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扉の向こうにあるものは・・・

菫(すみれ)

2013年12月10日 20時33分19秒 | 花の神話と伝説
別 名
(Violet)「立壷菫(たちつぼすみれ)」「立坪菫(たちつぼすみれ)」   



花言葉 紫「誠実、貞節」
    白「純潔、清浄」
    青「つつましい幸せ」
    一般的には「私のことを考えて下さい」
    菫「思慮、思慮深い、思い」
    匂菫 「奥ゆかしい、控えた美しさ  

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・菫(すみれ)科。
・学名
  Viola mandshurica(すみれ)
  Viola grypoceras (立壷すみれ)
   Viola : スミレ属
   mandshurica : 満州地方産の
   grypoceras :  曲がった角(つの)の
 Viola(ビオラ)は「紫色の」という意味。
・開花時期は、 3/10 ~ 5/10頃。
・いろいろな種類があります。
 国産、外国種とも合わせると数百種類。
・花とは別に、目立たない「閉鎖花」をつけそこでタネをつくります。
・園芸品種にパンジーがあります。

・1月29日、2月1日の誕生花(菫)
 4月17日の誕生花(匂菫)

・スミレ(菫)は、スミレ科スミレ属の植物の総称であるが、狭義には、Viola mandshurica という種の和名です。

・ここでは種としてのスミレを記します。
なお、類似種や近縁種も多く、一般にはそれらを区別せずにスミレと総称していることが多い。それらについても下記を参照されたい。
特徴
種名としてのスミレ(Viola mandshurica)は、
・道ばたで春に花を咲かせる野草です。
 深い紫(菫色)の花を咲かせます。
・地下茎は太くて短く、多数の葉を根出状に出します。
・葉は根際から出て、少し長めの葉柄があって、少しやじり形っぽい先の丸い葉をつけます。

・花は独特の形で、ラッパのような形の花を横向きかやや斜め下向きにつけます。
5枚の花びらは大きさが同じでなく、下側の1枚が大きいので、花の形は左右対称になり、
ラッパの管に当たるのは大きい花弁の奥が隆起したもので距(きょ)といいます。
花茎は根際から出て、やや立ち上がり、てっぺんで下を向いて花のラッパの管の中程に上側から着きます。
・平地に普通で、山間部の道ばたから都会まで、都会ではコンクリートのひび割れ等からも顔を出します。
・山菜としても利用されております。
葉は天ぷらにしたり、茹でておひたしや和え物になり、花の部分は酢の物や吸い物の椀ダネに致します。ただし他のスミレ科植物、例えばパンジーやニオイスミレなど有毒なものがあるため注意が必要です。
分布
北海道から屋久島までの日本列島に広く見られます。
国外では朝鮮、中国からウスリーに及びます。

毒性
毒成分: ビオリン、サポニン、ビオラルチン、グリコサイド
毒部位: 種子、根茎
毒症状: 嘔吐、神経麻痺、心臓麻痺

由来等
「スミレ」の名はその花の形状が墨入れ(墨壺)を思わせることによる、という説を牧野富太郎が唱え、牧野の著名さもあって広く一般に流布しておりますが、、定説とは言えません。
※花の形が、大工道具の”墨入れ”に似ていることによるらしいです。
 「すみいれ」の呼びがしだいに「すみれ」になりました。
 (木や石に直線を引く(描く)ときに、 墨糸を用いる”墨壷(すみつぼ)”という大工道具があります。これを”墨入れ”とも呼ばれております。
  ちなみに、筆習字をするときに 黒い墨汁を入れるのは「墨入れ」ではなく「硯(すずり)」)です。

学名の種小名 mandshurica は「満州の」という意味です。
和名である「スミレ」は、このままだと属名や科名、さらには目名と紛らわしいので、スミレ愛好家は特に本種を指す場合、この名に由来するマンジュリカで呼ぶことがあります。

