🌸🌸扉の向こうに🌸🌸

扉の向こうにあるものは・・・

竜の髭

2013年11月27日 21時07分16秒 | 花の神話と伝説
別 名 「弾玉(はずみだま)」「蛇髭」


花言葉 「変わらぬ想い」
花の季語は晩夏 実は冬
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竜の髭/はづみだま/蛇の髭の花 について
・ユリ科の常緑宿根草。
・全国の山野や身近な道端等に生育します。
・山地の林の中などに生えます。
 庭の縁取りなどでよく使われております。
・匍 匐枝を延ばして群生し、細長い葉が蛇の髭のようだというので
 この名が付けられました。
夏、束生した葉の間から花茎を伸ばし、白又は薄紫色の小さな花を
下向きに数個つけます。
秋になると丸い瑠璃色の美しい種子をもちます。
草丈は十センチ~十五センチくらいですが、 矮性のものもあります。
植込みの下草や縁取りとして使われております。

実の季語三冬 蛇の髯の実/竜の髯の実
山野の林中に自生し、庭園にも植えられております。
初夏のころ淡紫色の小花を咲かせ、晩秋から冬にかけてえんどう
豆くらいの大きさの実をつけます。
熟すると美しい碧色となります。

伝説
今から千年も前のこと。沼田(のんだ,今の五料地区)に住む美しい娘が、にし
き野の里の若者と恋をしました。  ところが、平将門がこのあたりに攻め入っ
てきたとき、土地のものが娘を将門に差し出そうとしたのです。

白羽の矢がたった娘は追い詰められ、矢川の急流に身を投げてしまいました。
それを知った若者も後を追いました。

 やがて、そこへは二つの光る碧玉(へきぎょく)が、流れのまにまに漂うのが
見えました。村人は「娘はきっと龍神の変化で、玉はその精であろう」と考え、
二つの玉を拾い上げてほこらにまつりました。

 それから五百年ほど後、利根川の大洪水の濁流に龍神が現れ、ほこらに竜
巻を起こしたかと思うと、黒雲とともに姿を消しました。みると、ほこらから玉が
一つ消え失せていました。村人は、残る一つを奪われないように二重の箱に収
め、別院にまつりました。

 後に高僧がやってきて、ここに寺を建てました。それが福島地区の玉龍山満
福寺で、その玉は、今も寺で大切に守られています。

 玉を見た者は、眼がつぶれるといい伝えられているため、今まで誰1人として
見た人はいません。
これが「玉村」という地名の由来になったとも言われています。+


大葉蛇の髭 (おおばじゃのひげ)
蛇の髭(じゃのひげ)
(大葉竜の髭(おおばりゅうのひげ)、竜の髭(りゅうのひげ))
・百合(ゆり)科。
・学名
  Ophiopogon planiscapus (大葉蛇の髭)
  Ophiopogon japonicus  (蛇の髭)
   Ophiopogon :ジャノヒゲ属
   planiscapus :花茎の扁平な
   japonicus :日本の
 Ophiopogon(オフィオポゴン)は、ギリシャ語の「ophio(蛇)+ pogon(ひげ)」が語源。
 日本名「ジャノヒゲ」の直訳から。
 【大葉蛇の髭】
   白い花
花茎は黒
   葉っぱは少し幅広。
   実(タネ)は緑色になります。
 【蛇の髭】
   うす紫色の花
   花茎はうす緑
   細い葉っぱ。
   実(タネ)は青色になります。
・根のところどころが肥大してこぶ状になります。
 根のこぶを漢方では「麦門冬(ばくもんどう)」
 と呼び、せきどめの薬用に致します。(大葉蛇の髭)。
・「髭」は「ひげ」と読みます。
 「ひげ」の漢字は3種類あります。
   「髭」→ くちひげ
   「鬚」→ あごひげ
   「髯」→ ほおひげ

名前の由来 
・大葉蛇の髭、の別名 「大葉竜の髭(おおばりゅうのひげ)」
   線のように細い葉っぱの形を竜(蛇)のヒゲにたとえられました。
 「弾玉(はずみだま)」丸い実(タネ)を子供が遊びに
   用いたことからよばれております。
形態・生態
高さ10cmほどで細い葉が多数出ます。
この葉が竜の髯に似ているので名付けられたといわれております。
夏に総状花序に淡紫色の小さい花をつけます
子房は種子を1個含みますが、成熟前に破れて種子が露出し、青く熟します。
葉状から、ジャノヒゲ(蛇の鬚)またはリュウノヒゲ(龍の鬚)と
いわれておりましたが、ジョウノヒゲが転訛して、ジャノヒゲになったと考えらます。

ジョウノヒゲとは、「尉(じょう)の鬚」の意であり、能面で老人の面を
「尉(じょう)」といい、この葉の様子をその面の鬚(あごひげ)に見立てました。

分布・生育地
日本を含む東アジアからフィリピンの森林に広く分布します。
また、よく植え込みに用いられております。

人間との関わり
生薬
根は所々太く紡錘形になり、これを麦門冬(ばくもんどう)と称して
鎮咳・強壮などに用いられております。

日本薬局方に収録の生薬。
麦門冬は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、
清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われております。

食用
茎は高知県などでは食用とされ、ゆがいてから更に
アゲ(油揚げ)などと一緒に煮て食べます。

文化
龍の髭が詠われているもの。
  「あしひきの 山菅の根の ねもころに 我はそ恋ふる 君が姿に」  万葉集
  「愛し妹を 何処行かめと 山菅の 背向に寝しく 今し悔しも」  万葉集

