きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

新曲の譜読みの仕方

2010年08月27日 | 音楽のこと
新しい曲の譜読みをするとき、どうするだろう?
私の場合、まずピアノでなんとなく弾いてみる。
メロディーラインを歌ってみる。
それから歌詞をつけて歌ってみる。

そして歌詞を翻訳したり、発音の確認をしたりを同時平行しながら練習を進めて行く。

最近、このやり方は大きく間違っているのではないかと思い始めた。

と、いうのは、今1歳9ヶ月の娘が、歌をうたおうとし始めている。
2,3ヶ月前から、「あ、歌っているんだ」と、気付かされるようになったが、もっと前からきっと本人的には「歌っていた」にちがいない。

なぜなら、娘の「歌」にはメロディーがない。リズムもない。
あるのはひたすら歌詞のみなのだ。
英語でも日本語でも歌うが、歌詞をひたすら復唱している。
きっと頭の中では歌いたい理想が流れているのだと思うが、口に出るのはお経に近い歌詞の羅列。

これには正直、とても驚いた。
私は子供が歌を覚えるとき、メロディーが先だと思っていたのだ。
鼻歌や、ららら~でメロディーを歌うようになり、だんだんそれに言葉が入ってくる。
感覚的に、そう信じて疑わなかった。
だって、大人がそうだから・・・

自然、本能のレベルでは、歌は「言葉」なのだ!
なんだか、忘れ物をして学校へ行ったみたいにドキッとしてしまった。
私は、「歌」とは、何だと思っていただろう?
音楽だと思っていた。もちろん間違ってはいない。
でも歌は、音楽以上に「言葉」なのだ。

作られる時だって、まず「詩」があり、それに作曲家がメロディーをつけるではないか!

こんな当たり前の所にたどり着くのに、子供まで産まなくちゃいけなかったとは!(苦笑)

「言葉」を伝えるために、メロディーがある。
伝える手段として、「音楽」を使っている!

どんなに急いで譜読みをしなくちゃいけなくても、これからは詩を熟知してから音楽へ結びつけよう。
そう心に誓う今日この頃の京である。