千住
ゆく春や鳥啼き魚の目は涙
過ぎ行く春をおしんで
人間ならぬ鳥までも啼き
魚の眼は涙でうるむ
これを旅の最初の句として出発したのだが
名残おしさになかなか足が前に進まない
道の途中には並んで
後ろ影が見えなくなるまで 見送っていて
くれる ようだった。
江戸の深川で日常見慣れた生き物に 離別の情を託す
私も悲しいが お前たちも悲しいであろう。
お互いに寂しくなるね
そんな 気持ちがくみとれる 句です。
春に別れ
慣れ親しんだ 深川の家も売り
旅立つ 芭蕉さん
色々の感慨をこの一句に読み込であるのです。