先日、ダンナの入院先の相談室に行って来た件のことを書こうと思う。
まず、40代ぐらいの女性相談員に話しをした。
ダンナがキクチという看護師から「ハゲムラ」と呼ばれていること、頭を度々叩かれること。
つまり暴言暴力。
これをやめて欲しい、と。
すると淡々とした表情で書き留めていた相談員がこんな感じに言った。
「それじゃあ…うーん、どうしましょうかねぇ。上の者に報告をして今後の対策を話し合うということになると思いますが、そうですねぇ…お盆休みが入るので今すぐというわけには…」
は?
何そのチンタラ答え。
「そんなに待てないんですけど」
とりあえず怒りを抑えてそう言った。
すると相談員、
「奧さんはどうしたいですか?どうすればいいと思われますか?」
とバカな質問をして来た。
「それを相談しに来たんです!」
私はちょっと語気を強めて言った。
すると相談員は、
「今日、お時間ありますか?私の一存では決めれないので今、総看護師長を連れてきます」
と言ったので、
「時間ありますからお願いします」
と一応謙虚に答えた。
相談員は部屋を出て行った。
総看護師長というのは、どうやら各病棟に看護師長が居るが、その上に立つ、この病院の看護師のトップらしい。
よし、話をつけようじゃないか。
・・・
しかしその後なかなか戻って来なかった。
一人狭い部屋に待たされる私。
感情が高ぶっているせいかやけに喉が渇いた。
こんなに待たされるならお茶の一杯でも出せよという気分。
いや、どのくらい待ったか時間は見てなかっが、ただ部屋で一人で待たされていると、とても長く感じていた。
するとドアが開き、相談員が戻って来た。
え…
相談員だけ?
「総看護師長に話しましたところ、『私が行くと緊張するでしょうから代わりに聞いて置いて』と言っていましたので私がやはり聞いておきます」
と、少し笑ったような顔で言う相談員。
そしてまたさっきと同じようにペンと紙を持って構えて私の目の前に座った。
え、待って、この人バカ?
私はキレた。
「代わりに聞いておきますって、さっき話しはしましたし、病院としてどのように対策をするかを総看護師長に相談して決める話しでしたよね。それに、緊張するでしょうからって、それはただ単に面倒くさいから来ない言い訳でしょう?
私、緊張しませんから連れてきてください!」
すると相談員は、「わかりました」と言って部屋を出て行った。
そして少ししてドアが開いた。
総看護師長らしき大柄な人が入って来た。
瞬間、その師長からあまり良い気を感じなかった。
キクチというババア看護師とどこか似たような種類。
総看護師長は笑顔で、いや、怖い笑顔で軽く挨拶をして座った。
そして、こう言った。
「はい。何でしょうか?」
その瞬間、もしお茶の一杯でも口に含んでいたら、驚きでマンガのようにお茶を噴いたであろう。
まあお茶の一杯も出てないからそれはなかったが。
「あれ?さっき相談員さんから聞いたんじゃないですか?それに私はこの前、直接病棟の看護師さん達にお話してましたので、師長さんの耳にも入ってるものと思ってたんですけど」
そう言うと、師長は、
「だいたいのことは聞いてはいました」
と言った。
「知っていて何も対策をしてくれなかったんですね」
呆れた。
しかし、呆れるのは、いや、呆れる以上の言葉がこの総看護師長から出てくるのはこれからだった。
「その看護師に注意はしておきますけど、まあ、看護師も人間ですのでね、注意をしたところですぐ直るとは限りません。そこは奧さん、長い目で見ていただきたいです」
・・・
この人は、いったい何を言っているのだろう。
まるで正論を語るかのような、物事をなんでも知ってますのような語り口と表情で。
そしてその側でウンウンと頷きながら師長の言葉を聞いている相談員。
ああそうか、この人達は頭が悪いんだ。
それは人間としての頭の悪さ。
いや、もしかしたらある意味頭が良いのかもしれない。
こうして言い方で正当化してくるというワザに長けているのだろう。
ブチッ…!!
私の負けない感情が声を上げる。
「なんで私が暴言暴力の看護師を長い目で見なきゃならないんですか!?60過ぎたキクチさんが今さら性格が直ると思っていません!ハゲムラと呼ぶのと頭を叩くのを一分一秒でも早く止めてもらいたいだけです!!精神科の入院患者に暴言暴力をするなんて、看護師としてだけではなく人間として間違ってるということをわからないんでしょうか!」
するとそんな私の剣幕に負けじと看護師長の顔つきが怖い顔になった。ついに顔に本性が出たかのよう。
「奧さんの気持ちはわかります!でもそこは人間ですから、誰だってそうじゃないですか。注意されたといってすぐ直るもんじゃあ…」
ここの看護師は幼稚園児か?
ああ、そうか頭の中は幼稚園児なんだ。
わるぐちや、ひとのあたまをたたくのはやめまちょうねぇ~
「次に主人に会うのは15日ですから、15日にハゲムラと呼ばれたり頭を叩かれるのは直ったか聞きます。それで直ってなければ、私は行くところまで行きますから!」
そうキッパリ言った。
総看護師長は「わかりました」と、また気持ち悪い作り笑顔になって言った。
ついでに21日には担当医師に面談の予約をした。
たまには主治医と話をしよう。そして治療についても聞いておこう。
相談室を出ると、病院の事務所の職員達が私をじっと見ているのを感じた。
感情が高ぶったまま車に戻り、帰路を走りながらなんだか泣けてきた。
悔しいし悲しいし孤独だし、
そして正直緊張したし怖かった。
でも正しいのは私。
今後どうしていくか考えたい。