kirekoの末路

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文章修行家さんに40の短文描写お題

2009年01月05日 23時26分09秒 | 短編
てんかす君ところから引っ張ってきた@kirekoです。

>文章修行家さんに40の短文描写お題

http://cistus.blog4.fc2.com/

いわゆる創作お題系。
利用規約はアドレス貼り付けと、設問内容変更無しということ。
字数制限は全て65文字以内(少しはみだしてもOKらしい)。
その他制限は、モノローグや台詞よりも、具体的な描写重視?らしい。
この説明がまずよくわからんが、ようするにお題に沿って、読み手に想像させりゃ良いってことじゃないの?
まー、そんなものは読む人の判断によると思うが、描写重視をとると、65字で語るには難しいので、おそらく縛り内容はブチ破ると思う。
いくら修行だって、自分が出せなきゃ意味がない。
じゃ、やるかい。
(お題目のところに丁寧に行頭一字空けしてるのが、やや気になるが)


==========はじめ===========


 00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

 kirekoの末路。
 おもに物件始末業を営んでおります。

 01. 告白

 言い放ち、眼を閉じた男の期待は、脆くも彼女の一言に崩れた。
 思いやりと拒絶、蜜と毒が交じり合った空白の後、男は泣いた。

(58文字)

 02. 嘘

 ただ逃げて、逃げて、逃げて、逃げて。
 重なり、塗り固めてしまった多くの違う自分は、気付けば大事なものを失っていた。

(56文字)

 03. 卒業

 講堂に集まったものの、どれも青ざめた顔を浮かべる講師たち。
 卒業式に集まった生徒の手には、金属バットと火炎瓶が握られていた。

(61文字)

 04. 旅

 少し左に曲がったレールの上を走る鉄道の窓を見ると、そこには海岸線が見えていた。
 頬を過ぎる冬の乾いた海風と独特の匂いが、旅情への期待を煽る。

(70文字)

 05. 学ぶ

 A4の大学ノートと良く削られて先の尖った鉛筆が、机の上から音をたててこぼれた。
 誰かが言った。
 寝るということは、学ぶ事だと。

(60文字)

 06. 電車

 東京博多間を繋ぐ新幹線のグリーン車には、たまにおかしな客が乗ってくる。
 今日は、一升の米の入った五目釜飯を抱えた大柄の男が乗ってきた。
 ……もう九州場所のシーズンか。

(83文字)

 07. ペット

 服を着ている犬を見ると悲しくなる。
 しかも、飼い主より立派な服を着ているから、なお悲しい。

(44文字)

 08. 癖

 つまらない映画だと人は言う。
 だが、そんな映画こそ見てしまう癖が、僕にはある。
 なぜならそれは、快適な眠りを促すからだ。

(62文字)

 09. おとな

 唇にあたる熱い感触は、少女の体に大人を感じさせた。
 初めての味はレモンではなく、煙草と酒の匂いだった。

(52文字)

 10. 食事

 「食べるという事は、生きる事だ」
 父が新聞紙を抱えながら、母に耳をつままれて言った。

(43文字)

 11. 本

 ペンは剣よりも強い。
 分厚い和英辞書を頭にぶつけた僕は、そう思った。

(36文字)

 12. 夢

 象に追いかけられて、踏み潰される夢を見た。
 半ばうなされたまま目覚めると、掛け布団の下にある、自分の腰から腹にかけて重みを感じた。
 見れば、数十匹の猫が暖をとっていた。

(87文字)

 13. 女と女

 買物途中に出会った、それほど親しくもない隣人を相手にして、どうしてお喋りがとまらないのか。
 女同士とは不思議なものだ。

(61文字)

 14. 手紙

 送り名つきの不幸の手紙を貰った。
 珍しいと思ったので返信したら、不思議な文通が始まった。

(47文字)

 15. 信仰

 牧師が、今日も迷える子羊を相手に、信じる神への信仰を口にした。
 だが、牧師がこの世で本当に信じているのは、自分だけだ。

(66文字)

 16. 遊び

 ボーリングの楽しさとは、スコアを競い合う試合的な楽しさもあるが、実はストライクをとったり、ガーターをとったりした時の、周りの反応こそが醍醐味なのだ。

(77文字、文字かぞえんのめんどくさくなったので以下割愛)

 17. 初体験

 初体験というのは、非常に貴重な体験だ。
 生も死も、一度しか体験できないからこそ、貴重なのだ。

 18. 仕事

 プロ選手にインタビューをする機会があってので、不躾な質問とは思いつつ、どうすればプロになれるか聞いてみたところ、その答えは意外なものだった。
「仕事と思わないことですね」

