きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

ホロヴィッツ

2015年08月07日 | 音楽のこと
幼少の頃から、音楽好きの父の影響で、朝から晩までクラッシックを聴いて育った私。
私がピアノを習っていたこともあってなのか、ただ単に父がピアノ曲好きなのかどうか、定かではないけれど、
聴く曲はピアノが割合多かった印象がある。

その中でも特に聴いて聴いて聴きまくった演奏といえば、ロシアのピアノの巨匠、ホロヴィッツの演奏。
ふと思えば、ホロヴィッツほど、私の音楽観に影響を与えている音楽家はいないのかもしれない。
彼の演奏をを聴いてしまうと、正直、ほかの演奏家の演奏はどこか無味乾燥に思えてしまうほど、ホロヴィッツという演奏家は、卓越していると、いまだに思う。

その一番の特徴は、メリハリにあるのかな、といつも思う。
とにかく人の心をつかむのが上手い。
とびきり素敵なメロディーを、割と淡白に弾いちゃったなと思うと、2回目に同じメロディーが出てきたときは涙が出るほどやさしく歌い上げる。
落ち着いた、やや単調な感じがするなと思うと、次の瞬間にに恐ろしいほど情熱的に盛り上げる。
それがまた、何ともいえない絶妙なバランスとセンスの良さで!
とにかく彼の演奏はいつでもどの曲でも、期待を裏切らないどころか、もっとずっと先回りして、はるかな高みから、私の心を操る。

そんな彼の演奏を聴くときは、まるで宝箱を開けるときみたいに、どきどきわくわくする。
そしてひとたび宝箱を開ければ、そこにはちりばめられた、言葉にならないほど美しい宝石の数々が。。。

鬼才 だな、と思う。
彼のような演奏家になれるとはとても思えないけれど、
やっぱり演奏は楽しくなくちゃ。
聴いていて次はどうなるのかと、わくわくする

そんな演奏家に、私もなりたい。

さ、修行修行。
練習練習。
勉強勉強。