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葡萄

2012年10月31日 22時43分55秒 | 花の神話と伝説

〈花言葉〉 「陶酔」「好意」「信頼」「思いやり」「親切」
      「慈善」「酔いと狂気」「人間愛」「忘却」
       

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ブドウ科 つる性低木
原産地 世界の温帯地域
高さ(つるの長さ) 20~30メートル
花期 5~6月
収穫期 8~10月

ブドウの分類
植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
バラ亜綱 Rosidae
クロウメモドキ目 Rhamnales
ブドウ科 Vitaceae つる性低木
ブドウ属 Vitis
原産地 世界の温帯地域
高さ(つるの長さ) 20~30メートル
花期 5~6月
収穫期 8~10月

旧約聖書「ノアの箱船」の下りにぶどう酒が登場、
ノアは「人類最初の酔っぱらい」とされております。

「巨峰」は日本で生まれた名品種。

世界中に分布が見られ、日本には、「ヤマブドウ」「エビズル」などが
自生しております。

果皮に含まれる色素「ポリフェノール」には、強い抗酸化作用があるとされ、
健康維持に有効な成分として注目されております。
そのほか、ブドウ糖、カリウムなど、栄養価が高い果物。
世界で最も生産量が多い果物となっております。

概要
葉は両側に切れ込みのある15 - 20cmほどの大きさで、穂状の花をつけます。
果実は緑または濃紫で、内部は淡緑であり、房状に生ます。
大きさは2 - 8cm程度の物が一般的です。
ブドウ属の植物は数十種あり、北米、東アジアに多く、インド、中東、
南アフリカにも自生種があります。
日本の山野に分布し、ヤマブドウ、エビヅル、サンカクヅル(ギョウジャノミズ)も
ブドウ属の植物です。

現在、ワイン用、干しぶどう用または生食用に栽培されているブドウは、
ペルシアやカフカスが原産のヴィニフェラ種(V. vinifera, 英 common grape vine)と、
北アメリカのラブルスカ種(V. labrusca, 英 fox grape)です。

米がうるち米(食用)・酒米(酒造用)があるように、ブドウにも食用ブドウと
酒造用ブドウがあり、食用はテーブルグレープ(table grapes)、
酒造用はワイングレープ(wine grapes)と呼ばれております。

生産
日本で古くから栽培されている甲州種は、中国から輸入されたヨーロッパブドウの
東アジア系が自生化して、鎌倉時代初期に甲斐国勝沼(現在の山梨県甲州市)で
栽培が始められ、明治時代以前は専ら同地近辺のみの特産品として
扱われてきました。
(ヤマブドウは古くから日本に自生していたが別系統にあたります。)

北アメリカ原産のブドウはフィロキセラ(Phylloxera、ブドウネアブラムシ)に
対する耐性を持ちますが、1870年頃に北アメリカの野生ブドウの苗木が
ヨーロッパにもたらされ、この根に寄生していたフィロキセラによって、
耐性のないヨーロッパの固有種の殆どが19世紀後半に壊滅的な打撃を受けました。
以後フィロキセラ等による害を防止するの理由で、ヨーロッパ・ブドウについては、
アメリカ種およびそれを起源とする雑種の台木への接ぎ木が行われております。

利用
果実は、そのまま生食されるほか、乾燥させてレーズンに、また、ワインや
ブランデーなどのアルコール飲料、ジュース、ゼリー、缶詰の原料となります。

ワインを製造する地域では、残った種子を搾油の原料として
グレープシードオイルが製造されております。
種子にはプロアントシアニジンという成分が含まれ、
健康食品用などに抽出も行われております。

紫色をした皮にはアントシアニンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、
赤ワインやグレープジュースにも多く、絞った後の皮などの滓は、
肥料として処理することが多い。

