生糸産業全般の衰退の中で、株を抜いて畑等に転用されたり、
放置された桑畑も多く残っております。
クワの木は成長が早く、大きく育ちますが、幹の中が空洞であり、
若い枝はカイコの餌にする為に切り続けてきたので製材できる部分が少ない。
養蚕業盛んなりし頃は、定期的に剪定等の手入れが行われていたクワ畑ですが
樹木としての利用は前述の様に、幹の中が空洞で製材できる部分が少ない
故に、養蚕以外でのこれといって有益な、あるいは利益の高い利用法が
ありません。放置された結果として、現在、森の様になっている畑も
多くあります。
しかも、こうなってしまった以上、前述の様に高齢化した管理者にとっては、
これを整理することを物理的に更に難しくしております。
毛虫がつきやすい樹種でもある為、憂慮すべきことです。
他方、近年、クワの実が郷愁を呼ぶ果物として、注目を浴びてきてもおります。
ちなみに蚕が食べるのはヤマグワです。
木材としてのクワ
クワの木質はかなり硬く、磨くと深い黄色を呈して美しいので、しばしば
工芸用に使われます。しかし、銘木として使われる良材は極めて少ない。
特に良材とされるのが、伊豆諸島の御蔵島や三宅島で産出される「島桑」で
あり、緻密な年輪と美しい木目と粘りのあることで知られております。

江戸時代から江戸指物に重用され、老人に贈る杖の素材として用いられました。
国産材の中では最高級材に属します。
また古くから弦楽器の材料として珍重されました。
正倉院にはクワ製の楽琵琶や阮咸が保存されており、薩摩琵琶や筑前琵琶も
クワ製のものが良いとされております。
三味線もクワで作られることがあり、特に小唄では音色が柔らかいとして
愛用されましたが、広い会場には向かないとされております。

なお、幕末には桑の樹皮より綿を作る製法を江戸幕府に届け出たものがおり、
1861年(文久元年)には幕府からこれを奨励する命令が出されているが、
普及しなかったようです。

製紙原料
中国広西チワン族自治区来賓市などでは、養蚕に使うために切り落とす
クワの枝を回収して製紙原料にすることが実用化されております。
新たに年産20万トンの工場建設も予定されております。

害虫
カイコガとその祖先とされるクワコ以外にもクワを食草とする
ガの幼虫がおり、クワエダシャク、クワノメイガ、アメリカシロヒトリ、
セスジヒトリなどが代表的。
クワエダシャクの幼虫はクワの枝に擬態し、枝と見間違えて、
土瓶を掛けようとすると落ちて割れるため「土瓶割り」という俗称があります。
クワシントメタマバエ、ゴマダラカミキリもクワの木によく見られます。

神話・伝承
古代バビロニアにおいて、
桑の実はもともとは白い実だけとされておりましたが、
赤い実と紫の実を付けるのは、ギリシャ神話の『ピュラモスとティスベ』
という悲恋によるこの二人の赤い血が、白いその実を染め、
ピュラモスの血が直接かかり赤となり、ティスベの血が桑の木が大地から
吸い上げて紫になったとされております。

ギリシア神話で、バビロニア美青年ピュラモスと
美少女のティスベは、無慈悲な親たちのために引き離されてしまったが、
人目を忍んで会うために、場所を湖畔の白いクワの木の下のしていた。
先に着いて待っていたティスベの目の前に、いま羊小屋で小羊を
食し、口を血だらけにしたライオンが突然姿を現した。驚いたティスベは、
あわてふためきベールを残したまま洞穴に逃げ込んだ。ベールは
ライオンの爪で引き裂かれ、小羊の血に染まっていた。
遅れてやってきたピュラモスは、そんなこととはつゆ知らず、ライオンの
姿を見て、てっきり恋人が食い殺されたと思い込み、ベールが涙で
ぐっしょりになるまで嘆き悲しみ、その場で剣を抜いて自分の喉を
刺してしまった。
洞穴から出てきたティスベは、突然の出来事に驚き悲しみ、ピュラモス
の頭をしっかりと自分の胸に抱きしめた。彼は、薄れ行く意識の中で
最後の眼差しを彼女に向けながら、息たえた。
彼女は「愛と死が私たちを一つに結びつけたのだから、
二人を一つの墓に葬って下さい」と叫んで、彼の手から剣を受けとり、
やわらかな自分の胸に突き刺し、すぐに後を追った。
その血は桑の実を赤く染めた。