菫の神話と伝説
①ギリシャ神話によれば、 川の神の娘イオは、天の王ゼウスと戯れていましたが、天の女王ヘラが来るのがわかったので仔牛になって隠れ、ゼウスは仔牛の食糧としてスミレを作りました。また、イオは、ゼウスに愛されたためにヘラの嫉妬に苦しめられ、世界をさまよったあげく星になったので、ゼウスはイオの美しい目を思い、スミレの花を創りました。

②イオは羊飼いの美青年アチスの許嫁でしたが、アポロンもイオを望んだので、林の女神がイオをスミレの花に変えて隠してしまいました。

③シェイクスピアはスミレを「ヴィーナスの乳房より香りのよい花」と表現し、「冬物語」の中では「ジュノーの瞼よりも美(うる)わしい」と讃えております。
また、アメリカでは三月の誕生花。

④大きいバラとユリが天界詩の月と日であれば、スミレはまさにその星なのでしょう。
星は小さくても、その煌(きらめき)においては、筆舌につきない情趣をもっています。星とスミレの浅からぬ相関関係は、ワーズワースのルーシーという詩の一節に巧みに表われています。「苔むす岩根に生えいでて、人眼を半ばはばかるスミレ、あわれ美(うる)わし、ただひとつ、空に輝く星のごと」。

⑤またシェイクスピアの「ハムレット」の中で、薄命なオフェリ了の埋葬にのぞんだ兄レァーティーズが「妹を地に葬れよ、願わくばその美しく潔い肉より、スミレの生えんこと」言った言葉は広く知られております。

⑥西洋で愛される小さい花は、多くは空色またはスミレ色のものであって、それが美とされるのは、美女の清らかな眼を連想させるからなのでしょう。
なお紅の花は唇を、淡紅色の花は頬の色や皮膚の色を想わせ、黄色い花は病的な虚弱な色、純白の花は人間味のない色として共に疎んぜられるのが、しばしば西洋人の花の色に対する感覚のようです。

⑦西洋人が古くから愛好してきたスミレとしては、もう一つニオイスミレがあります。これは古代ギリシャではアテネの紋章となっていたようで、またローマ時代には貴族たちが入浴に用いたとも言われております。

⑧このように人類の歴史に早くから登場しておりましたので、古い絵面にもしばしば姿を現わしております。たとえばドイツのステファン・ロホナー(一四○○~一四五一年)によって描かれた「スミレを持ったマドンナ」では、聖母マリアがニオイスミレを持っています。
また、ファン・デル・フースの大作「羊飼いの礼拝」(一四七六-一四七八年の作品で、フィレンツェのウフィツ美術館蔵)では、ニオイスミレが床に撤き散らしております。
床にスミレを撤いてある絵画は他にもみられます。

⑨もちろん、15~16世紀に織られたフランスのタピスリーにも、しばしば登場しております。
前述のロホナ-、ファン・デル・フースは共に北方の画家ですが、イタリア出身のレオナルド・ダ・ヴィンチにも、ニオイスミレのスケッチがあり、また、同じイタリアのジヨヴァンニ・ディ・パオロの「最後の審判」の中にも描きこまれていますから、南方の画家たちにも、ニオィスミレが親しまれていたことは明らかです。

⑩桃山時代以後の日本の絵画にもスミレはしばしば登場しております。
たとえば狩野永徳筆の有名な大徳寺・聚光院の襖絵にも描かれていますし、また永徳の父・松栄も「四季花烏図」の中に描き込んでおります。
また光琳の「花卉屏風」にもタチッポスミレが描かれております。

⑪パンジー(サンシキスミレ)の花言葉は「物想い」。
ギリシャの愛の神キューピッドの放った矢がはずれて純白のスミレにあたりました。
その傷で三色のスミレが生まれたのだそうです。
また春の野に降りた天使たちが、一群のスミレをみつけて、地上にもこんなに美しい花があるのかと驚き、「私の面影をうつしてあげよ う、人々に天上の想いと清らかな愛を伝えなさい。あなたの行末が栄光に満ち、この花を見る人に倖せがあるように」とささやき、花に三度キスして天上高く舞いあがって行きました。
それで天使の面影と三色を宿し、春のよろこびを告げる使者として世界の果てまで床しく咲さひろがったと伝えています。