葉を食用にする地域もあります。

分類
ブドウ属 (Vitis) には、主に次のような種があります。  

西アジア種群
ヨーロッパ・ブドウ(European grape、学名 ヴィティス・ヴィニフェラ Vitis vinifera)
中近東が原産であるとされております。
ヨーロッパに自生する唯一の種となっております。
乾燥した気候とアルカリ性の土地によく育ち、フィロキセラ耐性がありません。

北米種群
アメリカ・ブドウ(Fox grape、学名 ヴィティス・ラブルスカ Vitis labrusca)
北アメリカを原産とする種のひとつです。
湿った気候でよく育ち、ヨーロッパ種よりも寒さにも強く、この系統の品種は
独特の香りを持ち、それに由来する香りのワインを、
(特にヨーロッパの)ワインの専門家は「フォクシー (Foxy)」と形容し
忌み嫌います。

東アジア種群
ヴィティス・アムレンシス (V. amurensis) アジアを原産とする種のひとつで、
朝鮮半島、中国東北部、ロシアに自生する。寒さに強く、
和名はチョウセンヤマブドウまたはマンシュウヤマブドウ。
中国名は山葡萄。本種は当初北海道に自生していると考えられていたため、
北海道で醸造されている「アムレンシス・ワイン」の原料は
北海道産アムレンシス種だとされておりました。しかし、その後、
アムレンシス種の北海道での自生は誤認だとわかり、
アムレンシス・ワインの原料はヤマブドウの1系統か
タケシマヤマブドウVitis coignetiae var. glabrescensだと考えられております。
ヴィティス・コワネティー (V. coignetiae) 日本に自生します。
和名はヤマブドウで、上記アムレンシスと同じく寒さに強く、北海道では平地で
普通に見られますが、東北地方では低山地、関東以西では高山地に自生し
、四国にも分布しますが、現在のところ九州地方での自生は確認されておりません。
東北地方、信州、岡山などでは、ヤマブドウワインが造られております。
ヴィティス・シラガイ (V. shiragai) 岡山県・高梁川流域の限られた地域に
自生する野生ブドウで、和名はシラガブドウ。
自生地での個体数が減少していて、絶滅が危惧されております。
アムレンシスと同種とする分類学者もおりますが、アムレンシスは寒冷地に
自生するのに対し、シラガブドウは温暖な地域に自生することから
生態的相違点が大きいので、全くの別種であると考えた方が合理的です。
和名および学名は植物分類学者牧野富太郎が、情報を提供してくれた
白神寿吉に因んで命名しました。
その他、クマガワブドウ、アマヅル、リュウキュウガネブ、ヨコグラブドウ、
ケナシエビヅルなど、日本では15種類の野生ブドウの自生が確認されております。
また、アジア大陸には中国を中心に、約40種の野生ブドウが確認され、
日本の野生ブドウと同種または近縁種も確認されております。

ヨーロッパ・ブドウの台木に使われるブドウの原種
全て北米原産でヨーロッパ・ブドウと違ってどれも
フィロキセラ耐性を持っております。
ルペストリス種 (V. rupestris) 台木の品種の一番基本になる種。
砂地に生えるため比較的乾燥に強く、交雑や繁殖が容易です。
リパリア種 (V. riparia) 川の土手に生える("ripa" とはラテン語で川の土手の意)。
そのため湿った土地で良く育ちます。酸性土を好み、繁殖は容易。
Berlandieri 種 (V. berlandieri) 石灰岩の丘に生えることから、
アルカリ性の土壌を好むとされており、繁殖は難しいとされております。
Champini 種 (V. champini) ルペストリス種と
V. mustagenesis の天然の雑種と考えられております。
強い (Root-knot) ネマトーダ耐性を有する。繁殖は難しい。