桑の弓、桑弓(そうきゅう)ともいい、男の子が生まれた時に前途の厄を
払うため、家の四方に向かって桑の弓で蓬の矢を射た。
起源は古代中華文明圏による男子の立身出世を願った通過儀礼で、
日本に伝わって男子の厄除けの神事となりました。
桑の弓は桑の木で作った弓、蓬の矢は蓬の葉で羽を矧いだ(はいだ)矢。

養蚕発祥の地、中国においては
クワは聖なる木でした。
地理書『山海経』において10個の太陽が昇ってくる扶桑という神木が
ありましたが、?(げい)という射手が9個を射抜き昇る太陽の数は
1個にしたため、天が安らぎ、地も喜んだと書き残されている。
太陽の運行に関わり、世界樹的な役目を担っていた。
詩書『詩経』においてもクワはたびたび題材となり、
クワ摘みにおいて男女のおおらかな恋が歌われた。
小説『三国志演義』においては劉備の生家の東南に大きな桑の木が
枝葉を繁らせていたと描かれております。
日本においても
クワは霊力があるとみなされ、特に前述の薬効を備えていたことから
カイコとともに普及しました。
古代日本ではクワは箸や杖という形で中風を防ぐとされ、
鎌倉時代喫茶養生記においては「桑は是れ又仙薬の上首」と
もてはやされております。
桑原、桑原雷よけの呪いとして広く使われた言葉であるが、
最も知られている由来は桑原村の井戸に雷が落ち、蓋をしたところ雷が
「もう桑原に落ちないから逃がしてくれ」と約束したためという説があり、
これにはクワ自体は関わりがない。
しかし、諸説の中には宮崎県福島村でクワの上に雷が落ち、
雷がケガをしたので落ちないようになったという説、

沖縄県では雷がクワのまたに挟まれて消えたため
雷鳴の折には「桑木のまた」と唱えるようになったという説もあります。

ことわざ・慣用句
クワ畑がいつのまにか海に変わってしまうような天地の激しい流転の意。
神仙伝が出典であり、仙女の麻姑が500年間の変化として話した内容から生まれた。
月日の流れの無常を示す言葉として、唐代の劉廷芝の詩にも使われている。
蓬矢桑弓(ほうしそうきゅう)元々は上記にある中華・日本においての
男子の祭事や神事であるが、払い清めをあらわす言葉の比喩として
万葉集や古事記にも用いられ、「蓬矢」・「桑弓」それぞれ単独でも
同じ意味を持つ。
《基本情報まとめ》
・桑(くわ)科。
・学名
  Morus bombycis(山桑)
   Morus : クワ属
   bombycis : 蚕の、絹の
 Morus(モーラス)は、
 ケルト語の「mor(黒)」が 語源らしい(実の色)。
・山地などに生えます。
・花は4月頃、穂状に咲きます。
・実はとげとげがあり、だんだん赤くいちごのようになり、
 その後黒っぽく変わります。
 甘味があり食べられます。
・材は家具用として使われます。
・古代の中国四川省では桑は神木だった。
・青森県の三内丸山遺跡からは桑の種子が大量に出土しました。
・明治時代、絹は貴重な輸出品で、絹を作り出す
「蚕(かいこ)」のエサになる桑は、重要な存在でした。
 「桑」の名前も「食葉(くは)」または「蚕葉(こは)」が
 語源ともいわれております。
・「足乳根(たらちね)の母がそれ養(か)
ふ桑(くはこ)すら願へば衣(きぬ)に着すといふものを」  万葉集
 「筑波嶺(つくばね)の新桑(にいぐわ)繭(まよ)の
  衣(きぬ)はあれど君が御衣(みけし)しあやに着欲(きほ)しも」 万葉集

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