…「リュウノヒゲ(龍の髭)」のことを古くは「ヤマスゲ(山菅)」と呼ばれておりました。
ちなみに「ヤブラン(薮蘭)」の別名も「ヤマスゲ(山菅)」です。

リュウノヒゲの方が本来の山菅である

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ウィキペデア その 他より

昨年こちらで、【熨斗蘭 (のしらん)】を掲載致しました。が
こちらの「蛇の髭」と竜の玉との違い等 他を加筆・訂正致します。
画像の実なども曖昧です。


カトレア

2013年11月23日 22時49分52秒 | 花の神話と伝説
別 名(和名) 日の出蘭



花言葉  「優雅な女性」「魔力」「成熟した魅力」
     「あなたは美しい」「純粋な愛」「高貴な美人」「素朴」
     「品格と美」「真の魅力」「理想郷」
(黄)  「魅了」
季 語  三冬

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ラン科の多年草。
原産地は熱帯アメリカ。
日本には明治の中ごろに渡来しました。
季節は10~2月。
花の色は、赤、オレンジ、ピンク、緑、紫、黄、白。

カトレヤ(カトレアとも。Cattleya)とは中南米原産のラン科植物の1つの属、
あるいはその近縁属との交配品種を含む1群の植物です。
美しい花を咲かせることからよく栽培され、最も有名な洋ランです。
洋ランの女王とも言われております。
名前の由来
名前はこの属の最初の収集者で最初に栽培で花を咲かせたWilliam Cattleyに
ちなみ、属の名前として献名されたものです。
もともと牧野富太郎が南米から送ってもらった植物の梱包材として使われていた
この着生植物に興味を持ち、栽培してみたところ予想もしなかった見事な花を
つけたため、イギリスの著名な植物学者、ジョン・リンドリーが記載して
献名したという逸話が伝わっております。
これ以降、カトレヤ属は洋ランの代表として注目され、四大洋ランのトップに必ず
挙げられております。
カトレヤの名はカトレヤ属の植物の総称として使われております。
これは当然ですが、この属および近縁属との属間交配も多く行われ、それらは
カトレヤの花をより美しいものにするために行われた傾向があります。そのため、
それらの属間雑種にはそれ相応の名が与えられてはおりますが、一般には
それらすべてをまとめてカトレアと呼んでおります。
なお、近年の分類体系の変更により、
その属の境界も変遷をたどっており、カトレヤの名を冠する植物の幅も広く
なった面があります。
和名
C. labiata に対してヒノデランというのが牧野富太郎によって与えられました。
花の美しさを日の出に見立てたとのこと。
<香り>
甘く優しい香り。
ツンとする感じはなく、甘すぎもなく、自然と馴染んでいくような奥行きのある香り。
蝶のようにひらひらしている花びらが、一層華やかな気分にさせてくれます。
概要
非常に大輪で派手な花であり、言わば洋ランの代名詞として扱われ、現在では
多くの交配種があり、栽培されております。
切り花としては華麗さと高級感を演出します。
カトレアを国花としている国はブラジル、フィジー、コロンビア、
コスタリカの国花で、ランの中でも有名な花の1つです。
形態的特徴
・品種が多く、一年を通してそれぞれに咲き分かれます。
 花径は3センチから15センチ、花色、形なども多種多様です。
 高温多湿で風通しが良く、適度に日の当たる場所を好みます。
 寒さには非常に弱いので、冬期でも13℃以上が必須。
花のいわれ
カトレア属をはじめとするいくつかの属の交配によってできた多数の種の総称を
カトレア(またはカトレヤ)と呼びます。
カトレアは木や岩に張り付いて生活する着生ランの一種で、カトレアの野生種ランが
2万5千種以上あるなかでも、輝くような色彩と香りを放ち鮮やかに咲く花姿から
「洋ランの女王」と呼ばれ、スーパースター的存在です。
大輪の花弁はほかのランと比べると薄くて透き通るような美しい花色で、夏咲き、
秋咲き、冬咲きもあり一年中流通しています。
植物は普通、属と属の間の交配は不可能といわれますが、カトレアは属間交配が
進み、つぎつぎと新しい品種が作られています。
1茎に1花のものから10数花をつけるものもあります。
草丈は20~50㎝ほど、花色は赤・ピンク・黄色・緑・白・赤紫・青紫で、
花の形も豊富で、3㎝の小形種から18㎝にも及ぶ大形種まであります。
豪華な花姿はブーケやコサージュにも多用されています。