マスカダイン属
ブドウ属に含められる場合もありますが、形態や染色体の数等の違いから、
一般に別の属 (Muscadinia) とされております。
マスカダイン(Muscadine、学名 ムスカディニア・ロトゥンディフォリア
Muscadinia rotundifolia) 北アメリカを原産とする種のひとつで、
アメリカ合衆国南部の亜熱帯から熱帯の地域で栽培されております。
温暖湿潤な気候と酸性土壌を好み、ヨーロッパ・ブドウと異なり
フィロキセラに対する免疫を持ち、他の病害に対しても強い耐性を
持っております。
しかしヨーロッパ・ブドウと接ぎ木も交雑も困難なことから、
ワイン用ブドウの栽培にはほとんど利用されておりません。
栽培品種の育種は、両全花を持つ次のスカッパーノンの発見により
飛躍的に向上しました。

アメリカでは通常、房ではなく粒単位で売られ、マスカダインの皮は、
普通のブドウよりも厚みがあり、芳醇な香りで甘い。
果皮色は紫、緑、銅色の3種類に分けられ、
生食以外に加工(ジュース、デザート・ワイン、ゼリー等)に用いられます。
スカッパーノン(Scuppernong) マスカダインの1品種で、
アメリカ合衆国南部の亜熱帯から熱帯の地域で栽培されております。
色は、緑で温暖湿潤な気候と酸性土壌を好み、普通のブドウよりも
一粒一粒が丸い。
名前の由来は、ノース・カロライナ州にあるScuppernong Riverから
来ております。
17世紀にアメリカ開拓者たちがスカッパーノン川周辺で発見し、
その後、栽培促進された。名前の由来をさらに辿ってみますと、
アメリカ先住民のアルゴンキン族の言葉「アスコポ」からきており、
意味は「甘い月桂樹」と呼ばれております。

ブドウの象徴するもの
ブドウの花言葉は、その多くがブドウ酒にかかわっています。
イギリスでは、ブドウの木は「陶酔」、野生のブドウの木もしくは実は
「思いやり、施しもの」を意味します
(代金を支払わずに食べられることから)。
また、フランスではブドウの木は「忘却」「情熱の陶酔」を象徴し、
やはりブドウ酒につらなっております。
ちなみに、ブドウの葉は、大事な場所(特に女性の)を隠すことから
「好意、親切」を意味するとも言われております。
ブドウそのものはブドウ酒と同様、酩酊、祭、歓待を表し、
喜びや欲望を象徴します。
キリスト教ではイエス・キリストの血を指すことから、
生け贄もしくは聖体そのものを表します。
「若さ」「復活」を象徴することもありますが、
これはその生育の度合いやみずみずしさから来るものでしょうか。

ギリシア神話では、ブドウは酒神ディオニュソス(バッカス)の
持ち物です。
神話の中では、彼がブドウの木を初めて植えたことになっており、
この植物は彼を象徴するもののひとつになっています。
ユダヤ教では、「ノアの方舟」で有名なノアが洪水後初めて植えた
植物がブドウだったということになっております。

ブドウの歴史
ブドウの歴史はきわめて古く、中生代第三紀(200万年前)には
既にヨーロッパで自生種が生育しておりました。当時の化石から、
ブドウの葉の化石が掘り出されているからです。
ただ、ブドウを生食用、あるいはワインの醸造用に使ったとなりますと、
原産地はコーカサス・カスピ海南岸の広い地域ということができそうです。
4000年前にはこの地域で、ブドウの栽培やワインの醸造が既に
行われていたことが分かっております。

エジプトには第五~六王朝のころ、4500年前には伝えられており、
当時の壁画にブドウ酒の記録が残っております。
ヨーロッパへは3000年前ごろに伝えられ、紀元前にはローマを通じて
ヨーロッパ全域へと広まりました。
ヨーロッパの青銅器時代の遺跡からブドウの種が出ておりますので、
利用の歴史はもっと古いかも知れません。

アメリカ大陸へは17世紀ごろに伝えられましたが、
アメリカにはヨーロッパブドウとは別のアメリカブドウが自生しており、
雑種ができあがって現在のブドウの品種ができあがりました。
現在、私たちが食べているブドウは、こうしたアメリカとヨーロッパの
雑種ブドウが元になっています。
中国へは漢武帝の時に張騫(ちょうけん)が
紀元前110年ごろに伝えられております。
日本に入ったのは12世紀ごろで、甲州に植え替えられ、
甲州ブドウとして江戸時代から有名になりました。