パンジーは英名、フランス名はパンセで、「憩う」とか考えるという意味。
一人で考えこんでいる人の顔に見たてたのでしょう。「物想い」という花言葉はこの辺からでたのでしょう。

⑫日本では蝶が飛んでいる姿に似ていることから、遊蝶花の古名があります。
パンジーは古来幾多の詩人の眼にとまり、「心の落ち着き」「頭巾(ズキン)の下の三つの顔」「門の後ろでのキス」、「門の所でキスして下さい」などと非常に多くの名をもって呼ばれていますが、これは花そのものが可憐であるというばかりでなくこれが持つ伝説の力も相当あるからなのでしょう。

⑬また、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」の二幕一場には、「乙女はそれ(パンジー)を恋慕花と呼ぷ」と書かれております。

パンジーの伝説は古代ギリシャにまで逆のぼりますが、長い中世の間はどうなっていたのか明らかではありません。
しかし、中世が終り、ルネッサンスの初め頃にパンジーが愛好されていたことはいくつかの絵に裏付けられています。
六世紀に織られたフランスのタピスリーにもパンジーの登場するものが残っており、またイタリアのジヨヴァンニ・ディ・パオロ作「謙譲の聖母一四四○年頃)や、ジェラルド・ダビッド(一四六○~一五二三年)の「聖母子」(ブラドー美術館蔵)などにも出てきます。
ことに後者ではキリストが手にパンジーを持っておりこの花に対する愛好の情を強く物語っているといえるでしょう。

十六世紀から、パンジーが確立する十九世紀までの間にも、パンジーは数々の絵画に登場します。
たとえば、一六四○年に描かれたレナールの「花のある籠」(ループル美術館蔵で、一九六六年に日本にも来ました)でも、色々な花 にまじって小さなパンジーが一輸顔をだしており、ヤン・ファン・ウィスム(一六八二~一七四九年)の「花瓶の花」(ロンドンのナシヨナ
ル・ギャラリー蔵)では、色々な花の間にパンジーが二輪みられます。
以後、育種が進み、一八二四年に描かれたアントニオ・ピキリオスの絵に登場するパンジーは、いくらか大輪になり十九世紀末になりますと、印象派の画家たちがパンジーを描いた作品をいくつか残しています。
ヘンリー・ファンタン・ラトウール(一八三六~一九○四年)が描いた「パンジー」(二ューヨーク・メトロポリタン美術館蔵)、一八八六年に描かれたゴッホの「パンジーとタンバリン」(アムステルダム市立美術館蔵)などがあります。

花ことばより
・スミレの花言葉は「温順・謙虚・慎み深さ・愛・純潔・誠実・小さな幸せ」です。
紫色の可愛らしい花をつけるスミレには、いくつかの神話があります。
今回紹介するのは、そのうちの2つの話です。

Ⅰ 川の神の娘・イオは美しい娘で、ある時オリンポスの最高神・ゼウスに見初められてしまいます。2人が草原にいた時、ゼウスの妻・ヘラが通りかかりました。彼女は嫉妬深いので、

もし見つかったら、イオはとんでもない仕打ちを受けるに違いない、と思ったゼウスは、彼女を子牛に変えてしまいました。これでゼウスとイオは、しばらくの間は気付かれずにすみました。

 でも、問題はありました。―子牛になってしまったイオは、今まで食べていたものを食べることができませんでした。食べれるものは雑草だけ、元々は人の姿をしていた彼女にとって、

それはとても辛い試練でした。…さすがに可哀想だと思ったゼウスは、彼女のためにスミレの葉を作りました。この時、スミレにはまだ花はありません。

 やがて、イオのことがヘラに知られてしまいました。彼女はイオを星にしてしまい、ゼウスは悲しみました。そしてイオのことを忘れないために、スミレに紫色の花をつけました。
その花の色は、イオの瞳と同じ色でした…。