カトレアの花 は基本的に3枚の花びらと3枚のがく片、一番目立つ中心の「リップ」と
呼ばれる花びらで構成されています。
カトレヤは着生植物であり、匍匐茎の節から出る白くて太いうどん状の根で
樹皮に張り付くようにして生活します。
根の表面は白いスポンジ状の死細胞からなる組織で覆われ、雨水や着生した樹木
の樹皮を伝って落ちてきた水をすばやく吸収し、その後でゆっくりと内側の
生きた組織で吸収します。
根の生きた組織は葉緑体を持ち、光合成の能力を持ちます。そのため、表面の
スポンジ状の組織が水を吸って光の乱反射が起こらなくなると生きた組織が
透けて見え、根全体が緑色に見えます。
植物体は全体に肉厚で固い。
匍匐茎はあまり伸びず数節だけ成長した後にすぐに立ち上がり、
多肉質の偽球茎(バルブ)になります。
偽球茎はこん棒状でやや偏平・数節からなるが、そのうちの1節だけが長く発達し、
先端には1枚だけ或いは2枚の葉をつけ、これは同じ個体でも個々の偽球茎で
変異があることがあります。そのため、偽球茎の先端の葉が1枚だけの場合、
一見するとやたらごつい葉柄を持つ1枚の葉のようにも見えます。しかし茎である
証拠に、花は偽球茎の先端の葉の根元の内側(腋芽)から出ます。
偽球茎には多量の水分や栄養分が蓄えられ、間欠的にしか水が得られない樹上の
環境に耐えられるようになっております。偽球茎と葉は何年間もの寿命を持ち、
株全体で常に数本の偽球茎を持っており、古い偽球茎では葉が枯れて落ちてもなお
余命を保ち、水分と栄養分の貯蔵器官として機能しております。
成長期になると匍匐茎と偽球茎の境界部の節の腋芽が成長を開始し、新しい
偽球茎が立ち上がり葉が伸び始める頃に新しい匍匐茎から新しい根が伸張して
樹皮に固着します。
この成長期の根の先端部はまだスポンジ状の死んだ組織が分化していないため、
みずみずしい緑色をしております。
花は偽球茎の先端から出て1~数輪つきます。ただしワルケリアナは葉を生じない
特別な偽球形を生じてその先端で開花します。
外花被はやや細い楕円形、側弁は幅広い楕円形、唇弁の基部は蘂柱を包むように
両端が上に曲がって筒状になり、先の方では卵形に広がり、周囲はひだになって
うねり、中央は濃く色づくものが多く、花びらは大きく開き、正面を向いております。
色は白からピンク系のものが多く、非常に華やかで美しい。
分布と生育環境
中南米のコロンビア、ベネズエラ、ブラジル、エクアドルなどに分布し、特にアンデス山脈などの標高100m~1500m程度の森林地帯に産する。着生植物であり、木の樹皮に付着して生活します。
栽培と品種改良
発見の当初よりその美しさのためによく栽培され、また、新たな種の発見に努めるものも多かく、近縁属との間の属間交配も行われ、多くの品種があります。ただし、それらの名前には複雑な経緯と変遷があります。そのため文献やラベルには混乱がある場合があります。
旧来の様子
20世紀末まで野生種は40種ばかり知られ、それらを元にした品種改良も行われ、
多くの交配品種がつくられました。近縁の属であるレリア(Laelia)
・ブラッサボラ(Brassavola)・ソフロニティス(Sophronitis)との間でも
交配が行われております。これらの属とカトレヤを含む4属の間では属間交配による
雑種も稔性を持つものが多く、3属間雑種や4属間雑種も作られてております。
それらはカトレヤの花の色や形の範囲を広げることを目指して行われ、一般には
すべてカトレアと認識されております。それらの系統は以下のような名称および
略称で示されました。

カトレヤ(Cattleya)・カトレヤ(C.)
ブラッソカトレヤ(Brassocattleya)・ブラッサボラxカトレヤ(BC.)
レリオカトレヤ(Laeliocattleya)・レリアxカトレヤ(LC.)
ソフロカトレヤ(Sophlovattleya)・ソフロニティスxカトレヤ(SC.)
ブラッソレリオカトレヤ(Brassolaeliocattleya)・ブラッサボラxレリアxカトレヤ(BLC.)
ソフロレリオカトレヤ(Sophlolaeliocattleya)・ソフロニティスxレリアxカトレヤ(SLC.)
ロルフェラ(Rolfera)・ブラッサボラxソフロニティスxカトレヤ(Rolf.)
ポティナラ(Potinara)・ブラッサボラxソフロニティスxレリアxカトレヤ(Pot.)

新しい体系
21世紀に入って生物分類学において分子系統による見直しが行われており、この類の分類体系にも大きく手が入った。2009年までの変更は以下の通り。

旧カトレヤ属から二葉性のものが独立し、グアリアンセ属 Gualianthe となりました。

ソフロニティス属のすべて、およびブラジル産のレリア属のものがカトレヤ属に。
これにより、現在カトレヤ属には約80種が所属しております。

他に、ブラッサボラ属の一部がリンコレリア属 Rhyncholaellia になるなど、周辺属にも変更があります。
そのために、属間雑種の学名等にも多くの変更が行われております。

参考文献
大場良一監修、『失敗しない洋ラン入門』、(2010)、主婦の友社(主婦の友生活シリーズ)
牧野富太郎、『牧野 新日本植物図鑑』、(1961)、図鑑の北隆館

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「カトレヤ」など「蘭」以外のラン科の季語

「蘭」以外でラン科植物の季語
「カトレヤ」、「春蘭」、「鷺草」、「寒蘭」があります。
季節はそれぞれ次ぎの通りです。

季語
カトレヤ Cattleya 冬
春蘭 Cymbidium goeringii 春
鷺草 Habenaria 夏
寒蘭 Cymbidium kanran 冬

洋蘭で俳句の季語になっているのはカトレヤだけなのです。

では、何故、洋蘭は季語にならないのか検討してみましょう。
洋蘭の五大属のうち、カトレヤを除いた四大属についてみてみると
第一は洋蘭は日本に自生していないことです。
歴史的にも俳句は花鳥諷詠を中心にしてきており、
自然の写生には入って来ないことが大きな原因です。
第二に栽培技術の進歩で、一年中商品が出回り、あるいは開花期間が長くなり、
季節感がなくなってきたことがあげられます。
特にファレノプシス Phalaenopsis 胡蝶蘭の場合には顕著で
自然のままでも四ヶ月以上は咲き続けます。
第三に音字の数が

