しばらくお休み すみません
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切岸の思案のとんぼ翔せけり
柴田由乃
此の句は、断崖の突端に止まっている蜻蛉を、飛ぶか飛ぶまいかと迷って「思案している」
と 据えたことで、句の世界に拡がりを持たせている。
断崖の上の思案といえば、たとえ蜻蛉と言えども飛ぶには勇気がいろう。
もし、蜻蛉の止まっている処に自身の身をおいて考えれば、もっといろいろなことが
浮かんでくる。
「思案の蜻蛉翔せけり」というからには、もしかしたら、優柔不断な人の
決断を思い切って促したとか、あるいは、不承不承なままに決断を促したとか
ということも考えることが出来る。
人生では、知らず知らずのうちに他人にいろいろな影響を与えてしまうこともある。
この句は、たった一語の「思案」という言葉によって、誰にもありがちな出来事を
想起させることで、句の世界に拡がりを創造しているのである。
今津大天「俳句の対話術」より
断崖絶壁に立たされたとき 空を飛べる蜻蛉まで 思案をする みている。
このように 優しい心を持ったとき 良い句が生まれるような気がする。
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卯の花に兼房見ゆる白毛かな
曾良
増尾十郎兼房は義経の最後を見届けた後 館に火をかけ 火中に身をとうじたという
曾良は目の前の卯の花に白髪をふりみだして 奮闘する兼房の幻をみている。
兼房を供養する 一句でしょう。
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モノクロの世となりゐたり秋出水
柴田由乃
平成十二年九月愛知県西部を襲った集中豪雨の句である。
テレビニュースで洪水の様子が映し出されていたが、カラー映像にもかかわらず、泥の海で灰色一色に見えた
水の引いた後も、道路や道路に詰まれた家具やゴミの山泥水に染まっていた。
そこを「モノクロ」と据えた作者の目を評価したい。
この句は最初に「モノクロの世となりゐたり」と語りだし、
読者は「モノクロの世」とは一体何のことだろうかと一瞬の戸惑いを感ずる。
この一瞬の間に、読み手の創造が一杯にひろがり、そして下五の「秋出水」の語によって、成る程と納得する
仕掛けになっているのである。
最初に読者に想像の余地を与える点が句の世界を拡げる力となった。
「モノクロ」てはなく「モノクロの世」と言ったことで、読者の世界観までもが、
此の句に動員されることとなったのである。
今津大天「句の対話術」より
モノクロの世 と述べたことで 洪水がどんなに悲しい財産を失うものであるかまで 想像させる句ですね。
読者に 想像の余地を 与え 共に悲しみを分かち合う 句とはすばらしいものです。
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奥州藤原氏が 三代にわたって 築いた 栄華も 一眠りする間の夢のように はかなく消えた
今は 戦場の後は 草むらと化している
杜甫の詩にある「国破けて山河あり 城春にして草青みたり」という句のとおりだと
笠をしいて 腰をおろし 時のたつのも忘れて 涙にくれた。
夏草や兵どもが夢の跡
芭蕉
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秋蝶死す托鉢僧の鉢の中
柴田由乃
「つちくれ」平成17年1月号
秋蝶は春の蝶と異なり、弱弱しさ、哀れさの代名詞だから、「秋蝶死す托鉢僧の鉢の中」と言っても違和感がないが、よりにもよってとんでもないところに飛び込んで死んだだという意外な印象も強い。
托鉢では鉢に入れて貰った物は全て食べるという規律がある しかし、蝶の混ぜご飯は想像するだに旨くない。
きっと 当の托鉢僧も吃驚しただろう。 しかし、それと同時に南阿弥陀仏と唱えたであろうことは想像に難くない。
おそらく彼は秋蝶の死に、自分の死を思い重ねたあろう。死とはこんなにもあっけないものなのか。
日頃から修業している身なのに、この身震は何だろう。
この句は、鉄鉢を持っていた托鉢僧の受けた衝撃度に焦点を当てると、単なる哀れさを詠っただけの句でないことが分かるだろう。
そうするとこの秋蝶が仏のように大きく見える。
俳句の対話術 今津大天 より 転作いたしました。
蜂 キリギリス 蝶 冬越しのできない 昆虫は死をもって 子孫に未来を託して 散ってゆきます
鉄鉢の中で 息絶えた蝶に 哀れをもって 向かう僧
彼は きっと ご飯を汚されたことより 仏になった蝶が よい所にいけることを望んだことでしょう。
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秋蝶死す托鉢僧の鉢の中
柴田由乃
「つちくれ」平成17年1月号
秋蝶は春の蝶と異なり、弱弱しさ、哀れさの代名詞だから、「秋蝶死す托鉢僧の鉢の中」と言っても違和感がないが、よりにもよってとんでもないところに飛び込んで死んだだという意外な印象も強い。
托鉢では鉢に入れて貰った物は全て食べるという規律がある しかし、蝶の混ぜご飯は想像するだに旨くない。
きっと 当の托鉢僧も吃驚しただろう。 しかし、それと同時に南阿弥陀仏と唱えたであろうことは想像に難くない。
おそらく彼は秋蝶の死に、自分の死を思い重ねたあろう。死とはこんなにもあっけないものなのか。
日頃から修業している身なのに、この身震は何だろう。
この句は、鉄鉢を持っていた托鉢僧の受けた衝撃度に焦点を当てると、単なる哀れさを詠っただけの句でないことが分かるだろう。
そうするとこの秋蝶が仏のように大きく見える。
俳句の対話術 今津大天 より 転作いたしました。
蜂 キリギリス 蝶 冬越しのできない 昆虫は死をもって 子孫に未来を託して 散ってゆきます
鉄鉢の中で 息絶えた蝶に 哀れをもって 向かう僧
彼は きっと ご飯を汚されたことより 仏になった蝶が よい所にいけることを望んだことでしょう。
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90歳になった 親戚の叔母さん
この間 疲労骨折しました。
その 骨折にきずかず 毎日お掃除に励んでいます。
つい先日も 自転車でお買い物
家族に ひどくおこられていました。
その 叔母が 鳥骨鶏の卵でできた プリンを残しておいてくれました
でも 忘れてかえったら
このとうり 残しておいてくれたの うれしいですね。
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プリン プリン でおいしかった。
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おまけは 綿の マフラー
ながくできていて これから 重宝しそうです。
洗濯してしまったので しわよってます、新品でしたよ。
九十の叔母の自転車青田風
鮎
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彼岸花 満開になりました。
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絨毯のようになった 彼岸花も素敵ですが 数本のものもいいですね。
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毎年の 彼岸花ですが 毎年 違う顔がみられて
幼い頃を 思い出される 花ですね。