Ⅱこれは全く別の話。
スミレの花が、かつて真っ白だった頃のことです。―愛と美の女神・ヴィーナスは、ある時息子のキューピッドに質問をしました。
「お母さんとこのスミレの花、どっちが綺麗だと思う? お母さんよね?」
「僕、スミレの方が綺麗だと思う」
 それを聞いたアフロディテは、非常に怒りました。ちっぽけな存在に過ぎないスミレが、母である自分より美しいと、息子に言われたことが悔しかったのです。彼女はその腹いせに、

スミレの花を叩きました。すると今まで真っ白だったスミレの花が、みるみるうちに紫になってしまいました。そして今でも、この花は紫になっているのです。

 まず、「温順・慎み深さ・愛・誠実・小さな幸せ」と言う言葉は、最初に言ったゼウスとイオのことではないかと思います。―二人の愛は、公には許されないものです。その儚い恋は、

とても慎み深いものだっただろうと察せられます。その愛は温順だっただろうし、その結末もイオが星になると言う、とても穏やかなものでした。

 また、ゼウスはイオのために、とても誠実に尽くしました。―彼女のためにスミレを作り、彼女を思って同じ目の色の花を付けたのです。神である彼ならではの、普通の人にはとても

できない思いやりだとは思えないでしょうか? イオは多分、自分のためだけに尽くしてもらえて幸せだったと思います。例えそれが、どんなに小さな幸せでも、私はいいと思います。

誰かに心配されることは、時には辛いことでもあります。でも、裏を返せば、それだけ自分は愛されているのだと言うことでもあるのです。


 続いて「謙虚・純潔」と言う言葉についてですが、こちらは2つ目のスミレのことでしょう。―多分キューピッドは、自分の思いをそのまま述べたのだと思います。アフロディテにすれば

腹立たしいことでしょうが、彼にとってはとても謙虚なことなのだと思います。自分の思いを、ありのままに伝えること。…時には、それをためらってしまうこともありますよね。

 また、スミレの花は、そんなキューピッドに純潔な心を与えたのではないかと思います。白と言う色は、元々純潔を表します。今の私達の心は、お世辞にも純潔とは言えません。

時には、悪意にまみれた心にもなるのです。現にキューピッドは「お母さんの方が綺麗だ」と言ってご機嫌を取ることだってできたのです。でも彼はそれをしなかった。それは自分の

気持ちを裏切ることになり、スミレの花が持つ純潔と言う意味を失ってしまうからに他なりません…。

・「春の野に 菫つみにと 来(こ)し我そ
  野をなつかしみ 一夜寝にける」 万葉集 山部赤人

 「山路(やまじ)きて なにやらゆかし 菫草(すみれぐさ)」
   野ざらし紀行  松尾芭蕉

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現在は12月です。冬菫で「俳句」を詠もうと致しました折「すみれ」について掲載致します。
菫は「春」の花ですが、たんぽぽ 等も今頃咲いている場合がございます。
「狂い咲き」「寒菫」「返り花」「狂い花」などと季節はずれに咲く花「冬の季語」として
用いられております。
尚 ウイキペディアその他 花物語等から掲載致しました。
加筆・訂正等もございます。とりあえずの掲載です。

ちなみに私はこの野に咲く「すみれ」の花が好きです。











水仙

2013年12月09日 18時59分55秒 | 花の神話と伝説
別 名 「雪中花(せっちゅうか)」



花言葉 「うぬぼれ」「自己愛」「エゴイズム」
   (日本水仙)「自己愛」
   (白)「神秘」「尊重」
   (黄)「私のもとへ帰って」「愛に応えて」
   (ラッパズイセン)「尊敬」「心づかい」
  (房咲水仙)「思い出、記念」
    (ラッパ水仙)「持って生まれた素質」
    (口紅水仙) 「詩人の心」
    (糸水仙)  「思い出」 
    (笛吹水仙) 「優しい追憶 」
    (八重咲水仙)「田園の幸福 」