シンビジューム Cymbidium 六音字
デンドロビューム Dendrobium 七音字
パフィオペディラム Paphiopedilum 七音字
ファレノプシス Phalaenopsis 六音字
胡蝶蘭 五音字
と数えられ、カトレヤの四音字や通常の季語が五音字以内であるのと比べて、
俳句にとって音字の長さが長すぎます。
俳句は五七五すなはち
最初の五音を上五、中の七音を中七、最後の五音を下五に分かれており、
六音以上では原則中七にしか使えなくなり、実質的ではないのです。
(あえて指摘しておきますが、俳句では名前を略することを好みません。
このため、シンビジュームをシンビ、デンドロビュームをデンドロ、
パフィオペディラムをパフィオ、ファレノプシスをファレノ
といった具合に略して呼ぶ名前が使えないのです)

こうして見てくると、将来にわたって、俳句の季語に「カトレヤ」以外の
洋蘭の名前が入ってくる可能性は非常に少ないと思われます。
前述のように「蘭」という季語は誤解され、新たな季語が生まれる可能性も少なく、
俳句の世界で蘭は永遠に誤解され続けることでしょう。

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訂正 加筆 ございます。ウィキペディア 他 より

とりあえずの掲載です。

山茶花

2013年11月22日 20時58分25秒 | 花の神話と伝説
別 名  「姫椿」ヒメツバキ 「岩花火」イワハナビ


花言葉  「困難に打ち勝つ」「ひたむきさ」
  (白)「愛嬌」「理想の恋」
(桃・赤)「理性」「謙遜」「謙虚」

季語「初冬」
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《この花の基本情報》
ツバキ科 常緑高木
原産地 日本
・椿(つばき)科。
・学名
  Camellia sasanqua
   Camellia : ツバキ(カメリア)属
   sasanqua : サザンカ
 Camellia は、17世紀のチェコスロバキアの宣教師「Kamell カメル」さんの名にちなんでおります。
・高さ 数メートル~12メートル前後
・開花時期は、10/10 ~ 翌 2/10頃。
・花の少ない晩秋から初冬にかけて咲き出します。
 長い間咲き、正月を過ぎても楽しむことができます。 
・日本原産の花木で、学名も「サザンカ」。
 江戸時代に長崎の出島のオランダ商館に来ていた医師ツンベルクさんが ヨーロッパに持ち帰り、西欧で広まり ました。
 九州・四国・沖縄に分布する自生種は白花が多いが、園芸種には赤や桃、ぼかし、八重咲きや濃紅・絞りなど もあります。
・日本固有のツバキ科の常緑小高木で、枝先に白か淡紅色の五弁の花を開きます。
・ツバキと異なり、花びらが一枚一枚バラバラになって散ります。
・花びらは1枚ずつ散ります。(「薮椿」は花ごと散る)
・花はとてもよい香り。
・開花時期は、薮椿は春になってから、山茶花は秋から冬咲き、と異なります。
 また、寒椿とは、葉っぱも花も開花時期もほぼ同じでなかなか見分けがつきませんが、
 背丈でおおよそ区別することができます。
  → 寒椿(ただ、寒椿の中でも背の高い「獅子頭」などとはなかなか区別しにくいです)

名前の由来
もとは「山茶花」(さんざか)と言われておりましたが、音位転換した現在の読みが定着致しました。
・椿(つばき)の漢名(中国名)の「山茶花」が、いつの頃からかこのサザンカの名前として
 間違って定着した。
 読みは「山茶花(さんさか)」
   →「茶山花(ささんか)」
   →「さざんか」
 というぐあいに変化したようです。
 上記から、「山茶花」の漢字名も本当は誤用。

花言葉の意味
・「謙譲」は、赤い花色をして次々と咲くにもかかわらず、ほのかに香る控えめな花の姿に与えられています。
・「理想の恋」は、寒風の中で、けなげに咲いて、ひらひらと赤や白の花びらが散ってなお、地面を美しく彩る さまをたとえたのでしょうか。
・「困難に打ち勝つ」は、冬枯れで花の少ない寒いときに、強く冷たい風に吹かれながら咲くことからきている のでしょうか。