ブドウの種類
大まかに分けて、ブドウは二種類に分けられます。
醸造用・生食用に作られるブドウ属のものと、
粒単位で売られるマスカダイン属のものです。
通常、私たちが「ブドウ」と言って食べているのはブドウ属の方です。
有名なデラウェアや巨峰などもこちらに属します。
ブドウの品種は多く、全世界で一万種類が存在すると言われ、
その大半が醸造用です。
また、生食したり、乾燥させてレーズンにしたり、
果汁を取ってジュースにしたり、
ゼリーや缶詰の材料にしたりすることもあるようです。

ディオニュソスの伝説
酒神と言えばギリシア神話のディオニュソス(ローマ名バッカス)を
はずすわけにはいきません。
この神は、ヘルメス(ローマ名メルクリウス)とともに、
最も人々に信仰された神です。
「バッカスはネプチューン(海の神)よりも多くの人間をおぼれさせた」
とも言われるほどです。
彼の父親はゼウスで共通していますが、彼の母親ははっきりしません。
一説には、地下の女神ペルセポネであるとも、
その母親であるデメテルであるとも言われていますが、
歴史的に最も古い説では、カドモス王の娘で月の巫女セメレが、
彼の母親だということになっているようです。
ヘルメスやニサの妖精たちによって育てられた彼は、
洞窟に生えていたブドウを遊び道具として使い、
やがて長じてブドウ酒を作ります。
このブドウ酒を飲んだ者は、あらゆる嘆きや悩みを消し去ってくれるので、
彼は熱狂的な支持者を手に入れました。
彼の一行はナクソス島まで来ると、英雄テーセウスに捨てられた
アリアドネを見つけます。
そこでディオニュソスは彼女を慰め、自分の花嫁としました。
二人は仲むつまじく暮らし、六人の子供をもうけたということです。

ワインの作り方
ブドウが圧搾機で潰されます。
昔は、房から実を取り、薪を転がして潰していましたが、
のちには近世の風景としておなじみの足で潰す作業に
取って代わられました。
赤ワインの場合は、果梗(かこう:房をつなぐ茎のようなもの)や
種子、果皮もあわせてつけ込みますが、白ワインの場合は
取り除きます。
これらの滓(かす)からは油を抽出したり、
飼料、肥料、プラスチックの原料としたりします。
この段階で、既に発酵は始まります。
炭酸ガスが発生し、液面がぶつぶつとうごめき出します。
このとき、果帽と呼ばれる滓が浮いてきますが、
酸味のもとになるので固定したり、再び液中に突き崩したりします。
アルコール度が15~16度になると、発酵は自然に終わります。
その後は「液抜き」を行い、圧搾によって集められた滓と
アルコールを分離します。
この段階を「澱引き(おりびき)」と称することもあるようです。
現在では化学物質を使って澱引きが行われますが、
古代ローマ時代は粘土、卵の卵白、チョウザメのにかわ、
子牛のゼラチン、豚の血などが使われたと言います。
塩を使う場合もあるようです。
分離が終わると、今度は樽一杯にワインを詰め込み、
二次発酵を促します。
樽一杯にするのはカビが生えるのを抑えるためで、
この段階でも頻繁にチェックが行われます。
ちなみに、この二次発酵で蒸発することを「天使の取り分」もしくは
「天使の分け前」といい、コニャック地方では、
実に瓶詰め分に換算して毎日2万本以上が、
この「天使の取り分」になっていると言います。

この二次発酵は、長い場合、10年から20年ほど行われますが、
短いものは数か月で瓶詰めされ、市場に出回ります。
有名なボージョレ・ヌーボー(ボージョレ新酒)は
この短いものの代表例です。

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ウィキ・その他より転載
葡萄に関する神話や伝説は数多あるように思います。
必要に応じて、加筆 等致します。