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・彼岸花(ひがんばな)科。
・学名
  Narcissus tazetta
    var. chinensis(日本水仙)
   Narcissus : スイセン属
   tazetta :小さいコーヒー茶碗(イタリア語)
   chinensis : 中国の
 
・開花時期は、12/15 ~ 翌 4/20頃。
 早咲きものは正月前にはすでに咲き出します。
 (「日本水仙」「房咲き水仙」などの早咲き系は12月から2月頃に開花)。
 3月中旬頃から咲き出すものは花がひとまわり大きいものが多い。
 (「ラッパ水仙」や「口紅水仙」などの遅咲き系は、3月から4月頃に開花)。
・地中海沿岸原産。
・日本へは平安末期に中国から渡来。

名前の由来
・漢名の「水仙」を音読みして「すいせん」になりました。
 漢名は「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」
 という中国の古典から。
 きれいな花の姿と芳香がまるで「仙人」のようなところから命名されました。
・学名でもある英名「ナルシサス」はギリシャ神話の美少年の名前で、
 泉に映った自分の姿に恋をして毎日見つめ続けたらいつのまにか
 1本の花になってしまった。”ナルシスト”の名はここからきております。
  ※下記「文化」の欄で・・・・
・イギリスの国花の一つ。
・いろいろな種類があります。
 「日本水仙(にほんずいせん)」が 最もポピュラー。
・福井県の県花(水仙)

《この花の基本情報》
ヒガンバナ科 球根植物
原産地 南ヨーロッパ、地中海沿岸
草丈 20~50センチ
花期 (日本水仙)12~4月
    (西洋水仙)3~4月
花色 白、黄色、クリーム色

形態・生態
多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせるものが多い。
草丈は、品種・環境によるが、15 - 50cm程度。

茎は、黒い外皮に包まれた鱗茎の内部にある。そのため切断しない限り人の目に触れることはありません。葉身は、若干厚みがあり扁平で細長く、つや消しのような表面をしております。

葉の間からつぼみをつけた花茎が伸び、伸びきるとつぼみが横向きになり、成熟するとつぼみを覆っていた包を破って花が開く。典型的なスイセンの花の場合、雌蕊(しずい)は1本、雄蕊(ゆうずい)は6本。6枚に分かれた花びらと、中心に筒状の花びらを持つが、6枚に分かれている花びらのうち、外側3枚は萼(がく)であり、内側3枚のみが花弁である。二つをあわせて花被片(かひへん)と呼ぶ。一方、中心にある筒状の部分は副花冠(ふくかかん)という。花被片・副花冠の形状と花の着き方により、品種を区分します。
分布
原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心に地中海沿岸地域、アフリカ北部まで広がり、原種は30種類ほど知られている。また、園芸用に品種改良されたものが広く栽培されております。

日本においては、ニホンズイセンが古くに中国を経由して渡来したといわれております。分布は、本州以南の比較的暖かい海岸近くで野生化し、群生が見られます。越前海岸の群落が有名であり、福井県の県花ともなっております。
群生地
をくづれ水仙郷・江月水仙ロード(千葉県安房郡鋸南町) - 12月下旬から2月初旬
越前海岸(福井県) - 1月下旬から2月下旬
爪木崎(静岡県下田市須崎) - 12月下旬から1月下旬
灘黒岩水仙郷(兵庫県南あわじ市) - 1月中旬から2月中旬
立川水仙郷(兵庫県洲本市) - 1月中旬から2月中旬