【俳句】
「山茶花を雀のこぼす日和かな」  正岡子規  
「山茶花の花や葉の上に散り映えり」高浜虚子
 
【童謡】
さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」 しもやけ おててが もうかゆい
               たきび(作詞:巽聖歌、作曲:渡辺茂)
・11月3日、12月4日の 誕生花(山茶花)
まとめ
特徴
秋の終わりから、冬にかけての寒い時期に、花を咲かせます。
野生の個体の花の色は部分的に淡い桃色を交えた白であるのに対し、植栽される園芸品種の花の色は赤や、白や、ピンクなど様々です。
童謡「たきび」(作詞:巽聖歌、作曲:渡辺茂)の歌詞に登場することでもよく知られております。
漢字表記の山茶花は中国語でツバキ類一般を指す山茶に由来し、サザンカの名は山茶花の本来の読みである「サンサカ」が訛ったものといわれております。
分布
日本では山口県、四国南部から九州中南部、南西諸島(屋久島から西表島)等に、日本国外では台湾、中国、インドネシアなどに分布します。
なお、ツバキ科の植物は熱帯から亜熱帯に自生しており、ツバキ、サザンカ、チャは温帯に適応した珍しい種であり、日本は自生地としては北限です。
栽培品種
サザンカには多くの栽培品種(園芸品種)があり、花の時期や花形などで3つの群に分けるのが一般的です。
サザンカ群以外はツバキとの交雑です。
サザンカ群
サザンカ Camellia sasanqua Thunb.
カンツバキ群
カンツバキ Camellia sasanqua Thunb. ’Shishigashira’(シノニムC. x hiemalis Nakai,C. sasanqua Thunb. var. fujikoana Makino) カンツバキ(寒椿)は、サザンカとツバキ C. japonica との種間交雑園芸品種群。
ハルサザンカ群
ハルサザンカ Camellia x vernalis (Makino) Makino

病害虫
サザンカ、ツバキ、チャノキなどのツバキ科の葉を食べるチャドクガが知られております。この毒蛾の卵かい、幼虫、繭、成虫には毒針毛があり、触れると皮膚炎を発生させます。また直接触れなくても、木の下を通ったり風下にいるだけでも毒針毛に触れ、被害にあうことがあります。


都道府県・市区町村等の木/花
市の木/花
福島県:相馬市
埼玉県:川口市、桶川市
千葉県:銚子市、船橋市
東京都:清瀬市
神奈川県:横浜市、秦野市、南足柄市
愛知県:常滑市
兵庫県:神戸市、宝塚市、三木市(推奨花)
奈良県:大和高田市
鳥取県:鳥取市
福岡県:福岡市、筑後市
大分県:大分市、日田市
宮崎県:都城市
特別区の木/花
東京都:江東区、杉並区

町の木/花宮城県:亘理郡亘理町
千葉県:印旛郡栄町、香取郡多古町
神奈川県:中郡大磯町
静岡県:周智郡森町
愛知県:西春日井郡豊山町、知多郡武豊町
京都府:久世郡久御山町、綴喜郡宇治田原町
兵庫県:揖保郡太子町
奈良県:生駒郡斑鳩町、北葛城郡河合町
鳥取県:西伯郡大山町
福岡県:田川郡糸田町
佐賀県:神埼郡吉野ヶ里町
長崎県:北松浦郡佐々町
大分県:速見郡日出町
宮崎県:児湯郡川南町
鹿児島県:曽於郡大崎町
行政区の木/花愛知県:名古屋市港区
大阪府:大阪市西淀川区、住之江区

日本が原産地であるだけにこんなにも「山茶花」が愛されているのですね。
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ウィキペディア 其の他より 訂正・加筆の可能性もございます。

石蕗 (つわぶき)の花

2013年11月13日 07時59分38秒 | 花の神話と伝説
別 名 「イシブキ」「ツワ」  
 

花言葉  「謙譲」「謙遜」「困難に傷つけられない」 
     「愛よよみがえれ」「先を見通す能力」

花の季語は「冬」
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・菊(きく)科。
・学名
  Farfugium japonicum
   Farfugium : ツワブキ属
   japonicum : 日本の
 Farfugium(ファルフジウム)は、ラテン語の「farius(列)+ fugus(駆除)」が語源、
 といわれるが諸説あります。
ツワブキ(石蕗、艶蕗、学名:Farfugium japonicum (L.) Kitam.、
シノニム:Farfugium tussilagineum 、Ligularia tussilaginea )
キク科ツワブキ属の多年草。
名前の由来
・”つや”のある葉から”つやぶき”それが変化して「つわぶき」になりました。
・ツワブキの名は、艶葉蕗(つやばぶき)
 「艶のある葉のフキ」から転じたと考えられております。
・沖縄方言では「ちぃぱっぱ」といわれております。
・津和野町の名前の由来は「石蕗の野」であるという。
特徴
分布・生育環境
・日本では本州の福島県・石川県以西から四国、九州、琉球諸島(大東諸島と魚釣島を除く)
・朝鮮半島、中国、台湾に分布します。
・低地から山地の日陰や海岸に多く、暖地の海辺に自生します。
・有毒物質のピロリジジンアルカロイドを含有している。
形態
・多年草で、草丈は50cm程度。地下に短い茎があり、地上には葉だけが出ます。
・葉は蕗(ふき)に似ております。
・葉は根生葉で葉身は基部が大きく左右に張り出し全体で円形に近くなります。
 長い葉柄を持ち、葉柄は大きく切れ込んだ葉身の中心につきます。
 これらの点はフキによく似ており、その葉は厚くて表面につやがあり、
 緑色が濃く、若いときには綿毛が多い。
・花期は10-12月。・開花時期(10/15 ~ 11/末頃)
 葉の間を抜けて花茎を伸ばし、その先端に散房花序をつけ直径5cm程度の黄色い花を数輪咲か せるます。きれいな黄色の花です。
・フキが夏緑性であるのに対して、ツワブキは常緑性である。
利用
・日陰でもよく育ち、園芸植物として日本庭園の石組みや木の根元などに好まれます。斑入りの葉を持つものもあります。
・民間薬(生薬名たくご)として、茎と葉を打撲や火傷に用いられます。
・葉を火であぶったものは腫れ物や湿疹に薬効がある。
・冬から春にかけて、若葉をつみとって塩ゆでにするとおいしいようです。
・フキと同じように茎を食用とすることもあり、フキを原料にした煮物と同様に
 「キャラブキ」と呼ばれることもあります。
・「キャラブキ」や九州名産の「佃煮キャラブキ」は、このつわぶきの葉っぱで作られます。
 「ふきのとう」のフキとは別種ですが、葉柄を佃煮にしたものは「キャラブキ」として食用 にされます。
変種
リュウキュウツワブキ F. japonicum var. luchuense奄美大島、沖縄島、西表島に分布する琉球諸島固有変種。渓流植物。
・ツワブキとは葉の形が極端に異なり、円形からハート形をしているツワブキに対し、
 本変種は扇形からひし形をしており、葉面積が狭くなっております。(狭葉現象)。
 これはツワブキが渓流環境に適応した結果であると考えられております。
・沖縄島と西表島では比較的多い。
 奄美大島では2つの河川に少数個体が点在するのみであり、環境省レッドリストで
 準絶滅危惧に、鹿児島県レッドデータブックで絶滅危惧I類に評価されております。
・オオツワブキ F. japonicum (L.) Kitam. var. giganteum (Siebold et Zucc.) Kitam.九州 の海岸に分布します。
 ツワブキよりも大きくなり、葉身の幅が45cm、長さが35cmにもなり、花茎も1mになります。