 19. 化粧

 顔が浮いている。
 それまで化粧をしたことのない女が、白無垢と白粉で着飾って言った。
 
 20. 怒り

 青白い血管は浮き出て、眉は釣りあがり、いつもはつつましく閉じている唇は開け放たれ、白い歯がギチギチと音を立てて威嚇をしている。
 どうやら浮気がバレたようだ。

 21. 神秘

 神秘的な存在。
 逆を言えば、近づきがたいということだ。

 22. 噂

 伝言ゲームというのは、他者に伝えていくうちに、情報がだんだん変化してしまう事が多い。
 誰かの言った虚実を含む噂話もまた、同じではないだろうか。

 23. 彼と彼女

 彼は彼女の細身の体を抱きかかえながら、胸と腕と指……触れた全ての感覚器官に残るその温もりに、一つの幸せを噛み締めた。
 だが同時に、失う怖さを覚えてしまった。
 
 24. 悲しみ

 大人は我慢しているのではない。
 たとえ思っていたとしても、どこかで無駄な事だと、割り切ってしまっているのだ。

 25. 生

 科学的な消毒の匂いが蔓延する分娩室で、今日も医師たちの努力が実り、新たな命が誕生する。
 医師は言った、ここで交わされる全ての声は、生の息吹と同じだと。

 26. 死

 燻っては消える焼香の煙と、喪服の袖を泣き濡らす参列者の前に、百合の敷き詰められた棺桶が運ばれ、ついに安らかな死に顔が見えていた小窓が閉じた。
 例えば死が平等であったとしても、その悲しみは平等ではない。
 その時、気丈に振舞っていた喪主のから、薄らと涙がこぼれるのが見えた。

 27. 芝居

 しばらくの休憩時間を挟んで、若い頃と変わらない意気盛んな役者たちが、また舞台に踊り出る。
 現場復帰、再チャレンジとは、良く言ったものだ。

 28. 体

 これでもかと並べられた大きな器たちと、その上に乗る殺人的な量の料理。
 見れば見るほど体の中から、熱いものがこみ上げてくる。

 29. 感謝

 ありがとう、という言葉を口にするのは大して難しくない。
 その裏にある感謝の気持ちが伝わるかどうかが、難しいのだ。

 30. イベント

 すし詰め状態のままイベント会場に入ると、中は灼熱の砂漠か、鬱蒼としたジャングルか、とても普通とは思えない異様な熱気に包まれていた。
 数分後、人気歌手が躍り出てくると、そこは、阿鼻叫喚の地獄と化した。

 31. やわらかさ

 手の平に納まる、ふわりとした感覚。
 突けば少々の弾力が指の運動に反発して残り、グッと触ればやわらかく、官能的な感触とともに、甘い匂いが鼻をくすぐる。
 私は、蒸しパンが好きだ。

 32. 痛み

 歯医者が手馴れた手つきで患者の歯をドリルでこそぐ時、実際神経を通して感じる痛み以上のものがある。
 その要因は、口腔内に流れるあの摩擦音と、舌に薄らと感じる血と鉄の味だと私は思う。

 33. 好き

 一緒に歩く事も、手の平に触れる事も、腕を組んではにかむ事も、瞳を閉じて唇を重ねることも、互いに好きという感情の確認には、まだ足りない。

 34. 今昔(いまむかし)

 昔、募る想いをひた隠しに覗いていた美人が、今、同窓会を経て見る影もないというのは、淡い想いへの悲しい事実であり、伝えなくて良かったという打算的で嬉しい事実でもあるのではないだろうか。

 35. 渇き

 一昔前、砂漠で売られる水の価格は、同じ重さの金塊と同等だったという。
 人の渇きとは、物の価値を吊り上げる効果があることを、大きな金塊を手にしながら、水売りの男は知った。

 36. 浪漫

「皆と一緒にいたい」
 酒の席で、もし明日世界が終わるとして、その最期に何をするかという話をしていたとき、末席に座る、いつも目立たず、こういう席でも余り自分を出さない同僚が、そんな言葉を口にした。

 37. 季節

 春は桜、夏は海、秋は枯れ葉、冬は雪。
 はたして実際そうなのだろうかと言われると、疑問を持つところが多いが、とかくイメージというのは、恐ろしい物である。

 38. 別れ

 たった一つのすれ違いから、互いの心が徐々に見えなくなって、結果、涙目で僕の胸の中に沈む彼女が、涙で濡れた口調で一言、別れたい、と言った。
 その言葉を重みは、それまで固めていた僕の意志を崩壊させた。
 そして感情のまま、そんなの嫌だ、と答えた。

 39. 欲

「誰かの愛が欲しかった」
 地位と名声、この世の権力という権力を欲しいままにした老人が、広い病室のベッドの上で、誰にも看取られず最後を迎えようとした時、彼は叶えられなかった欲を静かに打ち明けた。

 40. 贈り物

 色彩豊かなリボンを体に巻きつけた女が頬を桃色に染めて照れながら、贈りものだ、と言って男の前に出た。
 男は、気持ちは嬉しいが解くのがめんどくせえ、と頭を掻きながら女を強く抱きしめた。


==========終わり============

>雑感

つかれた。
文字制限云々もあるけど、これおそらく修行にならないな。
だって、結局お題やってるのと同じ感覚なんだもの。
きれこ。

■明日からまた仕事WEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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