人間との関わり
毒性有毒植物で毒成分はリコリン (lycorine) とシュウ酸カルシウム (calcium oxalate) など。全草が有毒だが、鱗茎に特に毒成分が多い。スイセンの致死量は10gである。食中毒症状と接触性皮膚炎症状を起こす。中毒は初期に強い嘔吐があり摂取物の大半が吐き出されるため症状が重篤に到ることは稀であるが、鱗茎を浅葱(あさつき)と間違えて食べ死亡した例がある。
葉がニラととてもよく似ており、ニラと間違えて食べ中毒症状を起こすという事件がときどき報告・報道される。ニラとの大きな違いは次の通りです。
葉からの臭いがない(ニラは葉からニラ独特の強い臭いを放つ)。
鱗茎がある(ニラは髭(ひげ)根で鱗茎はない)。
品種改良
原種は花弁が細くねじれており、それを平たい花弁にするのに50年ほどかかりました。その後、八重咲きなどの花容の品種改良、および、白と黄色以外の色を出すための品種改良がなされ、副花冠が赤、ピンクのものが加わった。品種改良の中心地は栽培に気候が適しているイギリスが草分けである。現在ではオランダ、日本がそれに続いております。
増え方と育て方
チューリップやヒヤシンスなどと同様に典型的な球根植物。市販の球根を買って花壇や鉢に植えて育てる。一定の寒さに当たらないと開花しない性質を有する。晩秋に球根が市場に出回るのでそれを植えて育てる。ニホンズイセンだと初春には開花するが、西洋スイセンは4月ごろに開花する。春先には開花株が出回り、それを観賞することもできる。

開花後は葉と茎が枯れるまで切らずに置いておくと、球根が太る。チューリップと異なり、子株が育っても親株も残る(チューリップは子株が育つと、親株が衰える)。被子植物である以上、結果し、種でも増えるが、開花までには数年かかるため、育種(品種改良)を目的とする場合を除けば一般には行われません。球根を分球させて増やします。

スイセンは日本の気候と相性が良いので、植え放しでも勝手に増えます。球根が細分化するばかりで、開花しない場合は、土壌の窒素過多か、植え付けが浅すぎることが原因です。夏場は地表面を別の植物で覆うと、温度が上がり過ぎず、地中の球根に適した環境を維持できます。

文化
・Narcissus という学名は、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来します。
神話によると、ナルキッソスは、その美しさにさまざまな相手から言い寄られたものの、高慢にはねつけ恨みを買いました。ついには、そんな彼への呪いを聞き入れた復讐の女神ネメシスにより、水鏡に映った自分自身に恋してしまった。水面の中の像は、ナルキッソスの想いに決して応えることはなく、彼はそのまま憔悴して死んでしまいます。そして、その体は水辺でうつむきがちに咲くスイセンに変わった、というものです。だからこそスイセンは水辺であたかも自分の姿を覗き込むかのように咲ていいるのです。
・「スイセン」という名は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたもの。
「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来します
・水辺で咲く姿を仙人にたとえたのでしょう。

別名に雪中花、雅客。方言ではチチロ、キンデバナ、キンデ、シイセン、ハルダマなどの呼び名があります。
また、ラッパスイセン (Daffodil) はウェールズの国章であり、ウェールズでは3月1日の聖ダビデの日 (Saint David's Day) に、ラッパスイセンかリーキを身につける習慣があります。

ウイリアム・ワーズワースは "I Wandered Lonely as a Cloud" という著名な詩を、またE・E・カミングスは "in a time of daffodils" という詩をそれぞれ遺しております。

海外では水仙は「希望」の象徴であり、ガン患者をサポートする団体の多くで、春の訪れと共に咲くこの水仙が「希望」のシンボルとして募金活動のキャンペーンに用いられております。
別名「雪中花(せっちゅうか)」の由来  
雪の中でも春の訪れを告げるところからつけられました。

・1月2日の誕生花(房咲水仙)
 2月9日の誕生花(ラッパ水仙)
 3月4日の誕生花(口紅水仙)
 3月16日の誕生花(糸水仙)
 4月3日の誕生花(笛吹水仙)
 4月16日の誕生花(八重咲水仙)