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・12月28日の誕生花(石蕗)
・「ちまちまと した海もちぬ 石蕗(つわ)の花」 小林一茶
 「石蕗(つわぶき)の 日陰は寒し 猫の鼻」酒井抱一(さかいほういつ)
 「いくたびか 時雨(しぐれ)のあめの かかりたる
石蕗の花も つひに終はりぬ」  斎藤茂吉(さいとうもきち)

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ウィキペデスア その他より 必要時に訂正追加致します。

柊の花

2013年11月12日 19時09分56秒 | 花の神話と伝説
柊(ひいらぎ)の花





花言葉   「先見の明」「先見」「歓迎」「用心」「剛直」「用心深さ」
      「あなたを守る」
季 語   初冬

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ヒイラギ(柊・疼木・柊木、学名:Osmanthus heterophyllus)は、
モクセイ科モクセイ属の常緑小高木。

・木犀(もくせい)科。
・学名Osmanthus heterophyllus
   Osmanthus : モクセイ属
   heterophyllus :種々の葉のある
 Osmanthus(オスマンサス)は、ギリシャ語の
「osme(香り)+ anthos(花)」が語源になっております。
 
・開花時期は、11/ 1 ~ 12/20頃。
 金木犀や柊木犀の花のあと、11月になった頃に咲き始めます。
 小さな白い、愛らしい花で、 近づくと、ほのかに匂います。
 キンモクセイの香りに似た、もう少し淡白な香りです。
 めだたないが香りのよい白い小花をいっぱいつけます。
 こぼれ落ち た花が道路を真っ白に染めている光景をよく見かけます。
・よい香りの白い花は目立ちません。
 花弁は強く反り返ります。

・初夏、紫色の実を結びます。

・葉は固くてギザギザさわると痛い)。
 さわると「ひいらぐ(疼く。ひりひり痛む)」ことから、「ひいらぎぎ(疼木)」となり、 次第に「ひいらぎ」になりました。
 老木になりますと、この刺がなくなり葉も丸くなります。
・葉には光沢あります。

用途・由来
・生垣や庭木として広く利用されますが、魔除けとして鬼門の方向に植えたり縁起木として玄 関脇に植えることもあります(現代でもその目的で植えられているかは疑問です。)。

古くからその鋭いトゲによって邪気を払う木とされ庭に植える習慣がございました。
 また、鬼が目を突かれて退散したという伝説 
(「鬼の目突(おにのめつき)」)から、
・2月の節分(せつぶん)には、柊の枝葉を戸口に立てて、その葉っぱのとんがりで鬼を追い払います。
・イワシの頭を柊の枝の先端に刺してその匂いで鬼を退散させます。
・豆がらをたくさん巻き付けて、ガラガラ音を鳴らして鬼を退散させます。 
 という厄除けの習慣が現在も残っております。
・ネズミが通り抜けるようなところへ柊の枝葉を立てておくと、ネズミもトゲを恐れて通らな くなる、という”効き目”もあったようです。 
・中国では鬼を爆竹の音で追い払う慣習がありますが、ヒイラギも葉をくべると葉が膨張して はぜるのでその音で鬼は逃げていく、という話もあります。
名前の由来
 葉の縁のトゲ状のぎざぎざに触れると痛いので、古語で「ずきずき痛む、うずく」と言う意 味の「ひいらぐ」→木なので「ひいらぐ木」、それが転じて「ヒイラギ」となったようで  す。
・漢字では「柊」と書くのが一般的ですが、痛む・うずくと言う意味の「疼」の字を当てた  「疼木」でも「ヒイラギ」と読みます。
・クリスマスの飾りでよく使うのはこの「柊」ではなく、柊黐(ひいらぎもち)。
 (赤い実。葉っぱのとげの形も違う)
・季語としては、「柊の花」 は冬。
「柊の葉の間より花こぼれ」 高浜虚子 
和名の由来
・葉の縁の刺に触るとヒリヒリ痛む(古語:疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ)ことから付け られました。
特徴
・東アジア原産で、日本では本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球の山地に分布している ほか、外国では台湾でも見られます。
 樹高は4-8m。葉は対生し楕円形から卵状長楕円形、革質で光沢あり、縁には先が鋭い刺とな った鋭鋸歯があります。また、老樹になると葉の刺は次第に少なくなり、葉は丸くなってし まいます。
・葉腋に白色の小花を密生させます。
 雌雄異株で雄株の花は2本の雄蕊が発達し、雌株の花は花柱が長く発達して結実します。
・花は同じモクセイ属のキンモクセイに似た芳香があります。
 花冠は4深裂して、径5mmになり、果実は長さ12-15mmになる核果で、翌年6-7月に暗紫色に熟 します。
・果実は鳥に食べられて種子が散布されます。
・殖やし方は、実生または挿し木。