・「其(そ)のにほひ 桃より白し 水仙花」  松尾芭蕉
 「初雪や 水仙の葉の たはむまで」   松尾芭蕉
 「水仙や 白き障子の とも映り」 松尾芭蕉
 「水仙や 寒き都の ここかしこ」 与謝蕪村(よさぶそん)
 「水仙の 花の高さの 日影かな」 河合智月(かわいちげつ)
 「水仙の 香やこぼれても 雪の上」 加賀千代女(かがのちよじょ)

1月3日(瞳の日・駆け落ちの日・戊辰戦争開戦の日)の誕生花
(黄)1月2日(初夢・初荷・初売り,初商・仕事始め・書き初め・皇室一般参賀・月ロケットの日・箱根駅伝往路)の誕生花
(ラッパズイセン)1月13日(たばこの日,ピース記念日)の誕生花

(日本水仙)12月30日(地下鉄記念日・ルーマニア建国記念日・証券取引所 取引所大納会)の誕生花
花言葉の由来水面に映った自分の姿に恋をした、ギリシャ神話の美少年「ナルキッソス」の伝説にちなんでおります。
花の中心部分「副冠」の長さが、周囲を取り巻く花びらと同じ長さ・もしくはより長い種類が
「ラッパズイセン」と定義されている。
「日本水仙」は、地中海沿岸原産のものが中国に渡り、その後渡来したとされております。
栽培されていたものが各地で野生化したとされるが、清楚な佇まいと香りが、華道・茶道といった日本の美意識とマッチし、重用されております。

アルカロイドを含む球根は薬用、花は香料として利用されております。
50種ほどの原種が確認されている。

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ウィキペディア その他より
加筆等の可能性ございます。




ポインセチア

2013年12月08日 16時04分07秒 | 花の神話と伝説
別 名  「猩猩木(しょうじょうぼく)」



花言葉 「祝福する」「私の心は燃えている」「聖なる願い」「清純」
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・灯台草(とうだいぐさ)科。
・学名
  Euphorbia pulcherrima
   Euphorbia : ユーフォルビア属
   pulcherrima : 非常に美しい
・11月から12月頃よく見かけます。
まっ赤。(まんなかの黄色い部分が花)。
・マダガスカルの国花。
・12月22日の誕生花(ポインセチア)

名前の由来 
Euphorbia(ユーフォルビア)は、ローマ時代のアフリカのモーリタニア王の侍医「Euphorbus さん」の名にちなんだものです。  
 「Euphorbus さん」が、これらの植物の乳液を初めて薬に使ったところからつけられました。
・アメリカの初代メキシコ公使(駐メキシコ大使)のJ・R・ポインセット氏がメキシコで発見し、アメリカ帰国後に紹介して広まったことから「ポインセチア」になりました。

別名猩猩木(しょうじょうぼく)は ”猩猩”は中国の想像上の怪獣で 猿のような顔をもち、毛は紅色。
中国の伝説の動物「猩々(顔が赤くて酒を飲む、サルに似た動物)」に見立ててつけられました。
   赤い花なので この猩猩にたとえられたと思われます。
   (猩猩=オランウータンの説もあります。)
・「猩猩」シリーズ
 猩猩袴  猩猩草  猩猩木
・「ユーフォルビア」シリーズ
 野漆  灯台草 猩猩草  初雪草 花麒麟  尾瀬沼大戟

ポインセチア(英名poinsettia、学名 Euphorbia pulcherrima)は
トウダイグサ科トウダイグサ属の植物。
常緑性低木。
特徴
・葉は薄く、楕円形。花はいわゆる杯状花序です。
花びら等は存在しません。
・その下に着く葉の形の苞葉が赤く染まるのが鑑賞の対象となっております。
・その赤さはキリストの血の色に例えられております。
・原産はメキシコと中央アメリカ。
・原産国とされるメキシコ合衆国では、「ノーチェ・ブエナ(聖夜)」と呼ばれております。