病虫害
ヒイラギは、庭木の中では病虫害に強い植物です。
しかしヘリグロテントウノミハムシ(ハムシ科ノミハムシ亜科)に食害されることがあります。
この虫に寄生されると、春に新葉を主に、葉の裏から幼虫が入り込み食害されます。
初夏には成虫になり、成虫もまた葉の裏から食害する。
食害された葉は、枯れてしまい再生しません。
駆除は困難で、防除として、春の幼虫の食害前に、農薬(スミチオン、オルトランなど)による葉の消毒。
夏の成虫は、捕獲駆除。
冬に、成虫の冬眠を阻害するため、落ち葉を清掃します。

ヘリグロテントウノミハムシは、形状がテントウムシに良く似ていて、「アブラムシを食べる益虫」と間違えられ放置されやすい。
ヘリグロテントウノミハムシは、テントウムシ類より触角が太く長く、また跳躍力が強く、人が触ると跳ねて逃げるので見分けがつきます。
その他の用途
鑑賞用:低木で常緑広葉樹であるため、盆栽などとしても作られております。
具材:幹は堅く、なおかつしなやかであることから、衝撃などに対し強靱な耐久性を持っております。この為、玄翁(げんのう)と呼ばれる重さ3kgにも達する大金槌の柄にも使用されております。特に熟練した石工はヒイラギの幹を多く保有し、自宅の庭先に植えている方もおります。他にも、細工物、器具、印材などに利用されます。
防犯:葉に棘があるため、防犯目的で生け垣に利用することも多い。
魔除け:古くから邪鬼の侵入を防ぐと信じられ、庭木に使われてきました。
家の庭には表鬼門(北東)にヒイラギ、裏鬼門(南西)に南天の木を植えると良いとされている(鬼門除け)。また、節分の夜、ヒイラギの枝と大豆の枝に鰯(いわし)の頭を門戸に飾ると悪鬼を払うといわれております。(柊鰯)。

類似の植物
似たような形のヒイラギモクセイは、ヒイラギとギンモクセイの雑種といわれ、葉は大きく縁にはあらい鋸歯がありますが、結実はしません。
クリスマスの飾りに使うのはセイヨウヒイラギ(学名:Ilex aquifolium)であり、「ヒイラギ」 とあってもモチノキ科という別の科に分類される別種。

その他、ヒイラギの鋭い鋸歯が特徴的なため、それに似た葉を持つものはヒイラギの名を与えられる例があります。外来種ではヒイラギナンテンがよく栽培される。他に琉球列島にはアマミヒイラギモチ、ヒイラギズイナがある。ほかに、鋭い鋸歯を持つものにリンボクがあり、往々にしてヒイラギと間違えられることがあります。また、ヒイラギを含めてこれらの多くは幼木の時に鋸歯が鋭く、大きくなると次第に鈍くなり、時には鋸歯が見えなくなることも共通しております。

10月~11月になると小さな白花を葉の付け根に、葉に隠れるような感じでかたまって咲かせます。
花の咲いた姿は(花色は違いますが)なんとなくキンモクセイやギンモクセイに似ております。
花の一つ一つは小さいですがかたまって咲くので見栄えがし、樹が大きくなるにつれてたくさん咲くようになるので芳香もいっそう楽しめるようになります。

種類
葉に白い斑のはいるフイリヒイラギ、黄色い縁取りが入るキフクリンヒイラギなどがあります。また、シナヒイラギ、セイヨウヒイラギはヒイラギとは別種でモチノキ科、ヒイラギナンテンはメギ科の植物です。
 
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ウィキペディア 他より
訂正、加筆致します。 重複等の見直しあり。

2013年11月03日 21時25分47秒 | 花の神話と伝説
別 名 「風聴草」「メザマシ草」「ネザメ草」

  


 花言葉 「片恨み」
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・稲(いね)科。
・学名 Miscanthus sacchariflorus
   Miscanthus : ススキ属
   sacchariflorus :サトウキビ属の花の
 Miscanthus(ミスカンサス)は、ギリシャ語の
 「mischos(小花の柄)+ anthos(花)」が語源。
 
名前の由来
・風になびく姿が霊魂を招き寄せるように見えることから、「おぐ(招)」が「おぎ(荻)」に転訛したものといわ れております。
 漢字の「荻」は漢名からきております。

別名名前の由来
 古人は荻に吹く秋風の音をよく観察しておりました。よって荻の別名を「風聴草」といわれ ておりました。
荻というのは風に敏感です。秋風にたなびきます、 ひゅぅ~ひゅぅ~という音がします。
 別名「メザマシ草」「ネザメ草」ともいわれておりました。 その音のために昔の人は眠りか ら覚めたのでしょ うか  (花の家)より

特徴
・草丈は1~2.5m程で、河川敷などの湿地に群落を作る身近な多年草。
・日本全国や朝鮮半島、中国大陸に分布しております。
・葉は40~80㎝と長く、幅は1~3cm程度であり、中央脈がはっきりしている。

 花期は9~10月
 穂は25~40cm程であり、小穂が多数互生しております 。
 茎は硬くて節を持ち、つやがあります。

・ススキに良く似ておりますが、オギは地下茎で広がるために、株になりません。
 ススキが生えることのできる乾燥した場所には生育しません、
 ヨシ(葦)よりは乾燥した場所を好む。
 穂はススキよりも毛が長くて白く、柔らかい。

・かつては茅葺の屋根の材料として広く用いられておりました。
 
・種子でも繁殖しますが、群落の拡大は地下茎で行いますので、土壌は粘土質から砂質であることが必要で、礫 を多く含む河原では生育しません。

・洪水などの増水には耐えることができますが、地下部が長期にわたって水没するような場所にも生育できません。したがって、広い群落を形成する場所は、中流の下部から下流の上部までの範囲であり、通常水位から高 い高水敷などです。下流の感潮域では、ヨシ群落よりも高い場所に生育します。

・茎は堅く、ササの幹のようであり、簡単には引きちぎることができません。
 葉の幅も広く、花穂もより大型であり、もちろん草丈も高くなります。
オギは洪水によって倒匐しても、節から新たな地上茎を発達させて回復することができます。

・オギ群落が発達している場所は、増水時にも緩やかに水位が上下するような立地であり、濁流が流れるような 場所ではありません。増水時には砂やシルトなどが群落内に堆積するのが普通であり、倒れた茎から新芽を出 すことができる能力は、このような堆積環境によく適応しております。ススキも河原には生育は可能ですが、草丈と堆積・埋没に対する適応能力ではオギに負けております。しかしながら、オギは刈り取りには弱く、地 上部を年1回刈り取られると、数年で急激に勢力が弱くなってしまいます。この点ではススキに負けておりま す。したがって、刈り取りが行われるとススキが優勢となり、放置されるとオギが優勢となるのです。

・オギは漢字で書くと「荻」であり、荻野・荻原などの地名や名字でお馴染みです。昔は洪積平野などに広く生 育していたようですが、水田や畑地として開墾されてしまったものと思われます。オギ群落の発達している場 所は、土壌が砂質から砂質粘土であり、根菜類の栽培にはもってこいの土壌です。最近は放棄水田などに群生 しているのを見かけることも多くなりました。本来はこのような時折冠水するような低湿地に広く群落を形成 していたに違いありません。

印象とまとめ

・自然生態園を流れる小川の辺りに生えているオギ(荻)の穂が、逆光で「キラキラ」とても美しく輝いておりま す。
余りのにも眩しいので俯き加減に歩いていると、後方からカワラヒワ(河原鶸)の鳴き声がしたのにで、振り返  ると先ほどのオギ(荻)の穂に止まって穂をついばんでいたそうです。

・水の中では生えず、沼や水の流れの悪い溝、湿った池の堤防、 荒れ地、公園、河川敷など多くの場所で、群生 しているのを見かけることができます。

・一見、ススキ(薄)のようにも見えるが1ツ1ツの種子につく毛の数が多いので、全体としてススキ(薄)より穂 が白く毛深く見える。また、開花時期の9月~10月ころに、地下茎が地面に露出するので区別がつきやすく なります。
・地下茎は長く地中を這い、フシ(節)から茎(稈)を1本つける。草丈は1~2.5m前後もあります。
・葉は幅が1~3cmの線のような形をしており、長さは40~80cm。
・花が咲くころになりますと、下の部分の葉は抜け落ちて、葉のついていたフシ(節)がよく見えます。
・開花時期は9月~10月ごろ、茎の頂きの長さ25~40cmの大きなアブラナ(油菜)のような花軸に多くの 花がつき、花柄が、下の花ほど長く、上の花にいくにしたがって短くなって、各花が平らになって並んで咲く 花のつく散房花序をつけます。
・小穂は長い柄のものと短い柄のものがセットになって基の部分の毛は長く、軟らかで銀色を帯びます。穀物の ような先端の細かい毛の芒はないのが普通。
 ススキ(薄)と姿がよく似ております、株にならないことと、茎の基の部分にフシ(節)があること、穂の毛が長 く軟らかいので、ススキ(薄)よりもしっとりとしてシルクのように見えること、芒がないことなどが区別点と なります。
※ススキとオギの違い(簡略)
どちらも背の高くなる草だが、ススキは野原や林の中、空き地、道ばたなどにふつうに生えてるが、 オギは湿 ったところに多く生えます。ススキは大きな株を作りますがオギは茎1本1本が別々に立ちます。
小穂の先に「のぎ」があるのはススキ、ないのはオギ。
葉で手が切れるのがススキ、切れないのが荻

オギ(荻)を詠んだ万葉集の歌
「神風の 伊勢の浜荻 折り伏せて 旅寝やすらむ 荒き浜辺に」 
   万葉集 碁檀越(ごのだんをち)浜荻 =  浜辺に生える荻

「葦邊なる 荻の葉さやぎ 秋風の 咲き來るなへに 雁鳴き渡る」 万葉集

「妹なろが 使ふ川津の ささら荻 あしと人言 語りよらしも」 
万葉集 詠み人知らず



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