日本には明治時代に渡来しました。
・和名はショウジョウボク(猩々木)。
・大酒飲みの赤い顔が特徴の、伝説上の動物である猩々に似ていることから名付けられたといわれております。
・観葉植物として、クリスマスの時期にあわせて短日処理をして、紅葉させて緑色の葉色とのコントラストを楽しむ。
ただし0℃を下回るような場所に放置すると葉が落ちてしまうので、クリスマスの時期の管理には注意が必要です。

増やし方は、水を張った容器や、土に挿し木をすれば発根します。
(水に挿す場合は、水に挿す前に切り口から出る乳液状の樹液を拭き取っておきます。
時期により植物の活性が違うので活発な暖かい時期に行う)。
園芸品種が近年多様化しており、従来の紅色に加えて、乳白色、淡い黄緑、ピンク、斑入りなどのバリエーションが楽しめます。強剪定にも耐えます。

一般に鉢植えの植物というイメージが強いが、宮崎県宮崎市堀切峠の沿道には5万本以上植えられており、12月の開花時期には日南海岸の展望と合わせて名所となっております。

小さな花が数個固まって咲いているため、1つの花のように見えます。

類似種
ショウジョウソウがあります。
全体によく似ておりますが、草であり、幹は木質化致しません。。
また、包葉も全部は色づかないのが普通です。
日本では時に帰化植物としても見られております。

毒性
全草にフォルボールという有毒成分が含まれ、皮膚炎・水疱などを引き起こします。
致死的な毒ではないが、1919年にハワイで子供がポインセチアを食べて死亡した例が報告されております。
また、発がんプロモーションを促進する作用があることもわかっております。

メキシコ原産であり、原産地では、高さ5メートルにもなりす。
花びらにみえるのは、花苞(かほう)という萼の一種で、 色をつけて虫や昆虫を引き寄せる役割を持っていると考えられております。
・花は、中心に粒のようにみえる部分。

《この花の基本情報》
トウダイグサ科 常緑低木
原産地 メキシコ
高さ 2~5メートル前後
花期 11~1月
花色(花苞の色) 赤、白、オレンジ、ピンク、絞り


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ウイキペディアその他より 加筆・訂正の可能性ございます。

12月

2013年12月01日 19時52分31秒 | 月の和名
12月(じゅうにがつ)は、グレゴリオ暦で年の第12の月(最後の月)に当たり、31日あります。

日本では、旧暦12月を師走(しわす)または極月(ごくげつ、ごくづき)と呼び、
現在では師走は、新暦12月の別名としても用いれております。

師走由来
僧侶(師は、僧侶の意)が仏事で走り回る忙しさ(平安後期編『色葉字類抄』)からという平安期からの説があます。
また、言語学的な推測として「年果てる」や「し果つ」等から「しわす」に変化したなどという説もあります。

英語での月名、December(ディセンバー)は、「10番目の月」の意味で、ラテン語で「第10の」という意味の「decem」の語に由来しております。

実際の月の番号とずれているのは、紀元前46年まで使われていたローマ暦が3月起算で(そのため年末の2月は日数が少ない)、3月から数えて10番目という意味です。

グレゴリオ暦の12月1日はその年の9月1日と同じ曜日になります(→365日)。

明治時代に日本が太陰暦から太陽暦に変更した際に、政府が年末の給料を削減するために12月の日数を2日とされた。(明治6年12月3日を明治7年1月1日とした)

12月の和名
おうとう(黄冬)、おとづき(弟月)、おやこづき(親子月)、かぎりのつき(限月)、
くれこづき(暮来月)、けんちゅうげつ(建丑月)、ごくげつ(極月)、しわす(師走)、
はるまちつき(春待月)、ばんとう(晩冬)、ひょうげつ(氷月)、ぼさい(暮歳)、
ろうげつ(臘月)

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ウィキペディアより 
しかし、資料が乏しく夫々の意味は分かるようですが、確認できないのが残念でした。
後に加筆等可能性がございます。